佐々部清監督よ、なぜそこまでやる。12年の介護生活を描く自主的映画

『半落ち』『チクソルの夏』『夕凪の街 桜の国』『ツレがうつになりまして。』など話題作を手掛けてきた佐々部清監督の最新作『八重子のハミング』が5月6日より公開されます。ガンに冒された夫がアルツハイマー病にかかった妻を12年間介護し、家族と一緒に寄り添う日々を綴った感動のヒューマンドラマ。MAG2 NEWS世代にもリアルな問題とも思える介護を取り扱った作品ということで、早速、佐々部清監督を直撃取材してきました。

構想9年、陽信孝の原作を命懸けで映画化

原作は若年性アルツハイマーの妻に寄り添う夫の12年間を綴った陽信孝のノンフィクション小説「八重子のハミング」。一度は大手映画会社で映画化が進むものの、原作者に伝えられることもなく製作は勝手に頓挫。原作に惚れ込んでいた佐々部清監督はこの事実に憤りを感じたという。原作と同じ山口県出身、自らも母を介護した経験を持つ佐々部清監督は原作を預かり、自らの手で映画化を決意。日本アカデミー賞最優秀作品賞をも受賞するベテランの佐々部清監督が、取材費も交通費も自腹かつノーギャラで脚本を書き上げ、製作費の資金集めにまで奔走したという映画『八重子のハミング』。一体何がそこまで佐々部監督を動かしたのか?

──まず、佐々部監督と申しますと『半落ち』でアルツハイマーと家族の問題を描きましたが、今回のスタンスはどういったものなのでしょうか?

佐々部監督(以下、佐々部):根っこは一緒です。原作はあの年の売れたベストセラーだったんですけど、究極の愛情物語を描こうと思って『半落ち』を映画化したんですよね。老老介護を啓蒙しようという映画ではなく、究極の熟年夫婦の純愛映画を作りたいと思ったからなんです。今回の作品もこれと同じで、根っこは僕の中では一緒なんですよ。僕が一貫して撮ろうとしているのは「家族」なんです。

──これまでにも『明日の記憶』や『アリスのままで』や『私の頭の中の消しゴム』など、認知症の主人公の映画がありましたが、『八重子のハミング』も同じ系統の映画でありながら「家族」に重きを置いたと?

佐々部:その作品は全部、認知症あるいはアルツハイマーで記憶をなくしていく方たちが悩んでいく話じゃないですか?この映画は、介護する側が主役だからやりたいと思ったんです。八重子さんが一人で思い悩んでいく映画だったら『アリスのままで』や『明日の記憶』とも同じ設定なんですが、これは夫の誠吾が主役で、介護する人たちや家族が大きな背景になるのでやりたいと思ったんです。ほとんどの観客は認知症とかアルツハイマーの人ではなくて、介護する側ですよね。そういう方たちの、介護する側を描く方が共感できるかなと思いました。

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──そうですよね。私は40代で両親共に健在なんですけど、今後、両親あるいはそのどちらかがそうなるであろうという時の一つのヒントになる所もありますよね。

佐々部:僕は父と母を亡くしましたけど、僕の世代で忘年会や新年会で高校や大学の仲間たちと会うと、「お前んちのお父さん、どうしてる?」とか「どこどこの施設なんだよな」とか最終的には介護の話になるんですね。だから夫婦の話ではあるけど、家族の話にしたほうが自然に受け入れられると思った。例えば長女の目線で見てもいいと思うし、単に夫婦の話ではなく、家族としての目線で見てもらいたかったんです。

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──升毅さんが演じる夫・誠吾だけではなく、娘や孫も含めた家族全体で八重子をサポートする姿が見えましたね。

佐々部:孫までひっくるめた家族で介護をするというのがいいと思ったんですよね。現代社会って家族がすごく壊れていってて、うちは3人家族ですけど、娘はご飯の時しかリビングの方に出て来なくて、あとは自分の部屋に籠るとかそういう家族がいっぱいあるんだけど、この映画の素敵な所はおばあちゃんから孫までがみんなが一つの愛情というか家族になっているのがいいと思ったんです。それを感じて欲しいと思ってこの題材を選びました。

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──今回の映画に出てくる誠吾と八重子のご夫婦は教師ということもあって息子さん、娘さん、そのまたお孫さんもどこか品がいい家族でしたよね。

佐々部:まあ、それは実話なんで演出でもなんでもないのですが、一部批判的な感想で「主人公は教育者で年金もしっかりもらっているからこういう介護が出来るんだ。介護はそんなに甘くない」って書かれている人もいました。ただ介護って10人いたら10人とも介護の仕方は違うし、この夫のように12年もそばにいて介護を自分でするってなかなか出来ないですよ。しかも自分は一度ガンを患っているにもかかわらず。ガンになった夫が、アルツハイマーの妻を12年間も自力で介護するって、もうスーパーヒーローの映画。僕の妹が一昨年亡くなった母を介護していたのですが、介護をする側も心療内科に行くぐらい疲弊するんです。だとすると、12年間、排泄のことから食事のことから全部やるって、普通の人では考えられない。そんなスーパーヒーローだから映画にできたというのもありますね。

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──佐々部監督ご自身も、母の最後の4年間介護をされていたそうですが、その経験も映画化を後押ししたのですか?

佐々部:母は亡くなる4年前から認知症が始まったのですが、お見舞いに行って一時間後に僕だと認識出来るぐらいだったんですよね。ただ自分よりも介護をしていた妹の疲弊がすごくて。こんなに身近に介護で大きな問題があるんだったら、撮らなければならないと。そういう経験も確かに後押しにはなりました。この作品は一度大手の映画会社が製作から手を引いた過去があるのですが、別の映画会社からも「介護? そんなの商売にならない」って言われ続けて、何が何でも自分の力で作って世にだそうと思ったのもあるんです。同じ活動屋としての責任も感じてましたし。なので僕はプロデューサーとしてもスポンサー探しからキャスティング、時には宿泊費の値引き交渉や車の運転も自分でやるぐらい、本当にできることはなんでもやりました。僕は地元山口にも「この作品に命をかける」と宣言しましたから。おかげさまで去年、舞台となった山口県での先行ロードショーは、去年の山口県のスクリーンで2位でした。さすがに『君の名は』には勝てなかったですけどね(笑)

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──予算がない中でキャスティングには苦労されたのではないですか? 主演の升毅さんにはどういった形でオファーを?

佐々部:以前に『群青色の、とおり道』という映画で主人公のお父さん役がなかなか決まらなかったことがあったんです。小さな映画すぎるとかいろんなことがあったのですが、その時に升さんが気持ちよく受けて下さったんですよ。それで実際に撮影に入ると、升さんは僕に一番ダメ出しされたんです。 それを受けて、芝居に大きな変化があったりして。こんなに僕の意図を汲んで俳優として変わってくれるんなら、今回の役は難しい役だけど、升さんだったら絶対にできるし、あの時の恩返しをしたいという思いでお願いしました。

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──升さんが演じた役は優しい夫でありながらも排泄の世話をするなど、介護に耐えうる芯の強さがありましたよね。

佐々部:いえ、あれは耐えてるんじゃないんです。僕が升さんにお願いしたのは八重子さんを愛おしく好きでいて下さいってお願いしたんですよね。だから耐えてるのではなく、好きだったから12年も介護を出来るんです。夫だから耐えて介護しているのではなく、本当に八重子さんへの愛情が深いからできたんですね。だから、悲しくて泣くのは八重子さんが亡くなった瞬間だけ。他にも泣くシーンはあるのですが、それは悲しい涙ではなく、人から頂いた愛情、人から頂いた優しさで全部嬉し泣きをしている。今回は介護する側が主役の映画だと思っていますが、そこに「耐える」とか「義務」のようなものはありません。本当に好きだから付き添っているだけなんです。僕が撮りたかったのはそこなんですよ。やっぱり根っこは同じなんですね。

 

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──佐々部監督の映画作りの中で「何を撮るかではなく、何のために撮るか」という理念があると聞いてます。

佐々部:これは高倉健さんから頂いた言葉です。高倉健さんに「僕はもうあと何年生きられるかわからない。残された映画人生の中で何を撮ったじゃなくて、何のために映画を撮るかが大事なんだぜ」って言われまして。高倉健さんと降旗康男監督は子供の頃、戦争を体験していて、それを繰り返しちゃいけないっていうのを伝えるために『ホタル』っていう映画を作ってるんです。だから僕はずっとこの言葉を宿題にして映画を撮っています。この『八重子のハミング』も高齢化社会に向けてこの先の日本で必要とされる映画だと思って撮っているので、ぜひ劇場で楽しんで下さい。

取材・文/じょ~い小川

【関連記事】佐々部清監督が、地元山口県のために「命を懸けて」撮った感動物語(ジモトのココロ)

 

information

佐々部清(SASABE KIYOSHI)

1958年、山口県下関市出身。2002年『陽はまた昇る』で監督デビュー。以降、映画『チルソクの夏』(日本映画監督協会新人賞)、『半落ち』(日本アカデミー賞最優秀作品賞)、『四日間の奇蹟』、『カーテンコール』、『出口のない海』、『夕凪の街 桜の国』、『結婚しようよ』、『ツレがうつになりまして。』ほか、監督作品多数。TVドラマ『心の砕ける音』(WOWOW)、『告知せず』(テレビ朝日開局50周年スペシャル/芸術祭参加作品)、『看取りの医者』(TBS月曜ゴールデン)のほか、舞台『黒部の太陽』の演出なども手掛ける。

映画『八重子のハミング

5月6日(土)有楽町スバル座ほか、全国ロードショー
監督・脚本:佐々部 清
原作:陽 信孝「八重子のハミング」(小学館)
出演:升毅、高橋洋子、文音、中村優一、安倍萌生、辻伊吹、二宮慶多、上月左知子、月影瞳、朝加真由美、井上順、梅沢富美男
製作:Team『八重子のハミング』シネムーブ/北斗/オフィス en
配給:アークエンタテインメント
公式 HP:http://yaeko-humming.jp
エンディング曲:谷村新司「いい日旅立ち」(avex io/DAO)
劇中曲:谷村新司「昴」(avex io/DAO)
(C)Team「八重子のハミング」

入院中の熊本市長宛てに、妻から送られてきた画像がヒドい!

熊本市の大西一史市長(49)が、このGW中に、甲状腺にできた腫瘍(しゅよう)を取り除く手術をするために入院をしているようだ。

一刻も早く、良くなってもらいたいものである。

市長によると、妻から、えげつない画像が送られてきたという。

早速、見てみよう。

 

 

奥さんから送られてきたのは、なんと飯テロ画像。

入院中なのに、これはひどい・・・。

■反応の声

 

 

 

 

 

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記事提供ViRATES

連休天気になぁれ! 天の川や流星群もやってくるGWは星空を見よう

いよいよ待ちに待ったゴールデンウイーク。夜更かしできるこのチャンスを活かせるのが、天体観測ではないでしょうか。今回の無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』では著者の須田將昭さんが5月の星空を紹介、連休終盤には流星群も見られるそうですよ。

連休中は星空を眺めるのもいかが?

5月。月初めですので、今月の星空の見所などをご紹介しましょう。

5月初旬は、春の星座が早いうちに南中します(南で一番高くなる)し、夏の星座も夜半には見えてきます。連休中、空の綺麗なところにお出かけになるのでしたら、ぜひ小さいものでもいいので双眼鏡をお持ちください。連休中ですと、月がまだ小さく、早い時間に沈みますので、夜中には夏の天の川を楽しめるでしょう。

この時期、とにかく目立っているのは明るく輝く木星です。どの星がどれかわからない…という方でも、「あれだけものすごく明るいな」と思える星があるはずで、それが木星です。

7倍程度の双眼鏡でもしっかり固定して見られたら、ガリレオ衛星も見られるかもしれません。小さな望遠鏡で100倍程度の倍率で見ても、横に太く見える縞模様も見えることでしょう。

夜明け頃には土星も見えてきます。先日、土星探査機カッシーニが初めて輪の内側に入って土星の表面の様子を捉えてきたニュースも伝えられたところです。土星といえば、やはり輪が目立ちます。もう30年以上前のことですが、友人が持っていた天体望遠鏡で初めて土星の輪を見た時の、あのなんとも言えない不思議な感動は今も忘れられません。一方、今回捉えられたような土星表面の渦などは,なかなか地上からは観測しがたいものです。縞模様は見えるのですが木星ほどにはダイナミックな変化は見えません。そういう点でも、先日のカッシーニが送ってきた映像はワクワクします。

またゴールデンウィーク期間の終わり、5月6日の前後数日みずがめ座ηエータ流星群が極大を迎えます。流星群としては、ペルセウス座流星群、ふたご座流星群、しぶんぎ座流星群の三つが有名ですが、このみずがめ座はそれに次ぐ流星群です。

とは言っても、空の綺麗な、星がたくさん見えるところで一番よく見えて1時間に5個程度ということで、あまり派手なものではありませんが、連休だからこそ夜更かしもできるということでチャレンジするのもいいですね。ただし初夏とは言え、朝方はまだまだ冷え込みます。防寒対策はしっかりと。

連休というチャンスに星に親しむ方が増えたら、嬉しい限りです。

みずがめ座流星群ですが、大学のサークルなどでは新入生歓迎とセットで企画されることの多い観測テーマかもしれません。ただ、天気に恵まれず、これまでしっかり見えた、という記憶も少ない流星群です。

今年の場合は、月明かりの影響を受けないのが夜中遅くなので、起きているのも難しいかもしれませんが、お天気に恵まれますことを。

image by: Shutterstock.com

飯おごるよ。頑張った後輩へ、芸をした動物にエサやる態度の上司たち

皆さんは部下に何か大変な頼みごとをしたとき、「悪かったね。メシおごるよ!」程度で片付けていませんか? 無料メルマガ『人間をとことん考える(人間論)』の著者で薬剤師の小原一将さんは、「上司が部下に食事をご馳走するのは決して悪いことではない」と前置きした上で、大変な仕事を引き受けてくれた部下への評価や感謝の気持ちをろくに言いもせず、まるで芸をした動物にエサをあげるかのごとく「食事」を利用する上司や会社は考えを改めるべきだ、と厳しく指摘しています。

人間論 「部下にすぐご飯をおごる上司は有能だと思いますか?」

市場主義というものが世の中を席巻し続けている。今の世の中は要するに、数値化できる資本を基準にして成り立っていると言っても過言ではない。

キングダムというマンガで呂不韋という人物が「貨幣制度が天下を作った」と言っていたがまさにその通りだろう。「貨幣の出現によって裕福の分かりやすい尺度が生まれたのは間違いない。2000年以上も前の中国の話であるが現代に置き換えても全く同じことが言える。

市場原理に物事をまかせることが全て悪いわけではない。国家が統制するよりも買い手と売り手の自由競争に任せることで得られるメリットは大きいだろう。ただ、知らず知らずのうちにこの原理にどっぷりとつかることによって、目に見えないものを感じ取れなくなってしまうように思う。

上司の人にご飯をおごってもらったり飲み物などを買ってもらった経験はだれにでもあるだろう。それ自体は当然良いことであり、上司の気遣いによって部下のモチベーションの向上が起こりうる。しかしこれを乱用する人間も多い

例えば何かにつけてご飯に行こうと誘ってくる上司もいる。困りごとを頼むときや仕事でしんどい思いをさせてしまったときに部下をご飯に誘うのだ。相手を気遣うという姿勢に一定の評価をすることはできるが、部下たちが欲しいものは多くの場合それではない

わざわざ割ったセンベイを安く売る煎餅屋の儲けが減らなかった訳

品質に問題はないものの、形が崩れていたり、切り落としてしまう端の部分など、本来ならばロスとなってしまう部分を集めて売る「訳あり商品」。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の著者で繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが紹介しているのは、そんな訳あり商品を逆手に取り成功したとある個人商店です。さらに佐藤さんは、小さな商店の弱点を簡単に克服できる「互助システム」についても記してくださっています。

「訳あり商品」を作れ!

「カステラの端」「肉の切り落とし」「割れたチョコレート」「傷のついた家具」「パッケージの汚れた商品」……。

モノを売る仕事をしていると、商品のロスは必ず出てきます。それを「訳あり商品」として、安く販売しているお店もたくさんあります。廃棄は損失なので、少しでも利益を回収するためです。

不況が続く中賢い消費者が増え、喜んで「訳あり商品」を買ってくれます。しかし、継続的に販売できるものではないので、たまたま訪れたお客さまだけが、手に入れることができます。

そんな「訳あり商品」で大人気の煎餅屋さんがあります。正規では売れない割れた煎餅を袋に詰め、安く売り出したところ、すぐに売り切れてしまい、お客さまから残念がる声を多く聞くようになりました。出す度にすぐ売れ切れる状態が続いたので、店主は考えました。

「お客さまが喜ぶのなら、煎餅を割って売ろう」。わざと割った煎餅を安く売るようにしたのです。

「それでは儲けが少なくなるのでは?」という心配は無用です。自宅用に求めるお客さまは、「訳あり商品」を買いますが、その美味しさを知っているので、贈答用もこのお店で買ってくれるようになったのです。

「訳あり商品」が、ただの処分品ではなく、集客の目玉となり、なおかつ薄利多売ながらも収益の柱となっているのです。

ゴールデンウィーク中に発生しやすい「高速道路」での事故パターン

ゴールデンウィーク期間中は、普段あまり運転をしない「ホリデードライバー」も多いとか。さらに渋滞も発生するため、「高速道路」で普段は起こらないような事故が多発するそうです。メルマガ『ジャンクハンター吉田の疑問だらけの道路交通法』の著者で交通ジャーナリストでもある吉田武さんは、「気を抜かなければ防げる事故は多い」とした上で、警察官から直接聞いた、GWに多い「意外な追突事故」、SAやPAで起こる「子どもの飛び出し」などについて、具体的な事例を挙げながら紹介しています。

ゴールデンウィーク中に発生しやすい「高速道路」での事故

4月末から5月上旬にかけて連休となった形でお休みが続くと思いますが、GWは交通事故も結構多かったりします。結構というか、GW期間中は1年を通して最も交通事故死者が多いというのも事実だったりします。

特に高速道路での事故が多発し、長時間の運転の疲労から中央分離帯や壁面へ接触したり、渋滞中にブレーキが間に合わず追突事故が発生したりして、死亡事故へと繋がったりしているのが現状……なんですが、後ろから追突されるのはさすがに防げないですけども、追突する側の過失側は注意力さえ散漫にならなければ防げる事故は多いのです。

渋滞中は何かと車内では退屈になりますから、携帯電話をいじりながらの運転が多くなります。まぁ、渋滞に巻き込まれている状況ですので速度は出てないからと油断して携帯電話をいじっているドライバーを良く見かけますけども、実はそれが危険だったりします。

アイリスオーヤマが「ありそうで、なかった」製品を次々と出せるワケ

先日掲載の記事「あのアイリスオーヤマが、なぜ今『家電』で注目されているのか?」でもお伝えしたとおり、常識をくつがえす「なるほど家電」で業界を席巻中の同社が4月末、Wi-Fiが搭載された上に10万円を切るエアコンを発表し同業他社を驚愕させています。なぜアイリスオーヤマは、ありそうでなかったこのような製品を次々と生み出すことができるのでしょうか。メルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』では著者の理央さんが、MBAホルダーならではの切り口でその秘密に迫っています。

アイリスオーヤマに学ぶ製品開発の源

以前、「あのアイリスオーヤマが、なぜ今『家電』で注目されているのか?」でも取り上げた「なるほど家電」のアイリスオーヤマが、無線LAN内蔵で外出先からスマホで操作できるエアコンを、4月28日から販売開始。アイリスオーヤマにとって、大型白物家電事業に初参入するということになった。

アイリスオーヤマのホームページによると、今回発売されるルームエアコンは4機種。うち2機種をフラッグシップ機種と設定し、Wi-Fiが搭載されているとのことだ。価格は、Wi-Fi機種が9万9,800円と7万9,800円、搭載なしがそれぞれ、8万9,800円と6万9,800円。

アイリスオーヤマならではのルーム・エアコン

これまでアイリスオーヤマでは、なるほど家電というネーミングで、消費者のニーズに応える生活家電やキッチン家電を開発・販売してきた。どれも、大手家電メーカーが手がける、王道カテゴリーのテレビや冷蔵庫、AV機器といったものではなく、日々の生活の中で「あったらいいな」という、いわばサブ・カテゴリーの中での製品開発が中心だった。

なるほど家電の特徴は、すでに消費者が知っている「顕在的ニーズ」ではなく、今は知らないが教えてもらったら嬉しい潜在的なニーズ」にうまく対応している点。潜在ニーズを発見し、製品開発をしているのだ。

消費者がすでに知っている、「顕在ニーズ」の分野で勝負をすると、目に見える「スペック」での勝負になりがちで、ひいては価格競争に陥りやすい。競争が似たりよったりの場所になり、そのカテゴリーのプレイヤーの製品が、類似点(Point of Parity)どうしの戦いになってしまうのだ。

したがって、現在は世に出ていないが、もし出れば、消費者ニーズに応えられる市場を発見し、独自な顧客価値を創造することを目指す。発見した市場で、先行者としての優位性を確保できれば、初期は、価格設定も自社で可能になり、値引きなどで勝負するケースが減る

アイリスオーヤマは、この、美味しい潜在市場を探し自社のアイディアと技術をぶつけることが得意なのだ。

ベトナム独立運動を無償で支えた日本人医師・浅羽佐喜太郎の義挙

今年、ベトナムを初訪問された両陛下が訪れた独立運動家ファン・ボイ・チャウの記念館。「ファンとは? そして日本とどんな関係が…?」と疑問に思われた方も多いかと思います。実はこの男性こそ、日本とベトナムの絆を知る上で欠かせない人物でした。今回の無料メルマガ『Japan on the Globe-国際派日本人養成講座』では、フランスからの独立を目指したファンが、日露戦争で勝利した日本に学ぼうと始めた「東遊(ドンズー)運動」の歴史と、彼らを助けた日本人の義挙が紹介されています。

ベトナム独立運動を扶けた日本人

本年2月28日から3月6日にわたって、両陛下が初めてベトナムを訪問された。

ベトナム・フエでは空港から約16キロの宿舎までの間、ほぼ途切れることなく沿道で地元住民が両陛下を出迎え、日本国内各地へのご訪問と遜色ない光景が見られた。
(「日本の足跡、再発見の旅 両陛下ベトナム、タイご訪問」産経ニュース H29.03.06)

両陛下はフエで独立運動家ファン・ボイ・チャウの記念館を訪問された。ベトナムで日本語・日本文化を教えていた田中孜(つとむ)ホンバン大学名誉教授はこの人物を次のように紹介している。

ヴェトナムでは、潘佩珠(JOG注: ファン・ボイ・チャウ)のことを知らない人はいません。「ヴェトナム民族の独立と解放運動の最も著名な指導者」として、教科書にも取り上げられています。また、潘佩珠の名前は学校や道路にもつけられています。
『日越ドンズーの華―ヴェトナム独立秘史 潘佩珠(ファンボイチョウ)の東遊(ドンズー)(=日本に学べ)運動と浅羽佐喜太郎』田中孜 著/明成社

このファン・ボイ・チャウはフランスからの独立を目指して、日露戦争に勝利した日本に学ぶ東遊(ドンズー)運動」を始め、一時は300人もの留学生を日本に呼び寄せて独立の志士として育てた人物である。その過程で朝野の日本人が親身になって彼らの世話をし、運動を支援した。

ベトナムの人々がこれほどまでに両陛下を歓待したのも、そういう日越の歴史的な繋がりも一役買っているだろう。本号ではファン・ボイ・チャウと彼を助けた日本人たちの足跡を辿ってみたい。

米中首脳会談で露呈。トランプにも権力闘争にも敗れた習近平

中国で今年秋に開催予定の「共産党第十九回全国代表大会」。この場で決定する最高指導部のメンバー如何で、今後の習近平国家主席の影響力が大きく変わってくるとされています。一体どのような人選がなされるのでしょうか。4月13日に創刊された有料メルマガ『石平の中国深層ニュース』の著者で中国出身の評論家・石平(せきへい)さんは、先日の米中首脳会談の参加者にそのヒントがあるとし、前国家主席の胡錦涛氏が打った「布石」について詳述しています。

米中首脳会談から見た共産党権力闘争の行方

前回「屈辱の容認。なぜ中国は北朝鮮をあっさり捨てたのか?」では、4月6日、7日に行われた米中首脳会談で、中国の習近平国家主席がトランプ大統領にたいして「画期的」ともいうべき大きな譲歩を余儀なくされたことを記述した。実は同じ米中首脳会談において、中国共産党政権の内部における権力闘争の行く末を占うための重要なヒントも隠されていた。

現在、共産党内の権力闘争の焦点となっているのは、今年秋開催予定の共産党第十九回全国代表大会(十九回大党大会)における最高指導部人事の入れ替わりである。

2012年11月開催の共産党第十八回全国代表大会(十八回党大会)では習近平氏が共産党総書記に選ばれ、習近平政権が誕生したことは周知のとおりである。実はこの大会で誕生した政治局常務委員会、すなわち最高指導部の人事は、習氏にとっては甚だ不本意なものであった。政治局常務委員の7名のうち、いわば「習近平派」となっているのは彼自身と盟友の王岐山氏の2人、後述の共青団派からは李克強氏が1人、他の4名は全員江沢民派のメンバーか江沢民氏の息がかかっている人たちである。

それ以来の4年あまり、習氏はまずは江沢民派を目の敵にして叩き潰そうとした。彼は盟友の王岐山氏を腐敗摘発の専門機関である党規律検査委員会の主任に据え、腐敗摘発を政治闘争の武器にしてすでに引退した江沢民派の幹部たちを片っ端から摘発して潰す一方、これを以て、政治局常務委員となっている江沢民派の幹部たちを恫喝した。

これで最高指導部において江沢民派幹部はいっせいに黙ってしまい、習氏に正面から反抗する者はいなくなった。結果的には、習氏への権力集中が急速に進んでいた

そして今年秋に開かれる予定の共産党十九回大会では、政治局常務委員である江沢民派の4人の幹部は全員高齢となって引退する運びとなっており、政治局常務委員会人事の大幅な入れ替わりが予定されている。もちろん習近平にとって、それこそ自分の子分たちを最高指導部に引き上げて本格的な習近平政権を築き上げる絶好のチャンスであろう。

しかし今、習近平氏の邪魔となっているのは別の派閥である。首相の李克強氏が所属する共青団派である。

共青団派というのは、習氏の前任の共産党総書記・国家主席だった胡錦涛氏が作り上げた派閥である。共産党指導者となる前、胡氏が長期間にわたって中国共産党の外郭団体で「党の予備軍」と呼ばれる共産主義青年団(共青団)のトップを務めていたが、2002年に胡錦涛氏は共産党の最高指導者になってから、共青団派から自分の子分たちを大量に抜擢してきて、党と国家の要職に据えた。そして2012年11月に胡氏は「二期十年」の任期満了で党総書記のポストを習近平に明け渡す時、それとの引き換えに、共青団派の50代の若手幹部を共産党政治局に送り込むことに成功した。

そうすると、今年秋の十九回党大会において、政治局常務委員会人事の大幅な入れ替わりが行われる時、今はその一段下の政治局に入っている共青団派、すなわち胡錦涛派の50代、あるいは60代になったばかりの若手幹部たちはいっせいに、政治局常務委員に昇進してくる流れとなっている。しかしそれでは、この党大会で誕生してくるのは、本格的な習近平政権というよりも、実質上の胡錦涛政権」となってしまうのである。

もちろん、現役の党総書記・国家主席の習近平氏にとって、それは何とか阻止すべき由々しい事態であるに違いない。実際、習近平氏はこの数年、腐敗摘発で江沢民派を叩き潰す一方、共青団派に対する圧迫も牽制も忘れていない。本来、首相である李克強氏の管轄する領域である経済運営にも足を踏み入れ、李氏から経済運営の決定権を奪ったことはその現れの一つである。

しかし今になってみると、どうやら習氏の努力は無駄に終わってしまい、次の党大会における共青団派勢力の上昇はもはや止められない勢いとなっている様相である。それが、今月6日、7日の米中首脳会談における中国側の参加者の顔ぶれを見れば一目瞭然なのである。

一級国と二級国に分ける差別宣言を採択? 岐路に立つEUの未来

ギリシャやスペインなど加盟国の財政問題が山積し、さらにはイギリスの離脱がほぼ決定するなど、存続の危機すら囁かれているEU(欧州連合)。今回の無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』では嶌さんが、その発足から現在までの流れを振り返り、EUの今後を独自の視点で占います。

理念死守に踏みとどまるEU

EUの原点となったローマ条約の制定から60年が経った。3月末、EU離脱を決めたイギリスを除く27加盟国がローマに集結。結束を誓い「異なる速度と強さで行動を共にする」との宣言を採択した。統合速度を多様化させる方針は、一見すると欧州の格差に見合った統合を進めるように見えながらもEUを一級国と二級国に分ける差別ともとられ、東欧諸国の反発もありEUは新たな曲がり角に立っているようだ。