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しまむら、客離れ加速で業績悪化。ユニクロを目指して主婦に嫌われる大失策=栫井駿介

ユニクロも最初からうまくいったわけではない

プライベートブランドによる失敗では、最近だとZOZOが浮かびます。「ZOZOスーツ」を無料配布し、オリジナルのオーダーシャツなどを開発しましたが、出店ブランドとの軋轢を生む結果となりました。

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ZOZOの場合は、自社の収益が出店ブランドに支えられているにもかかわらず、それらを裏切る行為を行ってしまったことが悪手と言えます。また、商品自体があまりうまく生産できていないという話もあります。

すなわち、小売企業がいきなり商品を作るのは簡単ではないのです。確かに設計をして中国やベトナムの工場に持ち込めばそれなりのものは作ってもらえるでしょう。しかし、高いクオリティを維持し、かつ顧客の心を捉える商品を作り続けるのは容易ではありません。

あのユニクロですら、フリースこそヒットしたものの、最初の頃の商品はちゃちでダサいものばかりでした。それが長い時間をかけてようやく洗練され、今ではようやくデザイン、クオリティともに最先端の水準にあります。「ローマは一日にして成らず」です。

ファーストリテイリング<9983> 月足(SBI証券提供)

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ユニクロを目指すのか、元のしまむらに戻るのか

気になるのが、しまむらの今後です。失敗を受けて挽回を図っていますが、まだその効果はあらわれていません。一度失った顧客を取り戻すのは容易ではないのです。

方向性としては、このままユニクロのようなSPAを目指すか、あるいはもとのしまむらに戻すかが考えられます。

しかし、すでにユニクロという強者がいる中で、真っ向から戦うのは現実的ではありません。ひとまずは、一刻も早くもとのしまむらに戻す必要があるでしょう。そのためには、顧客に真摯に向き合わなければなりません。

Next: どうすれば復活できる?強みを伸ばすことが長期的な成長につながる

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