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大塚家具、崖っぷちで家電販売拡大へ。連続赤字見通し・久美子氏続投で上場廃止の瀬戸際に

大塚家具は17日、新宿・横浜ほか全国7店舗で6月19日から家電の展示販売を始めるとホームページ上で発表した。

親会社である「ヤマダ電機」とのコラボにより実現したもので、大塚家具は家電の本格販売に乗り出した理由として、「消費者は住宅取得や結婚に際し、家具・インテリアと同額以上の家電を購入しています。また、こうした住宅取得や結婚を機にした家具・インテリアの購入は当社店舗売上の約3分の1を占めています。ヤマダ電機とのコラボレートにより当社で家電も取り扱うことで、ワンストップで家具と家電をトータルにお選びいただくことができるようになります」と伝えている。

大塚家具といえば、思い出されるのは2015年3月に勃発したお家騒動だろう。父親で会長(当時)の大塚勝久氏と、娘で社長の久美子氏が経営権を巡って激しく争い、連日ニュースやワイドショーを賑わせていたのは記憶に新しい。

お家騒動では娘の久美子氏に軍配が上がったが、その後の同社の業績は低迷を続け、2019年にはヤマダ電機が43億円の出資を行う形で買収・支援に乗り出している。ヤマダ電機による買収後も業績が回復しているように見えず、株価は下落する一方だ。

大塚家具<8186> 週足(SBI証券提供)

大塚家具<8186> 週足(SBI証券提供)

東京商工リサーチは、「大塚家具の2020年4月期は4期連続の営業赤字、営業キャッシュフローのマイナス見通しで、7月末の有価証券報告書を提出後、2年間の上場廃止猶予期間に入る見込みだ」と報じている。日本経済新聞も同社の連続赤字について触れ、「販売面などで即効性のある対策が限られる中、昨年12月に続いてヤマダ電機が再び支援するシナリオが浮上してきた」と伝えている。マネーボイスでも過去数回にわたって大塚家具の苦境を取り上げてきたが、いよいよ終幕が見えてきた状況と言えるだろう。

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親会社ヤマダ電機の業績に少しでも貢献できれば……という狙いが透けて見えるが、果たして「他社より1円でも安く」という激しい価格競争を続ける家電販売に参入して結果を残せるのか。ネット通販との競争も激化し、またコロナ禍でリアル店舗の客足も遠のくなか、大塚家具の新しい試みは前途多難だ。

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Source:大塚家具, 東京商工リサーチ, 日本経済新聞

image by:Rodrigo Reyes Marin / Shutterstock.com

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