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トランプ、実は戦争回避に全力。中国・北朝鮮・イランとの衝突はすべてシナリオ通り=江守哲

世界を揺さぶる「演出」? 北朝鮮情勢に変化の兆し

さて、北朝鮮情勢にも変化がみられる兆候があります。

中国の王毅(おうき)国務委員兼外相は米国に対し、非核化協議の再開に向けて北朝鮮が示した善意に応え、より対話の実現につながるようなアプローチを採用するよう呼び掛けています。

米国は対北朝鮮の交渉に中国が関与することを歓迎していません。むしろ、北朝鮮には「中国とはかかわらないほうが良い」と進言している可能性さえあります。米中通商協議などを見れば、いまの米国の対中政策がいかに本腰を入れたものであるかがわかるでしょう。

一方の北朝鮮は、崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官が、今月下旬に米国との非核化協議を再開する意向があると表明するとしています。ただし、米政府が新たなアプローチを提示しない限り、協議は再び物別れに終わるとけん制しています。さらに、この発言の数時間後に短距離飛翔体を発射しています。

まだまだ国際情勢を揺さぶっているとの演出を続けています。無駄な資金は使わないほうが良いと思いますが、資金での出先は別のところにあるのでしょう。はっきりとは申し上げられませんが。

中国が邪魔で邪魔で仕方がない米国

とにかく、米国は中国が邪魔ですので、今後はさらに排除の方向に動くでしょう。トランプ流の「1対1」の交渉が基本です。横やりは入りません。

これは、安倍首相が米イランの間を取り持つ取って、勇んでイランに行った際に、米国の民間の船舶への砲撃ですべてが台無しになったことからもわかるでしょう。

要は、「いらないことをするな!」ということです。中国に対しても、あまりに出しゃばれば、別の制裁を加えてくるでしょう。

アメリカは北朝鮮問題を放置したい

さて、トランプ大統領は、北朝鮮高官が非核化に関する米朝協議を9月下旬に再開する用意があるとしたことについて、「会合を開くことは良いことだ」とし、再開に前向きな姿勢を見せています。

ただし、米朝は非核化の進め方について対立しており、交渉を再開できるかどうかは不透明な情勢です。また、準備期間も短く、いまのところ間に合わない見通しです。

もっとも、この問題をいま片付ける必要は全くありません。大統領選の際に、手柄にできればよいだけですので、来年に入ってからが本番でしょう。選挙戦と同時に行わなければなりませんので、トランプ大統領はかなり忙しくなりそうですが、おそらくやり切るでしょう。

北朝鮮側も様々な手を出してくるでしょうが、これらはすべてシナリオに乗った話です。茶番とまでは言いませんが、将来が決まっている中で、どのように持っていくかを話し合うだけですので、最終的には日本も加わってくる話です。

しかし、いまそれをやれば、世界は驚くだけですし、話が見えてしまいます。したがって、まだまだ手順を踏むことになるでしょう。

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