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日本の医療崩壊は目前か。都市封鎖せずに善戦するスウェーデンから学べること=矢口新

日本でも医療崩壊が目前に迫っている?

ところが、日本でも医療崩壊が目前に迫っていることを強く示唆する記事を目にした。

「当初は感染症指定病院外のためコロナ患者の受け入れは行っていませんでした。もともと経営難が指摘されていましたから、上司からも「コロナ患者を受け入れると更なる経営の圧迫が見込まれるため、病院としては断固として断るつもり」と聞いていました。ところが感染が拡大し、都からの再三の要請を受けた結果、コロナ患者を受け入れることが決まりました」

出典:《コロナ医療体制は大丈夫か》東京女子医大で看護師400人が退職希望「ボーナスゼロ、給料減額では最前線で働けない」悲痛告白 – 文春オンライン(2020年7月9日配信)

そんな医療崩壊の危機と隣り合わせで激務をこなす看護師たちを待っていたのが、コロナを理由にした「減給」だった。

「私たちの病院では全看護師に特別手当や危険手当などは一切ありません。さらに、緊急事態宣言明けの6月に看護師の私たちに、上長から口頭で『一時帰休』が求められました。『月に必ず2日間とってください』と言われ、ほぼ強制的に一時帰休が6月のスケジュール表に組み込まれました。帰休中の賃金は60%に引き下げられた」

「一時帰休」とは、経営の悪化や業績低下に陥った際に会社側の指示で従業員を一時的に休ませること。東京女子医大の理事会は4月17日に職員に対して「一時帰休の実施」を通知。

理由として「教職員の方々の生命身体の安全の確保を図りつつ、また他方で支出を抑え法人財政の悪化を少しでも軽減する」ため、としている。

「給与が減る問題以上におかしいと思うのは、現場はコロナ対応で人手が足りないのに休まなくてはいけなかったこと。病院側は現場のことを考えているとは思えません」(Aさん)

そして、看護師らの苦境に追い打ちをかけたのは、例年6月に振り込まれるはずだった夏季ボーナスの全額カットだった。

出典:同上

コロナ禍と、封鎖・自粛禍により、日米欧の2020年の成長率はマイナスとなる見込みだ。各国政府は事業を止めた損失補填で巨額の財政支出を行っているが、それは事業継続化や生き延びるための資金で、前向きの成長には必ずしも繋がらない。

つまり、今後の低成長は避けらないとの見通しだ。

一方で、すべてを失ったとされるスウェーデンは、近隣諸国がいずれも経済封鎖したため、第1四半期こそマイナス成長だったが、通年ではプラスを維持できると見込まれている。そのことは、
医療崩壊を防ぐための原資を確保できていることを意味する。

医療崩壊を防ぐための原資が日本にあるか

日本は消費増税後の景気失速で税収見通しが引き下げられていた所に、コロナ禍と自粛禍が襲ったため、2019年度の税収は59兆円台と、前年度から1兆円余り減収となる見込みだ。

これで、日本の総税収は1990年度と、2018年度の2回だけが60兆円台に乗ったことになる。いずれも消費税がその後の税収減に繋がった。

【関連】日本の税収はもう60兆円を超えられない。税制改悪で経済復活しても財政危機まっしぐら=矢口新

そこに補正予算が31.9兆円上乗せされるので、歳出が130兆円を大きく超え、赤字幅が70数兆円にもなろうとする勢いだ。収入よりも借金の方が2割も大きくなる。

ここに7月9日には2.5兆円で米戦闘機を購入すると決めたので、政府はもうプライマリーバランスなどは歯牙にもかけないのだろう。

私は過去30年間の日本の経済政策には絶望しているので、こうしたことに驚きも怒りもない。いずれ何らかの形で、民間資金が没収されても驚かない。

Next: とはいえ、政府や都に切に願いたいことがある。医療崩壊を防ぐため、スウェ――

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