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米国株にピークの兆し。著名投資家とファンドが逃げ出し、大衆がトレードを始めた=江守哲

市場の後付けの解説は不要

機関投資家やファンドマネージャーは株式から資金を流出させている。

買っているのは、先物のショート筋と一部の個人投資家であろうか。先週末には久しぶりの弱気サインが点灯し、これで下げ基調に入るかと思われたが、そう簡単には下げさせないということであろう。

このように、いろいろ考えても、市場はその通りにはならない。市場の動きに対応し、間違っていればやり直す。その作業を淡々と繰り返すだけである。

この作業を繰り返す中で、トレンドが出てくれば、それに乗り続ければよい。そうすれば、年に数回訪れるトレンド相場で収益を十分に確保することができるだろう。

ただし、収益を上げるには条件がある。それは、作業を繰り返すことをさぼらないことである。また、自身で勝手な判断をしないことである。自分の判断を市場が受け入れてくれることはほとんどないだろう。

そうであれば、自分が市場に合わせるしかない。相場では、理論が正しい者が生き残るのではなく、市場に順応に対応できる者が生き残り、収益を上げられるのである。頭で理解していても、身体を順応させなければ意味がない。

米中古住宅販売仮契約指数の内容が良かったからという理由で株価が戻したなどの解説がされているが、それはあくまで「株価が上げた材料を探した結果」であり、市場参加者が実際に何を考えて買い戻したのかがわからなければ、材料で判断する意味がない。

つまり、材料で株価予想や投資判断することはまったく意味がないということである。より明確に言えば、「再現性がない」ということである。

また、材料という意味では、この日の債券利回りの低下は懸念材料になるべきであろう。しかし、市場はこれをあまり材料視していない。FRBが社債の直接買い入れを始めたことが利回り低下の背景にあるのだろうが、それを好材料として扱っているようである。

この判断も難しいところであり、いかに市場の解説が後付けであるかがわかるだろう。

コロナウイルスの感染拡大は最大のリスクか

市場では「ワクチンが開発されれば、新型コロナウイルスへの不安は解消され、経済は戻り、株価も上昇する」という声が良く聞かれる。しかし、これも上記のパターンに当てはまる。いまの市場関係者のほとんどが、このようなコメントをしている。ワクチンが開発されれば、すべて解決するとみているわけである。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で3月のような株安を「あらかじめ」予想した市場関係者はほとんどない。下げ始めてから弱気な見方を示した向きはいたが、あのような下げを「あらかじめ」予測できた向きを私は知らない。

つまり、将来予測を的確に行うことや、材料で相場の方向性を判断することはほとんど不可能であるということである。

ところで、相場に対しても心配だが、人命という点でも新型コロナウイルスの感染者数が累計で1,000万人を超えたという報道は衝撃的である。米国に次いで多いのがブラジル、ロシア、インドの新興3カ国である。これら3国に共通するのは、深刻なコロナ禍に見舞われる中、政府が感染拡大抑止よりも経済活動再開を重視する姿勢を示している点である。

1日当たりの新たな感染者が4万人前後で推移するブラジルでは、3月下旬から州や市などが各国と同じように商業施設を閉鎖するなどの措置を取ったが、第1波がいつ終わるのか見通しすら立たない状況にある。

原因としては、濃厚接触が多い文化や保健衛生環境の悪さ、ほとんどの地域で外出が「自粛要請」にとどまったことなどが挙げられるが、ボルソナロ大統領があまりに適当な対応をしたことが感染者の増加の背景にある。

ボルソナロ氏は初期の段階で新型コロナを「ちょっとした風邪」と断言。「ロックダウンの先にあるのは、失業と飢餓、貧困だ」などと規制に異を唱え続けてきた。貧困層が多い開発途上国であることを考えれば一面では正論だが、知事や市長が一丸となっている封じ込めに冷や水を浴びせ続けたことで、最も重要な局面で国民の間に混乱と分裂を生んだことは事実である。規制開始から3カ月を経て、経済はボルソナロ氏の「予言」通り負荷に耐え切れなくなっており、州や自治体はなし崩し的に経済再開に動き始めている。

Next: ロシアで感染者数が多いのは「大量の検査を実施しているため」とされるが――

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