今回のまとめ
<1>金融緩和はもう限界!「ヘリコプターマネー」に注目が集まる
最近になって、Googleで「ヘリコプターマネー」というキーワードが多数、検索されるようになった。ここのところ「日本政府がヘリコプターマネー政策を検討している」との報道が多いのは、現在の日銀の金融緩和政策が限界に達しつつあることの表れである。
<2>2018年4月には、日銀の異次元緩和は限界に達する
国債残高1031兆円のうち、日銀が503兆円(市場全体の51%)を保有する見込みとなっている。
<3>「無利子永久債」を導入すれば、日銀は債務超過におちいる
ヘリコプターマネーには、大きく分けて「政府紙幣型」と「日銀債務引き受け型」の2種類が存在するが、本稿で検証した「日銀債務引き受け型」では、日銀が債務超過に陥ってしまう。「無利子永久債」を導入したとしても、バランスシート上の損失は免れない。
ちなみに国語事典『大辞泉』の「ヘリコプターマネー」の項では、「補説」として、以下のように中央銀行の債務超過問題を指摘している。
[補説]中央銀行は通常、市場に資金を供給する際、対価として民間金融機関が保有する国債や手形などの資産を買い入れる(買いオペレーション)。ヘリコプターマネーの場合、そうした対価を取らずに貨幣を発行するため、中央銀行のバランスシートは債務だけが増え、それに見合う資産は計上されず、債務超過の状態になる。その結果、中央銀行や貨幣に対する信認が損なわれる可能性があるため、平時には行われない。
リフレーションを加速させようとしている経済学者や評論家は、国語辞典にすら書いている常識をなぜか無視している。
いまや我が国の財政問題は、「ヘリコプターマネー」政策という俗論に頼らざるを得ないほど、深刻な状況になっていると認識すべきである。
『ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資~雪ダルマ式に資産が増える52の教え~』(2016年7月17日号)より抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による
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