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55歳以上だけ逃げ切れる?世代別「老後2000万円問題」のダメージと対処法=俣野成敏

【たくさん稼ぐことが幸せに直結するとは限らない】

さて。「資金を準備する」と言うと、どうしても「もっとお金を稼ごう」という短絡的な発想に陥りがちの人が多いような気がします。

人生にお金が必要なのは事実ですが、仮に「たくさんお金を儲けさえすれば、万事が上手くいく」というのであれば、宝くじに当たった人は、みんな満ち足りた人生を送っているはずです。

実は、宝くじで高額当選した人に対して渡される『【その日】から読む本』という冊子があります。これは突然、降って湧いた大金で身を持ち崩さないよう、生活していく上での注意点を述べたものです。

この冊子が配られていること自体、お金が人生の問題すべてを解決してくれるわけではないことを物語っているのではないでしょうか。

お金について書かれた名著は数多くありますが、その中に『となりの億万長者〜成功を生む7つの法則』(トマス・J・スタンリー他著、1997年、早川書房)というベストセラーがあります。

この本の内容を一言で言うと、「億万長者とは、高級住宅街に住み、贅沢三昧をしている人のことではない。質素な生活をしながら、ひっそりと、あなたのとなりに住んでいる」ということを、豊富な実例とともに述べたものです。

<蓄財劣等生・フレンド氏の事例>

ベストセラー作家の橘玲(たちばなあきら)氏が若かりし頃、将来について思い悩んでいた時に、「この本を読んで衝撃を受けた」と話しています。

この本の中に、蓄財劣等生・フレンド氏の事例が出てきます。要約してお伝えすると、以下のような話です。

フレンド氏は、トップセールスマン。ブルーカラーの家庭に育ち、大学を出ていません。彼は成功への渇望と富への憧れから、必死に働いて、セールスの技能に磨きをかけてきました。

フレンド氏の年収は、2,000万円を優に超えています。そのお金で豪邸に住み、ボート2艘、高級車6台、リゾートマンション等を所有し、身につけているものもすべて高級品です。当然、貯金はありません

実は、フレンド氏が「貧しい家庭の出身」と言っても、決してひもじい思いをしたわけではありませんでした。実家にはいつも食べ物があふれ、冷蔵庫はギュウギュウ、朝からご馳走を食べていた、と言います。

彼の両親は、買い物が大好きでした。ディスカウントストアに行っては、何時間もそこで品物を物色していたそうです。

つまり、彼の実家は本当にお金がなかったわけではなく、両親の浪費グセのために貧しかったのです。

実際、お金を貯められない人のパターンは、かなりハッキリしています。主なものを挙げてみると、次項の通りです。

Next: 身の丈以上の贅沢してない?お金が貯まらない人の特徴

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