シナリオ通りに実現した「米朝再会談」
さて、一般教書演説で触れられた、トランプ大統領と北朝鮮の金委員長との再会談が27・28日にベトナムで開催されることになりました。すでにこれは予想されていたことですので、まさにシナリオ通りです。
この問題は、膠着感を出すことがお互いのためになります。そのうえで、米国はトランプ大統領が自身の賞味期限切れとなる来年に入る前に、一番インパクトのあるタイミングで成果を上げたいと考えています。
一方、金委員長には期限がありません。独裁政権で、彼を止める人がいません。ですので、自由に交渉ができます。その意味では、金委員長は「表向きは」強気に出ることができます。
しかし、これもすべてシナリオに乗った話です。
金委員長は米国との会談前に、必ず中国に行きます。そこで、習近平国家の支援を取り付けることが通例になっています。
しかし、北朝鮮が本当にそのような支援を必要としているでしょうか。
このように投げかけられると、不安になりますね。そうでないとすれば、これまでの構図がすべておかしくなります。
中国だけが蚊帳の外?
日本と北朝鮮は裏ではくっついています。そして、拉致問題で怒りを爆発させており、米国に協力を求めるという構図にしています。
一方、北朝鮮はすでに朝鮮半島での政治の拠点になる確約を得ており、あとは今の体制をどのようにソフトランディングさせるかが、実務的な課題になっています。
一方の韓国は、最近は文大統領の不可思議な行動が疑念を生んでいますが、これも芝居です。
結局、中国だけが蚊帳の外です。中国はやはり考え方が違います。中に入ってくることはありません。だからこそ、米国が懲らしめているわけです。
それはともかく、このような背景から、時間稼ぎとどこまで物事を進めるかを入念に検討した上で、着々と進めていきます。
いまメディアに出ている話は、すべて「物語」の世界です。これをまともに信じていると、おかしなことになります。
以前にも解説しましたが、「なぜ日本の上空を北朝鮮のミサイルが通過したのに、戦争にならないのか」を考えれば、本当の世界が見えてくるでしょう。
すべてシナリオと演出の世界です。
しかし、そうではない部分もあります。それは中国関係の問題です。相容れないわけです。