タスク管理は自己管理。なぜ人はタスクをこなす時に苦しいと思うのか?

ビジネスの現場であれプライベートであれ、近年富にその重要性が語られるタスク管理。しかしながらそこには思いもよらない大きな罠が存在しているようです。今回のメルマガ『Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~』では文筆家の倉下忠憲さんが、自ら名づけた「タスク管理の呪い」について解説。その上で、「管理の行き過ぎ」に対して注意を呼びかけています。

タスク管理の呪い。管理すること、されること

タスク管理はタスクを管理することで、一般的には自己管理の集合に位置づけられています。セルフマネジメントです。

ところで英語の「マネジメント」と日本語の「管理」には結構違いがあって、それがうまく受容されていないな感覚が私にはあります。「マネジメント」と呼ばれていても、その実体は「コントロール」が意味されていることが多いのです。そのギャップが弊害を起こします。

基本的に「管理」=コントロールは、物に対して行うものです。非人間的存在を対象に取る、と言い換えてもいいでしょう。“資材”とか”記録”であればそれでも問題はありませんが、対象が人間になってくると途端に問題が生じはじめます。

ここでややこしいのが「タスク管理」という名前です。それをそのまま受け取れば「タスク」を対象にしているように思えます。タスクは“情報”であって“人間”ではありません。だから特に問題ないように感じるのですが、その実体は結局そのタスクを実行する「人間」を管理することになるのです。

■自分による自分の管理

さて、管理という行為の対象が「人」であることが問題だ、という話はイメージしやすいかと思います。横暴な上司を思い浮かべれば一発ですし、より過激に印象づけたければ歴代の独裁者を持ち出せばよいでしょう。

一方で、タスク管理→自己管理は「自分が自分を管理すること」であって、特に問題ないように思えます。少なくとも独裁者が好き勝手にやるのとはあまりにも距離があるように感じられます。

しかしながら、“タスク管理”において生じるしんどさはやっぱりそうした「管理」にあるのです。むしろきちんと「管理」しようとすればするほど、そこで生じるしんどさは増大していきます。

考えてみてください。ある人が「これからは、ちゃんとやろう」と自己管理を志したとします。その人は「管理したい」という気持ちに動かされて自己管理を始めるわけです。そりゃそうですよね。

そこで予定を決めて、プロジェクトを整理し、タスクを列挙します。完璧なリストの完成です。非常にうまく「管理」できている気分がします。

では、その後どうなるでしょうか。

その人はすでに決まっている予定の通りに行動し、すでに決まっているタスクを一つずつこなしていきます。まさにそうするために管理を始めたのですし、それができてはじめて「管理」していると言えるからです。

でもきっと苦しい思いをするでしょう。なぜならば、行動しているそのときの自分は「管理されている」からです。自分の思い通りにやることはできず、すでに決められたリストをただなぞるだけの存在になっています。

もう一度思い出してみてください。その人は「管理しよう」と思って一連の行動をスタートさせたのでした。何もかもを自分の思い通りに進めるためにさまざまなリストを作ったわけです。これを管理欲求と呼ぶことにしましょう。対象を自分の意志の支配下に置こうとする欲求。それが管理欲求です。

一方で、そうしたリストの作成を終えて実行の段階に移ったその人は、すでに決まっていることをやるしかない状況に追い込まれています。その決定を下したのが「自分」であることはここでは問題になりません。選択の自由を奪われている時点でそれは「管理されている」ことになります。その状態は管理欲求に激しく衝突するものでしょう。

これが苦しくないとしたらまったくの嘘です。

この記事の著者・倉下忠憲さんのメルマガ

文章チェックのプロが教える「旅の行程」と「旅の思い出」の大きな違いとは?

文章を書くのがどうも苦手で、テーマが決まっていてもなかなか書けず、自分で書いたものを読んでも面白くない。そんな悩みを抱える人は多いようです。朝日新聞の校閲センター長を長く務め、ライティングセミナーを主宰する前田安正さんのメルマガ『前田安正の「マジ文アカデミー」』では今回、「旅の思い出」を書くつもりが、「旅の行程」を書いてしまっている例を紹介しながら、楽しかったはずの思い出をどう書けばいいのか? ヒントを伝えています。

「旅の思い出」が書けない、どう発想すればいいのかに悩むあなたへ

僕が主宰しているライティングセミナー「マジ文アカデミー」の受講生から、文章のテーマは決まっているのだが、どこから何を書いていいのかがわからない、どう発想すればいいのか、という声をよく聞くのです。例えば「旅」をテーマに書くことにしても、何をどう書けばいいのかわからない、という類いの悩みなのです。

「旅」というと、それまでに出かけた内容を書こうとします。すると、どこどこに行って楽しかったとか、初めて一人旅をしたとき感じた思いなどを書き始めるのです。これも悪くはないのです。ところが、往々にして面白くない。とりわけ書いている本人が、頭の中に疑問符をたくさん抱えはじめて、途中で筆が進まなくなってしまうことが多いのです。

「楽しかった思い出を書いているはずなのに、なぜ書き進められないのか」。本人が一番戸惑うのです。今回はこの謎について、考えてみたいと思います。

「旅」というテーマを出されると、「旅の思い出」を書こうとするからです。いえいえ、これ自体は間違っていないのです。ところが、本人は「旅の思い出」を書いているはずでしょうが、どっこい「旅の行程」を書いていることが多いのです。この違い、わかりますか?

旅の思い出を書けているだろうか

「旅の思い出」は旅に出て、そこで経験したなかにあります。本来、その経験を書いていかなければならないのです。ところが知らず知らずの間に、「旅の行程」をエピソードのごとく書いてしまっているのです。たとえばこうです。

1)アイドルオタクにとって、アイドルの地方公演に行くのは、遠征でもあり旅行でもあるのだ。

2)最寄りの駅に着くと、友人と2人でタクシー乗り場に並ぶ。列の後ろに向かい、2人組で目的地が同じ人を探す。良い感じの2人組がいたら、「よかったら相乗りしませんか?」と持ちかける。これで失敗したことがほぼない。私たちはタクシー代が半分浮くし、相手方は早くタクシーに乗れる上にタクシー代も浮く。Win-Winだ。会場で「お互い楽しもう!」と別れ、ライブに向かう。

3)楽しいライブが終わると余韻を噛み締めつつ会場前のタクシー乗り場を通り越し、少し離れた車通りの多い道まで出る。会場の手前でタクシーを捕まえるのだ。タクシーに乗り込み、気のいい運転手さんだと思えば、おすすめのお店を教えてもらう。そうすると大抵は、ホテル近くのおすすめの店まで乗せていってくれる。何も調べずに現地の美味しいものに辿り着く方法は絶対これだと確信している。

この記事の著者・前田安正さんのメルマガ

バルミューダが「酷評スマホ」の新機種断念。何が足りなかったのか?

バルミューダが2021年11月に発売した「BALMUDA Phone」の後継機種の開発を断念し、携帯電話事業から撤退すると発表しました。参入が遅かったと残念がるのは、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さん。今回のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』では、いまスマートフォン市場で生き残っているメーカーにあってバルミューダにないモノがあると解説。調理家電をヒットさせた“強み”は「スマホ周り」で生かせるはずと、今後に期待を寄せています。

バルミューダが携帯電話事業からの撤退を発表──為替変動によるコスト高で後継機種開発を断念

5月12日、バルミューダは携帯電話事業を終了させると発表した。2021年11月に発売した「BALMUDA Phone」が最初で最後のスマートフォンになってしまった。社内では後継機種の開発が進められていたようだが、為替変動によりコスト面でも問題が浮上し、商品化を断念したとされる。

BALMUDA Phoneは発表されるや「コレじゃない感」が醸し出されており、ネットを中心にかなり酷評されていた。そもそも、スマートフォンは様々なメーカーがカネとヒトを惜しみなく投入し、開発されている。家電で成功したメーカーが、デザインを工夫し、メーカーに製造をお願いしただけでは、勝ち目はないのは明らかだ。

実際のところ、単に部品を組み合わせてスマートフォンを作っても、市場で生き残っていけないというのは台湾・HTCがいい例だろう。EMS(製造受託企業)から、自社ブランドでスマートフォンを作れても、他社と差別化するのは難しい。

いまスマートフォン市場で生き残っているメーカーは、シャープやソニー、サムスン電子のようにディスプレイやイメージセンサーなど自社やグループ内にデバイス部門が残っているところばかりだ。もちろん、アップルやグーグルは自社でOSを手がけており、さらにチップも作ることで、独自のポジションを築いている。

中国メーカーも、ファーウェイのようにチップを作れる関連会社があったことで、世界的なシェアを拡大していった。OPPOやXiaomiはどちらかといえば、買ってきた部品を組み合わせているメーカーではあるが、中国市場という規模の経済で生き残っている。そんなOPPOでさえ、画像処理のチップを自社で開発しつつある。

バルミューダがもったいないのは、もうちょっと早い時期に参入していれば状況は大きく変わっていたと言うことだ。バルミューダとしては「社長が小さいスマホが欲しいけど売っていないから自分でつくった」ということでBALMUDA Phoneを製品化したようだが、小さいスマホが市場にないということは「作っても売れない」という事に過ぎないのだ。

今週、各キャリアの決算資料を見て思ったのだが、やはりというか、とにかくスマートフォンが売れていない。各社とも昨年度に比べて100~200万台近く出荷台数を落としている。総務省の政策によって「端末は売らなくていい」という風潮があるなか、縮小している市場に小さなメーカーが新規参入するというのは無理がある。

バルミューダにはこれから「スマホ周り」で頑張ってもらいたい。スマホは結局、チップや画面サイズ、解像度などスペックという数値から比較検討されてしまう。しかし、例えばワイヤレスイヤホンであれば、デザインと「聴覚」という体感が重視される。バルミューダは調理家電において「味覚」で差別化したからこそ、成功を収めてきたのだ。

スマホの世界で「五感で戦えるジャンルの製品」であれば、勝てる見込みは十分にあるのではないだろうか。

この記事の著者・石川温さんのメルマガ

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NHKクロ現「ジャニーズ性加害」緊急特集を決定も「遅すぎる」と批判の声。秋には“大量退所”か、ジャニタレだらけの紅白はどうなる?

本日17日のNHK報道番組「クローズアップ現代」で、世間に衝撃を与えた故ジャニー喜多川氏の性加害疑惑について独自取材した特集「“誰も助けてくれなかった” 告白・ジャニーズと性加害問題」が放送される。これまで、この問題に沈黙を貫いていた“公共放送”のNHKが、ようやく大々的に取り上げるようだ。これに「よくやった!」と賞賛の声がある一方で「今さら遅すぎるだろ」という批判も少なくない。

NHKクロ現で「ジャニー喜多川氏の性加害」特集を放送の衝撃

当初は別の特集を放送する予定だったNHK「クロ現」が突如内容を変更し、これまで“だんまり”を決め込んでいたジャニーズ問題に切り込む決断をしたようだ。

ようやく動き出したマスコミに対して当然、世間の関心は非常に高い。

某巨大掲示板にはさっそく本日放送の番組に関するスレッドが立ったが、「遅すぎる」「マスコミも知っていて無視してたくせに」「ジャニファンの受信料で成り立ってただろ…」と、遅すぎたNHKの決断に批判の声も多い。

【関連】中居正広の“中絶強制スキャンダル”も徹底追及した今は無き気骨の雑誌『噂の眞相』とは?

“ジャニーズだらけ”の紅白歌合戦はどうなる?

また、毎年12月31日に放送される「紅白歌合戦」はどうなるんだ? という書き込みも多くみられる。

紅白歌合戦といえば、大晦日の風物詩として1956年から毎年放送される、NHKを代表する超大型音楽番組だ。近年は視聴者離れが進んでいるとはいえ、お目当ての歌手がいる人々にとっては「絶対に観る」番組のひとつだろう。その目当てが「ジャニーズアイドル」という人も大勢いるはずだ。

紅白は毎年数多くのジャニーズグループが出演しているが、「NHKとジャニの癒着」「ただのジャニーズ宣伝番組」「ジャニタレ学芸会」などと揶揄されることもある。そのため「クローズアップ現代」で性加害疑惑が特集されることにより、「もうジャニーズはNHKに出られないんじゃないか?」と思う人が相当数いるようだ。ある週刊誌の芸能記者はこう話す。

「藤島ジュリー社長が表に出てきて、事が一気に動きました。紅白等の兼ね合いで、これまでジャニーズに“気を遣い過ぎていた”NHKも、さすがに無視できないと判断したのでしょう。近年、受信料問題などで完全に嫌われ者になっていますし、挽回のチャンスなのかもしれません」

秋には大量退所も。ジャニーズ帝国は崩壊寸前

この記者は「最近ジャニーズを退所するタレントが増えていることが、原因なのかもしれない」とも話す。

「V6の三宅さんやキンプリの一部メンバー、若手グループと、退所の事例が相次いでいます。おまけに、一部識者の間では年内大量退所の予測も上がっているんです。もはや今年以降の紅白はジャニーズ抜きで考えないとまずい…気を遣っている場合じゃない…とNHKが判断しても不思議はないですね。今年の紅白がどうなるか? 今から期待しています」

時代が一気に変わり、「ジャニーズなしの紅白歌合戦」が誕生するのだろうか?

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現役探偵が語る。なぜ「名古屋での尾行調査」は厄介なのか?

尾行調査も多い探偵という仕事。行動観察の対象となる人物の移動手段によって、調査の難易度も変わると、メルマガ『探偵の視点』の著者で現役探偵の後藤啓佑さんは語ります。土地によって人々の移動手段も異なり、苦戦を強いられることもあるとか。

対象者の移動手段で変わる調査の難易度

探偵の調査をする上で一番のキーポイントとなるのが「対象者の移動手段」です。移動手段によって調査の明暗が分かれると言っても過言ではありません。何故なら、移動手段によって調査の難易度が変わるのはもちろん、出動する探偵の数も変わってくるからです。

多いのが車、徒歩、自転車、電車ですね。

一番やりやすいのが、郊外の車件です。探偵1人で対応できますし、動きも読みやすい。立ち寄り先も、大型ショッピングモールか飲食店、コンビニぐらいです。

次に徒歩のみ。徒歩のみの場合も、最悪1人の探偵で対処できます。

しかし、ここから

・徒歩+自転車
・徒歩+電車
・徒歩+バス

など他の移動手段が重なってくると、調査の難易度は上がってきます。そして上記の3つだと、最低でも2人の探偵が必要になってきます。

一番やりにくいのが、

・メインは徒歩、天気が良いと自転車(しかも速いやつ)でも動く、天気によってはタクシーにも乗るし、気まぐれで電車も使う。さらに立ち寄り先も毎回バラバラ

というパターン。なかなかいませんが、10人やったら2人ぐらいはこういう方がいます。こういう方と、郊外の車件では全く難易度が違います。探偵も複数人用意しなければなりませんので、探偵社側の負担もまあまあ(笑)。

これも地域によって差が大きいですね。東京都内での車のみの件などまずありませんが、逆に岐阜県や三重県などであればほぼ車件となります。

そして、僕の本拠地名古屋は、車で移動するくせにコインパーキングに停めてそこから電車に乗ったりする人が多い特殊な地域です(笑)車+電車のコンボが最も多い地域なのではないでしょうか。

数年前の対象者の顔は忘れても、対象者の移動手段は覚えている。それほど、探偵にとって対象者の移動手段は重要なのです。

先日のタイの調査では、ここにさらに「トゥクトゥク」という乗り物が加わるので要注意でした(笑)。

この記事の著者・後藤啓佑さんのメルマガ

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G7広島サミットで岸田首相が「核なき世界」を語ってはいけない理由

19日にG7広島サミットが開催されます。岸田首相にとって、今後を左右する重要な局面であることに違いありませんが、サミットを成功させるには何をすればいいのでしょう?無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者で国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんは、「核なき世界を語るのは非現実的」とした上で、成功へのポイントを解説しています。

岸田さんがG7広島サミットを成功させる方法

5月19日から5月21日まで、G7広島サミットが行われます。今日は、これについて考えてみましょう。

世界3大問題とは?

今の世界を見るに、3つの大問題があります。

・ロシアーウクライナ問題
・中国―台湾問題
・北朝鮮問題

です。この三つ、どれも「同じような問題」に見えますが、一つだけ次元が違います。それが、ロシアーウクライナ問題です。

中国、北朝鮮は現状、戦争をしていません。しかし、ロシアとウクライナは、現在進行形で戦争をしています。それで、世界3大問題の中で、「ウクライナ問題が最重要」なのです。

ウクライナ問題と台湾問題はつながっている

次に大事なこと。

日本にとって、ウクライナ戦争の結果は、どうなるのが国益なのでしょうか?これは、「ウクライナが勝つこと」です。なぜ?

ウクライナに侵略したプーチン・ロシアが勝利したと仮定しましょう。習近平は、「プーチンは、ウクライナに侵略して勝利した。俺が、台湾に侵攻しても勝てるだろう!」と考え、台湾侵攻の可能性が高まります。

「ウクライナに勝った」といいますが、実際は、ウクライナの背後にいる、「西側(日本と欧米)に勝った」という意味になります。そうでしょう?ウクライナは、欧米からの武器支援なしでロシアと戦えないのですから。

習近平は、「モデルケース」として「ウクライナ戦争」を観察しています。

「日欧米は、ロシアにどんな制裁を科すのかな?」

「日欧米は、どの程度ウクライナに資金や武器支援をするのかな?

結果、プーチンが逃げ切れたら、習近平は、「俺だって逃げ切れる」と自信を深めるでしょう。

もしこの戦争にロシアが負けて、プーチンが失脚すれば?そうなれば、習近平は、「ウクライナに侵攻してプーチンは失脚した。台湾に侵攻すれば、俺も失脚することになるだろう」と考え、台湾侵攻の可能性が減ります。だから日本は、ウクライナを助けることで、「台湾侵攻を阻止する戦い」をしているのです。

ウクライナ支援の核G7も揺らぐ

さて、G7の他にG20があります。参加国は、日本、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア、カナダ、EU、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、中国、インド、インドネシア、メキシコ、韓国、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ。

ここにはロシアがいる。中国、インド、ブラジル、サウジアラビア、南アフリカなどは、ウクライナ戦争で中立的な立場です。

一方G7は、自由、民主主義、人権、言論・信教の自由などの価値観を共有し、「反ロシア」「親ウクライナ」で一体化している。だからG7は、ウクライナ支援の「核」です。

しかし、そんなG7も一枚岩ではありません。ドイツ、フランス、イタリアは、「ウクライナの領土を一部ロシアに譲っても、早く停戦するべきだ」という考えてに流れがち。

ウクライナ支援の「核の核」は、もちろんアメリカとイギリスです。しかし、アメリカでは、共和党トランプ派がウクライナ支援に反対しています。3月5日、テレ朝ニュース。

<トランプ前大統領は4日、共和党保守派による大規模イベントの演説で大統領への返り咲きに自信を示し、そうなれば、最優先でウクライナ支援を止めると表明しました。>

「最優先でウクライナ支援を止める」そうです。そして、トランプさんは、様々な問題を抱えながらも、現在共和党の最有力候補の座にとどまっています。彼は、「有言実行」の男なので、大統領に返り咲いたら、ほぼ確実にウクライナ支援を止めるでしょう。だから、ゼレンスキーに残された時間は、そんなに長くないのかもしれません。彼的には、年内に決着をつけてしまいたいところでしょう。

岸田さんは、揺れるG7諸国を「ウクライナ支援」で一つにする必要があります。繰り返しになりますが、「ウクライナを支援することで、台湾侵攻の可能性が下がる」のですから。

 

子育て中のママが作った村の「NPO法人」に世界中から視察がくるワケ

世界中から視察がやってくる、田舎の村のNPO法人があります。いったいなにが、世界の人々の関心を集めているのでしょう?メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』で著者の佐藤きよあきさんが、その秘密を解き明かしています。

地域の困りごとを聞いたら、23の新規事業が生まれた!

高知県高岡郡日高村。この地に、いま世界中から視察に訪れるNPO法人があります。

「日高わのわ会」。

「わのわ」とは、「人の輪」「話の話」「平和の和」が繋がり、大きな輪となることを願って活動している団体です。

福祉事業や農産物の加工・販売、カフェ、食堂、宿泊施設など、23のコミュニティビジネスを展開しています。

NPO法人がここまで手広く事業を行うことは珍しく、世界から注目されているのは、なぜでしょうか。

NPO法人の発端は、子育て中のママさんたち。

子育てのすきま時間に、何か人の役に立つことができないものか、と考えたのがキッカケです。

まず最初に取り組んだのは、地域の特産品であるフルーツトマトの規格外品、つまり廃棄されるものの利用方法を考えること。

農家の困りごとを聞いたことから始まりました。

その結果生まれたのが、NPO法人の活動を支えることとなった、『とまとみそ』。

パスタにもご飯にも使える万能みそです。

これが大ヒットし、注目されるようになりました。

そこから、トマトソース、トマトジャム、パスタソース、ピザソース、トマトスープ、トマトのチーズケーキなどが誕生しました。

また、農家との繋がりができたことで、農作業の手伝いもするように。

その現場では、人手不足の問題を知り、元気な高齢者や障がい者、子育て中のママさんを紹介する事業にも繋がりました。

さらに、就労支援の体制も整え、働く場を広げていきました。

家事をやり慣れてない人が“乾いた食器”を片付けない理由

家事をやり慣れない人が残しがちな「あとちょっと」。これはなぜ起きてしまうのでしょうか?今回、無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』の著者である真井花さんが、いちいち指示をすることもめんどくさいけれど、気になる家事のやり残しについて語っています。

さて、本日はあとちょっとなお話。

家事をやり慣れない人が家事をやってくれることがありますよね。子供とか(一般的に言って)男性とか。そうすると

・DMは内容を確認してそのまま
・トレペを補充して前のトレペの芯はそのまま
・拭き掃除が終わると雑巾はそのまま
・洗って乾いたマグは洗いカゴにそのまま
・ゴミを集めた後ゴミ箱はそのまま

…こういうこと、よくありますよね。まさに名もなき家事の典型といえそうですが、別のいい方では

・詰めが甘い

でしょうか( ̄∇ ̄)

なぜだ、なぜソコまでで終わりにするんだ。その後どうなるのか想像がつかないのか?と感じることがしばしばですが、おそらくホントに

・想像がつかない

んでしょう( ̄∇ ̄)

よく家事をやり慣れない人にはやって欲しいことをイチイチ指示した方がいいと言いますね。でも、指示する側からすると、それはかなりメンドクサイ。察しろはダメだと分かっていても、全て指示するのは細かすぎてムリがある。まあ、家事みたいな異常に多種多様な仕事で全てを書き尽くしたマニュアルなんて作れないですよね。

なので、このイチイチな細かさを包摂するなにかが必要なんですよ。

糖質制限の専門家が警鐘。糖尿病患者はなぜ「感染症」に感染しやすいのか

「糖尿病患者は様々な感染症に感染しやすくなる」ことはよく聞きますが、それはなぜなのでしょう?また、合併症を予防するためには何をすればいいのか?メルマガ『糖尿病・ダイエットに!ドクター江部の糖質オフ!健康ライフ』の著者で糖質制限食の提唱者として知られる江部康二医師が解説します。

糖尿人が「感染症」に感染しやすい理由

一般によく知られていることですが、糖尿人は、肺炎、尿路感染、胆道感染、皮膚・軟部組織感染、外耳道炎、真菌感染、結核、歯周症など、様々な感染症を併発しやすいです。

それでは、糖尿人は何故、感染しやすいのでしょう?

糖尿病専門医研修ガイドブック(改定第7版)の、第11章合併症、332ページに.感染症の項目があります。

以下、引用です。

糖尿病患者においては、免疫低下がみられるが、自然免疫および獲得免疫ともに機能が低下する。

好中球、単球、リンパ球の付着能、遊走能、細胞内殺菌能の低下がみられ、細胞性免疫は低下する。

一方液性免疫についてはおおむね正常であり、免疫グロブリン量は通常、正常を示す。

また糖尿病の合併症である血管障害や神経障害も易感染性の要因となる・・・・

糖尿病患者における感染症の予防や予後のために、良好な血糖コントロールによる免疫機能の改善が重要である。

高血糖そのもので好中球の貪食機能低下や免疫反応の低下が生じます。

また高血糖で血流が悪くなると酸素や栄養が充分に行きわたらず、白血球も感染部位などに到達しにくくなります。

糖尿病神経障害があると内臓の活動が乱れやすくなり膀胱炎や胆のう炎などになりやすいです。

さらに感染症に罹患すると血糖値は普段よりも高くなり悪循環が生じます。

正常人で、血流がスムースに循環していれば、細菌がいても、そもそも感染は成立しません。

例えば、大腸ガンの手術で、癌を切り取って、端々吻合して縫い合わせ、腹壁を閉じます。

その後、皮膚は消毒しますが、糞便(細菌の塊)が通過していく大腸粘膜は、消毒しなくても感染しません。

また切れ痔も感染しませんが、痔瘻は袋状で血流が循環しないので感染します。

この記事の著者・江部康二さんのメルマガ

もはや昭和の頃とは別の国。日本で「桁ちがいの格差」が急拡大している理由

日本社会にあって、もはや広がる一方の感すらある格差。かつては「一億総中流」などと言われた我が国で、なぜここまで格差が拡大し定着してしまったのでしょうか。今回のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』では米国在住作家の冷泉彰彦さんが、その理由を徹底的に考察。詳細な分析で明らかになった「悪しき日本型格差」の元凶を解説しています。

※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2023年5月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

隠されてすらいる事実。なぜ日本にここまで悪しき格差が広がったのか

今世紀に入って最初に格差の問題が話題になったのは、2006年から07年の第一次安倍政権の時代でした。当時は「団塊2世=ロスジェネ」が30代半ばに差し掛かる中で、正規雇用に就けないグループと、そうでないグループの「差」が顕著になっていたのでした。そこで、当時の政権は「再チャレンジ」というキャンペーンを行ったりしました。大きな成果はありませんでしたが、貴重な着眼ではあったと思います。その後の政権には継承されなかったのは、残念でなりません。

この時期の格差批判というのは、かなり圧力としては高く、結果的に2007年の参院選で与党が負け、政権が崩壊する要因になったように思います。リベラルの一種の生理的とも言える「安倍嫌い」が、この時はまだ力関係的に有力であったこともありますが、その「格差が問題なのに改憲論議に走っている」という批判が、幅広い有権者にアピールしたのでした。

その後、日本国内の格差は緩和されたのかというと、むしろ反対です。2008年のリーマン・ショックによる世界的な景気後退、2011年の東日本大震災、2020年からの「コロナによる失われた3年間」など、様々な経済的な苦境がありましたが、そのたびに格差は拡大していきました。

気がつくと、格差拡大というのは「当たり前」になり、格差のことを批判する声も比較的小さくなりました。勿論、格差の当事者には潜在的な声があるのですが、メディアは取り上げず、労働権の行使も雇用を人質に取る中で潰されてきたのです。結果的に、こうした要因が格差を更に拡大してきたのでした。

そもそも、格差には良い格差と悪い格差があると思います。いやいや、格差は一般的に悪だという考え方があるのも承知していますが、そうした発想法にこだわり過ぎると、結果平等と計画経済に流れて最終的には経済全体の活力を奪ってしまいます。このことは、20世紀に行われた壮大な社会実験の失敗が明確に示しています。

勿論、良い格差といっても必要悪だという認識は必要ですが、それはともかく、仮に「今は低収入である層が、一種のハングリー精神を持ち、個々の階層上昇へのエネルギーを集約することで全体の成長を牽引する」というような格差であれば、ある種、良い格差であると言えます。

また、「様々な理由で財産を築いた層が様々な方法で社会にその富を還元することで、政府による徴税と再分配よりもコスパの良い還元ができている」というような場合は、さすがに良い格差とは言えないまでも、格差の問題性は軽減されていると言うことができるでしょう。

そのように発想して行くと、現代の日本の格差というのは、相当に悪質なものであると考えられます。3つ指摘したいと思います。

この記事の著者・冷泉彰彦さんのメルマガ