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2018年「カネ余り」の終わりの幕開け。それでも日経平均は4万円を目指す=矢口新

リスク6:ロシア・ゲート

プロパガンダとは、大辞林第三版では、「特定の考えを押しつけるための宣伝。特に、政治的意図をもつ宣伝」と解説している。そして、これらは専ら国家権力の専売特許のようなものとされてきた。

ソーシャルメディアやインターネットが切り崩したものは、こうした「権力による情報の占有と、発信力の独占」だ。政府がプロパガンダの発信を独占できなくなったために、国民が自国政府以外のプロパガンダに触れられるようになり、どちらを信じるかを国民自身が判断できるようになったのだ。

2016年の大統領選では、ロシアによるプロパガンダがなければ、トランプ大統領の誕生はなかったとまで言われている。そして、トランプ大統領や側近自身が、ロシアとの不適切な関係を指摘されている。その関係は、モラー特別検察官により捜査中だ。

米国は大統領が代わると、官僚を含めた行政スタッフ全員が代わるので、連続性がなくなると言われている。ところが、対ロ戦略や対日政策を見る限り、米国の政治にはブレがなく終始一貫してきた。このことは、米国には大統領府を超える「力」が存在することを示唆している。米国の、いわゆるグランドプランを立てている勢力だ。前2回の世界大戦時では、ダウ構成企業の創業者などが「影のプランナー」だと言われている。

ところが、トランプ大統領は異質だ。(3)トランプ政権が導いた米国の孤立、(4)地政学的リスク(中近東と東アジア)で述べたことが真実に近いとすれば、トランプ大統領は米国の一貫した政策からはみ出している。同氏は「影のプランナー」たちの虎の尾を踏んだ可能性が高い。果たして、無事でいられるのだろうか?

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リスク7:選挙の季節(ロシア、イタリア、米国)

2018年3月にはロシア大統領が行われる。イタリア総選挙は2018年5月までに行われる予定。また、2018年11月には米国議会の中間選挙が行われる。

リスク8:住宅バブルの崩壊

世界的な空前の金融緩和による「カネ余り」は、随所でバブル的な住宅価格の高騰を生んだ。米国の主要都市では、家賃の急騰により、定職に就いていても給与に見合う賃貸住宅が見つからず、ホームレスとなるケースがあると報道されている。

また、世界の最も高額物件の市場のいくつかでは、記録的に多い売り物件のリストを有しながら、実際の販売はわずかで、富裕層向けのビジネスだけが活発だが、超富裕層だけに手が届く水準ではほとんど取引がなかったとされる。住宅価格が上がり過ぎているのだ。
※参考:The 10 Most Ridiculous Home Sales of 2017

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2018年に住宅バブルが崩壊すると見られているところは、オーストラリア、カナダ、中国、ノルウェー、スウェーデンといった国々だ。

Next: リスク9:米国内の貧富格差の拡大

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