「米は中国を止めることなど出来ぬ」米中首脳会談の直後ある筋から届いた衝撃の一報

日本時間の11月16日、オンライン形式で行われた米中首脳会談。序盤こそ友好的なムードに包まれた雰囲気となりましたが、両国間に横たわる深い溝は如何ともし難く、亀裂の深さを際立たせるだけの結果に終わってしまったようです。米中両大国が、ここまで対立姿勢を露わにする意図はどこにあるのでしょうか。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では元国連紛争調停官の島田久仁彦さんが、二人の首脳が置かれている退くことが許されない状況を解説。さらに両国と深い関係性を持つ日本が米中対立の緊張緩和のため、今後果たすべき2つの役割を挙げています。

 

歩み寄れない米中関係が分割する国際情勢

「アメリカのバイデン政権は、中国を止めることなどできない」

名前や所属は明かせませんが、11月16日にオンラインで米中首脳会談が行われた直後にこのような連絡が届きました。

元々はエスカレートする米中間の対立を受け、緊張緩和の機会を探るために行われた首脳間の協議で、開始直後は互いに旧友と呼び合って親交を再度温めるような和んだ雰囲気で、両国間に存在する緊張の緩和の必要性という“総論”では合意し、「競争はしつつも衝突は避ける」という方向性は共有できたようです。

しかし、議論が各論に入ると、両国間の主張の違いが鮮明化し、双方の“譲れない一線”をぶつけ合う形で、議論は平行線をたどり、米中対立の構図がなかなか解決できないことを露呈しました。

主に台湾情勢の緊迫化への懸念、新疆ウイグル自治区における人権問題、南シナ海問題、経済・貿易問題などが、米中間での対立軸ですが、それぞれが従来の主張を繰り返され、歩み寄りの姿勢が全く見られなかったとのことです。

例えば、台湾問題ですが、副国家主席時代から「中国および中国共産党にとって、不可分な利害」と呼び、国家主席就任後は、One China, One Asia構想の下、台湾の“平和的”統一を目指してきた習近平氏にとって、ここにアメリカのプレゼンスが日に日に増えている状況は看過できない問題と位置付けられています。

今回の協議でも「台湾への行き過ぎた介入は中国にとっては強硬かつ断固とした措置を取らざるを得ないレッドラインだ」と珍しく強い口調で主張し、台湾に対する高まるアメリカ政府による肩入れを非難し、牽制するという選択に出たようです。

平和的な統一が望ましいとしつつも、米中首脳間の意見として、明確に台湾への軍事力による侵攻と統一という選択肢を取ることも厭わないと発言するのは異例では済まされないと思われます。

今のところ、以前お話ししたように、軍事的な作戦を通じて台湾を急襲し、アメリカ他からの反撃に備えつつ、台湾占領及び統一のための人員や物資の動員を短期間で行う能力は“まだ”ないものと思われますが、グアムキラーや対潜水艦のミサイルはもとより、最近、繰り返し行われる空母攻撃群の連携演習や、空軍との連携、ミサイル部隊の強化といったように、中国および台湾に駆け付ける米軍への対抗・対応の準備及び能力、体制は徐々に整ってきているように見えます。

そして、最近、ペンタゴンが出した年次報告書でも、予想よりも早く中国の戦力の充実化が図られるとの予想も出ており、もし来年、習近平国家主席が3選目を迎えるようになれば、核心的利益と位置付ける台湾併合を実現するために、より強硬な手段に打って出る可能性は高まると考えられます。

それを察知してか、バイデン大統領は「米国は現状を変更する試みには加担しない」と発言し、米国政府は、台湾の独立そのものは支持しない旨、明確化し、不必要な衝突は避けようとの意思は見えます。

しかし、同時に「現状を変更したり、台湾海峡の平和と安定を損なうような一方的な取り組みには反対し、断固として対応する」とも述べ、中国の企みを牽制しています。

実際に台湾海峡有事が現実化するような事態になった場合、アメリカがどの程度、コミットするのかは不明ですが、AUKUSの結成により、中国の強硬姿勢に対する複次的な対応の意図を示し、中国に自制を促すものと考えます。そして、極めつけは、台湾に米軍の精鋭部隊を送り込んで、台湾軍をトレーニングしているという状況で、これは、直接的・間接的な対応をアメリカ軍が取ることを示唆していると思われ、中国に対する抑止力強化の戦略が見て取れます。

 

「理事会オンライン化」に成功したマンションは最初に何をした?

先日掲載の「マンション住民大喜び。コロナ禍で説明会をオンラインにした思わぬ利点」では、「ネット視聴可能」としたところ、住民サイドから思わぬ好反響を得たというマンション説明会の様子を紹介した、一級建築士でマンション管理士の廣田信子さん。では、その説明会を開催する立場である理事会自体のオンライン化は、はたして進んでいるものなのでしょうか。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』で廣田さんが、その現状をレポートしています。

【関連】マンション住民大喜び。コロナ禍で説明会をオンラインにした思わぬ利点

理事会へのオンライン活用のその後

こんにちは!廣田信子です。

先日、マンションコミュニティ研究会の意見交換会「オンライン会議システムの活用は進んだか」を開催しました。1年前の状況からどうなったか…を知りたいという趣旨です。

私たちの持っている情報としては、

  • オンラインの会議システムの利用が始まったところは、どんどん進化している
  • でも、オンラインの活用がなくても理事会運営できたところは、オンラインの活用を特に考えていない

というものでしたが、意見交換会の内容は、まさにその通りでした。でも、活用していないところも、その価値を感じているというのも事実でした。やはり、感染状況が大きかった首都圏と地方都市では少し開きがありました。あるマンションは、

「管理会社からの反対があって大変だったが、理事全員がそれを望んでいるということで、オンライン理事会を始めた。高齢者にも、メールとオンラインソフトを入れた不要スマホを貸し出すことで、全員が参加できるようにした。今は、リアル理事会を開催しているが、2、3人は、オンラインで参加。それぞれ意見も述べている。いつでも、理事会には、リアルでもオンラインでも参加可能なシステムが、すでにできている。リアルとオンライン両方で参加するハイブリット型のときは、ハウリングしない方法を工夫している。したがって、単身赴任中の人も理事ができる」

とのことでした。

すでに、コロナ禍が収まっても、オンライン参加ができることが当たり前になっています。それでも、感染状況が一段落すると、多くの理事はリアル参加するということも分かりました。オンライン参加の方は、特に理由は必要ではなく、本人の考え方が大きいようだとのことでした。

子育て中の人は、子供を置いて家から出ることが、たいへんなので、オンラインなら参加できます。仕事で、オンライン会議に慣れている人は、そもそも集まって会議をするということに抵抗感がある人もいます。

二極化しているという話も出ました。リアル参加をしたい人が多い、顔を合わせてのおしゃべりをたのしみにしているケース。子供がいるお母さんさんはオンライン参加が多い、主張先からの参加もできる、というプラスの要素を感じているケース。

中露海軍が「津軽海峡」航行の衝撃。日本は“鬼門”の防衛力を強化せよ

10月中旬から下旬にかけ、日本海側から津軽海峡を抜け太平洋を南下し、大隅海峡を通過し南シナ海へと堂々航海してみせた中露海軍艦隊。今このタイミングで中国とロシアがかような動きを見せた裏には、どのような事情があるのでしょうか。これまでも「中国は尖閣諸島を4日で落とす。米軍事専門家が警告する衝撃シナリオ」等の記事で緊張高まる世界情勢を分析してきた、外務省や国連機関とも繋がりを持ち国際政治を熟知するアッズーリ氏は、今回の「日本列島一周」を巡る中露両国の思惑を詳細に解説。さらに日本に対しては、従来の南西方面だけでなく北東方面防衛の強化を訴えています。

【関連】中国は尖閣諸島を4日で落とす。米軍事専門家が警告する衝撃シナリオ

日本は北東方面の防衛力強化を

10月18日、北海道奥尻島南西およそ110キロの日本海で、中国海軍の最新鋭のレンハイ級ミサイル駆逐艦など5隻とロシア海軍の駆逐艦など5隻の計10隻が航行し、津軽海峡を通過して太平洋に向かったことが確認された。これまでも日本近海では中露の合同訓練などは行われてきたが、両国海軍が同時に津軽海峡を通過するのは今回が初めてだ。

その後、この10隻は千葉県の犬吠埼沖、伊豆諸島沖、高知県の足摺岬、そして鹿児島県の大隅海峡を航行して東シナ海に至ったが、ほぼ日本列島を一周したことになる。中露海軍は10月14日から4日間の日程で極東ウラジオストク沖の日本海で合同軍事演習を実施するなど、明らかに日本への牽制を強めている。中国とロシアはこの件について明確な意思を表明していない。しかし、日本だけでなく米国を強く牽制する意図があったことは間違いない。このタイミングがそれを証明する。

なぜ中露はこのタイミングで?

まず、我々が考えるべきは、中国が西太平洋での覇権を狙い、ロシアが北太平洋の沿岸国家であるという事実だ。要は両国とも太平洋での力の保持、拡大したい意思があり、昨今のインド“太平洋”を巡る安全保障情勢の行方を強く懸念しているのだ。バイデン政権になって以降、この地域一帯では米国と日本、インドとオーストラリアを軸とするクアッド(QUAD)の結束がいっそう強まっている。クアッドはソフトアライアンス(soft alliance)とも呼ばれ、扱う課題は軍事・安全保障だけでなく、人権やテロ、経済や気候変動など多岐に渡るが、中国はそれを反中国包囲網の一環と捉え、クアッドを強く牽制している。そして、最近では米国と英国、オーストラリアによる新たな安全保障協力オーカス(AUKUS)が誕生したが、これはクアッドと違い安全保障に特化した協力枠組みであるのでハードアライアンス(hard alliance)とも呼ばれる。安全保障に特化したものであるので、当然ながら中国やロシアは強く懸念を抱いている。

また、中国やロシアにとって、今年はさらなる懸念材料が浮上している。インド太平洋地域から遠く離れた英国やフランス、ドイツなど欧州主要国が同地域への関与を強めているのだ。英国やフランス、ドイツなどと中国との関係は、新型コロナの感染拡大や真相解明、新疆ウイグルの人権問題や香港国家安全維持法の施行などを巡って悪化し、経済的に結びついていた中国との関係の見直しを図っている。軍事的には、英国の空母打撃群、フランスやドイツ、カナダの艦隊が台湾海峡を含むインド太平洋地域にプレゼンスを示すだけでなく、フランスやオーストラリアなどの元閣僚級レベルが相次いで台湾を訪問しては蔡英文政権との結束強化を表明するなど、欧州やカナダの関与・接近も加速化している。11月に入っても、EUの議員代表団が台湾を訪れ、関係を結束することで一致した。

中露海軍が合同で津軽海峡を航行した背景には、上述のような一連の国際政治を巡る動きがある。そして、主要国間の対立構図を巡る動きは今後と激しくなることが予想されることから、今回のような中露の動きは日々繰り返されることだろう。

韓国で36日間の「監禁」生活。修学能力試験作成に関わった日本人

韓国で毎年11月に行われる、大学修学能力試験。その出来不出来で人生が変わるとも言われ、受験生本人はもちろん家族をも巻き込んだ過熱ぶりが日本でも伝えられていますが、問題作成にも大変な時間と労力が費やされているようです。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では、かつて問題作成委員を努めたという日本人著者が、36日間にも及んだ「監禁生活」の全貌を綴っています。

監禁生活、ご苦労様でした

コロナ禍の続く中、今年も韓国では「修学能力試験」当日を迎えた。日本の大学入試センター試験に似たもので、高校3年生が大学入学を目指して受ける試験だ。大体50万人くらいが受けるようだ。

私事のことで恐縮だが、この時期になるといつも思い出す。2003年の10月から11月にかけて、筆者も「缶詰」状態で試験問題作成にいそしんだなあと。

国語(韓国の国語)、数学、英語を基本に社会(歴史、地理、公民など)、科学(物理、化学、生物、地学)、第2外国語(日本語、中国語、ドイツ語など数十の言語が対象)漢文などの科目において、数十人単位で作成委員(大学教授らがメイン。高校教師も各科目に1、2人ずつ入る。高校範囲をはみ出していないかなどを確認するため)が募集されるから、その年度の作成関係者は500人単位になる(勿論給食料理チームも含む)。しかもこの試験は最重要の試験の一つであるため、修能出題と関連した事項は国(担当部署は教育評価院というところ)の機密となっており、合宿所と人員などは公式には発表されない。

ちなみに筆者の担当した2003年の場合は、カンウォンドにあるコンドミニアムを建物ごと貸し切りにして使っていた。いつもだいたいどこかのコンドミニアムなどをつかっているはずだ。

2003年の10月初旬のある日、突然筆者の研究室に一人の男が入って来て韓国教育評価院の者ですけど、と挨拶をするのだが、筆者にはなんの連絡も入っていなかったから、なんのことかわからずにぽかんとしていたものだ。彼が一から懇切寧体に説明してくたおかげで、全体像はつかめた。しかし40日近くも仕事場にいられなくなる。それをどうするのか。彼の言うには、「これは国の仕事なので、代講の教授を立てたり費用を賄うのはこちらですべてやりますので、先生にはただOKさえをいただければ万事オーケーなんです」という。

そういうことなら、即OKだ。30分の話のあとすぐに学校の教務室にいっしょに行き、教務処長と5分の会話がもたれ、学校からの許可もすんなりととれた。このあたりのことは以前『アンニョンお隣さん』などに書いてあるので詳しいことはそちらに譲ることにしたい(筆者は、第2外国語・日本語の作成委員として行った)。

2022年度の大学修学能力試験(韓国では略してスヌン試験)が、これを書いている現在全国各地の会場で行われている。受験生が主人公で一番大変なのも彼らなのだが、問題作成委員として働いたことのある筆者としては、こっちの裏方さんらの苦労もよくわかり、「お疲れ様でした」と言ってあげたい心情でいっぱいなのだ。

“まだ着られる下着”は今すぐ断捨離すべし。古いインナーが心に与える影響とは

「誰に見せるわけでもないし」と思ってずいぶんと下着やインナーを買い替えてない、という人も多いかもしれません。しかし、無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』の著者である真井花さんは、古くなったまま下着やインナーを着ていることで起きる、心への影響について言及しています。

ボロくなった防具

さて、本日は防具のお話。

いや、剣道の話じゃありませんよ。

・自分も知っているし、他人も知っている のがアウター
・自分は知っているけど、他人は知らない のがインナー

ステキな服を着ると、テンションが上がりますよね。あれ、気のせいじゃないでしょ。しかも、周囲からも

・ステキ♪

って言ってもらえて、周囲もあなたをそのような人だと受け止めますよね。それこそが服の力ですから。もちろん自分でも

・こんなステキな服を着るのが相応しい私♪

と感じるんです。こういう体験ってありますよね。だからこそステキな服を着たいと思うんでしょう。

こういう服の力が分かっていても、チョイ油断(?)してしまうのが

・下着・インナー

です。アウターほど気を使っている人は少ないのではないでしょうか。ですが、下着やインナーにも同じように服としての力があるんですよ。

だから、ボロいままだと

・ま、ボロいものを着るのが相応しいよね、私って

ってなるんですよ。しかも、下着やインナーは自分の素肌に最も近い服なんですから、そこから受ける影響は絶大です。

あ、ちなみにボロいっていうのは、ノビている、すり切れている、ほつれているなど物理的にボロくなったのはもちろん

・1年以上経ったもの

を言います。物理的にはまだボロくなくても、モノのエネルギーとしてはかなり摩耗しているんです。もうあなたを一番近くで守ってくれるモノとしての役割は果たせないんですよ。下着やインナーは、まずは

・新しいこと

が大切なんです。買い換えるしかないんですね。

そして、更に言えば、ステキなアウターを着たときと同じように

・テンションが上がるような

モノであるともっと良いでしょう。

・誰かに見せるわけでもないし…

と思ってテキトー(?)なのを着ていませんか。ちっっがーーーーぁぁう!!!見てるでしょ、世界で一番大事な

・あなたの潜在意識

が!!!下着売り場のスタッフさんのセールストークじゃないですが

・自分のためにステキなものを。他人に見せるのはついで

ですよ(*^ー゚)

てなわけで、私も大幅断捨離。半分くらいはポイしました。で、ステキなのを買ったもんね。見せてあげないよ。ついでがないモンね(*゚∀゚*)

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素人でも分かる「生ける伝説」ヴァレンティーノ・ロッシのモノ凄さ

松坂大輔、阿部勇樹、別府史之など、冬にシーズンオフを迎えるスポーツでは、今年も多くのレジェンド級の日本人選手が現役生活に別れを告げています。それは海外に目を向けても同じで、先日、イタリア人MotoGPライダーのヴァレンティーノ・ロッシが26年という信じられないほど長い現役生活を終えました。日本では全く知らないという人も多いこの稀代のライダーの凄さを誰にでもわかりやすく伝えてくれるのは、メルマガ『8人ばなし』著者の山崎勝義さん。ケガからの脅威的復帰など、記憶にしっかりと刻まれたエピソードを紹介し、惜しみない賛辞を送っています。

 

Valeのこと

ヴァレンティーノ・ロッシが引退した。日本においてこの人ほどその知名度が両極端に分かれるスポーツ選手はいないのではないだろうか。それこそ知っている人には「当然」の存在であり、知らない人には「全然」といった存在である。本稿は彼の業績を(と言っても紙面の都合上、僅かばかりにはなるが)称えるものである。

ヴァレンティーノ・ロッシはイタリアのMotoGPライダーである。MotoGPとは二輪ロードレース世界選手権のことであり、オートバイで行うレースの最高峰である。ポジションとしては、ちょうど四輪のF1に当たる。参戦選手は毎年20人前後であり、この20人こそが二輪モータースポーツ界に君臨するトップ20と言ってまず問題はなかろう。因みに2021年現在、日本人選手は1名である。

こういったレジェンドクラスのスポーツ選手を語る時、どうしても記録の羅列になってしまいがちになる。今回はそういった詳しい数字の類は専門誌等の記事に任せるとして、自分のような素人でも十分に理解できた彼のすごさをただただ記憶を頼りに一つ二つ語ってみようと思うのである。でたらめな思い出の整理のような感じである。

まず驚くべきは、その現役期間の長さである。世界選手権への参戦開始が1996年、引退した今年が2021年だから、足掛けで26年ということになる(うち最高峰クラスが22年)。これが危険を伴わないスポーツならまだ分かるが、最高時速350km超の世界である。時速350kmと言えば秒速にしてほぼ100mである。そういった、生身の人間にとって苛烈としか言いようのない環境下にあって、26年の長きに亘ってモチベーションを保ち続けることができたという事実そのものが既に常人の想像を遥かに越える。

それにそれだけの間現役でいられたということは大きな怪我をしなかったということでもある。加齢による動体視力や反射能力の衰えには抗す術はないからそれを補って余りあるほどの予測能力や修正能力が備わっていたということである。このような危機回避能力はどうやら強いライダーの必須条件とでも言うべきものであるらしく、現役最強のマルク・マルケス選手もまるで曲乗りのようなライディングでクラッシュを何度も免れている。そのマルケスでさえ怪我で直近の2年は棒に振る結果となっている。

「かっこいいですよ」の声掛けはNG。接客のプロが教える客の心に響く言葉

お客様に「これいいですよ」「かっこいいですよ」といった声がけをする店員さんをよく見かけます。しかし、接客のプロによると、その言葉はNGだといいます。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では、接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、価値の高い商品情報を提供するにはどうすればいいのかを詳しく解説します。

自分以外の言葉

お客様にとって、価値のある情報とはどんなものか?販売員なら、常日頃、これを考えておかなければいけません。なぜなら、そういう情報が提供できないと、モノを売ることはできないからです。

そこで考え方の1つとして、「誰の言葉か?」ということがあります。商品やサービスに関する情報をお客様に提供するとしたら、誰が言った言葉なのかということですね。これって結構大事なことです。

多くの販売員は、「これいいですよ」「かっこいいですよ」みたいな言葉で、お客様に商品情報を提供しがちです。

これは、I(アイ)メッセージと言って、確かに効果的な場面も多々ありますが、あくまでもそれは、お客様に自分が信頼してもらっている時や、自分自身の価値を感じてもらえている時の話です。そうでない時にいくら言っても、情報としての価値は高くありません。

そこで価値が感じられるのは、自分(つまり販売員)以外の人の言葉になるわけです。例えば、他のお客様の声だったり、例えば、そのお客様が好きな芸能人の言葉だったり、例えば、作っている職人さんの言葉だったりですね。

そうした、目の前にいる販売員以外の言葉をお客様に提供する、伝えるということは、お客様にとって価値のある情報になりやすいと言えます。

そうなる理由は、客観性です。

先ほども言ったように、状況によりますが、販売員の主観でいくら何を言っても、そこに大した価値はありません。でも、他の誰か、特に信用のおける誰かが言っている言葉には価値があります。

これをお読みいただているあなたも、今日初めて会ったばかりの販売員の言葉より、自分の信頼する上司や家族が言う言葉の方がよっぽど信頼が置けますよね。そう言うことです。

これは当然、接客中の話だけでもなく、よくブログやTwitterなんかに出ている情報も同じことです。販売員が「安いからお買い得ですよ」なんていくら言っても、別に大した情報ではありませんが、それを買った自分の好きな歌手が、Twitterなんかで、「安いからお買い得ですよ」と言っていれば、つい欲しくなってしまう情報になりますよね。だから、そう言うことです。

自分の言葉が価値を持つことも往々にしてありますが、そうじゃない状況のときには、他の人の言葉をうまく使えるようにもなっていないといけません。むしろ状況としては、その方が圧倒的に多いのですから。

今日の質問です。

・自店の商品の情報を伝えるときに、自分以外の人の言葉で伝えるとしたら、どんな人のどんな言葉を伝えますか?

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習い事が続かない。無理に続けさせるよりも親が手助けすべきこと

読者からのどんな質問にも独自の視点でズバッと回答してくれる『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』著者で人気コンサルの永江一石さん。今回は、8歳と5歳の子の習い事が続かず、無理にでも続けさせたほうがいいという周囲の意見もあって悩む親御さんの相談に答えます。永江さんは習い事が続かない理由と、親がサポートすべきことは何かを伝えています。

 

子供の習い事が続かない場合の対処法

Question

shitumon

いつもお世話になっております。子どもの習い事について質問です。私は8歳、5歳の子どもの父親です。2人とも習い事を1年ほど続け、上達しないと辞めてしまいます。自分個人としては興味が湧いたことを色々と体験してみて楽しいと思えることだけ続ければ良いと思うのですが、無理矢理でも継続させないと堪え性がなくなるといった指摘を知人から受けました。永江さんはどのように思われますか?

永江さんからの回答

1年でやめてしまうということはその習い事にあまり適性がなく、つまらないからではないでしょうか。嫌なことを無理やり続けても上達するわけがないのでスッパリやめ、他に楽しめるものを探した方が良いと思います。

8歳と5歳ならある程度自我も出て、好みや得意不得意がはっきりしてくる時期ですよね。であれば親がその子をじっくり観察し、他の子より上達が早く、夢中になれるジャンルを探してあげるのが一番です。

習い事って上達して「○○ちゃんすごいね!」と褒められるのが嬉しいから続けられるのであって、そうではないものはなかなか継続できません。だって変な話、サッカーでも野球でも全くレギュラーになれず、万年ベンチの守護神状態でモチベーションを保つのは難しいですよね。

例えば団体競技が苦手でも個人種目は得意な子や、走るのは遅くても柔軟性が高く体操が得意な子など、誰にでも人より優位なものが一つや二つ必ずあるので、それを見つけて伸ばしてあげると良いでしょう。子供にとって楽しくスラスラ上達できる習い事を選んだ方が長続きすると思います。

 

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【夢診断】オーケストラの指揮がうまくいかない夢が意味するものは?

正夢、逆夢、悪夢に吉夢。毎日見ているらしい夢でもすぐに忘れるものもあれば、ずっと覚えているものもあります。印象的な夢を見ると、何か意味があるのではないかと気になりますね。今回、メルマガ『富田隆のお気楽心理学』に寄せられたのは、「オーケストラを指揮する夢」。思ったような演奏にはならずトラブルも発生します。心理学者の富田先生が「休暇を目一杯取ること」を勧めた夢の内容と、それぞれの出来事が示唆するのはどんなことなのでしょうか。

 

「指揮する夢」を見ました

Question

shitumon

48歳、バツいちの男性で、企業の管理職です。先日見た夢について、ご意見を伺いたいと存じます。オーケストラを指揮している夢です。ところが、演奏している曲が現代音楽というか、不協和音を通り越して、演奏者それぞれが勝手な音を立てているような状態なのです。それでも、指揮者の私は怒り出すわけでもなく、もっともらしくタクトを振り続けていました。 そして、時々、金管、特にトランペットが調子っぱずれの音を出すので、段々と耐えられなくなり、切れそうになるところをグッとこらえて指揮を続けていました。「そろそろハープの出番だな」と思ってハープ奏者に眼をやると、彼女は自分の楽器を凝視したまま、彫像のようにフリーズしているではありませんか。 なぜか私は、「危ない!ハープの弦が切れる!」と思い、奏者を助けるために指揮台を飛び降り、彼女を抱き上げて舞台の袖に駆け込んでしまいました。客席からはどよめきが聞こえて来ます。しかし、私は彼女を抱えたまま、振り返ることなく、楽屋へと降りて行くのでした。 とても奇妙な夢で、クラシック好きの私が、指揮をしていても、全く喜びを感じませんでした。先生はどのように解釈されますか?

富田隆先生からの回答

オーケストラは、おそらく貴方の精神状態を象徴しています。夢に登場したオーケストラの状態は、「混乱」や「葛藤」「緊張」を表しています。調子っぱずれのトランペットは「怒り」や「攻撃的な感情」を表していて、その原因が何かは、この夢だけでは分かりません。 おそらくは、会社の部下の人たちと上手く行っていないのかも知れませんね。というのも、夢で指揮者という管理職的な役割を選択したのには、ビジネスの現実が反映している可能性が高いと考えれるからです。 ハープという癒し系の楽器の奏者がフリーズしていた、ということは、貴方が今、必要な「休息」も得られずにいることの象徴であり、その弦が切れそうであることは、「極度の緊張」を象徴しています。そして、奏者の女性を助け出した行為は、貴方自身の「魂(アニマ)」の救済を意味しているのではないでしょうか。 オーケストラの混乱を鎮め、美しい和音を取り戻すためには、有給休暇を目いっぱい取り、旅行にでも出かけて、現在のお仕事から一時的に距離を置くことが必要なのかもしれません。

 

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なぜ海外でも人気?超有名F1ドライバーが“宮本武蔵”を引用した理由とは

日本人で知らない人はいない剣豪・宮本武蔵。彼が著した書籍は未だに武芸書としてだけではなくビジネスにも、競技の世界にも影響を与えています。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、そんな宮本武蔵の“五輪書”をクローズアップしています。

宮本武蔵は、なぜビジネスマンにも読まれるのか? 城島明彦

六十数戦して不敗──

宮本武蔵は、日本の剣道史上に空前絶後の大記録を打ち立てた、江戸時代初期の剣豪である。

武蔵は、晩年の1643(寛永20)年秋、洞窟にこもって、「二天一流」と自ら命名した独創的な二刀流の「兵法指南書」の執筆にとりかかった。それが『五輪書』である。

それから370年近い歳月が流れた2012(平成24)年10月、鈴鹿サーキットでのレースに敗れたF1ドライバーのフェルナンド・アロンソが、ツイッターでこうつぶやいた。

「敵山と思わば海としかけ、海と思わば山としかくる心」を持つことが大事だ

敵うんぬんは、『五輪書』の「火の巻」(「山海の替わりということ」)に記された一節である。わかりやすい現代語に意訳すると、こんな意味になる。

敵が「山」を考えていると読んだら、その裏をかいて、こちらは「海」をしかけ、敵が「海」を考えるなら、こちらは「山」をしかけることだ。そういう気構えが「勝利の方程式」なのだ

アロンソは、F1のシンボル的チーム「フェラーリ」のトップドライバーとして、その時点まで「ドライバーズチャンピオン」の首位を走っていた選手だ。

スペイン人のアロンソが『五輪書』を知っていたというのは驚きだが、「遠い昔の兵法書が時空を超え、国境を超えて、世界各国で愛読され続けている」という事実を改めて日本人に教えてくれた点にもっと大きな意義がある。

『五輪書』が海を渡ってアメリカで『THE BOOK OF FIVE RINGS』と英訳され、ビジネスマンを中心にベストセラーになったのは1970年代のことだったが、以後、数か国語に翻訳され、何度も話題になっており、アロンソのエピソードもその一例にすぎない。

宮本武蔵の『五輪書』は、日本の混迷期・難局時には必ずといっていいほどクローズアップされてきた。昨今の日本は、まさにそれである。そうした時期に『五輪書』が読まれるのは、単なる武芸書で終わっていないからである。

『五輪書』は、人生のさまざまな局面に待ち受けるさまざまな敵との戦いに勝つためのノウハウを記した「ビジネス書」であり、乱世を生き抜くヒントを与えてくれる「人生の指南書」でもある。そしてまた、敵を倒すには、相手の心理をどう読み、どう行動すればよいかを気づかせてくれる「心理学の参考書」ということもできる。

独創的な発想の仕方、人間の深層心理の読み方、勝ち残る戦い方など、人が強く生きていくのに必要なヒントがぎっしりと詰まった本。

それが『五輪書』なのである。

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