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日本が認めたくない米朝会談の成功で、米国株は2019年半ばまでのバブルへ向かう=江守哲

最初の会談としては十分すぎる内容

さて、それはともかく、トランプ大統領と金委員長は、朝鮮半島の完全な非核化への取り組みと北朝鮮の体制保証などを明記した共同声明に署名しました。

共同声明によると、米朝両国は新たな関係の構築を確認しました。永続的で安定した朝鮮半島の平和体制構築へ共に努力することになりました。

一方、北朝鮮の核問題で「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」の文言はなく、具体策については両国の高官らによる継続協議となりました。焦点の1つだった朝鮮戦争の終結も言及されませんでした。

これらの問題の解決には、相当の時間と労力がかかるということです。それでも、前に大きく一歩踏み出しました。まさに歴史的一歩です。

トランプ大統領は署名式で声明について「とても重要で、包括的だ」と説明し、その上で「非核化のプロセスは極めて早く始まる」と明言しました。金委員長も、「歴史的会談後、新時代が始まり、世界は大きな変化を目撃するだろう」としました。ここまで金委員長は言っています。すごいことです。

一年前はお互いがいがみ合っていたのです。それがいまや握手をする関係です。

トランプ大統領はその後の記者会見で、「朝鮮戦争が間もなく終結するという希望を持っている」と表明し、北朝鮮の非核化については、「実現に長い時間がかかる」と指摘し、「経済制裁も当面継続する」としました。一方で、金委員長がミサイルエンジン試験場の破壊を約束したことも明らかにしました。

米韓合同軍事演習については、対話中の実施は「不適切だ」とし、当面は行わない考えを示しました。また、適切な時期に平壌を訪問し、金委員長をホワイトハウスに招くとしました。

ここまで進めば、最初の会談としては十分すぎるでしょう。

非核化のプロセスに入ったことが大きな成果

いずれにしても、想定通り、非核化に向けたプロセスに入りました。時間が掛かることはわかっていたことですので、驚きもありません。数年かかります。それを指摘するマスコミの無知さには驚きます。

今後は非核化の方式・期限などの具体策で合意できなければ、米国は北朝鮮を見限るだけです。すでに水面下で何度も交渉しています。

北朝鮮は卓袱台返しができないところにまで来てしまいました。後戻りはできません。今後は各国とも様々な打ち合わせを行います。早速ポンペオ国務長官は13・14日に韓国と中国を歴訪し、会談結果を日本、韓国、中国に説明しました。河野外相も韓国に飛びました。今後は関係国の打ち合わせの頻度と進度は、今後相当なペースになっていくでしょう。

もう後戻りできない北朝鮮

いずれにしても、北朝鮮は金委員長がここまで国際社会に出てきました。もう後戻りはできません。そのような勇気もないでしょう。

米国の真の強さを知れば、それに乗るのが得策であることを理解するはずです。逆に反抗すれば、力によってそれを理解させられるだけです。それは大変な代償になるでしょう。北朝鮮の国民もそれを望んでいないでしょう。

トランプ大統領の言うように、金委員長が本当に賢いのであれば、おかしなことにはならないはずです。また、トランプ政権は「有言実行政権」であることを忘れてはなりません。公約を着実に実現してきています。

トランプ大統領を過小評価して痛い目にあっている人が多いはずですが、いまだにマスコミも市場関係者も論調があまり変わりません。学習効果がないといえます。

もっとも、以前から解説しているように、すべての政策をトランプ大統領が決めているわけではありません。トランプ大統領の政策を評価するコメンテーターが少なくないのですが、これは間違えてはなりません。

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