「袴田事件」の再審で再び死刑を求刑。拘禁状態で精神障害を発症した被告に極刑を求める冷酷で残忍な検察への違和感

1966年に静岡県で発生した殺人事件の犯人として逮捕された元プロボクサーの袴田巌氏が、1980年に死刑判決を受けるも冤罪の可能性が叫ばれ続け、2023年に再審開始決定が確定したいわゆる「袴田事件」。裁判は5月22日に結審しましたが、検察側はまたも死刑を求刑したことが大きく報じられました。この事件を取り上げているのは、要支援者への学びの場を提供する「みんなの大学校」学長の引地達也さん。引地さんはメルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』で今回、袴田氏が長きに渡る拘禁状態により精神障害を発症した事実を問題視するとともに、拘禁反応が生じている袴田氏に死刑を求刑する社会の残忍性に違和感を示しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:拘禁状態の患者への死刑求刑と制度の残忍性

「袴田事件」やり直し裁判結審に思う、拘禁状態の患者への死刑求刑と制度の残忍性

1966年6月に静岡県清水市(現静岡市)で一家4人を殺害したとして、強盗殺人などの罪で死刑が確定した袴田巌さんは現在、拘禁反応が慢性化しているという。

東京新聞によると、弁護側が裁判所に提出した書類で、袴田さんは歯痛や腰痛、発熱などの不調を外部からの攻撃と捉えがちだとし、特に男性への警戒心が強く、「男は殺し合いを始める」などと発言する場面もあるという。

静岡地裁でのやり直しの裁判(再審)は今月結審し、判決期日は9月26日の予定。

証拠が捏造されたと認定し、無実の公算が大きいが、映像で見る袴田さんの認知は乏しい様子で、その症状を見る限り、裁判を闘うよりも、日常のケアが必須で疾患者を治癒する当たり前の日々が優先してほしいとも思う。

死刑囚への再審公判は戦後5件目で、これまですべて無罪判決が出ている。

疾患者の安心した日常の中で、支援者はいち早く「無実」を伝えてあげたいだろう。

やはり、あまりにも長すぎた。

論告で検察側は死刑求刑し、「多くの証拠が(袴田さんが)犯人だと指し示している。4人の将来が一瞬にして奪われ、犯行は冷酷、残忍だ」との理由を述べた。

ケアの現場にいる者としては、拘禁反応が出ている疾患者に死刑を求刑する社会の残忍性を想う。

日常生活が支援なしでは営めず、周囲の状況への認知も希薄になっていく中での死刑求刑への違和感。

医学書院の医療情報サービスによると、拘禁反応は拘禁という特殊な状況を契機として発症するさまざまな精神障害の総称であり、診断体系では心因反応に分類される。

明らかに環境が作った疾患である。

同サービスは症状として「多岐にわたっており、軽度の不安・抑うつ・不眠などの反応から昏迷・幻覚妄想状態などの精神病性の症状やけいれん・失立失歩などの身体症状まで、ありとあらゆる状態がありうる」とし、拘禁反応が生じる根底には「将来への強い不安・自由の束縛による圧迫・乏しい外的刺激・悔恨などの心因が関与していると考えられている」とする。

特に将来への不安が影響するため刑が確定した刑務所・少年院よりも未決で収容される拘置所・少年鑑別所で発生頻度が高いという。

この記事の著者・引地達也さんのメルマガ

テレビがひた隠す吉村知事の「大ウソと赤っ恥」大阪万博子ども無料招待は令和の学徒動員?「行きたくない」意見封殺の内情

吉村洋文・大阪府知事が、大阪万博の子ども無料招待事業をめぐってウソをつき、中学生に完全論破された。さらに山本けい・交野市長が、もう一つの大きなウソを暴露して、SNSは大荒れとなっている。なぜテレビはこの面白事件を積極的に報じようとしないのか?

吉村知事がウソをついて「中学生に叱られる」異常事態

来年4月13日から半年間にわたって開催される「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」。各種世論調査によると「関心がない」「万博開催よりも能登半島地震の被災地復興を優先すべき」と考える国民が約7割を占めている。

3月には、会場の夢洲(大阪市此花区)でメタンガス引火による爆発事故が発生。夢洲はもともとゴミ埋め立て地の人工島で、可燃性のガスが発生し続けていることから、開催中に再び事故が発生する懸念も。

だが、それでも吉村洋文・大阪府知事は大阪万博の成功を信じて疑わない。国民からは総スカンでも、前売り入場券の売上が絶不調でも、地元の子どもたちを“動員”するという奥の手がある。それが、4歳から高校生までの約100万人を集めるとぶち上げた大阪府の万博子ども無料招待事業だ。

吉村知事は27日、Xを更新し、対象学校への参加意向調査について、「現時点で1280校から回答あり、75%に相当する950校もの学校から参加希望がありました。残り25%も未定・検討中です」と誇らしげに投稿した。

ところがその直後から吉村知事は大ウソつきだと大炎上。いったい何があったのか?ネットメディア編集デスクが経緯を説明する。

「吉村知事は今回、複数のウソをつきました。まず、1280校のうち75%の950校が参加を希望、というのが明らかなミスリード。1280×0.75=約950校という計算なのでしょうが、そもそも調査対象となる学校の総数は約1900校です。情けないことに吉村氏は、当事者の中学生たちからデマを見抜かれ、『府内全体の75%の学校が参加を希望しているわけではありません』と厳しいファクトチェックを受けてしまいました(笑)」(ネットメディア編集デスク)

Xを調べると、日本中学生新聞が、吉村知事のウソを5行で論破していた。良識ある大人なら、子どもからこんなツッコミを入れられたら一生立ち直れないかもしれない。優秀な中学生たちだ。

吉村知事の「さらに大きなウソ」を山本けい・交野市長が暴露

この吉村流の“数字マジック”はさすがに無理があると判断したのか、主要マスコミ各社は同日、約1900校という学校総数を前提に、「吉村知事は対象の学校のうち、約半数がすでに参加を希望していると発表」した旨を報じた。当然ではある。

さて、いきなり学校の数が75%から50%に減少してしまったものの、それでも半分は参加希望だ。案外、今どきの子どもたちは大阪万博に興味津々ということなのだろうか?

「どっこい、そうではありません。吉村知事は、さらに大きなもう1つのウソをついていました。実は、そもそも今回の学校への意向調査アンケートには、『参加希望』と『未定・検討中』の選択肢しかなかったんです。『参加しない』の選択肢がないために未回答の学校が約620校もある。そのことを山本けい交野市長にスクショ付きで暴露されたため、『吉村洋文はウソしか言わない』など痛烈な批判を浴びています」(同)

山本けい・交野市長は27日、Xに以下の“証拠画像”をアップした。

たしかに選択肢は「希望する」と「未定・検討中」しかなく、そもそも「参加しない」が存在しない。また後者を選んだ場合、事務局から学校に個別連絡が入る旨がご丁寧に但し書きされている。

部下に対して「イエス」か「はい」しか決して認めないとされる楽天の三木谷さんを彷彿とさせるパワープレイスタイルの回答フォームだ。だが、民間企業ならともかく、学校を対象とした公的な調査において、「大川隆法がブッダの生まれ変わりだということを知っていますか? 1.知っていた 2.今知った」のような調査は許されないのではないか?

「そのとおりです。そのため山本市長も『“未定・検討中”を選ぶと大阪府教育庁が“調整”に入るなんて、実質、強制参加ではないでしょうか』とXで指摘しているのですが、吉村知事はこれをスルーしているんですよ。SNSでは令和の学徒動員だ、戦中の特攻隊よりもひどいといった批判が相次ぎ、大荒れとなっています」(同)

2025年7月5日4時18分。東日本大震災を予言した漫画家の著作『私が見た未来 完全版』に書かれていること

1999年に発表した単行本『私が見た未来』で、東日本大震災を予言した漫画家として注目を集めたたつき諒氏。そんなたつき氏が新たな予知夢を加筆し2021年にリリースした同書の「完全版」が大きな話題となり、発売から3年半以上が経った現在もベストセラーとなっています。今回のメルマガ『施術家・吉田正幸の「ストレス・スルー術」』では著者の吉田さんが、その内容をかいつまんで紹介。さらにたつき氏の予知夢とは無関係に、2025年7月に起こるとされる人類に大きな影響を与える出来事を挙げています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:2025年の7月は日本人にとってターニングポイントだ

2025年の7月は日本人にとってターニングポイントだ

漫画家のたつき諒さんは、『私が見た未来 完全版』の著者だ。

この本は、たつきさん自身が見た予知夢を描いている作品。結構、話題となっている。しかもこの予知夢を土台に次から次へとネット界隈では世界各地の予言者、能力者が同じことを言うようになった。

Amazonによると、たつき諒さんは、1954年12月2日生まれ、神奈川県出身。横浜在住。1975年、『月刊プリンセス』(秋田書店)でデビュー。著書に『人形物語』『時の中の少女』『水色の航空書簡』『タージ・マハル廟のある町』ほか。

『私が見た未来』は1994~98年に雑誌「ほんとにあった怖い話」および「恐怖体験」上に掲載された漫画をまとめたもので、99年に朝日ソノラマより単行本化。

同99年、漫画家を引退しているという。

そして、注目されるようになってきっかけは、『私が見た未来』の表紙に「大災害は2011年3月」と書かれていたことから、東日本大震災を予言した漫画家として注目を集めたのだ。

偶然にしてはあまりにもあたりすぎている。

さらに「完全版」では、来年の2025年7月に大津波発生を予言している。

国の見解で、南海トラフの発生率は30年以内に80%。富士山の噴火もいつ起きてもおかしくないと元京都大学長で地震学の第一人者、尾池和夫氏は言う。

あながち、たつきさんの主張はデタラメとは思えない。

夢で見たことが実際に起きるという体験を何度もしているたつきさん。

たつきさんは、夢日記を書いている。70年代以降に少女漫画家としてデビューして活躍していたたつきさんが「自分の夢で未来に起こる事を見て、それをまとめたノート」を元にして描いたという。

東日本大震災よりももっと壊滅的な被害を出す大震災が2025年7月5日に「ハワイの西側で発生した二匹の竜」が西へ進み、フィリピンと日本の中間でぶつかって巨大な津波となり、南海トラフの想定を遥かに超えるような大災害が太平洋側を襲うとのことだ。

日本列島の南側半分は大きなダメージを受けることが確実な模様。これまでに様々な予言を当ててきたたつきさんは、2025年7月5日4時18分という時刻と分数まで書いているのだ。

要は、まとめてみると…

1.海底破裂と大津波がくる

南海トラフの南側にあるフィリピン海で、海底がボコンと破裂し、大きな波が四方に広がる。太平洋周辺の国に大津波が押し寄せ、東日本大震災の3倍以上の高さになるという予想。

2.陸地の変形

津波の影響で、陸が押されて盛り上がり、日本とフィリピン、台湾が地続きになる可能性。

3.火山噴火

南海トラフの南側にある火山が噴火する可能性。

4.気候への影響

海底破裂や火山噴火などにより、気候にも影響が及ぶ。

5.人類への影響

この大災難は、人類に大きな影響を与えることが予想されている。避難や救助活動、インフラの復旧などが大きな課題。ただし、防御策は具体的に書かれていない。

ただし、言うまでもなく、予知夢はあくまで予測であり、実際に何が起こるかは不確定だ。ただ、ネットをみる限り、多くの人たちの意識はイメージとなっている。ココが一番怖い部分だ。

この記事の著者・吉田正幸さんのメルマガ

ここにも「温暖化」の悪影響。NASAが指摘、航空機がこのままの高さでは飛べなくなる“晴天乱気流”の多発

5月21日に発生し、死者1名と多数の負傷者を出したシンガポール航空の乱気流事故。26日にはカタール航空の旅客機がトルコ上空で乱気流に巻き込まれ12人が負傷する事態となっています。今後もこのような事故が多発するとの指摘を取り上げているのは、健康社会学者で元国際線CAの河合薫さん。河合さんはメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』で今回、「晴天乱気流」に関するNASAの報告と、名古屋大学の先駆的な研究を紹介しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:乱気流遭遇リスクを回避できるか?

プロフィール河合薫かわいかおる
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

乱気流遭遇リスクを回避できるか?

シンガポール航空の旅客機が激しい乱気流に巻き込まれ、バンコクに緊急着陸した事故はあまりにも衝撃的でした。

過去の話で恐縮ですが、私も国際線のCAだった頃、何度か乱気流に遭遇しました。幸い急に“ストン“と落ちる程度の乱気流でしたが、国内線から移行してきた先輩の中には、飛行機の天井に叩きつけられるほどの乱気流で前歯が下唇を貫通し、傷跡が残っている方もいました。

今回の事故では、乗客1人が死亡し、40人以上が負傷。そのうち半数が集中治療を受け、22人が脊椎を損傷し6人は重体で危機的な容体だと報じられています。厳しい惨事ではありますが、負傷した方たちのご快復を心から願います。

一方で、今回のような乱気流による事故は今後多発する可能性が指摘されています。理由は「温暖化」です。

米航空宇宙局(NASA)の報告書によると、地球温暖化の影響で「晴天乱気流」が増加すると指摘。2050年までに現在より10~40%増え、飛行機が現在の高度での飛行が難しくなる可能性があるとしました。

積乱雲の接近などで発生する乱気流と異なり、「晴天乱気流」は周りに雲がないためパイロットがレーダーなどで検知するのは極めて困難です。ジェット気流を避けて飛行すれば、乱気流と遭遇するリスクは下がりますが、飛行時間が延びるのでコストの増加につながります。

気象学者たちもAIを駆使して、予測システムの構築を進めていますが、データの収集には時間がかかります。温暖化はさまざまな微妙な変化を生んでいるので、試行錯誤を繰り返すしかないのです。

この記事の著者・河合薫さんのメルマガ

休憩時間と待機時間。このふたつは何が違うかわかりますか?

休憩時間をきちんととらせない場合、そのぶんの未払い賃金を請求されることがあります。無料メルマガ『採用から退社まで!正しい労務管理で、運命の出会いを引き寄せろ』の著者で社会保険労務士の飯田弘和さんがこの休憩時間の対応について詳しく解説しています。

未払い賃金を請求されることも。会社は「休憩時間」の対応を

雇用契約書や就業規則で定められた“休憩”が取れていないとして、労働者から、その分の未払い賃金を請求されることがあります。

たとえば、雇用契約書で、以下のように定められていたとします。

始業  9:00

終業 17:00

休憩 1時間

この契約では、拘束時間8時間、労働時間7時間となり、7時間分の賃金が支払われることになります。そのため、休憩が1時間取れなかった場合、その分は労働時間として、賃金を追加で支払う必要があります。

ところで、「休憩時間」とは、「労働者が権利として労働から離れることを保証されている時間」をいいます。そのため、現実に作業は行っていないが、何かあればすぐに対応するために待機しているような状態は、休憩時間ではなく、「手待ち時間」として労働時間となります。

休憩時間であれば、労働者が自由に利用できることは当然ですが、その“自由利用”も絶対的なものではないと考えられています。そのため、休憩時間中の外出を会社の許可制にする場合や休憩時間中であっても事業所内での政治活動を会社が禁止するような場合でも、休憩の本来の目的を害さない限りO.K.です。最高裁判決でも、休憩時間の”自由利用”について、「時間を自由に利用することが認められているに過ぎず、企業秩序維持のための制約を受ける」としています。

休憩時間か待機時間(労働時間)かで揉めることが多いのが、夜間のワンオペ作業です。ワンオペですと、何かあったら対応せざるを得ないことが多いと思います。そのため、たとえ、実際には作業等を行っていない時間が多くあり、労働密度が薄い仕事でも、“労働から離れることが保証”されていないとして、労働者から休憩が取れていないとの主張がなされます。これって結構グレーで、地裁判決では、ケースによって必ずしも労働時間と判断されるわけではないのですが、かなり注意を要するところです。たとえ1回10分・15分のコマ切れでもいいので、完全に労働から離れる時間をきちんと作る等の対応をしておいた方が会社としては安心です。

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サラリーマンよ、会社にいるうちに「大きな失敗」をしておきなさい

失敗をして悔しいと思う気持ちは誰にでもあると思います。しかし、そこから成長するサラリーマンは何が違うのでしょうか?無料メルマガ『【スキル×運】で年収1000万円を目指せ!』の著者・佐藤しょうおんさんが、詳しく解説しています。

失敗から悔しさを

人生で本気になるために、悔しさを感じるイベントが必要だと書きました。それは簡単に言えば、大きな失敗をするという体験ですよ。しかもその失敗が自分のせいだ、自分の責任だとなったら、フツーの人は悔しくて堪らなくなると思いますよ。

そこで真っ当な人は何を考えるのかというと、

二度と同じ失敗はしないぞ!!

ということであって、そのためには、

どこに問題があったのかという失敗の分析

同じ失敗をしないために取り得るアクション

を考える必要があるんです。前者は過去に意識が向いていて、後者は未来に向いているわけですね。

ですからこの失敗は大きい方が効果的ですし、未来の時間軸を考えたら、できるだけ若いウチに体験する方が良いですよね。定年間際に大失敗をしたって、もう挽回する時間は残されていないんですから。

これがサラリーマンの素晴らしいところです。意味が分かりますか?サラリーマンなら、あなたが多少大きな失敗をしても、それは会社がカバーしてくれるんですよ。その失敗が原因で会社が潰れたりすることはほとんどないんです。だからジャンジャン失敗させるべきなんです。悔しさを痛感するような失敗をさせることが必要なんです。

タイパにもほどがある?宇宙誕生から現代までの138億年をたった335ページで学べる本

宇宙の誕生から現在までの138億年、それをたったの335ページで学習できる一冊。今回、無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』の著者である土井英司さんが、そんな夢のような一冊を紹介しています。

【138億年の歴史を早回し学習!】⇒『早回し全歴史』

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早回し全歴史

デイヴィッド・ベイカー・著 御立英史・訳 ダイヤモンド社

こんにちは、土井英司です。

本日ご紹介する一冊は、宇宙誕生から現在までの138億年の歴史を早回しで概観しようという、大胆な企画。

著者のデイヴィッド・ベイカー氏は、カナダのカルガリー大学で歴史学修士号、ビッグヒストリーの世界的拠点であるオーストラリアのマッコーリー大学でビッグヒストリーの博士号を世界で初めて取得した人物です。

ベストセラーとなった小林武彦さんの『生物はなぜ死ぬのか』に、以下のような記述があり、一度体系的に学んでみたいと思っていたのですが、本書のおかげで、希望が叶いました。

生物はなぜ死ぬのか

今度は天文学から「物理学」の話になります。天文学は物理学と関連性が高い自然科学の分野です。もっと言ってしまえば、天文学も物理学も化学も、生物学以外の自然科学はすべてビッグバンから始まった自然現象の研究で、根っこは同じです。生物学だけは、今のところ地球ができてからの話なので、かなり新参者の学問ということになりますね

この『早回し全歴史』では、まさに天文学から物理学、化学、生物学、そして人類史という、一連の流れをわずか335ページで網羅できてしまいます。

それも大きな字、ゆったりとしたレイアウトで。

単に学校の教科書のエッセンスを並べるだけでなく、この宇宙の法則や、生物の生存、進化のルール、われわれ人類がどんな必然を経て現在に至るのかが上手にまとめられており、強烈なアハ体験をすることができます。

この著者は、やり手のストーリーテラーですね。

17カ国で続々刊行、世界的ベストセラーになっている理由がよくわかりました。

これはぜひ一読いただきたい一冊です。

居住区域が都市部だと「郊外よりも精神病症状が重度になる」という研究結果

住んでいる場所の環境は精神状態に影響するのでしょうか? 今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』では、都市部と郊外を比べて精神病症状が違うのかを調べた海外の研究結果を紹介しています。

居住地域の環境と精神病症状

◎要約:『居住している地域の環境によって、精神病性疾患に伴う症状が影響を受ける可能性がある』

今回は、居住している地域の環境と精神病性疾患に伴う各種症状との関連を調べた研究をご紹介します。

Multidimensional Approach to Exploring Neighborhood Determinants and Symptom Severity Among Individuals With Psychosis

近隣の環境要因と精神病性疾患の重症度に関する多次元的検討

アメリカにおける研究で、初回の精神病性疾患(統合失調症など)エピソードを経験している14~40歳の225人(平均20.7歳、男性69.1%)が対象となりました。

居住環境について、住居の状況、土地利用、都市化の程度、歩行可能性、交通機関の利便性、医療機関やスーパーの存在等について調べ、環境を i. 都市部(高リスク) ii. 都市部(低リスク) iii. 郊外地域 に分けて、精神病性疾患に伴う症状との関連を調べています。

結果として、以下の内容が示されました。

・(他の要素を調整した後で、以下同様)都市部に居住している場合(上記のiとii)では、郊外よりも精神病症状が重度である傾向がありました。

・都市部に居住している場合(上記のi)では、郊外よりも抑うつや不安が強くなっていました。

都市部の利便性はあると思われますが、症状に対する影響を考えると、比較的空間利用に余裕のある郊外に住むほうが療養に有益である可能性を感じました。

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許されるはずの“秘密”に介入。「重要経済安保情報保護法」成立の恐ろしさ

5月10日、国会で「重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律」が成立。国家や国家権力の秘密は堅く護られ、個人のプライバシーに踏み込むことは可とする法案に、野党第一党の立憲民主党までもが賛成したと嘆き呆れるのは、評論家の佐高信さんです。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』では、52年前の「沖縄密約事件」で国家の嘘を暴いた西山記者を守れなかったと悔い、「現在の事件です」と訴えた筑紫哲也氏の言葉を紹介。それから22年経って、権力がより強大になる法律が成立してしまうことへの危機感を表明しています。

権力の嘘と個人の嘘

5月12日に大牟田で憲法の講演をしたのを機に下関にある西山太吉の墓参りをした。西山に私が尋ねた『西山太吉 最後の告白』(集英社新書)でも触れたが、会いたかったのは西山より夫人の啓子である。

主に彼女のことを書いた諸永裕司の『沖縄密約 ふたつの嘘』(集英社文庫)が4月に出て、私は次の推薦文を寄せた。

「国家の嘘を暴いて不当逮捕された男を支えた妻と弁護士。2人の女の不屈の闘いは涙なくしては読めない。私は繰り返し読んで繰り返し泣いた」

端的に言って、嘘がすべて許されないわけではない。権力がつく嘘は許されないのであり、私たちが権力に対してつく嘘は許される。しかし、国家権力はあらゆる機会をとらえて、私たちの「秘密」を暴こうとする。

先ごろ、国会を通ってしまった経済安保法などもそうなのだが、立憲民主党はそれに賛成したのである。彼らは秘密の大事さと、国家がそれに介入することの恐さがわからないのだろう。

太宰治の名作『斜陽』に、娘が母親にこう語る場面がある。

「人間が他の動物と、まるっきり違っている点は、何だろう。言葉も知恵も、思考も、社会の秩序も、それぞれ程度の差はあっても他の動物だって皆持っているでしょう?信仰も持っているかも知れないわ。人間は、万物の霊長だなんて威張っているけど、ちっとも他の動物と本質的な違いがないみたいでしょう?ところがね、お母さま、たった1つあったの。おわかりにならないでしょう。他の生きものには絶対になくて人間にだけあるもの。それはね、ひめごと、というものよ」

2002年に『毎日新聞』労組が開いたシンポジウムで、筑紫哲也は西山を前に、「同じ時代に生きた1人のジャーナリストとして、ジャーナリズムが西山さんという人をきちんと守れなかったという結果については恥ずかしいと思っております」と言い、こう続けた。

「沖縄密約事件から30年たって、現在なにが問題かと言えば、いまだに隠すことをやめない私たちの政府機関、権力者たちの存在でありましょう。そういう意味では、これは30年前の事件ではなくて、現在の事件です」

アメリカの公文書で密約の存在が明らかになっても、わが国の政府はそれを否定している。ただ、事件当時、外務省のアメリカ局長だった吉野文六だけが、2009年に密約を認める発言をした。

その吉野が西山を「自分を、そして国民を欺いた国家に嘘を認めさせようとする執念、そして正義感。さらには、みずからの名誉をなんとしても回復させたいという欲。そのすべてをひっくるめて、偉大だと思います。なにしろ、鎧兜をつけたような国を相手に、ひとり素手で戦ってきたのですから」と言っている。

西山夫人の啓子の日記を基に土江真樹子がつくったドキュメンタリーの題名は「汚名」である。

この記事の著者・佐高信さんのメルマガ

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星野源&新垣結衣、ラジオで不倫完全否定は「不自然だ」!? いまだ疑うアンチの勘違いと“深読み”の無理筋

歌手・俳優の星野源(43)がラジオの生放送で、自身にまつわる“憶測”をあらためて完全否定。番組には妻の新垣結衣(35)も電話出演しファンたちに経緯を説明した。だが、ネットの一部ではいまだに星野を疑う声が。星野アンチは何をどう説明すれば納得するのだろうか。

星野源・新垣結衣夫婦をいまだに疑う「困った人々」

シンガーソングライターで俳優の星野源(43)が、28日深夜のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』に生出演。SNSで拡散された自身の不倫疑惑や、妻・新垣結衣との不仲説をあらためて完全否定した。

暴露系インフルエンサーの投稿をきっかけにネットに広まったこれらの憶測がデマである可能性が極めて高いことは弊サイトでも既報のとおり。今回のANNでは、星野と新垣が夫婦揃って“疑惑の真相”をファンに報告した格好だ。

星野は番組内で、自身に降って湧いた疑惑について「やっぱり、ファンのみんなに安心してもらいたいんですよ。100パーセント、ひとつもやっていませんから。完全なデマです。この噂、臆測に事実はひとつもありません。安心してください」と説明。また、電話出演した新垣も「私も今回のことは本当に驚いて、私たちも、何でこんなことが起きているのかが、私たちがいちばん分からないというか」と心情を吐露。夫が誹謗中傷を受ける姿を隣で見ているのはつらく、誰の身にも二度とこういうことは起きてほしくない、と訴えた。

「ところが困ったことに、ラジオ放送後も、一部ネット民が“星野のウソ”をしつこく疑い、炎上させようとしているんですよ。夫婦揃って必死すぎとか、2人がグルになって言い訳しているとか、根拠不明のひどい言いがかりですが、日本語や論理が通じない人々のようで非常に厄介な印象です」(ネットメディア編集デスク)

星野アンチには日本語が通じないのか?松本人志まで引き合いに

いまだに星野を疑っている人々がいるとは驚かされる。彼らはいったい何を根拠に星野を叩き続けているのか?

「アンチが主張する“根拠”はたくさんあるのですが、いずれも弱すぎて、一方的な思い込みのようなものばかりです。たとえば、星野がオールナイトニッポンという人気番組の電波を“利用”して疑惑を否定したこと、それ自体がもう怪しいとか、必死すぎるとか、よほど追い詰められているに違いない、といった声があります」(同)

だが、身に覚えがない噂をネットに拡散された星野からすれば、それを“必死に否定”するのはむしろ当然のことではないのか。それに、ラジオでこの憶測をスルーしていたとすれば、それはそれで新たな疑惑を呼んだはずだ。

「同感です。ラジオで説明してもしなくても、アンチは結局、星野は怪しいと判断していたでしょうね。そんなアンチに言わせれば、今回のガッキーの電話出演も、お涙頂戴の“印象操作”という話になってしまう。2人はビジネス目的で繋がっているだけの仮面夫婦だとか、そもそも妻のガッキーは星野の浮気を否定できる立場にないとか、さまざまな“深読み”が行われている状況です」(同)

そこまでくると、いったい何をどう説明すれば納得するのか、という印象だが――

「呆れたのは、今回の星野への憶測を、松本人志の疑惑と“比較”して考察する人々が存在することです。彼らは、あの松本だって“黒”と判断されたんだから、だったら星野だって“黒”に違いない、と主張している。松本は“黒”なのに星野は“白”という判断はマスコミのダブルスタンダードだ、と本気で考えているようなのです」(同)

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