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不動産は株価から2年遅れて下落する…日本の土地がピークアウトするのは2022年頃=吉田繁治

東京圏の収益物件の価格は、約2倍に上がっている

以上のような税務的な事情から、今も金融収益が目的の「収益物件」の価格は、居住用住宅より上がり続けています。2019年も下落はしていません(統計データは約1年遅れです:データ:健美屋)。

地区  12年の価格  19年4-6月  指数
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23区    1200     2242   186
一都三県  1000     1956   196
横浜市    750     1204   160
埼玉     600     1140   190
千葉     600     1017   170
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※参考:「 収益物件 市場動向 年間レポート 2018 」< 2018年1月~12月期 >-健美家

東京圏(1都3県)では2012年に対し、19年の収益物件(賃貸用)は指数で196、約2倍に上がっています。最近の7年、毎年10%上がって、2019年には2倍です。東京圏だけが、高い上昇を続けています。

2013年4月からの異次元緩和とゼロ金利のインフレ効果は、東京圏の収益マンションに発現したのです。

3年で地価が30%以上上がった金沢も、あと4年続くと東京圏の収益マンションと同じ上昇率の2倍になりますが…どうでしょうか。北陸新幹線の大阪との開通(経済効果試算4.3兆円)は2030年がメドですが、公式には未定です。

大阪から金沢に、特急サンバーバードで行っても2.5時間で、東京に行く時間と同じです。それに、ローカル線のように揺れます。これが、1時間20分に短縮。名古屋より少し(20分)遠い感じです。

東京23区の居住用を含むマンションの1平米単価は、2007年が85.6万円(坪282万円)、2018年は113.8万円(375万円)が平均であり、32%のアップです。1年では3%上昇です。これは、住宅ローンの低金利効果だけと見ることができるでしょう。

建築単価アップの要因としては、2011年の東日本大震災後の建築特需から、工事単価が20万円/平米(2011年)から26万円/平米(2016年)と30%上がった要因が大きかった。

住宅需要の増加で上がったのではなく、作業員不足からの建築単価のアップで、販売価格が上がりました。一方では、住宅ローンの金利2.0%や1.5%から0.5%に下がったため、上がった30%部分の負担感の増加が少なく、住まい用物件も買われてきたのです。

東京の新築マンション(12.1万戸)の平均面積は、58.8平米と狭い。2LDKがやっとという広さです。ロンドンや香港のように、狭い。平均価格は6,068万円。世帯年収の7倍が、ローンを組んで生活ができる限度でしょうが、世帯年収で、6,068万円÷7=867万円が下限になります。

概略では、30代の夫婦でほぼ1,000万円の年収がないと、2,000万円くらいの頭金を父母から貰わない限り、子供ができ、生活の余裕をもった6,068万円のマンションは購入できない。

平均は6,000万円でも、渋谷区では同じ60平米くらいで1億円を超えます。文京区、目黒区、世田谷区で6,500万円、墨田区、板橋区、足立区、大田区では4,000万円~5,000万円です。

東京都の世帯の所得分布は、700万円以下が76.6%、700万円から1,000万円未満が12.9%、1,000万円から1,500万円未満が7.1%、1,500万円以上が3.0%です。

住民のうち、世帯所得で上位10%の階層が買えるのが東京のマンション価格でしょう。
※参考:予測される東京の将来の姿(案)-東京都総務局

Next: この先、東京の不動産価格はどうなっていくのか

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