新型肺炎で日本のメディアがほとんど報じていない検査体制の真実

すべてが後手後手に回り、海外からの強い批判の声も聞こえ始めた日本政府の新型肺炎への対応。安倍政権は、なぜ今回の「危機管理」でこのような失態を晒してしまったのでしょうか。元全国紙社会部記者の新 恭さんは自身のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』でその原因を検証するとともに、日本のマスコミがほとんど報じていない「事実」を紹介しています。

新型コロナ大量検査体制の確立を急げ

新型コロナウイルス感染症について、加藤厚労大臣が「受診の目安」なるものを発表した。

「37.5度以上の発熱が4日以上続く方、強いだるさや息苦しさ呼吸困難がある方はセンターにご相談ください」。

センターとは「帰国者・接触者相談センター」という、いまだ“湖北省しばり”から逃れられない名前をつけた相談受付窓口である。

ご親切な指針。結構なことである。ならば、37.5度以上の発熱が4日以上続いてセンターに電話したら、どういう答えが返ってくるのだろう。そう思うと、不安になる。

ふつうの風邪なら3日で熱は下がるはずだから、4日以上としたのだろうが、それだけで新型コロナの感染が強く疑われるかというと、そうでもない。他の疾患でもそのような症状はあるだろう。

なにより、ウイルスの遺伝子検査をしなければ、確かなことはわからない。だからといって、すぐに検査に案内してくれるのだろうか、どこそこの病院へ行ってくださいと的確な指示をしてくれるのだろうか。

どうしてそう不安がるかというと、どうやらこの国では、新型コロナウイルス検査のキャパシティを、意図的に抑えている、そんなフシがあるからだ。

なんでも、現時点で検査ができるのは国立感染症研究所や地方の衛生研究所、民間検査会社を合わせて1日3,000件ていどだという。横浜港の豪華クルーズ船の検査が、1日300件とかなんとか言っていたのに比べると、格段に増えたように見えるが、それでも今後、感染者数がネズミ算式になっていく恐れがあるわりには、検査体制がお粗末である。

米国ではすでに「大量検査体制」が確立されているというから、日本の対策の遅れにはただただ驚くばかりだ。

17日のプレジデントオンラインに、フリーランス麻酔科医、筒井冨美氏が書いている記事によると、米国で猛威をふるっているインフルエンザの患者について、実は新型コロナの感染者も紛れ込んでいるのではないかとの見方があるという。このため、感染症対策の総合研究所であるCDC(米疾病対策センター)は「大量検査体制」を活用して、インフルに似た症状の患者にも新型コロナ検査を開始するらしい。

米国は日本に比べ中国からの渡航者が少ないうえ、厳しい入国制限もしているから、日本ほどの感染拡大はないかもしれない。それでも、そこまでの対策を進めているのである。

他方、日本においては、新型コロナウイルスが国内で大拡散中であることは疑いようがない。無症状の潜在感染者が自由に動き回ってウイルスをまき散らしている可能性が高い。

先日のTBS「サンデーモーニング」で、鎌田實医師は「政府は水際作戦に失敗したことを認識して対策を立てるべきだ」と話していた。

グローバル化とインバウンド頼みの日本経済のもと、「水際作戦」がかなり難しい課題であったことは確かで、結果論より、これからの対策が重要であることは言うまでもない。

だが、これまでの「失敗の本質」がどこにあったかを見極めておかないと、今後、重症患者のベッドを確保するなど国内医療体制を迅速に整えるうえでも、カオスにはまりこんでしまう危険がある。

振り返ってみると、厚労省が武漢における新型コロナウイルス感染の第一報を伝えたのが1月6日だ。

昨年12月中旬にはヒト・ヒト感染が武漢市で起こっていたという。中国の研究者が確認し、世界で最も影響力のある米国の医学雑誌『NEJM』に発表している。

だとすると、1月6日の時点では、すでに武漢から感染者が日本にかなりの数、入国していた可能性がある。

新型肺炎のどさくさに紛れて人権弾圧を繰り返す習近平政権の何様

新型肺炎の蔓延に揺れる中国ですが、その騒動に紛れまたも人権弾圧が行われているようです。台湾出身の評論家・黄文雄さんは今回、自身のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』で、中国政府による「反体制派狩り」を報じる記事を紹介するとともに、中国共産党の一党独裁を厳しく批判。さらに習近平政権崩壊の可能性も指摘しています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2020年2月19日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【中国】新型肺炎のどさくさで反体制派狩りをする習近平の姑息

命がけで習近平批判した中国人学者、新型肺炎検査中に当局に逮捕

新型コロナウイルスのどさくさに紛れて、中国政府は反体制派の人権運動家を連行したようです。彼の名は許志永氏。一度は逮捕され、4年間の監獄生活を経験しています。しかし、釈放後も反政府集会に出席したり、習近平の無能ぶりを書いた文章を公開したりと、反政府運動は続けていました。

そんな彼の動向を当局は注視しており、新型コロナウイルスの騒動で自由に移動できない状況を利用して、彼を連行するに至ったそうです。以下、その過程について報道を引用します。

事情に精通した消息筋は「公安がこの数日間、私を含め許志永氏を支援した人たちの自宅を『新型肺炎予防』検査のため訪問した」と伝えた。新型コロナウイルスによる肺炎に感染していないかを確認するという名目で公安が自宅訪問をした過程で逮捕されたのだ。

 

ある活動家は「許志永氏はさまざまな都市に隠れながら友人と会い人権運動を継続してきた。しかし新型肺炎拡散を防ぐために検疫統制が強化され身動きできなくなった」と話した。

 

逮捕当時、許志永氏は広東省広州にある人権弁護士楊斌氏の自宅に滞在していた。公安は楊斌氏とその妻、息子、許志永氏を連行した。許志永氏を除いた3人は17日夕方までに全員解放された。許志永氏の現在の居場所や彼が拘禁された理由などは明らかにされていない。

命がけで習近平批判した中国人学者、新型肺炎検査中に当局に逮捕

これだけではありません。ある報道によれば、新型コロナウイルスに関する政府の対応を批判した、またはそれを否定するような言動をした人々が次々と行方不明になっているというのです。

記事に登場するのは、新型コロナウイルスがらみの政府批判を繰り広げた許章潤・元精華大法大教授。ユーチューブで武漢の新型コロナウイルスによる死者の数を撮影し、政府発表の死者数に疑問を呈した、北京在住の元弁護士で現在は自称市民記者の陳秋実氏。武漢市民で、病院の外に駐車されていた車から8人の遺体が運ばれる場面を撮影してツイッターに載せ、注目を集めたパン氏。この映像を見た陳秋実氏は、パン氏にインタビューしていました。

<新型肺炎>中国政府を批判した人が次々と行方不明

ネット社会の今、自分の意見を社会に広める手段は増えた一方で、そうした行動をとって注目を浴びた人は要注意人物として目をつけられてしまうようです。

新型肺炎で世界に晒した恥。信頼できぬ国で身を守る方法はあるか

2月15日、厚生労働相が「感染経路が見えない」とし、コントロール不能状態が世界に知れ渡ってしまった日本の新型肺炎問題。もはや国を全面的に信頼することはできない状態に陥ってしまったわけですが、我々国民はこの先、どう身を守ればいいのでしょうか。国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが自身の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で、その方法を探っています。

厚労省、【感染経路、見えなくなった…】

また新型コロナウィールスの話です。先日、「世界が一番心配しているのは日本」という話をしました。

WHO専門家「いま一番、世界中が心配しているのが日本」

読売新聞オンライン 2/14(金)12:29配信

 

新型コロナウイルスの感染が広がっている問題で、進藤奈邦子・世界保健機関(WHO)シニアアドバイザーは14日、横浜市で開かれた日本環境感染学会の緊急セミナーで講演した。中国では新たな感染者が減りつつあるとして、「今一番、世界中が心配しているのが日本だ。ここで頑張って食い止めてほしい」と述べ、感染拡大防止に全力で取り組むよう訴えた。

政府としてやるべきことナンバー1は、「中国から日本への渡航を全面禁止すること」でしょう。ナンバー2は、「日本から中国への渡航を全面禁止すること」でしょう。これをやらないと、感染者がドンドン入ってくるので、日本国内の感染者もドンドンドンドン増えてしまいます。

ところが、安倍政権の対策はどうでしょうか?厚生労働省のHPには、以下のようにあります。

問2 感染地域からの入国を適切に管理するべきではないでしょうか。

 

当面の間、14日以内に湖北省または浙江省における滞在歴がある外国人、湖北省または浙江省発行の中国旅券を所持する外国人については、特段の事情がない限り、症状の有無にかかわらず、その入国を拒否しています。この措置は、今後の進展によって弾力的に見直す可能性があります。

入国拒否は、湖北省と浙江省に限られています。ちなみに厚労省は、同じページ内で、

中国全土でこの感染症が流行している

とも書いています。中国全土で新型コロナウイルスが流行していると認めながら入国拒否は、二省だけ。まったく十分ではありません。さらに「水際対策」について厚労省は、

問3 水際対策はどのようなことを行っていますか?

 

新型コロナウイルス感染症の病原体が、外国からの航空機や船舶(以下、「航空機等」という。)を介して国内へ侵入することを防止するとともに、航空機等に関して感染症の予防に必要な措置を講じることを目的として、政令により新型コロナウイルス感染症を「検疫法第34条の感染症の種類」として指定しました。当該指定により、外国から日本へ入国しようとする方に対する質問・診察の実施、患者等の隔離・停留のほか、航空機等に対する消毒等の措置を講じることが可能となりました。

 

現在は、中国全土でこの感染症が流行している事を受けて、日本の水際対策は、中国からの到着便・到着船について全員質問票による聞き取り、ポスター掲示による自己申告の呼びかけ、健康カード配布による国内二次感染などのリスクの軽減などを行っています。

「全員質問票による聞き取り、ポスター掲示による自己申告の呼びかけ、健康カード配布による国内二次感染などのリスクの軽減などを行っています」

↑これが対策だそうです。潜伏期間にある人は、「私は健康です」と書くでしょう。少し調子が悪い人も、「せっかく観光にきたのに、隔離されちゃかなわん」と思って、自己申告しないかもしれません。こんな調子なので、日本国内の感染者がどんどん増えてしまう。その結果、どうなったか?

「感染経路、見えなくなった」厚労相が危機感

読売新聞オンライン2/15(土)22:53配信

 

加藤厚生労働相は15日の記者会見で、中国との接点が不明の感染者が相次いで確認されたことを踏まえ、「これまでは感染経路が見えていたが、見えなくなってきた。以前と状況が異なっている」と述べ、感染拡大への危機感を表明した。

【 感染経路が見えなくなってきた 】

これは、別の言葉で、【 コントロール不能になってきた 】ということでしょう。そして、これまでの政府の対応を見れば、「こうなるのは当然」です。

県庁巡りで気づいた、お役所に必要な「やさしさ」の種類とは?

さまざまな福祉活動に関わるジャーナリストの引地達也さんは、その活動の中で感じた課題や、得られた気づきについて、自身のメルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』で、伝えてくれます。今回は、各都県の教育委員会を訪ねる仕事の中で感じた庁舎の雰囲気の変化について記し、次の時代のキーワードを示します。

お役所の建物が語る日本社会の権威と「やさしさ」

年明けから関東・甲信越地区の各都県教育委員会をまわっている。多くが県庁(都庁)の中にあるからおのずと県庁訪問の日々となるが、各県それぞれ、地域の顔でもある県庁には威厳がある。

豪奢な建物、堅牢な造り、ゆったりとした車止からはじまり、広いエントランスに幅広い階段、とてつもなく高い吹き抜け。建物の規模もお金のかけ方も民間の会社では到底及ばない規模とスケールの建物は、税金で建てたみんなの公共財産である。税金を支払っている側からすれば立派であって当たり前だという人もいれば、何のための豪華なのかと疑問に思う人もおり、外観には賛否があるだろう。

私にとっての関心は、激変した「人当たり」だ。20年以上前の記者駆け出し時代に県庁の取材をしていて感じた、県庁内の部署内に入ると外部の人を煙たがる雰囲気はなくなっていて、私が案内板を見ていると「どちらに行かれますか」と聞いてくる「サービス」としての行政マインドが進化したのだと実感する。ただ、それは結構、県庁によって差はあるのだが。

県庁といえば基本的に石造りで回廊型の西洋風様式のイメージが強い。現在の財務省や日本銀行のように西洋の様式美を踏襲した門構えは、近代国家を目指す脱亜入欧の思想の名残のようなものだ。各県の権威の象徴でもある県庁も同様の建物が多かったが、改築や移転により昔の姿を残す県庁も少なくなってきた。

昔の名残を感じるのは今回訪問した中では神奈川県庁、埼玉県庁、山梨県庁であろうか。それらはすべて主要駅に近い場所にあるのも特徴で、市民からのアクセスは抜群。山梨県庁の甲府駅からの近さは全国一かもしれない。

ただ、庁舎中の窮屈さは職員が気の毒で、しかもペーパレス時代に紙が大好きなのもお役所のようで、旧い建物は現代の機能に対応できていないから、なおさらに窮屈になる。山梨県庁内ではいくつかの部署を回ったのだが、会議室や面談室がないから立ち話となり、私の横ではデスクに向かって全く違う仕事をする人がおり、さぞ迷惑だったのではないかと気の毒に思う。

【書評】なぜトランプは酒もタバコもコーヒーもやらないのか

トランプ大統領のイメージといえば、破天荒、過激な発言、表現が乱暴…どちらかというと、そのような印象を強く持たれています。それらの発言だけを切り取り、大げさに報道されることも多々ありますが、実はその裏で多くの名言を残しているそうです。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』では著者で編集長の柴田忠男さんが、大統領就任前に発行されたトランプ氏の名言の数々を集めた一冊についてレビューしています。

偏屈BOOK案内:桑原晃弥 著『読むだけで人生に革命が起きる トランプ108の言葉』

715nHu6yDpL読むだけで人生に革命が起きる トランプ108の言葉
桑原晃弥 著/すばる舎

この本の発行日は2016年10月15日。トランプが第45代アメリカ合衆国大統領に就任したのは2017年1月20日、選挙戦を勝ち抜いて正式に大統領に決定したのは2016年12月19日。まだ選挙中に、大統領当選イケルと読んで出版したのだろう。一応Amazonの内容紹介でも「アメリカ大統領候補まで上り詰める」としているが。この本の関係者は、トランプが大統領になるよう祈願しただろう。

参考文献はトランプ著・共著が3、ドナルド・J・トランプ著が3、ジェローム・トッチリー著が1、Newsweekが4号。これらの文献からトランプのキャッチーな言葉を拾い出し、見開きの右ページに大きな特太明朝で2~4行に組む。左ページは原則、上半分がトランプの写真、下半分がテキスト20字×18行。この構成で108の見開き。章の扉は見開き左に黒地テキスト白抜き、右ページにコラム。

専門家たちの予測を嘲笑うような、「政治の素人」の連戦連勝の快進撃だが、本選で勝てるかどうかは分からない。そういう段階で出版された本だから、もしダメでも問題なさそうな構成になっている。用心深いバクチ本、といっていいかな。だから、少し舐めていたのだが、ホントに大統領になってから読んでみたら、意外に面白い。トランプの言葉は案外平凡だが、本文が読ませる。

元編集者として、この行き届いた構成に感心する。各話のタイトルもうまい。気に入ったのはこれだ。

第11話 困難への挑戦

「それは不可能だ、というセリフを聞かされると 私は誰よりも 興味をそそられる」

成功が約束されている比較的簡単な仕事と、みんなが難しいと考える仕事のどちらを選ぶか。トランプはもちろん、後者にこそやりがいを感じるという。それにはわけがある。

厄介な問題を前に、あれこれ理屈をつけて「これは不可能だ」と決めてかかる人とは、「知事」であり「上院議員」である。「彼らは困難を上手に語ることはできるが、決して解決しようとはしないし、その力も持っていない。困難を前にすると責任の重圧に怖気づくだけだ」。一方、トランプは彼らが怖気づく相手、ユニオンや弁護士と連日激しい交渉をしているし、負けたことはない。

ポジティブとかいう甘っちょろいものではない。トランプにとって「ひどい問題」は、いつだって「素晴らしい機会」でもある。いいな、こういう気概の人に国の運営を委ねているアメリカは。わたしにとってすごく痛い言葉があった。

「服装は人がものを言う前からその人間を饒舌に物語る」

我ながら服装に無頓着だった。というより、バカ丸出し。若い頃を思い返すと本当に恥ずかしい。

トランプは酒もタバコもやらず、コーヒーも飲まない。食事も健康に良いものを優先させている。カジノホテルを所有するが、ギャンブルはやらない。独特の髪型だがかつらではない。100%自毛。握手は大嫌い。美しい女性が大好き。ミス・ユニバース機構を買収。三度の結婚と二度の離婚を経験、婚前誓約書を交わしているので財産を失うことはない。とにかく無茶苦茶すごい男。

編集長 柴田忠男

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「お駄賃」は反対。子どものお小遣いは定額制をお勧めする理由

ICカードやアプリにピピッとチャージなんて家庭も増えていそうな子どものお小遣い、いつどんな渡し方をしていますか?メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』著者の柳川由紀さんは、小学生の子には週ごとや月ごとで定額のお小遣いを現金で渡すこと、チャージの場合も現金を見せて入れることをオススメし、その理由を説明しています。さらに、封筒を利用した賢いお小遣いの管理方法も教えてくれました。

子どものお小遣いどうしてる?

Question

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お年玉を子どもの口座に入れていますが、将来、独り暮らしをするまで通帳を渡すつもりはありません。毎月のお小遣いが足りないから、お年玉を返して欲しい、と言われます。そもそも毎月のお小遣いは幾らくらい渡すのが良いのでしょう?(小4男子、小1女子のお母様より)

柳川さんからの回答

お年玉やお小遣いの使い道や使い方は、各家庭によって違いますが、単に欲しい物を買うためのお金ではなく、将来お金で困らない大人になるための練習としても大いに活用できます。

1.お小遣いはいつから?

お小遣い制度をスタートする時期は、「足し算、引き算」がしっかりできるようになった小学校3年生あたりから、定額制で始めるのがお勧めです。定額制であれば、自分なりのプランを立ててお金の管理を考えるからです。

お小遣い日の間隔は、1週間に1回、2週間に1回、1ヶ月に1回など、子どものタイプや使い道、使う頻度から考えて相談して決めるのが良いでしょう。

2.お手伝いのお駄賃として渡すのは?

家の手伝いは家族の一員としての役割ですから、労働としての報酬を与えるのは反対です。お金を手にしなくても行うはずの家族の仕事を「お金を欲しいから」という理由で手伝うようになると将来、善意で行うことにまでも、報酬を求めるようになりかねません。

また、単純に「善意で手を貸す」という奉仕の心が育たない可能性もあります。子どもが手伝ったことで、助かったり、嬉しかったりした場合は、お金以外の方法で感謝の気持ちを表すことをお勧めします。

3.現金でのやりとりが重要

キャッシュレスの時代になり、実施のお金を目にする機会は今後ますます減っていくでしょう。そもそも、お金は親が労働の対価として得て、それを家族の生活のために使っているということを説明し、お金の重みを実感させ、なぜお金が大切なのかを理解させることが重要です。

ICカードへのチャージも、予め親がしておくのではなく、一緒にチャージをして、お金がカードに入っていく様子を見せるのもオススメです。

家庭教育アドバイス…「使う用」と「貯金用」の封筒でお金を管理

お小遣いの管理方法としては、お金を「使う用」と「貯金用」で封筒に小分けにするやり方です。「使う用」は、使用目的ごとにさらに小分けにしても良いでしょう。封筒には、次の5項目を記入できる欄を作りましょう。

  1. もらった日付と金額
  2. 買ったものの日付と金額
  3. 欲しいものを買うための貯金額
  4. 欲しいものと買う時期
  5. 残った金額

お小遣い帳などノートを使うと、ノートとお金をそれぞれ出して勘定しなければなりません。明細を書いた封筒にお金を入れておけば、一度で済み、小学生にはわかりやすいのです。封筒に書く場所がなくなれば、メモ用紙を上に貼っていけばよいのです。是非、お試し下さい。

次回は、お小遣いを与える上で注意すること、そして具体的な適性額についてお伝えします。

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人の悪口、言うな聞くな。「他社をけなす接客」がNGでしかない訳

自分を上げるため、他人を下げるような物言いをする…。そんな相手と話して、いい気分になるような方はいないのではないでしょうか。そしてそれは、接客シーンでも同じことが言えるようです。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、自社商品の魅力を伝える時に他社を悪く言ってしまうという手法の危険性を説いています。

他社を悪く言わない

商品を売り込むという時に、自社商品の魅力を伝えたいつもりなのか、他社を悪く言いがちな人ってたまに見かけませんか?「あそこの商品はここがダメで、この部分も全然なってないんですよ。その点ウチの商品はこんなにすごいんです!」みたいな。つい昨日もそういう接客をされましたが、こういう商品説明って、聞いている側からするとそんなに気分の良いものではありません。

理由はいくつかあります。その会社の商品を愛用している人も中にはいます。もしそのお客様が、悪く言われている会社の商品に少しでも魅力を感じているならば、当然良い気分にはなりませんよね。

また、そもそも論として、他人を悪くいう人に魅力を感じる人はあまりいません。これは普段の人同士のコミュニケーションも全く同じで、陰口を叩くような人が人望を集めるなんてことはまずありませんよね。それよりも、「あの人は裏で悪口ばかり言う」という悪評が立つことの方が多いはずです。これと同じ感覚で、他社や他社商品のことをやたらと悪く言う人は、お客様から信頼を得られることはまずありません。

加えて、たとえ目の前のお客様とそういう話で盛り上がったとしても、周辺にいるお客様が好きな商品だったとしたら、そのお客様はものすごく嫌な気持ちになります。結局、悪く言うことで得られるメリットなんてないのです。

他社商品との違いや優位性を伝えたいのなら、そうした「悪く言う」というやり方以外にも方法はあるのではないでしょうか。例えば、「A社の商品はこういうところがすごいんですよね。でもウチの商品は、この部分に自信があるので、A社にも負けてません!」みたいな。伝えている内容は同じだとしても、言い方ひとつで、相手(お客様)の受け取り方は変わります。

比べて貶めるよりも、他社のことは認めつつ、自社が自信を持っている部分を全力でアピールすることができれば、それで良いのです。この部分を間違うと、魅力を伝えるつもりのはずがただの悪口大会になってしまいます。

ついついやりがちなことでもあるので、注意をしておきたい部分です。

今日の質問です。

  • 他社商品と自社商品の違いをお客様に伝える時、どんなことに気をつけておかなければいけませんか?

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ストレスがいじめに向かう。保身のみで自己愛すら欠如の日本社会

大きないじめ事件が起こる度に世間が騒ぎ立てはするが、やがて風化の繰り返し…。なぜ、日本の学校からいじめがなくならないのでしょうか。今回の無料メルマガ『いじめから子どもを守ろう!ネットワーク』では、元小学校校長で子ども未来プロジェクト代表の泉章子さんが、アフリカのベナン共和国の孤児院で出会った少女の言葉の根幹に生きている、「日本が経済成長の影で置き去りにしたある感情」を紹介しています。

勇気をもって、小さな一歩を踏み出せ

いじめについて、考える時に、いつも心の中に浮かんでくることがある。

「どうしていじめが起こるのか」と。

本当は、誰かがいじめられるのを見たら、誰でも心が痛むと思う。「かばってあげたい」と思いながらも、次は自分がいじめられるんじゃないかと不安になる。そして、傍観者になってしまう。他人を大切にできない時は、実は、自分を大切にできていない時だ。自分の気持ちを出したいのに、出せない。もどかしさを感じているのだ。

一方、いじめている人は、人をいじめることで自分の心のバランスを取っている。

しかし、どうだ。いじめられた人は、心が壊れ、人生の表舞台に戻れない。長い苦しみが襲う。

いじめているあなた、あなたは不安や癒せない心で苦しんでいるかもしれない。でも、目を背けないで、いじめられ、傷つき、さらされている人の心を見てほしい。感じてほしい。人をいじめても、苦しさからはのがれられないんだ。

日本のいじめの現状を見る時に思い出すことがある。

私は2017年6月に西アフリカのベナン共和国に行った。ベナンで訪れた孤児院での話。日本人の方が定期的に訪れ、教科書や蚊帳を寄付してもらっている、と聞いた。学校で教科書を見て授業が受けられるようになった喜び。蚊帳のおかげで、マラリヤや蛇の恐怖から救われたことへの感謝。だから、日本人の私をとても歓迎して迎えてくれた。

そこで、ある19歳の少女と出会った。少女は、勉強ができる喜びにあふれていた。本を寄付してもらい、読書感想文のコンクールで選ばれたと語っていた。読書感想文を読ませてもらった。涙が止まらない。この19歳の少女の語る言葉に心震える私がいた。

私はずっと人を信じられなくて、いつも一人だった。だけど、ある日本人の方に出会い、人を信じることができるようになった。アフリカの問題は、戦争や飢餓ではない。アフリカの問題は、愛の欠如だ。

そう彼女は書いていた。「私は愛によって救われた」と言っていた。

その日本人の訪問は、凍っていた彼女の心を溶かしひらいていったのである。

いじめの問題も、その根底にあるのは、愛の欠如である。愛されたことがある人は、自分も愛せるし、他人も愛す。自分を愛している人は、自分に自信が持てる。自分を大切にする。自分を大切にする人は他の人も大切にできる。いじめなど起こらない。

日本は高度成長期を経て変わったように思う。世の中の進化は、人々の思いを良い方にも悪い方にも変えていった。素晴らしい日本の躍進は、プラスの方向。ただ、崩れてしまったものもある。例えば、父母への尊敬の念、学校の先生に対する尊敬の念。世界にたった一人しかいない自分自身を大切にすること。日本人らしささえも。

しかし、大切なことが、全てなくなってしまったというつもりはない。見えなくなってしまっているだけ。実は、あなたの目の前に今もある。何かに追われる生活から、何かを生み出す生活に戻す時が来た。何かができて、人は素晴らしいのではなく、人は生きていることだけで素晴らしい。

あなたが、あなたであることを大切にし、あなたにしかできない何かを大切に育み、あなた自身の個性を輝かせることが、新しい始まりとなるだろう。

生命(いのち)を与えられたことに感謝し、自分を信じ、自分を愛して生きていく。自ら小さな一歩を踏み出す。私も今、踏み出したところである。

泉章子の子ども未来プロジェクト代表 泉章子(いずみしょうこ 元小学校校長)

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なぜ、家族が分担している家事に口を出してはいけないのか?

家庭内に大人の手が複数ある場合、家事は担当制にしているというお宅も多いのではないでしょうか。しかしそういったケースでは、注意すべき点もあるようです。今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では著者の真井花さんが、分担している家事に対しての一人ひとりの気遣いについて論じています。

担当に任せる

さて、本日はつい出てしまうクチのお話。

家事の担当を決めているご家庭は多いでしょう。我が家もソレナリにみんな担当を持っていますよ、うん。

で、この担当を決めた場合。いちいち

  • クチを出さない

ことが大事ですよね。誰だって自分がやっていることに対して、やってもいない人からクチを出されるのはイヤなものです。ヘソを曲げて「もうやらない!」ということにもなりかねません。なので、ここはグッと堪えて。

我が家では、洗濯が義母担当です。いつ洗濯するのか、どれをどんなふうに洗濯して干すのか、どうたたむのかまで全て彼女が決定します。なので、もうホントに満身の力を込めて(?)クチを出さないよう堪えています(*゚~゚*)

  • 出張から帰ってきたのでとりあえず下着くらいは…
  • タオルはもうちょっと白く…
  • ちょっと湿っぽいのに、たたまなくても…
  • ソレとコレは分けてほしい…

と思うんですよ、もう毎日。でも、ここで言っちゃあお終えよ。どうしても無理だわと思う時は、クチを出さずにコッソリ手を出して洗い直してしまいます(*^ー゚)

それでも、どうしてもどうしてもクチを出さずにはいられないときがありますよね。それは、おそらく

  • パフォーマンスが悪すぎる( ̄∇ ̄)

ときです。やり方が違うときはまだイイんですよ。まあ、そんなやり方もあるかなって思えますからね、落ち着けば(*^ー゚)。

でも、落ち着いてみても、ムリなのは

・要求するレベルからみて、あまりにもオソマツな場合

です。たとえば

  • 掃除機をかけたけど、部屋の隅は残ったまま
  • マグを洗ったけど、自分の分だけ
  • エリや袖グチのヨゴレが落ちていない←コレ!
  • ゴミを捨ててきたけど、ゴミ箱はそのまま

こういうこと、ありますよね。その家事の目的が達成されていないレベルの出来で、やり方の違いじゃ済まないパターンです。こういうときは

  • 穏やかに
  • やり方を説明しつつ
  • こうして欲しいと伝える

ことだろうと思います。まあ、会社じゃ一喝されてオシマイなのに、優しく言い聞かせてあげようだなんて、なんてヤサシーのかしら、私たち( ̄∇ ̄)

まっ、利益追求団体である会社とは違いますから。ここは家庭内のお話ですから。トンガりすぎるのはどうかと思うんですよね。

他方で、声を大にして言いたい。これを読んでくれているローパフォーマーな諸君。「せっかくやったのに褒めてもらえなかった!」とか甘ったれたことを言わないように。たしかに会社とは違うにせよ、家事の目的が達成されないレベルの家事では、言われても仕方がないモン。ま、言われても直らない…治らない人もいるけどね。

担当に任せたのなら、出来るだけクチは出さない。パフォーマンスが低すぎる場合にだけにしておきましょう。

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沖縄本島沖での米軍ヘリ事故は「着水」なのか「墜落」なのか

1月25日に沖縄本島東方沖で起きた米軍ヘリの事故に関し、米側が「went down」という言葉を使ったことで、沖縄タイムスは「墜落」と主張。防衛省による「着水」との説明に疑問を投げかけました。これに対し、軍事アナリストの小川和久さんは、主宰するメルマガ『NEWSを疑え!』で、ニュアンス的には「落ちちゃった」に近く、「着水」も的外れではないと解説。その上で、防衛省の説明不足も指摘しています。

「着水」か「墜落」か

1月25日に沖縄本島東方海上(那覇の東174キロ)で起きた米海軍のMH60ヘリの事故について、防衛省は「着水」と表現しましたが、沖縄タイムスは「米国側は墜落(went down)と表現している」と譲りません。あたかも防衛省側が、重大事故を軽微な事故を装って隠そうとしているかのような書き方です。続報でも次のように追い討ちをかけます。

「エスパー米国防長官は28日(日本時間29日)、沖縄本島東沖で起きた米海軍所属のMH60ヘリの墜落事故を巡り、ツイッターで、在日米軍と自衛隊による乗員の救助活動に謝意を表明した。事故については『墜落(went down)』と表記している。   エスパー氏が同事故について言及するのは初めて。   事故機が所属する第7艦隊は、発生直後の発表で『墜落した』の意味を含む『went down』と表現。米国では、主要テレビ局ABCやNBCニュース、米軍準機関紙『星条旗』や米海軍協会ニュースなどの軍事紙も『墜落(went down)』とそれぞれ報じている。   河野太郎防衛相は28日の記者会見で『パイロットのコントロール下で米軍のヘリが着水したと聞いている』と述べ、機体が操縦士の制御下にあったとの認識を表明。防衛省が事故機が『着水』と表現したことに『違和感はなかった』との認識を示してる。(後略)」(1月30日付沖縄タイムス)

そこでシカゴ大学で安全保障を専攻し、政治学博士号を取得した西恭之氏に聞いたところ、次のような回答が寄せられました。

「海軍安全センターは事故の程度をクラスA/B/C/Dとしか分類していません。1)死亡、2)身体の一機能の永久かつ完全な障害、3)事故機など財産の250万ドル以上の損害、4)有人機または大型・中型無人機(第4・第5グループの無人機、最大離陸重量1320ポンド超)の全損、のどれかに至った事故はクラスAです。

Went downはcrashを含む概念です。米海軍の報道発表などの文書には、同じ事故をwent downとcrashの両方で表現したものも少なくありません」

これを聞いて、英語と日本語のニュアンスの問題だと思うに至りました。今回のMH60ヘリの事故は、間違いなく「事故機など財産の250万ドル以上の損害」ですから、クラスAに分類されます。しかし、人的被害が出ていないこともあり、表現としては軽い事故として扱われたのではないかと思います。

明らかに機体がぐしゃぐしゃになり、人的被害も出るような墜落の印象が強いcrashではなく、「落ちちゃった」「落っこちた」というニュアンスで「went down」が使われたのではないでしょうか。

それを日本語として使う場合、「着水」とするのは至極当然のことです。その意味で、「着水」という表現に「違和感はなかった」とする河野防衛大臣のコメントは、それでよかったのだと思います。「コントロール下にあった」というのは、オートローテーションで降下したことを意味していると考えるのが自然です。防衛省としても、ニュアンスとしてぴったりくる日本語で表現した点を説明すれば、もっとよかったと思います。(小川和久)

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