プライバシーの考え方
もともと中国にはプライバシーという概念がないようです。
中国では「プライバシーか便利かどちらかを選べ」と言われたら、迷わず100%「便利を選ぶ」と答える人が圧倒的に多いそうです。
「ボタン1つですべてができれば良いじゃない…」。それが中国のIT技術躍進を支えているのですかね。
でも、IT社会が成熟していくことは、まさにプライバシーという概念がなくなることにもなります。それはなにも中国がどうのという話ではなく、今でも日本は大量の米国製品を使っていて、それはイコール米国に大量に情報が抜かれているということにも繋がります。
すでに日本は、米国に情報管理されているということを理解しなければなりません。米国国内では、国民のプライバシーは国家に管理されていると言えますからね。
日本では「情報統制」という言葉に不幸な歴史が重なり、国家による個人の権利が著しく制限されることにアレルギーを感じているところは否めません。
今の行政を見れば、あるいは政権のあり方を見れば、とても個人情報をゆだねる気にはならないのも理解はできます。
景気とプライバシー意識
景気が良いから、すべてに鈍感になっているとも言えます。
中国の国是は「高成長率」です。景気が良いことで、他のすべてに眼を瞑れるわけで、ひとたび景気が悪くなれば、大きなハレーションが起こることになりかねません。
まさに「薄氷の上の安全・安心」なのです。それは日本も香港も同じ、そして中国も同じなのです。
日本は景気が良いから政権交代を望まず、現状維持を良しとするわけで、そのために政府はなんとしてでも景気は良い状態を保ちたい、あるいは景気は良いと印象づけたいのです。
中国はデータを改ざんしてまでも景気を良く見せると言われていますが、もはや日本もその点は同じですね。
景気とプライバシーの関係は、切っても切れないものだと考えられます。景気の良さですべてを封じ込む、景気の良さでごまかすとも言えます。デメリットを見えなくするのですね。
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