日本の醜さと情けなさを映す鏡。沖縄の「本土復帰50年」を総括する

2022年5月15日、沖縄返還50年という節目を迎えた我が国。しかし沖縄県民がどれだけ新基地建設反対を訴え続けようとも政府は聞く耳を持たず、辺野古の工事は続いています。なぜ本土と沖縄の関係性はここまで歪んだものとなってしまったのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著者でジャーナリストの高野孟さんが、とある月刊機関誌に寄稿した論考を紹介する形で、沖縄と日本の50年を概括しています。

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※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2022年11月7日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

米国への従属を転換する覚悟が問われる

東アジア共同体研究所の琉球・沖縄センターが『復帰50年/沖縄を読む』と題したブックレットをこの春に出版したところ、「自主・平和・民主のための広範な国民連合」の月刊機関誌「日本の進路」編集部より、これにちなんで沖縄と日本の50年を概括する一文を寄せるよう要請があった。それが掲載された同誌11月号が手元に届いたので、本誌で紹介する。

米国への従属を転換する覚悟が問われる

今年は沖縄の復帰50年という大きな節目の年で、1972年の沖縄返還協定によって沖縄が27年間の「アメリカ世(ゆ)」を脱して再び「ヤマト世」を迎えてからのこの半世紀を1つの時代としてどう捉えたらいいのか、沖縄の側ではもちろん本土の側も含めて、盛んな議論が湧き起こるものと思われた。

そこで、私が属する東アジア共同体研究所の琉球沖縄センターでは昨秋から準備して、『復帰50年 沖縄を読む/沖縄世はどこへ』と題したブックレットを編んで今春出版した。その第1部では、私が私なりのこの50年の概観的スケッチを描き、それを呼水にする形で、本文に当たる第2部では、沖縄と本土の50人の多彩な方々に「この50年を考えるためのこの1冊」を選んでその推薦理由を短く鋭く書いてくれるようお願いした。そのような構成にしたのは、この大きなテーマを1つの角度で切り裂くことなど到底できるはずがなく、むしろ逆に様々な視点から光を当てて乱反射状態を作り出すことの方が議論を賑やかにするのに役立つだろうという判断からのことであった。

ところが、それから半年が過ぎた今になってみると、驚くべきことに我々が予想したような復帰50年をめぐる大議論は起きなかった。もちろん現地や本土のメディアはそれなりに特集やシリーズ企画を組んだし、NHKの朝ドラさえも沖縄を舞台に選んだりしたけれども、それらはそれだけのこととして流れ去って行き、沖縄の人々が50年を経てもなおどうすることもできないでいる本土による根源的な差別の構造は微動だにせず居座ったままである。

9月には沖縄県知事選があり、辺野古新基地建設に反対する玉城デニーが基地容認の自民党・公明党推薦の候補を破って再選を果たした。この記念すべき年にたまたま巡ってきた選挙で「オール沖縄」陣営に支えられた玉城が勝利したのは重要な政治的な成果ではあるけれども、問題は、県民がいくら選挙や県民投票や大会決議や世論調査で普天間基地即時閉鎖、辺野古新基地建設反対、米海兵隊は出て行けという明確な意思を示しても、本土政府は一切耳を貸さずに「辺野古移転が唯一の選択肢」と呪文のように言い続け、しかも本土の国民がそのような政府の態度を変えさせようとも思わずに事実上容認してしまっているという、二重であるが故に根源的な沖縄に対する差別構造には、何ら揺るぎがなかったということである。

その構造を一夜にして転覆することなど出来はしないと分かり切ってはいても、それを揺るがし始めるきっかけくらいは掴める年にしたいものだと思ったのだが果たせず、虚しく迎えるこの年の暮れである。

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日本の将来は真っ暗か?リスクヘッジが苦手な日本人が世界で通用しない訳

ロシアや中国、北朝鮮など周辺の国の問題が多い中、「日本にはリスクヘッジの発想があまりにもなさすぎる」と、メルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』の著者で現役医師の和田秀樹さんは語ります。今後、日本を沈没させないために、私たちは何を準備すればいいのでしょうか?

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リスクヘッジの発想がない日本の将来

日本人の悪いところは、リスクヘッジの発想がないことだ。

ITがいいとなればそれだけを志向し(それなのに韓国や台湾に勝てないのは情けないが)、DXがよければそればかりだ。

ウクライナ問題でも、西側についていれば大丈夫と思いきっている。

中国が台頭してきたときの準備をしている人が少ない。政治がダメなら民間外交的なことができる人がいればいいが、北朝鮮に行った猪木氏(惜しい人を亡くしたと思う)を除いて、そういう人が本当に見当たらなくなった。

今は民間でもロシアを避けているからリスクヘッジが本当にない。

ロシアが早晩音を上げると思っている人が多いが、ナポレオンやヒトラーに耐えたしぶとさをみんな忘れている。

中国のGDPがアメリカを抜かしたときにアメリカがどう出るのかもわからない。

EUやNATOとの同盟を強めて対抗する可能性が大きいとされているが、中国と仲良くして、ビジネスをとるかもしれないし、それ以上に左派がもっと強くなって社会主義的な大統領が出ることだってあり得る。

そのときに日本が置いてけぼりになる可能性もある。

EUだって一枚岩でい続けるかもわからない。

どんな時代になるかわからないのだから、そうなったときの対応をしないといけないのだが、その準備をしているようにはまったく見られない。

あるいは、その時に、相手に嫌われない準備だってろくにしていない。

ロシア人だって中国人だって、彼らに嫌われるままでいいのだろうか?

あるいは、プーチンだけ、習近平だけに嫌われてもいいがロシア人、中国人に嫌われないようにしようという発想もない。

私の心配が杞憂ならいいが、現実のものになったとき、日本がさらに沈没するのが怖い。

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中国の一般女性は習近平国家主席を「セクシー」だと思っているのか?

海外のメディアでは批判的な扱いをされている習近平国家主席ですが、中国国内、とりわけ女性にとってはどのような存在なのでしょうか。中国出身で日本在住の作家として活動する黄文葦さんが自身のメルマガ『黄文葦の日中楽話』の中で中国の一般人からみた習近平について語っています。

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習近平国家主席は、中国の女性にとってセクシーな存在?

Question

習近平国家主席は、中国の女性にとってセクシーな存在なのでしょうか?

黄文葦さんからの回答

90年代に、当方は中国政府機関紙で仕事をしていたので、地域の大物に会う機会が結構ありました。その中で、90年代、福建省福州の市委書記(市の共産党権力トップ)を勤めていた習主席と何度か取材現場で会ったことがあります。

その時、自分の目から見る習主席は背が高くて、かっこよかったのです。男としても、リーダーとしても、完璧な人間だと思いました。女性にとっては、今の言葉で言えば、セクシーな存在であったに違いないでしょう。

1985年6月から2002年10月まで、習主席は17年間、福建省で働き、厦門市、寧徳区、福州市、福建省党・政府の各要職で指導者的立場にあって、福建省での17年間で、彼は政界での地位を固めたと言われます。当時勤めていた新聞社に、習主席は定年退職の老幹部を尊重する良い指導者だと賞賛する、老幹部読者からの手紙が届いたことがあったのを覚えています。

いままでの中国メディアの習主席の結婚・家族に関する規定報道には、親しさを覚えたというのも、物語の舞台となった場所は、ほとんど自分の故郷である福建省だったからです。

現在、海外のメディアは、習主席に対してほとんど批判的です。一方、当然ながら中国メディアは国のリーダーに賞賛の声しか上げないです。メディアは、彼を一人の人間としてではなく、偉大なリーダーとして報道するわけです。だから、中国の女性も含め、一般の中国人は習主席を一人の男性だとして見る機会がないのでしょう。

何人かの中国国内の女性に「習主席は、中国の女性にとってセクシーな存在なのでしょうか?」と尋ねると、「そんなこと考えたこともない」「私たちが評価することではない」「人間のレベルではなく、神様のレベルですね」と言った人がいます。

現在、中国の政治家の豊かな人間性の別の側面が見えてこないのは残念だと思います。「ぶら下がり取材」もあり得ないことです。外国の指導者と違って、スキャンダルはともかく、日常生活ぶりが報道されることがほとんどないのです。中国のリーダーは、あくまでもリーダーです。

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習近平「3期目続投」が北朝鮮のミサイル発射を活気づけるワケ

北朝鮮からのミサイル軍事発射はここ数日だけでも数十回に及び、周辺各国の不安と批判は大きくなっています。今回のメルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』では宮塚コリア研究所副代表の宮塚寿美子さんが、このミサイルの発射についての国際社会の見方となぜ挑発行為ができるのかを詳しく解説しています。

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習近平3期目を後ろ盾にますます強気に出る北朝鮮

北朝鮮のミサイル軍事発射が続いている。

前号でも北朝鮮のミサイル発射について述べたが、今回も本日想定していたように北朝鮮はミサイルを発射した。

【関連】ミサイル発射に「金正恩立ち会い」と報道。北が謎の沈黙を破った理由

韓国軍の合同参謀部によると、本日11月5日午前11時32分ごろから59分頃にかけて、北西部の平安北道東林付近から黄海に向けて短距離弾道ミサイル(SRBM)4発を発射したと発表した。

北朝鮮は、先日11月3日の朝に3発のミサイルも発射している。前日にも発射しており、米韓で行われていた大規模合同軍事訓練の「ビジラント・ストーム」に反発した対抗措置とみられた。これにより、4日に終了だった訓練を1日延長することで合意していた。

筆者の見解では、この延長に対しても北朝鮮は反発をしてくることは想定しており、各方面からの問い合わせにもそう答えていた。数日開けず、間髪入れず反発したわけである。

では、国際社会はこの北朝鮮による相次ぐミサイル発射をどうみているのか。11月4日に、国連の安全保障理事会で対応を協議する緊急会議が開かれた。各国からは地域を脅かす危険な行為であると非難の意見が相次ぐ一方で、中国とロシアは米国が緊張を高めていると主張し、これも想定内の有意義で一致した対応をとることができずに終わった。

なぜ、北朝鮮はミサイル挑発行為ができるのか。

それは、やはり北朝鮮には中国とロシアの後ろ盾があるからである。

今回より明らかになったと分析できるものとして、中国共産党が先月10月16日から22日まで開催していた第20回党大会で習近平国家主席の党の「核心」としての地位と、政治思想の指導的地位を固める「2つの確立」を盛り込んだ党規約の改正案が承認された。

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平野紫耀キンプリ脱退の舞台裏。永瀬廉、高橋海人が情報解禁2時間前に見せた「普通じゃない仕草」に芸能記者が思うこと

人気グループ「King&Prince」の平野紫耀(25)、岸優太(27)、神宮寺勇太(25)がジャニーズ事務所を電撃退所することが報じられ、ファンから驚きの声が上がっています。あの日、芸能界では何が起こっていたのでしょうか?
「何か動きがあるらしい」「平野紫耀が退所」「キンプリ空中分解!」――驚きのスクープが芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄氏の元に飛び込んできたのは、11月4日(金)夕方のこと。ただしマスコミ報道の情報解禁時刻は23時、しかもこの日のキンプリは21時放送の「ミュージックステーション」(テレビ朝日系)に生出演予定でした。
ヤキモキしながら「Mステ」を見守る芋澤氏の目にとまった、永瀬廉・高橋海人の「気になるシーン」とは?

なぜ King&Prince、なぜ平野紫耀が!? 記者も驚愕

いや~、先週末から私の頭の中は『King & Prince』メンバーの事で一杯です。

滝沢秀明氏退社の次に、まさか事務所の“顔”と言えるグループが空中分解するとは…。

11月4日(金)夕方、私のところに“ジャニーズ事務所で何か動きがあるらしい”から始まって、“平野が退所”、“キンプリ空中分解”と某信頼できる筋から情報が入ってきました。

まさかキンプリ、まさか平野…“えぇ~⁈”という感じでした。

この日キンプリが出演していた『ミュージックステーション』のオンエアより早い時間に情報は寄せられていたので、ツイートしたくてしたくて悶々としていたのですが、そこは30余年を超える芸能記者としてのプライドもあり、きちんと“情報解禁は23時”という約束を守る事にしました。

その数時間が実に長かった事…時が澱んで流れているように感じました。

Mステで放送された、永瀬・高橋の「普通じゃないシーン」

21時、『Mステ』が始まります。

グループとして、メンバーそれぞれの個人としての彼等の、一挙手一投足を見逃すまいと固唾を呑んで注視します。

そんな私のテンションも虚しく(当然と言えば当然ですが)メンバーはプロとして、脱退や解散や退所の気持ちなどおくびにも出さず番組は終了しました。

ただ、今思えばですが、ひとつだけ気になるシーンがありました。

それは来春公開予定の『映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)』に永瀬廉が声優に初挑戦したことからのプロモーションのシーンでした。

ドラえもんと永瀬のツーショットにドラえもんのDVDを持っているほど好きだという高橋海人が「僕も出たかったんですよ」と絡んできたのです。

でも絡んできたのは高橋だけ…普通に考えればドラえもんを囲んでメンバーが全員輪になって絡んでくる演出があってもおかしくないでしょう。

それがきっちり3:2の構図になり、カメラは椅子に座って話を聞いている(フリ?)岸・平野・神宮寺を抜いていただけでした。

事前に3人の脱退・退所を知っていたからそう見えたのかもしれませんが、これにはさすがの私もドキドキしてしまいました。

“方向性の違い”が垣間見られるような演出だったからです。

情報解禁当日のこの『Mステ』出演に関して、『東スポWEB』が“平野だけが楽屋に入らず、廊下の壁にもたれながら座り込んでいた”と関係者の証言を紹介していました。

脱退・退所に関してSNS、マスコミがその理由付けを探ろうと憶測だけの記事が今や山のように、次から次へと押し寄せる海の波のように溢れています。

恥ずかしながら私もそのひとりではありますが、本人以外、今のところ誰ひとり真相は語れないでしょう。もしかしたら本人さえ、うまく言葉にできない感情を抱えているかもしれません。

【関連】キンプリ 永瀬廉の涙に偽りなし。平野・岸・神宮寺「電撃復帰説」はなぜ完全消滅したか? もうあの頃の5人には戻れないから…

安倍氏が残した負の遺産。現役サラリーマン「9割が老後貧困」の現実

傘寿や米寿、卒寿といった長寿祝いの存在が証明するように、かつては幸せとされた長生き。しかし大多数の現役サラリーマン世代にとって、長く生きるということは「辛い生き地獄が続くこと」に他ならないようです。今回のメルマガ『神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図──政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる!』では投資コンサルタント&マネーアナリストの神樹兵輔さんが、現役世代の9割が貧困老人となる厳しい現実を紹介。その上で、こうした結果は世襲議員が4割を占める自民党に政治を任せ続けてきたツケだとの見解を記しています。

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現役サラリーマンの9割が「貧困老後」に陥る──という近未来の地獄!

みなさま、こんにちは!「衰退ニッポンの暗黒地図」をお届けするマネーアナリストの神樹兵輔(かみき・へいすけ)です。今回のテーマは、「現役サラリーマンの9割が貧困老後に陥る──という近未来の地獄!」というテーマでお届けしたいと思います。

昔の老後はとても短かった!

少子高齢化の問題がマスコミで顕著に取り上げられるようになったのは、今から30年近く前の、バブルが崩壊した1990年代に入ってからでした。しかし、日本の出生率が減少傾向を帯び始めたのは、実は戦前の1920年代からという長期データがあります。明治維新以降の工業化の過程で、日本では人口が急速に増える「人口爆発」を経験し、政府も対外拡張政策で多産化を奨励してきました。しかし、やがて1926年にはじめて合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の数)が5を割り込みます。そして1949年には4を割り込み、52年には3を割り込みます。1974年には、人口置換水準(その時点の人口を維持するために必要とされる合計特殊出生率)である2.07を割り込み2.05となったのでした。以降はずっと2を割り込んだままです。合計特殊出生率は、2005年に過去最低の1.26を記録したのち、2016年には1.45となるも、ずっと低水準で推移しています。

2016年には、出生数も初めて100万人を割り込み、98万人となりました(死亡数は129万人)。そして2021年には、出生数が81万1,604人、死亡数が143万9,809人、合計特殊出生率は1.3でした(6年連続低下)。出生数がどんどん減って、死亡者数がどんどん増えていることが窺えます。差し引き(自然増減数)で、ざっと63万人の人口が2021年の1年間で減ったのです。この出生数と死亡者数の差し引き水準(自然増減数)は、年々増えていきますから、これからも人口減少に拍車がかかっていくことが予想できるでしょう。

多産時代に志向された考え方では、親が働けなくなった老後に助けてもらうべく子供を産む──というより、農業に従事する家庭が多く、労働力確保の意味合いが強く、乳幼児の死亡率が高かったため──といわれています。なにしろ、1950年の平均寿命は、男性が58歳、女性が62歳でしたから、働けなくなる「老後」という期間も短かかったのです(厚労省・簡易生命表)。50歳代で定年を迎えて引退したら、わずか数年後には死んでいく人が少なくなかったからです。そもそも「老後の心配」をほとんどする必要がなかった時代──ともいえます。多少の蓄えがあれば、死ぬまでが 「短い老後」 なので、生計も何とかなっていたわけです。また、子供の数も多かったので、子供たちに面倒を見てもらうことも可能だったでしょう。

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中国とインドが反対表明。核の脅しさえも使えなくなったプーチンの末路

これまで幾度となく、ウクライナ戦争での核兵器使用を仄めかしてきたプーチン大統領。しかしここに来て突然、ロシア外務省が核保有国に対して「核戦争の回避」を呼びかける声明を発表しました。その裏にはどのような事情があるのでしょうか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、ウクライナ戦争の戦局を詳しく紹介するとともに、「核の脅し」をプーチン氏が引っ込めざるを得なくなった理由を解説しています。

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ロシア軍形勢不利も、ウクライナ軍の攻撃停滞

ウクライナ侵略戦争は、ロ軍形勢不利な状況であるが、冬に向けて、ウ軍の攻撃も減速している。今後を検討しよう。

ウ軍は、ルハンスク州で交通の要衝のスバトボに向かっているし、ヘルソン州では、ムイロベに向かっている。これに対して、ロ軍はヘルソン州南部から精鋭部隊を徐々に撤退させているようだ。その代わりに、動員兵を送り込んでいる。しかし、これらの戦線の動きは少ない。

ロシアは、北朝鮮とベラルーシ、イランから弾薬も調達して、前線に送り、ウ軍と同等レベルの砲撃を維持しているが、いつまでもつのかだ。今は泥濘で砲撃戦をお互いに行うしかないようである。

クレミンナ・スバトボ攻防戦

ウ軍は、クレミンナ周辺に到達して、クレミンナのロ軍基地に対して、砲撃しているが、偵察部隊を出して、ロ軍の状況をみている。

ウ軍は、もう1つ、クピャンスクからP07を南下してスバトボに向け進軍しているが、進行速度が大きく落ちている。秋恒例の泥濘で、装甲車両が舗装道路以外で走行不可になっていることで、攻撃に必要な装甲車を先頭に立てて攻撃できないためである。

このため、冬になり、地面が凍結して装甲車が走行可能になるまで、大きくは動けないようである。それと、冬になり、ウ軍がより優勢になるとみて、今は攻撃を控えているようにも見える。

ウ軍には、防寒着が世界から援助されているが、ロ軍には防寒着も個人での用意であるし、それを買う給与は出ていないという。凍死の危険がロ軍にはある。

ウ軍の攻撃が弱まり、ロ軍は大量の動員兵をスバトボに送り、体制を立て直したいようだ。しかし、ルガンスク州マケーエフカの前線に投入された動員兵は、塹壕を掘れと命令されたその明朝にウ軍に砲撃され、将校は逃亡。570人いた動員兵の内、無傷で生き残ったのは29名、負傷者は12名、残りは全滅だったという。大量戦死が発生しているようだ。HIMARSの砲撃は正確でかつ面攻撃であり、大量の犠牲者が出る。

ウ軍は、P07南下の装甲部隊がチェルボノピフカを攻撃したが、クレミンナ攻撃のウ軍は、兵力が少ないのか、攻撃が弱いような気がする。このため、部隊間の隙間を通り抜けて、前線から遠いテルニーをロ軍が攻撃できるようである。このほかにもロ軍は攻撃して、ウ軍の攻撃を遅らせている。

もう1つが、この地域には親ロ派の住民が多く、ウ軍部隊の情報がロ軍にもたらされているようにも見える。

それでも、ウ軍はP66から北上して、来週にはスバトボを総攻撃すると見られている。現在、スバトボから10km程度の所まで、ウ軍は到達しているからだ。

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統一教会を解散にまで追い込めるのか?いまさら聞けない「質問権」について解説

11月7日、旧統一教会に行使する質問権の運用基準案を固めた文部科学省。その解散を求める声も数多く上がっている旧統一協会ですが、質問権はどこまで教団の真実に迫ることが可能なのでしょうか。今回のメルマガ『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』ではジャーナリストの伊東森さんが、質問権とはいかなるものなのかを解説。さらに指摘される課題や限界についても紹介しています。

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旧統一教会へ初の「質問権」行使か? 質問権とは? 一方、教団側、自民議員と「政策協定」を締結

旧統一教会などの問題が尾を引き、内閣支持率の下落が止まらないなか、岸田首相は、

「前例のない対応」(*1)

を決めた。宗教法人法に基づく「質問権」を初めて行使し、教団を調査する方針。「解散命令」につながる可能性もあり、教団をめぐる問題では、大きな転換点を迎える。

そもそも政府は当初、「信教の自由」との兼ね合いもあり、解散命令については消極的だった。9月に国会内で開かれた野党の会合では、文化庁は、

「旧統一教会の役職員が刑罰を受けた事案を承知しておらず、『解散命令』の請求の要件を満たしていないと考えている」(*2)

とする。しかし、10月に入り、教団と山際経済再生担当大臣との関係が判明したあたりから変化が。10月6日の代表質問で岸田首相の答弁に変化が。

「『解散命令』の請求は『信教の自由』を保障する観点から『慎重』に判断する必要があると考えているが、宗教団体に法令から逸脱する行為があれば『厳正に対処』する必要がある」

と、「慎重に」とは言いつつも、しかし「厳正に対処する」という微妙な変化がみられた。

目次

  • 質問権とは
  • 「質問権」をめぐる課題
  • 教団側、自民議員と「政策協定」 教団関係者「ここ最近のこと」

質問権とは

質問権は宗教法人法により、規定。1990年代のオウム真理教が絡んだ一連の事件を受け、1996年に法制化。しかし、実際に行使された例はない。

質問権

 

宗教法人に法令違反など疑われる場合、運営実態などの報告をもとめたり、質問できる。

 

宗教法人 質問に応じない・虚偽の報告→代表の役員 10万円以下の過料(*3)

宗教法人法では、宗教法人に法令違反などが疑われる場合、文部科学省などが運営実態などについて報告を求めたり、質問したりすることができる。

その後の手続きで、裁判所の決定次第では、宗教法人の「解散命令」につながる可能性も。

質問権における手続きでは、「信教の自由」を妨ないための一定のルールが。政府が質問権を行使する場合、有識者などの審議会の意見を聞かないとならない。

質問の結果、法令違反などを確認し、「著しく公共の福祉を害する」などと判断された場合、裁判所に解散命令を請求することができ、裁判所は実際に命令を出すか判断する。

つまり、政府は“一気に”解散命令を裁判所に請求するのではなく、「信教の自由」との関係を踏まえ、手続きに時間はかかっても調査を行い、具体的な事実関係を把握したうえで、請求を検討する方針だ(*4)。

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国全体がディズニーランド。世界中の人々が憧れる「安全で清潔な日本」

厳しい水際対策が緩和されるやいなや、各国から日本に押し寄せる外国人観光客。その勢いはまさに「殺到」と言っても過言ではないものですが、なぜ彼らは数ある観光地の中から日本を選ぶのでしょうか。今回のメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤先生が、「日本=ディズニーランド論」を展開。我が国が世界一の人気観光地となった理由を解説しています。

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「日本はディスニーランド」論

今回は少し軽い話題です。

海外からの旅行者が入ってくるようになりました。街でもチラホラと見かけます。

日本の観光地としての人気は世界一になったと思います。

海外新聞を読んでいるとそれを実感します。

「ついに日本旅行ができる」といった記事がよくあるのです。「ついにタイに」とか「ついに韓国に」などとった記事とは比較になりません。

そんななかから、シンガポールのストレートタイムズの記事をご紹介しましょう。筆者はシンガポール人女性の記者で3年ぶりに日本を訪れました。

シンガポールの人々は、日本のスナック菓子を買い求め、スーパーの日本食フェアに出向き、桜の振袖を着て写真を撮り、日本食に高いお金を払っています。

 

しかし、今、日本は国境を開放しました。何の障害もありません。

 

先日、日本の東京で働く姉を訪ねて、1ヶ月間東京に滞在しました。1ヶ月というと長いようですが、失われた時間を取り戻すとなると、そうでもないようです。

 

レストランは相変わらず予約困難です。私のお気に入りの寿司屋は来年の12月まで予約が埋まっているといいます。

 

私のような外人は、いまだに疑心暗鬼で扱われます。寿司職人や食堂の人は、私が出された魚を見分けられることを驚かれます。

 

ショッピングモールのレストランや、今話題のデパチカ(百貨店の食品売り場)には、日常的に行列ができています。

 

しかし「テイクアウトOK」の看板を掲げる店も少なくないです。デリバリーで注文できる料理の幅は驚くほど広がっています。

 

料理の種類も増えました。台湾のカフェやレストランが増えバブルティーは東京で定着しました。タイやベトナムのレストランも増え、東京のスペシャルティコーヒーは前回2018年に訪れた時よりもさらに増えています。

 

そしてもうひとつ、レストランの請求書を見て、シンガポールでは日本食にどれだけお金をかけすぎているのか、何度も思い知らされます。

 

もっと早く新宿割烹中嶋(新宿区新宿3-32-5 日原ビルB1F)を発見しておけばよかったと後悔しています。11時半の開店前に行って並べば、800円(S$8)で立派な岩石ランチを食べることができます。

 

いわしは刺身、しょうゆ煮、フライ、卵と玉ねぎの煮物の4種類から選べます。ご飯とお漬物がセットになっており、お茶もついてきます。私は、いわしの煮付けと刺身の半身盛りを注文してなんと合計1,265円(税込)です。

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西川きよし師匠「私の履歴書」で思い出した2つの“極道”エピソード

今年10月の日経新聞の名物コラム「私の履歴書」に登場したのは、漫才師で元国会議員の西川きよしさんでした。その28回目「慰問」と題された記事に触れ、永六輔さんの刑務所慰問講演集『悪党諸君』を思い出したと語るのは、評論家の佐高信さんです。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』では、永六輔さんが刑務所を慰問するようになったきっかけが書かれた部分を紹介。さらに派生して、映画『傷だらけの人生』で主演のヤクザを演じた鶴田浩二さんが「最も“あこぎ”なのは誰か」言い放ったセリフを紹介しています。

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菊の代紋は背負わない

10月29日付の『日本経済新聞』「私の履歴書」で漫才師の西川きよしが書いている。

ある時タクシーに乗って料金を払おうとしたら、運転手が受け取らない。それでは困ると問答の末、彼が打ち明けた。
「実は京都で刑務所にいたころ、慰問に来てくれたやすし、きよしさんに笑わせてもらったことがあって…。あのときのお礼に、ここはひとつ気分良くおごらせてや」

これを読んで私は本棚から永六輔著『悪党諸君』(青林工芸舎)を取り出した。これは刑務所慰問講演集である。

永が慰問を始めるようになったのは鹿児島の吉田勇吉という素敵なおじいさんと知り合ったからだった。立派な会社の社長で、ボランティアを手伝ったり、みんなが嫌がることを率先してやる。その家へ遊びに行って、風呂をすすめられ、おじいさんの背中にすごい掘りものがあるのを見た。元極道だったのである。

「社長さんも、そんな時期があったんだ」
「若いときよ、恥ずかしいんだよ」
「相当暴れたの?」
「刑務所に出たり入ったりすること26回」

こんなヤリトリをして、永が驚いたら、「永さん、26っていったら大したことないんですよ。大きいことやってりゃ1犯か2犯で済むんですから(笑)。26もやったってことは、出たり入ったりってことですから、早い話がチンピラですよ」こう述懐したおじいさんは特攻隊の若者たちと同世代で、彼らを見送っているうちに改心した。

「あいつらは命をかけて国を守ってる。一方おれは命をかけて男が立つ、立たないのってくだらないことをやっている。よし、やめようってなったけど、それまではひどかった」

そのおじいさんに連れられて永は鹿児島の刑務所に行った。玄関の前で彼が言った。
「ここは、オレの学校なんだよ。オレ、ここで勉強してきたから。でもね、こんなところは1回入ればいいんだ。オレみたいに何回も出たり入ったりするのはロクなヤツじゃない。だから、ここにいっぺん入ってまた来るヤツがいるから、来ないようになればいいなあと思って…」

まもなく彼が亡くなり、その遺言で永は慰問に行くようになった。これは1986年10月3日の京都刑務所での講演である。

私はヤクザについては次の話が忘れられない。鶴田浩二が主演の映画『傷だらけの人生』の一場面である。

戦時色濃くなる中で、「お国のため」を振りかざして軍部がヤクザを糾合しようとする。それに乗っかる極道もいるが、鶴田の演ずるヤクザはそのいかがわしさを嫌って、「自分たちもそれぞれの組の代紋を背負って無法なことをやるが、国家という“菊の代紋”を背負っている奴らが一番あこぎなことをする」と呟くのである。

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