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緊急事態宣言は人気店も軒並み潰す〜2か月の休業で年間利益がすべて溶ける=井戸実

優秀な外食企業も「休業」で窮地に

で、先月4月は緊急事態宣言が発せられ、多くの店が休業を致しました。早い会社では3月の上旬から休業しているところもあります。

これは自粛に従えば雇用調整助成金が支給されることを見込んでの休業でありますが、雇用調整助成金が果たしていつ受給されるのか、現時点では皆目見当がつきません。従って、キャッシュアウトは避けられません。

家賃について大家さんによっては減額に応じてくれる方もたくさんおりますので、もう少し下がるかもですが、そこは加味せずに参りましょう。

で、4月まるっとお店を閉めて、月商1億円の外食企業は家賃とその他経費の赤字で1,200万円。社員人件費で丸々1,400万円。合わせて2,600万円が赤字になる計算になります。

「月商1億円、年商12億円で、年間5,000万円の利益出れば立派だよ」という世界で、この1か月の休業で2,600万円を失ったわけです。

そしてこの度の緊急事態宣言の延長です。これで4月の状況と同じですから、2,600万円×2ヶ月です。5,200万円。

はい。「立派」な外食企業の年間利益が溶けたのが確定したのがわかりますよね?

売上「V字回復」などありえない

で、5月末はすでに確定ですが、6月からヨーイドンでコロナ前の100%に売上が戻ると思いますか?

絶好調吉田くらいのスーパーポジティブ経営者であれば、元気いっぱい200%!とか公言するかもしれませんが、常識的に考えて起こり得ません。居酒屋業態で、80%まで戻れば御の字と考えてる経営者がまともな肌感ではないでしょうか。

GWの最中に、安倍総理が緊急事態宣言の延長を5月いっぱいまでと発表しました。解除の根拠となる具体的な指数を公表することもなく、とにかくキリが良いからでしょうか。5月いっぱいまでと。

それを受け、大阪府の吉村知事が大阪では独自の解除基準を打ち出しました。パチンコ店の店名公表で、ドヤってた時はどうかと思いましたが、全国で先駆けて打ち出したこの施策はまともです。

それを受けてすぐに安倍総理も緊急事態宣言解除は状況に応じて前倒しになる可能性もあるという提言を出しました。情けない限りです。

Next: 「キリが良い」で企業の命綱をしごかれたら堪ったもんじゃありません――

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