fbpx

大企業か、ベンチャーか。就職でどちらを選ぶか迷う人が幸せになれないワケ=午堂登紀雄

選んだのは「ひとりで黙々とできる仕事」

卒業後はとりあえずフリーターを続けましたが、私のバイトを選ぶ基準は、「ひとりで黙々とできる仕事」「人間関係がまっさらな仕事」でした。前述のとおり、人見知りで引っ込み思案ゆえに、対人関係が苦手だったからです。

そのため選んだのは「ビル清掃」とか居酒屋の「新店オープニングスタッフ」でした。

前者はひとりで黙々とでき、後者はすでに出来上がった人間関係の中には入れないと思ったからです。

この頃すでに、自分の特性・傾向を踏まえた職業選択の素地ができてきたように思います。

そして、「せっかく時間があるから」という理由で車の免許を取りました。このとき選んだのは都心の教習所。

なぜかというと、都心の複雑で交通量の多い場所で鍛えられれば、他のどこでも運転っできるようになるだろうと思ったからです。

だから当時、郊外に住んでいた私の自宅近くの教習所は選択外。また、合宿免許も友人から「楽勝で卒業できる」と聞いていたので除外です。

車の運転は技術と慣れなので、ラクして免許を取る意味はないと思っていたからです。この頃からすでに、「道が複数あれば、困難な方を選べ」という昔の成功哲学を実践していたように思います(自画自賛・笑)。

挫折だらけの職業選択

とはいえ、さすがに就職しないとヤバいだろうという焦りが生じ始め、とりあえず会計士の勉強で通っていた専門学校主催の会計業界就職フェアに参加してみました。

いままで会計の勉強をしていたし、日商簿記検定1級は取得していたので、入り口として会計事務所がいいかなという単純な発想でした。

そこで数か所の会計事務所から「正式に面接に来ないか」と誘われ、2か所で迷いました。

1か所はいわゆる「ザ・会計事務所」という雰囲気の地味な事務所でしたが、所長は朗らかでアットホームな雰囲気でした」

もう1か所は、会計事務所という枠にとらわれず、コンサルティングなど先鋭的な仕事もどんどん拡大していくという野心的な事務所でした。スタッフの年齢も若く、勢いがあった。

ここで私は後者を選んだのですが、入社してすぐ計算ミスを繰り返すようになり、何度確認してもミスがなくならない。結局は早々と「使えねえヤツ」という評価を受けるようになってしまいました。

ミスをしては怒られ、終業後も居酒屋に呼び出されては説教の毎日。ストレスで朝が起きられなくなり、遅刻してさらに怒られる始末。私は生気を失い口数も少なくなり、ウツ寸前だったと思います。

そして1年後、またミスして所長と上司に呼び出され「どうするんだ!」と問い詰められ、「はい…辞めます」と力なく答えることしかできませんでした。

ただこれは、どちらを選んだとしても、同じ結果になったのだろうと思います。「1円を合わせるような細かい業務は向いてない」からです。

Next: 大企業か、ベンチャーか。コンビニ業界で選んだのは?

1 2 3 4 5
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー