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いざ日経平均4万円へ!安倍辞任は株高の始まり、世界の終わりは宴の後で=矢口新

「自粛勧告」で経済壊滅

新型コロナウイルス・パンデミックへの対策として、スウェーデンを除く各国政府はロックダウンや経済活動の自粛を推し進めた。下図は米国の例だが、ロックダウンにより確実に起きたのは景気後退と失業者の増加で、感染者数が減った形跡はない。新型コロナウイルスは無症状でも感染を広げるなど、厄介な疫病には違いないが、短期間の封鎖で拡大が防げるとは、あまりにもパニック的で、短絡的な対策だった。

これは日本なども基本的には同様だ。だからこそ、感染者数が拡大し続けている国々でも、ほとんどの政府は二度とロックダウンや自粛勧告は行わないとしている。どこの政府も謝罪こそしていないが、実際に効果が見えない対策によって企業経営や家計を苦境に追いやったからだ。

ロックダウン後の失業者数と感染者数の推移 出典:NYタイムズ

ロックダウン後の失業者数と感染者数の推移 出典:NYタイムズ

結果的に、各国政府は自らの政策ミスによる損失補填を行っている。

膨れ上がる公的債務。最も余裕がないのは日本

GDP比では米国、日本、ドイツ、オーストラリア、カナダの順に、大量の財政資金を投入している。ここでの問題は、ほとんどの国がもともと財政赤字なので公的債務が膨れ上がっていることだ。

世界の公的債務は先進国、新興市場国問わず過去最大となった。現在、先進国の政策金利で最も高いのは0.25%なので、各国ともに利下げの余地はなかったのだが、これらの国々は過去最大の借金を過去最低の金利でできたことになる。

しかし、これは将来の大きな懸念となりかねない。超低金利とは、債券では超高値を意味するからだ。購入者はこれ以上値上がりしようのない超高値で大量の債券を保有していることになる。

日本も同様で、90兆円を超える国債を発行し、コロナ禍対策によって経済活動を止めた損失補填の財源に充てた。下図のお茶目なワニは財務省のホームページにあるもので、これまでは財政赤字の拡大をあんぐりと開けた口で象徴していた。ところが、直近の財政赤字の急増はもはやワニの口には収まらず、上顎が外れた状態となっている。よく見れば、ワニは赤い血の涙を浮かべているようだ。

日本の財政状態 出典:財務省

日本の財政状態 出典:財務省

世界で2番目に多いコロナ対策費を使っている日本政府だが、実は最も余裕がないのが日本なのだ。これも財務省のホームページにある図なのだが、日本の公的債務のGDP比での大きさは2017年の数値で、調査113国中1番目の大きさだからだ。GDPは世界3位の大きさなので、絶対額でも1位の米国に迫る堂々の2位となる。

下図のグラフの深刻なところは、これをトラックレースに例えると、ドイツが先頭集団から抜け出し、イタリアが集団から遅れているところに、日本は周回遅れとなっていることだ。最後に1人でゴールまで完走できても、誰も拍手などしてくれないだろう。

世界における日本の債務残高の順位と、主要国の推移 出典:財務省

世界における日本の債務残高の順位と、主要国の推移 出典:財務省

日本の公的債務の大きさは財政赤字の穴埋めに使われたものだ。

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