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楽天「送料無料」騒動で客離れ加速。なぜAmazonやYahoo!と差がついたのか?=栫井駿介

わかりにくいのは送料だけか?

一連の騒動には、楽天のビジネスモデルの特徴と問題点がよく表れています。

ネットショッピングをするために商品を検索すると、楽天市場が検索結果の上位に表示されます。クリックすると、楽天市場への入場です。

サイトに入ってまず思うのは「ごちゃごちゃしていて、わかりにくいサイトだな」ということです。どこから注文して良いのかわからず、気がついたら別の商品にたどり着いてしまったりします。

同じ商品でもどれが最安値なのかもわからず、さまようことになります。仕方なく最安値は諦めて、店舗のレビューから間違いのないところを探そうとしていると、いつの間にか日が暮れてしまいます。

そうまでしてようやく決断し、最後のクリックを押す時にはダイレクトメールのチェックを外すのを忘れてしまいます。気がつけば大量のメールが受信ボックスを埋め尽くし、1つ1つ「配信解除」を行う羽目になるのです。

このように、楽天の最大の弱点が「ユーザービリティ」であることは間違いないでしょう。一目で最安値がわかり、ワンクリックで買い物ができてしまうAmazonとは雲泥の差です。

送料無料は「支払総額をわかりやすくするため」とのことですが、わかりにくいのは支払総額だけでしょうか。サイトの作り全体がそのわかりにくさを際立たせていると感じるのは私だけではないはずです。

ポイントは実によくできた「撒き餌」

それでも多くの人が楽天で買い物をします。最大の理由は「ポイントが付くから」です。購入金額の数%ものポイントが還元されます。

楽天スーパーポイントは、楽天のサービスを利用すればするほど付与率が上昇します。楽天銀行で口座を開き、楽天カードで買い物をして、スマホの契約も楽天モバイルにすれば、付与率は何倍にも上昇します。

何を隠そう、私自身がポイント中毒者になっています。楽天モバイル、楽天銀行(住宅ローン)、楽天証券、楽天トラベルと楽天のサービスに依存しきりです。これだけやっていると、気がついたら何千ポイントも貯まっていることが珍しくありません。

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ポイントという「撒き餌」効果もあり、クレジットカードや銀行、証券などの楽天の金融事業は輝かしい業績を挙げています。

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いまや、楽天の営業利益の半分は金融事業から生まれているのです。

Next: 金融事業で儲かっても「楽天市場」は重要? 楽天がハマった落とし穴

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