保健所の担当者が発した一言に、ふぐ調理師が苦笑した納得の理由

今も職人さんや農業・漁業などに従事する人たちに脈々と受け継がれる「技」。それらは学校の授業で習得できるようなものでは到底なく、師匠や先輩の仕草を真似たり、自ら経験と失敗を重ねながら身につけていくものです。今回の無料メルマガ『安曇野(あづみの)通信』では、学歴や資格ばかりが重視される現代の日本で、一部の職業以外では軽視されがちといっても過言ではない「技」の大切さについて、著者のUNCLE TELLさんが実際に耳にした話をもとに考察しています。

知識と技、経験の踏襲

例えば私が少年時代の一時期を過ごした田舎、信州松本は入山辺。何十年前と同じように田圃やぶとう畑・リンゴ畑が広がっている。代替わりし、もちろん作り手は違うだろうが、稲作や果樹栽培の技術と経験は次ぎ次と世代間に踏襲され、今年もりっぱに稲穂を実らし、また果樹も育ち出荷されるだろう。

以前それもだいぶ前だか、ふぐ調理師の方と飲み屋で話す機会があった。ふぐとふぐの料理にまつわるいろいろな話を聞かせてもらい面白かった。その中にこんな話もあった。

保健所の担当者がですね、ふぐを調理した後のものをどう処理しているか詰問してきたことがあったんです。犬や猫やからすなどが残りものを持ち出したりしたらどうするんだということのようでした。私は言ってやりましたよ。

 

犬、猫、ねずみなどはふぐの残りもののとこへなど絶対近づかない、まして口をつけるなど決してありえないってね。

そうしたら、保健所の担当者は黙ってしまったという。保健所とか役所の担当の方はとかく、経験で裏打ちされない学校で習った知識だけふりまわすからと苦笑もしていた。

【千葉県庁前】ラーメン官僚が「一流の領域」と激賞、淡麗系醤油らぁめん【らぁめんつけめん粋や】

日本全国に数多あるラーメンの中でもとっておきの一品を食べ歩きながら紹介する、ラーメン官僚かずあっきぃこと田中一明さん。豪華執筆陣による興味深い記事を1本から購入できて読める、まぐまぐの新サービス「mine」で無料公開中の、田中さんの記事から本日ご紹介するのは、千葉県庁前「らぁめんつけめん粋や」の醤油らぁめん。今まで12,000杯のラーメンを食べ歩いたラーメン官僚が、レンゲを口に持っていく手を止められなくなった、らぁめんつけめん粋やの「醤油らぁめん」のお味とは?

オススメ!【ラーメン官僚かずあっきぃの麺遊記】らぁめんつけめん粋や

らぁめんつけめん粋や@県庁前にて、醤油らぁめん。

本来であれば、昨年4月の復活オープン時に足を運ぶべきであった。そんな後悔の念を抱いてしまうほど高水準なラーメンを提供する千葉市の実力店。

同店は移転前、千葉中央エリアにおいて高い人気を誇っていた、千葉県内のラーメン好きの間ではよく知られた存在。

当時の同店の看板メニューは、その当時はまだ相当な人気の高さをキープしていた魚介豚骨つけ麺。そんな同店が店を閉めてから数年にわたる雌伏のときを経て、昨年、県庁前の地で復活。

62a9394f0e1dbae9c542bd261f46ede9 copy

 

というのが、『粋や』の復活に至るまでの大まか過ぎる経緯である。

移転復活後は、以前にも増して多種多様なメニューを提供するようになっている。

私がオーダーさせていただいた「醤油らぁめん」も、その中のひとつだ。

7d23066eaaff287a417c762e01a4fc4e copy

鶏ガラ、鶏節をフル活用したスープは、口の中でせめぎ合う様々な鶏のうま味がレンゲを持つ手を止めさせない。

とりわけ、鶏節が主役としてドッシリと根を下ろしており、鶏100%のスープでありながら、乾物系魚介がクロスオーバーしているかのような錯覚を覚える。

出汁としても極めて水準の高い味わいであり、その重層感たるや、同種のラーメンを提供する他店とは一線を画するものがある。

このスープに合わせている麺は、麺肌滑らかな細ストレート。軽やかな啜り心地が、食べ手を無我夢中にさせる。

うん、これは美味い!

いつの間にか、淡麗系でも一流の領域に到達していた。

同店に限らず、その店のラーメンの真価は、何度も足を運ばなければ分からないもの。そんなことを改めて実感した次第だ。

自身が食べて美味かったラーメンのみUPする、田中一明さんの記事をチェックしたい方はこちらでフォロー

DATA

らぁめんつけめん粋や

営業時間 11:30~15:00 17:00~23:00

住所 千葉県千葉市中央区都町3-21-4

定休日 月曜日(祝日の場合、翌日)

それって道路もイケるの? ロシアの大通りで“1球車”が走行…

左側から・・・なんじゃコリャ!

ロシアの大通りに信じられない“1球車”が、突如襲来!

この映像を見終わったとき、アナタの心には表現しがたい感情が渦巻くことになる・・・。

 

 

本来ならば水上用であるハズの『ウォーターボール』。

だが、この中に入っている誰かさんは、そんな正しい使い方がどうやら気に入らなかったようだ。

周囲の車の流れや状況など気にもせず、ただ道路を押し通る様は、まさに“マイペース”という言葉そのもの。

通行人の人たちも完全に唖然とした様子だが、こんな奇抜な状況にいきなり遭遇してしまったのだ。

そりゃ、無理もない話である。

 
(※↓詳しくはコチラへ)
参照・画像出典:LiveLeak(WoFat)
(本記事は上記の報道や情報を参考に執筆しています)

記事提供ViRATES

テスト前の「ノート貸して」「ジュース1本ね」が正しかった理由

あなたは、苦労して手に入れた知識や経験を、親しい友人から「教えて!」と言われたら気軽に「タダ」で教えるタイプですか? 「友達なら当たり前」と思った方、今回の無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』を読まれたら考えが変わるかもしれません。著者の佐藤しょ~おんさんは、「お金を受け取ることは、自分にとっても相手にとってもメリットがある。友達からお金を受け取るのがイヤという人は、コーヒー一杯でもかまわないので、堂々と対価を受け取るべきだ」との持論とその根拠を記しています。

おカネを払う、おカネをもらう

何かを学ぶ、何かを教えてもらう時には躊躇することなくおカネを払いましょうという話は過去に何度か書きました。今日はこれとセットで考えて欲しいことを書きます。それが「おカネをもらう」ということです。

あなたが相手にとって貴重な情報やら経験を持っていて、相手がそれを欲しがっているとしたら、それは何らかの対価をもらってお伝えするべきだと思うんです。

友達からおカネは取れないよ、というのであれば、スタバのコーヒー一杯で良いんです。これを堂々と要求するということが大事なんですよ。なぜかというと、ここには二つのメリットが生じるからです。

交通事故死者の4倍。なぜ高齢者の「入浴事故死」が多いのか?

露天風呂に身を沈めながら、徳利の首をつまんで酒を一杯。呑兵衛なら一度は憧れるシチュエーションですが、実はこれが危険な行為だということをご存知でしょうか。メルマガ『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』の著者で元大手旅行雑誌編集長の飯塚さんは、ただでさえ飲酒をしての入浴はリスクが高く、温泉に入りながらの飲酒などもってのほかと警告。さらに、高齢者の入浴事故死が、交通事故死の4倍も発生しているというショッキングなデータを紹介しています。

露天風呂でお銚子を傾けて一献、の危険

今号は少し真面目な話。

各地の温泉宿で、露天風呂にお銚子を載せた桶を浮かべて日本酒が飲める、というサービスを行っているところがある。 これは、酒飲みとしてはまさしくあこがれのひとつであって、雪のちらつく冬などはまったく最高の風情だ。

これまでこうしたサービスによる入浴事故の報告は聞いたことがないが、僕らのような立場の人間からすると、正直、推奨できないのが事実である。

そもそも飲酒しての入浴は相当にリスクが高い

というか、これまで何度も書いてきているように、入浴法を間違えると、お風呂に入ることそのものにも、かなりのリスクがある。

年間の交通事故死者は5000人以下になってきているが、入浴とそれにまつわる事故死者は、年間約2万人もいるとされる。

こうした入浴事故の多くは、「高齢者」で「」に、「熱い風呂で起きている。 直接の死亡原因は「脳卒中」「脳梗塞」「心筋梗塞」である。

入浴によって汗をかくことで血液粘度が増すと、血管が詰まったり、破れたりすることにつながる。 だから、入浴前後の水分補給が重要なのである。

高齢者に事故が多いのは、加齢によって血管が詰まりやすく、破れやすくなっているからであろう。

加えて冬は気温が低く、血管が収縮しているうえ、熱い湯に急に入ると、血圧が急上昇して、前述のような事故につながりやすいわけだ。 こうした血圧の急上昇のほか、風呂を上がるときにいきなり立つと血圧は急降下する。

血圧の急激な変化は、立ちくらみなどにもつながって、転倒事故にも結びつくことになる。 風呂上がりは、全身が水圧から開放されることで、血流が全身に回るようになって、その代わりに脳の血流が減る。 するとこれは脳貧血につながって、やはり転倒事故を引き起こすことも少なくない。

韓国にいる米国市民12万人に「退避」警報は届いているのか?

米国による北朝鮮への軍事圧力が日に日に増しています。朝鮮半島沖に展開する米空母カール・ビンソンの軍事力などが連日報道される一方で、これだけの危機を煽りながら、在韓の米国人に退避行動を促していない現状から「米は北を攻撃する意思は無いのではないか?」と予測する専門家も少なくありません。メルマガ『NEWSを疑え!』の著者で軍事アナリストの小川和久さんは、この意見を「もっともである」と肯定しながら、9.11の前例を紹介し、米国人には既に「情報」が通達されている可能性を指摘しています。

韓国にいる米国市民には警報が届いている?

北朝鮮の核実験と弾道ミサイル発射に向けて、米国の軍事的圧力がぐんぐん増している印象があります。

これまで述べてきたように、トマホーク巡航ミサイルによるサージカル・ストライク(精密誘導兵器を使った重要目標へのピンポイント攻撃)の態勢はできあがっていると考えてよいでしょう。

メディアは南シナ海から針路を朝鮮半島に変更した空母カール・ビンソンばかりに目がいっているようですが、それ以前に横須賀を母港とする空母ロナルド・レーガンの打撃群のイージス艦12隻と巡航ミサイル原潜の約500発が北朝鮮全域を射程圏内に収めていることを忘れてはなりません。

ここにカール・ビンソンの打撃群が加われば、トマホークの数は少なくとも700~800発になる可能性があります。

二つの空母打撃群が搭載している戦闘機も、定数だと120機にものぼります。小さな国の空軍力を上回る戦力です。

米空軍のゴールドファィン参謀総長も14日、自分のツイッターに嘉手納基地に勢揃いしたF15戦闘機などが整列した写真を掲載し、「このすばらしい戦闘空軍力のディスプレーを見よ! 戦闘態勢だ!」と、米空軍のトップとしては異例のツイートをしています。

こうした米国側の軍事的圧力に対して、軍事力の行使はないのではないかと言う見方もあります。

米国のマナーでは奇妙に見える、日本人の「食べだすタイミング」

メルマガ『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』の著者で、米国の邦字紙「WEEKLY Biz」CEOの高橋克明さんは先日、日本国内の結婚式に招待された際、「日本人のとある習慣」を久々に体感し、戸惑いを感じたそうです。高橋さんは長年NYで生活しながら「米国かぶれが大嫌い」と語り、日本人であることを誇りに思っていると断言。そんな高橋さんが「これはアメリカより不便だな」と感じてしまった、日本人の「悲しき習慣」とは何だったのでしょうか?

いただきます!

前回、日本出張に行った際、ある知人の結婚式に招待いただきました。 素晴らしい式で、結婚式そのものは言うことなく最高だったのですが、ある出来事に驚かされました

出された豪華な食事を食べながら、友人たちの小粋なスピーチを聞いていると、隣に座った50代の男性に「、、え、、、もう食べていいんですか?」といきなり聞かれました。

もう、食べていいんですか?? なにを?

テーブルに置かれた目の前の料理のこと? 口にモノを入れたまま、僕は「え? ダメなんですか?」と聞き返す。

「いや、ダメではないと思うのですが、、まだ誰も口をつけてないので、、、」とその男性。

同じ円卓の他の方々は、そのやりとりを聞いていたようで、一斉に「いいですよね、、大丈夫ですよね」と言いつつ、フォークとナイフを手にしました。

大丈夫じゃない場合があるのだろうか。

まさか、司会がマイクをとって「みなさん、手を合わせてください。 いーたーだーきます!」とでも言うのだろうか。

【人形町】ラーメン官僚も「飽きない」と絶賛、動物系+魚介系らーめん【兎屋】

日本全国に数多あるラーメンの中でもとっておきの一品を食べ歩きながら紹介する、ラーメン官僚かずあっきぃこと田中一明さん。豪華執筆陣による興味深い記事を1本から購入できて読める、まぐまぐの新サービス「mine」で無料公開中の、田中さんの記事から本日ご紹介するのは、東京・人形町「人形町兎屋」のらーめん。今まで12,000杯のラーメンを食べ歩いたラーメン官僚が、飽きのこないスタンダードな動物系+魚介系ラーメンだと絶賛する、人形町兎屋の「らーめん」のお味とは?

オススメ!【ラーメン官僚かずあっきぃの麺遊記】人形町兎屋

人形町兎屋@人形町にて、らーめん(中)。

4月13日にオープンしたばかりの新店。ロケーションは人形町駅から徒歩2分程度と至便。

この界隈には所用があって足を運ぶことが多いので、この場所に新しくラーメン店ができるのは有難いことだなあ。

701c284543561ec613b85ce508a6627e copy

同店の滑り出しは極めて順調。

この日も訪問時、店内はほぼ満席。タイミングが良かったのか、1席だけ空いていたので、ツルンと滑り込み。

店外に設置されている券売機で「らーめん(中)」の食券を購入していたので、そちらをスタッフに手渡しラーメンが出来上がるのを待つ。

待ち時間5分程度で、待望の1杯が登場。

474765182876533fa13ed62b27a913f2 copy

比内地鶏とゲンコツを煮込んだフルボディの出汁をベースに、数種類の煮干しをブレンドしたスープは、スープ表面に湛えられている液状油が見事に機能。

食べ始めから食べ終わりまで、熱々の状態で戴くことができる。

啜ると、初めに煮干しのジワリとコク深いうま味が口腔内に充満し、その後を追い掛けるように、鶏と豚の分厚いコクが味覚を存分に刺激する。

魚介系素材と動物系素材の役割分担が明確で、適材適所。互いに邪魔をし合うことがない。

このスープに合わせる麺は、「浅草開化楼」に特注したモッチリとしたストレート麺。

食感が優しい麺であり、力強いスープと絶妙なコントラストを形成している。

うん、これは美味い!

飽きのこないスタンダードな動物系+魚介系ラーメン。これなら定期的に足を運ぶことができそうだ。 今後とも、重宝させていただきます!

自身が食べて美味かったラーメンのみUPする、田中一明さんの記事をチェックしたい方はこちらでフォロー

DATA

人形町兎屋

営業時間 11:00~(麺・スープ切れ次第終了。20:00頃)※15時~17時 昼休みあり

住所 東京都中央区日本橋人形町3-9-2

定休日 日曜

これぞ大和魂だ! 日本のラガーマンたちが遠征先で人助け

SNSで話題になっているこちらの動画に写っているのは、日本のラグビーチーム「Sunwolves(サンウルヴズ)」。

ラグビーの国際大会のためにニュージーランドに滞在していた彼らは、バスでの移動中に乗用車のスリップ事故に遭遇。

道路に横になった車を腕自慢のラガーマンたちが移動させて助けている様子だ。

腕力に自信のあるラガーマンだからこそできる人助けだ。

これぞスポーツマン、これぞ大和魂。同じ日本人として敬意を表したい。

 
(※↓詳しくはコチラへ)
参照・画像出典:YouTube(SUNWOLVES)
(本記事は上記の報道や情報を参考に執筆しています)

記事提供ViRATES

【書評】なぜ日本は世界でも群を抜く「老舗企業大国」なのか?

MAG2 NEWSでも数多くの人気記事を掲載しているメルマガ「国際派日本人養成講座」の著者・伊勢雅臣さんの最新刊『世界が称賛する日本の経営』が人気を呼んでいます。無料メルマガ『政治の本質』では、著者のロベルト・ジーコ・ロッシこと松本久さんが、現状のままでは「失われた30年」になりかねない日本の経済状況を救うヒントが余すところなく綴られたこの一冊を紹介、「経営者、起業家、エリートビジネスマンの座右の書になる」と太鼓判を押しています

71o8d2gwWHL

世界が称賛する日本の経営
伊勢雅臣・著 扶桑社

「失われた20年」、いや、バブル崩壊が1991年からだから、もうすぐ「失われた30年」になりかねない現状を著者である伊勢雅臣氏は憂いその解決策を世に問う名著です。

筆者は欧州で4年、アメリカで3年、日本企業の現地法人社長として企業経営を経験しています。

大学教授や高級官僚と違って現場を知っている実務家の主張ですから重みが違います。確かに、「失われた30年」に届きかねないバブル崩壊後の日本のデフレ経済を招いたのは金融と財政の引き締め政策を取った日銀と大蔵省と財務省の責任は大きく、是正に向けて主権者である我々日本国民は行動しなければなりませんが、多くの日本国民は政治家でも官僚でもなく企業に勤めているので、より多く直接、自らが直せる企業経営の日本と世界に通じる正しい理念を学ぶ事は非常に重要です。経営者、起業家、エリートビジネスマン&ウーマンの皆さんに自信を持ってお勧めする一冊です。

著者は「失われた20年」を招いた原因をバブル崩壊で失った日本国民の自信が企業経営の理念も「日本的経営」から欧米流の株主中心経営に替えてしまった点に有る、と主張します。

最近、日本から聞えてくるのは、ブラック企業で過労死したとか、派遣社員やパート・アルバイトばかりが広がって、低賃金と不安定な生活のために、多くの青年たちが結婚すらできない、というような暗いニュースばかりです。かつての日本企業が人を大切にして事業を成長させようとした姿勢、すなわち「日本的経営」を見失いつつあるのではないか、という気がしてなりません。そして、これが近年の日本経済や日本企業がかつての活力を失いつつある原因の1つではないか、と考えています。

何が日本的経営か、に関しては、厳密な経営学的議論もありえましょうが、本書では企業人の一般的常識に訴えるレベルで捉えたいと思います。そのために近江(おうみ)商人の心得として伝えられてきた「三方(さんぽう)良し」、すなわち「売り手良し、買い手良し、世間良し」に則って、説明しましょう。

 

「売り手良し」──売り手は従業員と株主(銀行等を含む)からなります。企業は従業員に就業機会と生計の糧(かて)を与え、なおかつ成長や生き甲斐を実現する場を提供します。企業とは、こうした従業員の共同体です。企業を資金面で支える株主には、提供した資本に見合った適正な収益を安定的にお返ししようと努めます。

 

「買い手良し」──顧客の求める商品やサービスを適正な価格で提供し、その信頼を勝ち得ようと努めます。価格と原価の差が利益ですが、それは売値(=顧客に提供した価値)と、原価(=企業内で消費した価値)の差、すなわち事業活動によって創造された価値を表します。したがって、利益とは企業がどれだけの付加価値を生み出したかを計る尺度です。

 

「世間良し」──社会の必要とする商品やサービスを提供することによって、社会のニーズを満たし、問題を解決し、進歩を実現します。また、収益の一部を税金として納めることで、国家や地域社会を支えます。

 

この「三方良し」を追求する経営を、本書では「日本的経営」と呼ぶことにします。「三方良し」の対極にあるのが「株主資本主義的経営」です。これも「三方」に分けて考えてみましょう。

 

「売り手」──「売り手」とは株主のことです。株主の投資収益、それも特に短期的収益を最大化することが企業の唯一の目的と考えます。企業は人、もの、設備からなる収益マシーンであり、従業員はその歯車にすぎません。性能の悪い歯車や不要になった歯車は使い捨てにされます。また企業は収益マシーンですから、普通の設備と同様、売り買いの対象になります。

 

「買い手」──買い手、すなわち顧客とは、企業が商品・サービスを提供し、その対価を受け取る相手です。これは純粋に経済的な取引であり、契約に違反しない限り、顧客のためを考える必要はありません。

 

「世間」──社会は事業活動の環境であり、社会の法律を守っている限り、その中で自由に活動すれば良いと考えます。

 

近年の多くの日本企業は、アメリカからやってきた株主資本主義的経営こそ最新の経営だと思い込み、かつての三方良しを追求する日本的経営など時代遅れのものとして、捨て去ってしまったのではないでしょうか。