三が日のお賽銭は「Suica」の独壇場?むしろ不利?
まず考えたいのは、あの大量の人出を捌く方法として、どんな決済ツールが適しているのかということです。数百万人の参拝者を集める寺社の境内は、まるで新宿駅の構内が突然出現したようなものです。
そんな状況に最も適したのが、Suicaのような交通系電子マネーでしょう。改札にタッチするだけで、わずか0.2秒で大量の情報を処理して改札を通過させてくれます。他のツールではこんなに早く処理できません。
しかし、現状の電子マネーには問題があります。それは、お賽銭の金額を決めるのは事業者であって、利用者には決める権利がないことです。
それぞれの事業者が設定した金額でしか支払えませんから、これが不便です。
ここをどう解決するのか?ということです。そのためには、現状の仕組み自体を変える必要が出てくるでしょう。
いよいよQRコードの出番か
それに比べると、QRコード決済の方が有利と言えるかもしれません。ペイペイや楽天ペイなどには、「スコアスキャン」と「ユーザースキャン」という2種類の方法があります。
スコアスキャンは事業者があらかじめ決めた金額で処理するのですが、ユーザースキャンはその都度利用者が利用金額を入力する仕組みになっています。
そういう意味では、お賽銭には非常に向いた支払い方法であり、ツールといえます。
ただし、仕組み的には合格なのですが、何百万人が一気に押し寄せる初詣の現場では、このやり方では、まだ捌き切れないでしょう。
QRコードの専用レーンを作ったとしても、うまくいかないと思います。問題は、やはりスマホ操作の難しさにあります。それは読み込みと金額入力の時間が限られてしまうからです。