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米株高を支えたGAFAが天井を迎え、ついにNY市場は終焉するのか=山崎和邦

PER100倍がNY市場を横行したハイテク株ブーム

先週週央はNY市場のハイテク株ブームの決算悪を受けて、東京市場でも半導体関連株が急落した。アップルは10月の高値から2割下落した。

「いざなぎ景気大相場」の末期に野村證券が“発明”したG・PER(Growth PER)という、実現するか否か判らない将来の収益まで織り込んで、将来の成長分までを算入したPER、これでもってPERは100倍などということが平気でNY市場に横行している。

これは、ニュートンも2万ポンド損した(★註1)という南海泡沫会社(South Sea Bubble)と同じ構図である。まだ発見されない金鉱脈がもし発見されればこうなる。さらに発見されればこうなる、次々と発見されればこうなるという架空の株価を欧州投機家が追究し、最後には勿論目が覚めて株価は当然暴落した。

P・F・ガルブレイスが「頭脳に極度の変調をもたらすような陶酔的熱病」(★註2)と定義した「ユーフォリア」とは、この時発生したし、その少し前1637年に大天井を付けて暴落したアムステルダムのチューリップ球根バブルもそれであった。

その後、人類の歴史にバブルは何回も発生したが決して同じ形では現れない。だから筆者は「お化けは同じ顔では出てこない」というのだ。これでニュートンは2万ポンド損した。2万ポンドという数字は、当時の造幣局局長の10年分の年収に相当したという。

(★註1):ニュートンは物理学者であり数学者であることで知られているが、実は高級官僚で造幣局の局長だった。「僕は天体の行方は計算したし、微分積分も発明したが、株価の行く末だけは判らなかった」と言ったという話しは有名である。ケインズが母校ケンブリッジ大学キングスカレッジの300年先輩のニュートンの遺稿を整理したがそこに出てくる言葉である。

(★註2):「バブルの物語」原題A short History of Financial Euphoria(ガルブレイス著、鈴木哲太郎訳、ダイヤモンド社,1991年刊)

Next: 10月からのNY市場の下落の背景を解説

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