狙いは「政敵の封じ込め」
結論を言えば、現国王、皇太子が狙っているのは前国王Abdullah国王の子孫が保有する資産なのだ。
前国王の王子たちは、現国王・皇太子の政敵なのだ。その影響力を削ぐには、資産をゼロにすることなのだ。
その中でもTurki王子は、2015年に首都リヤド知事の座から追われていた。Mutaib王子も2017年11月に国家防衛隊のトップから追放されている。
この2人を含め、前国王の皇太子たちはリッツ・カールトンホテル監獄に拘束されていた。
前国王の知人によると、前国王は百億ドル単位の資産をAbdullah財団に残している。その資金で数多くの経済プロジェクトに投資をし、王子たちの個人的なお小遣い的資金源にもなっていたのだ。
2015年、前国王死去後にこの財団は、遺族となった30人以上の子供たちに遺産の分配をしており、その金額は息子たちには340M$、娘たちには200M$を残している。
今回の弾圧・釈放身代金の取引に携わった関係者によると、現皇太子は、財団の資金は不法取得した資金であり、それは国家が取り戻すべきものだと考えているのだ。もちろん前国王の子供たちは、父親からの遺産であると考えているのだ。
財団の理事長はTurki王子で、側近のal-Qahtani隊長は拘束中に死亡している。そしてTurki王子は、今でも拘束されており、兄弟姉妹家族のほとんどは海外渡航禁止となっている。一部の家族は、ロンドン等の海外に居住しており、母国へ戻ることを怖れている。
本稿トップの写真は殺害されたal-Qahtani隊長である。今後も報道に注目したい。
※本記事は、『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』2018年3月23日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
<初月無料購読ですぐ読める! 3月配信済みバックナンバー>
※いま初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。
・ゴールド生産量のピークは?(3/28)
・【米経済】売上は伸びているが、再び解雇(3/27)
・貴方の飲み水、大丈夫?(3/26)
・犠牲となって死ぬのは部下(サウジアラビアの宮廷革命劇)(3/23)
・米国新車販売/ゴールド:預けておくのは心配だから(3/22)
・金貨を正貨に!法成立:アラバマ州(3/20)
・コンピュータ・プログラムによる電光石火瞬間取引のその瞬間(3/19)
・金貨を正貨に/増えるクレジットカード債務残高(3/16)
・売上の下落を食い止めるには、他の市場に殴りこみ(3/15)
・米銀行の資産総額は増える一方だが…(3/14)
・ゴールド:供給不足で御免なさい/情報漏洩の状況証拠(3/13)
・フォード、モデルチェンジの為の一時解雇と言うものの(3/12)
・原油、サウジアラビアの希望は70ドル/シェール油田のボトルネックは砂粒(3/9)
・米国新車販売2018年2月/英国トイザらスも会社整理に入った(3/8)
・コストダウンする為に正規労働者を切ってアルバイト雇用にする(3/7)
・デパートは貧困化時代の世相に合わない/清涼飲料大手の首切り(3/6)
・プエトリコを潰したのは英国銀行協会/ロンドン銀行間取引の金利が上昇(3/5)
・中国、恐怖心理指数を見たくない/米外食大手、120店を閉鎖(3/2)
・ドイツ銀行が500人の首切り/2018年貴金属価格予想(3/1)
<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>
※3月分すべて無料の定期購読手続きを完了後、各月バックナンバーをお求めください。
・ロシア、金準備の積み増し/いつかは来る債務危機(2/28)
・ビットコインは失敗作/ヘッジファンドが大規模な債券売り(2/27)
・リアルマネーは非課税のはず/カザフスタンの金準備(2/26)
・増えるばかりの米国家計の借金/リバース・モーゲージ契約の伸びが示すもの(2/23)
・エネルギー探査開発需要が減っている/豪州、金貨・銀貨の種類を新たに増やす(2/22)
・大企業だから安全だとは言えない/まだまだ続く解雇の嵐(2/21)
・暗号通貨はネズミ講/2018年2月7日の週の資金流出(2/20)
・何を信じているのだろうか/人民元建て原油先物取引の取引開始日(2/19)
・米国造幣局、金貨及び銀貨の1月生産実績/中国の需要と供給(2/16)
・Wal Mart社が本社部門をリストラ/冬季五輪の背後で訓練を続けている部隊(2/15)
・何をもって好況と主張するの?/大手家庭用品メーカーの製造拠点集約と首切り(2/14)
・野村證券のデリバティブ商品、ほぼ価値ゼロに/麻薬中毒者は雇えない(2/13)
・【号外】米国株式市場の大暴落(2/12)
・大手生保の計算ミスは大規模/ロンドン不動産の惨敗(2/9)
・フォード社の格付け?/米国新車販売2018年1月(2/8)
・Perth造幣局、ブロックチェーン技術を応用して./孫会社の保険会社の大損失で本体がバラバラに(2/7)
・トイザラスの年末商戦結果は悪く、未来も暗い/外食チェーンも気にする中間層の消失(2/6)
・生活必需品の食品も需要が後退/米国を代表するツーリング用大型バイクが売れないのは何故?(2/5)
・中国基準が世界基準に? そしてブロックチェーン技術の応用/Perth造幣局(2/2)
・米ドルの弱体化と金価格(2/1)
※太字はMONEY VOICE編集部による