fbpx

中国はどうやって新型コロナを抑えた?日本では報道されないアリババほかIT企業の底力=牧野武文

日本では報道されない中国の底力

また、すぐにテック企業が次々と寄付金を拠出することを表明しました。

アリババの10億元を筆頭に、主だったテック企業、そしてその他の企業350社が120億元(約1850億円)を超える寄付を行っています。現在でも、追加の寄付があり、まだまだ増えている最中です。

テック企業の寄付の仕方で興味深いのは、ただ寄付金を武漢市や感染地に送るのではなく、どのような使われ方をするのかを限定したお金の出し方をしていることです。

例えば、アリババは「医療物資供給基金」として、テンセントは「新型コロナ予防対策基金」として、百度は「公共衛生安全対策基金」として、京東は寄付金ではなく、「100万枚の医療用マスクと6万個の医療物資」を寄付しました。

用途を限定した寄付をするだけでなく、各テック企業は自社の強みを活かして、オペレーションも実行します。

アリババの「医療物資供給基金」10億元というのは、ただお金を出すだけでなく、自分たちで物資を購入し、必要な場所に届けることまでやるということです。京東の「100万枚の医療用マスク」も、どこかの宅配業者に委託をして終わりではなく、自分たちの手で武漢市まで届け、必要な医療機関への配送までやるということです。

武漢市のようなホットエリアでは、あらゆる対策が混乱状態になっていることは想像に難くありません。そこにお金だけを送ってもほとんど意味はないのです。足りていないのは、お金ではなく、物と人と知恵なのです。

もちろん、各テック企業が自分たちが正しいと思うことをそれぞれに行えば、かえって混乱することもあるかもしれません。しかし、それはやりながら調整をしていけばいい。中規模企業では、自分たちでオペレーションまでするのは厳しいので、巨大テック企業が設立した基金に、乗っかって寄付をし、さらに人や知恵を投じるようになっています。

こうして、次第に各テック企業の基金が整理されていき、オペレーションも調整されていき、無駄や混乱が排除されていくようになります。

続きはご購読ください。初月無料です

アリババの先端技術研究機関「ダモ・アカデミー」が肺炎治療に貢献できたワケ

混乱を最小限に。テンセントほかニュースサイトが最新データを共有・公開

生鮮ECの利用者3倍増で感染予防を強力にアシスト。コロナ収束後も定着していく

労働者の生活を守る「シェアリングスタッフ」という新しい仕組み

新型コロナで中国社会はさらに強くなる

<連載>アリババ物語

※これらの項目は有料メルマガ購読者限定コンテンツです→いますぐ初月無料購読!

こちらもおすすめ!牧野武文氏の人気記事

アリババ創業者ジャック・マーの知られざる半生と成功のルーツ(1) いじめ、ケンカ、恋の果てに
Amazonや楽天も潰される?中国第2位のECに急浮上「拼多多」とは何者か
いつ日本のスマホ決済は中国に追いつくのか?アリペイに学ぶ「爆発的普及」の条件

<初月無料購読ですぐ読める! 3月配信済みバックナンバー>

※2020年3月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。

2020年3月配信分
  • vol.010 中国テック企業は、新型コロナとどう戦っているか(3/9)
  • vol.009 潜在顧客を掘り起こし、リピーターを育成するモバイルオーダー(3/2)

いますぐ初月無料購読!

image by:Gil Corzo / Shutterstock.com

※本記事は有料メルマガ『知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード』2020年3月8日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>

※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込550円)。

2020年2月配信分
  • vol.008 新小売戦略の要となったフードデリバリー「外売」(2/24)
  • vol.007 ミニプログラム活用で新規顧客を獲得する店舗小売(2/17)
  • vol.006 中国のEVシフトは成功なのか。それとも失敗なのか?(2/10)
  • vol.005 第2位のECに浮上した拼多多とは何ものか?(2/3)

2020年2月のバックナンバーを購入する

2020年1月配信分
  • vol.004 ファーウェイと創業者、任正非(1/27)
  • vol.003 シェアリング自転車は投資バブルだったのか(1/20)
  • vol.002 アリペイとWeChatペイはなぜ普及をしたのか(1/13)
  • vol.001 生鮮ECの背後にある前置倉と店倉合一の発想(1/6)

2020年1月のバックナンバーを購入する

1 2 3

知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード』(2020年3月9日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中

知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード

[月額550円(税込) 毎週 月曜日 発行予定]
急速に発展する中国のITについて、企業、人物、現象、テクノロジーなど、毎回1つのテーマを取り上げ、深掘りをして解説をします。

いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー