臨界事故から20年。原子力関係者の危機管理意識は向上したのか?

9月30日は、日本で初めて死者が出てしまった茨城県東海村での臨界事故から20年の節目となる日でした。事故の前年に、茨城県内での原子力安全協定に関する会合で講演し、関係者が発した驚きの言葉がいまも耳に残ると語るのは、メルマガ『NEWSを疑え!』を主宰する軍事アナリストで危機管理の専門家でもある小川和久さんです。この20年の間にも数々の原子力に関わる事故は起こっており、「人間は学ばないものだ」ということを前提に、常に危機管理意識を確認、点検、向上させることの必要性を訴えています。

人間は学ばないものだ

9月27日、茨城県東海村の核燃料加工会社JCOの臨界事故から20年になるのを前に、東海村役場では黙祷が捧げられ、7日には原子力安全フォーラムが行われました。このニュースを眺めながら、JCO臨界事故とその前後の日本の原子力安全をめぐる状況に思いをいたさずにはいられませんでした。

1999年9月30日、茨城県東海村のJCO(住友金属鉱山の子会社)の核燃料加工施設内でウラン溶液が臨界状態に達して核分裂連鎖反応(臨界)事故が発生、作業員2人が死亡、1人が重症となり、住民ら667人が被曝するという、日本の原子力史上初めての重大事故が発生しました。

JCOは燃料加工の工程において、国の管理規定に沿った正規マニュアルではなく「裏マニュアル」を運用していました。原料であるウラン化合物の粉末を溶解する工程では正規マニュアルでは「溶解塔」という装置を使用するという手順でしたが、裏マニュアルではステンレス製バケツを使う手順に改変されており、当日は裏マニュアルで作業が行われていました。

事故の一報が入ったとき、思わず「やっちゃったよ」と呟いたのを憶えています。それというのも、事故の1年2ヵ月前に耳にした原子力関係者の驚くべき言葉が耳許に蘇ってきたからです。

1998年7月10日午後、私は茨城県水戸市の水戸プラザホテルで開催された「平成10年度・茨城県原子力安全協定推進協議会総会」で講演しました。そして、講演後の懇親会で「原子力事故が危機管理の対象とは、初めて知りました」という、それも原子力関係組織の幹部の言葉を耳にしたのです。講演の主催者の茨城県総務部長の務台俊介さん(現・自民党衆議院議員)も深刻な面持ちでした。

JCO臨界事故の時、務台さんはまだ総務部長の職にあり、橋本知事の智恵袋として事故対策の先頭に立つことになりましたが、電話で次のように述べていました。

「残念ながら事故は起きましたが、昨年夏、小川さんに来ていただいて危機管理について講演会をやっておいてよかったと思いました。少なくとも、私と県などの行政側の意識が変わり、それなりに備える方向に動いていましたから」

それから14年になろうかという2013年5月23日正午頃、今度は同じ東海村にある日本原子力研究開発機構の実験施設で事故が起きました。

加速器実験施設「J-PARC」内の原子核素粒子実験施設で発生、施設内にいた6人が内部被ばくし、さらに24人以上が被ばくした可能性があるとのことです。しかも、原子力規制庁への報告は事故から1日半経過していたというのですから、開いた口がふさがりません。J-PARC側の謝罪会見の様子を眺めながら、絶望感が先に立ちました。

やはり日本の原子力関係者の頭の中は、「原子力事故が危機管理の対象とは、初めて知りました」のレベルから抜け出していないのではないか、と思わずにはいられません。これは、原子力関係者だけの問題ではないのですが、人間は学ばないものだということを証明する出来事でした。

同じ過ちが繰り返されないためには、常に脚下照顧、形だけの危機管理に陥っていないかを確かめ続ける必要があります。(小川和久)

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タクシー会社大手の日本交通はなぜ事前確定運賃を導入したのか?

タクシーに常につきまとう不安として、目的地に着いたときにようやく料金が決まるという点があります。旅行者にとっては特に大きなこの不安を取り除く方法として、国土交通省が事前確定運賃制度の運用ルールを策定し、今年の10月から認可されるようになりました。メルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』発行人の理央周さんが、この制度の導入を決めたタクシー会社大手の狙いを解説。自身がアメリカ出張でUberの配車アプリを利用した経験も合わせて、その利便性を伝えます。

タクシーのマーケティングは難しい?

日本交通などのタクシー会社大手が、10月にも「事前確定運賃」を導入することにしたそうです。これまで、タクシーに乗るときには、行き先までの運賃は着くまでわからないですよね。

今号では、日本交通がなぜ、事前確定運賃を導入したのか、それによって、何を目論んでいるのか、について深掘りをしていきます。

私は常々、「タクシーのマーケティングは難しい」と感じてきました。ハイヤーと違い、流しでのタクシーの場合は、乗るお客さんの方も、乗せるタクシーのドライバーの方も、お互いを選ぶことができないため、セグメンテーション、ターゲティング、などというアプローチで集客、(タクシーの場合はお客様に乗ってもらう)ができないからです。

また、雨などの天候に大きく左右されること、時間帯などによって、拾う人のいる度合いが大きく異なるという、不確定要素が多いのも一因です。

したがって、これまでは、「この時間のこの天気だと、この辺に行けばお客様を拾えそうだな」と、どこに行けばお客様が多いのかを、ドライバーの人たちの勘でやっていたため、ベテランのできるドライバーはたくさん稼げますが、社歴の浅いひとや土地勘がまだ浅い人たちは、その勘どころがわからないため、ドライバーの間で成績の格差が出てきてしまいます。

現役アナが教える「語彙が足らない」と言う人に本当に必要な能力

人前で話すあらゆるシーンに役立つプロの技を伝えてくれるメルマガ『話し方を磨く刺激的なひと言』の著者で、アナウンサー歴30年の熊谷章洋さんによる「話し方の表現力を上げる5つのアプローチ」シリーズ。今回はアプローチその4「語彙を豊かにする」です。熊谷さんは、話すために必要な「語彙」について解説し、話をする際の「語彙不足」という認識にありがちな誤解を、ずばり指摘しています。

語彙が足らないと言う人の、本当に必要な能力

話す「内容」の良し悪し、完成度に関係なく、表面的な「しゃべりの技術」によって、話し方の表現力を上げる5つのアプローチをご紹介しています。

これまで、

  1. 声そのものを磨く
  2. 声色を使う
  3. 口調を操る

これら3つについてお話ししてきました。

続いてアプローチその4は、語彙を豊かにすること。いつもの内容のおしゃべりでも、いつもと違う言葉で表現できたら、聞いた人は、「おおっ!!」と思いますよね。それが、語彙を豊かにすることで話し方の表現力を上げる、ということです。

ただし、絶対に誤解してはいけない要素がありますので、先にお断りしておきますが、ここでいう「豊かに」というのは、ただ単に言葉を知っているという意味ではなく、話し方における語彙とは、相手に届く表現を、自分自身で「生成できる状態」を指すのだと、くれぐれもご理解いただきたいのです。どういうことなのか、順を追って説明していきますね。

まず、語彙とは?というお話です。辞書などで語彙という言葉自体の意味を調べますと、「ある範囲で使われる言葉全体」などと解説されています。

これはどういうことなのか、解釈しますと、日本語の語彙、村上春樹作品の語彙、私の語彙…など、多くの場合「〇〇の」語彙というように、その範囲を絞り込む言葉を伴って成立するということです。

また、私がネットで検索した、ブリタニカ国際大百科事典によれば、「ある一つの国語、方言あるいは作品などの単語の総体。個人においては、聞いたり読んだりして理解できる単語が、実際に話したり書いたりするときに用いる単語より多く、前者を理解語彙、後者を発表語彙という」というように、語彙は単語であり、理解できる語彙のなかに、使える語彙が含まれていることがわかります。

ただし私の解釈ですが、発表語彙のなかでも、話し方の語彙においては、語彙というのは単語だけでなく、言い回しまで含まれる、具体的には、こういう状況で、こんな効果的な表現ができる、というバリエーションこそ、話し方の語彙なのだろうと思います。

コミュニケーションの3つの原点を押さえれば職場ストレスは減る

ビジネスの場であってもプライベートなシーンであっても、「コミュニケーション」は基本かつ重要なもの。しかし、そんな「基本」が抑えられていない職場も多いようです。今回の無料メルマガ『起業教育のススメ~子供たちに起業スピリッツを!』では著者の石丸智信さんが、円滑な人間関係構築に役立つ「コミュニケーションの3つの条件」を紹介しています。

コミュニケーションの原点として3つの条件

先日聴講する機会があった講演会の中で、どんな職場でも、共通の課題として、「コミュニケーションが足りない」ことが挙げられていました。また、「コミュニケーションが大事」だと思っていても、できていない、とも指摘していました。

私自身も、経営者や管理者向けの研修などを数多く聴講した中でも、コミュニケーションに関する内容が取り上げられることがありました。やはり、上司、部下、同僚などとのコミュニケーションに悩んでいる方も多く、私自身も、研修を聴講するたびに、コミュニケーションの奥深さを感じました。

本号では、以前聴講した研修の中で触れられていた「コミュニケーションの原点」について考察していきたいと思います。

その研修の中では、「コミュニケーションの原点」として、3つの条件が挙げられていました。その3つの条件とは、「相互性」「水平性」「対面性」です。

相互性とは、会話のキャッチボールを心がけるということです。水平性とは、同じ背丈のやり取りの大切さです。そして、対面性とは、思いがけなさが会話のいのちということです。

では、3つの条件についてそれぞれみていきます。

相互性には、3つの項目が挙げられます。

  • 自分ばかりしゃべらない
  • 自分のことばかり話題にしない
  • 話しながら相手の反応に気を配る

という3項目です。上司(リーダー)と部下(メンバー)、お客さま、妻と夫、親と子どもなどの間でのコミュニケーションにおいて、ついつい、矢印が自分の方にばかり向いていないでしょうか。

聴き上手は話し上手」とも言われますので、コミュニケーションをとる相手とは、自分のことばかり話すのではなく、相手の話もしっかりと聴くことも大事になってきますね。

水平性には、4つの項目があります。

  • 威張った態度でものを言わない
  • 説教口調にならない
  • 対等な会話を通じてつながりを強める
  • 敬語を使って話せば上位者とも対等に話せる

やはり、威張った態度や説教口調など、上から目線でものを言われると、あまりいい感じはしませんよね。自分も、相手も、そのような意識はなくても、相手が、自分が、「上からものを言っているな」と思われたり、思ったりしたら、お互いのやり取りはうまくいきません。

この講義を聴いて、私自身、人間同士のコミュニケーションにおいては、年上だから、立場が上だから、親だから、などといったことにこだわらずに、相手に対して敬意をもって接することが大切だと感じました。

最後に、対面性には、2つの項目が挙げられていました。

  • 先入観思い込みにとらわれない
  • 相手の目を見て明るい表情で話し聞く

という2項目です。近年において、スマホなどの携帯情報端末が定着しつつある中で、メール、LINEなどの情報ツールを使ってコミュニケーションをとるケースが多くなっています。とても便利なツールではあるものの、使い方によっては、弊害になることもあるのでしょうね。

極端な例ですが、職場の中で隣に座っていて、話せば数秒で終わることでも、メールなどでやり取りするといった笑い話のような話を聴いたことがあります。やはり、お互いにコミュニケーションを深めていくためには、便利なツールも使いながらも対面でコミュニケーションをとることが大切でしょうね。

また、以前聴講したセミナーでは、話の聴き方として8つのポイントについて挙げられていました。

  • 目を見る
  • うなずく
  • 相づちを打つ
  • 繰り返す
  • メモを取る
  • 要約する
  • 質問する
  • 感情を込める

という8つのポイントが挙げられていました。私自身も、対面でのコミュニケーションを磨いていきたいと思っています。自分のコミュニケーションを磨いていくためには、研修で知識を得ることに加えて、日々日々実践、体験していくことがとても大切だと感じます。

子どもたちにおいても、将来、コミュニケーションを円滑にとれるようになるためにも、様々な場面において、体験、経験を積んでいくことが必要ではないでしょうか。

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年金を貰いながら働いている人が10月の年金振込額に驚く理由

高齢者を雇用する企業が増え、年金を貰いながら厚生年金に継続加入して給料を貰う人も増えている昨今。そんな年金受給者にとって気になるのが、給与が上がることによって変更される「年金停止額」について。今回の無料メルマガ『年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座』では著者のhirokiさんが、毎年10月に反映される年金が変更される理由から、在職中の年金停止額についても詳しく解説しています。

10月は年金振込額が減ったり、厚生年金保険料天引き額が変更したりしやすい理由

高齢者の雇用がほぼ普通に行われる時代になり、それとともに厚生年金に加入して給料をもらう事で年金が停止されるという人も多くなるという事でもあります。で、10月の年金振り込み時は、何かとその影響が目に見えるようになる事が多い時期でもあります。それはなぜかというと、年金停止の計算に用いている給与(標準報酬月額)の変更が9月に行われるからです。9月から新しい標準報酬月額に変更された時に、その額が高くなってしまう人は年金停止額が増えて、支給される年金が減ってしまいます。逆に給与が下がってた人は年金停止額が減ったりもしますけどね。

10月15日年金振込額は前2ヶ月分である、8月分と9月分なので、9月分から標準報酬月額が高くなって9月分の停止額が高くなると10月振り込みの年金額が減ってしまうというわけですね。

なお、標準報酬月額が変更される時に用いる給与は4月、5月、6月に受けた給与を合計して、平均したものを標準報酬月額表というものに当てはめて標準報酬月額を決めます。原則としてはそのようにする。たとえば、4月給与が564,800円、5月給与が572,766円、6月給与が550,000円だったら合計が1,687,566円で、3か月平均すると562,522円となります。下記リンクの標準報酬月額表を見てみると、29等級の545,000円~575,000円の間に位置しますよね。

標準報酬月額表(日本年金機構)

なのでこの場合の標準報酬月額は29等級にあたる560,000円となり、新しい標準報酬月額は9月から適用になります。この新しい標準報酬月額は翌年8月まで適用される。厚生年金に加入して厚生年金保険料を納めている人は、この56万円に厚生年金保険料率18.3%のうち半分の9.15%である51,240円を給与から天引きされる事になります。天引きの際その月の保険料は翌月の給与から天引きとなる。だから10月の給与から天引き額の変化に気付く。

ところでなぜ18.3%の半分を納めればよいかというと、会社と従業員で半分ずつ(折半)して保険料を納めるからです。よく会社がなかなか社会保険に加入させてくれないというような話があったりしますが、会社としての負担が増えるからですね^^;とはいえ一定の条件を満たした人は強制的に厚生年金に加入させないといけないので、会社が加入させたくないといっても加入させないといけません。

そして、もしこの標準報酬月額が等級が上がって59万円となると…支払う保険料も増えますが、今貰ってる老齢厚生年金の停止額も多くなったりします。今日はその年金停止がかかる、在職老齢年金の基礎を見ていきましょう。

こだわりが強い知人女性の「段ボールのカーテン」に驚嘆した件

日常生活において不思議に思ったり、ちょっと気になったあれこれについて考察するメルマガ『8人ばなし』。著者の山崎勝義さんは今回、強いこだわりを持ち、妥協せず諦めないがゆえに「段ボールのカーテン」に辿り着いた、ちょっと変わった知人女性の人となりを紹介します。山崎さんは、極度の人見知りであるがために孤高の戦いに挑み続ける彼女のことを「人見知りファイター」と呼び、応援しているそうです。

人見知りファイターのこと

何でもこだわる人がいる。きっとそういう人は自分の中の好悪の基準がはっきりしているのであろう。今日はそんな人の話である。私にとってはものすごく面白い、知り合いの女性の話である。

その話の前に、まず一つ断わっておきたいことがある。彼女は所謂変人である。私がこれまで知り合った中でもダントツの変人である。このように書いてしまうと読者の脳内にあっては既に随分風変わりな容姿の持ち主として想像されているかもしれないが、実のところ彼女は美人である。年齢も若い。ただどちらかと言えば童顔の部類に入る面立ちなので周囲の女性からは「かわいい、かわいい」とよく言われている。これは大事なことなのでくれぐれも忘れぬように。

それでは話を始める。この人は基本無口である。極度の人見知りなのである。故に自分から話すことはまずしない。かと言って会話すること自体を嫌っている訳でもなく質問に対しては驚くほど的確かつ迅速に答える。この人の返答のあり方は基本3種類に分類できる。

  • 肯定
  • 否定
  • 回答不能

である。

面白いのは、肯定においても否定においても必ずそれなりに納得できる理由があるところである。回答不能の時は質問がオープン過ぎるからであり、それもその旨を相手にきちんと伝える。質問がクローズドになって回答可能となるとその時はやはり肯定か否定で答える。但し会話に関しては例外なくこの式で行くから話しかけられなければいつまでも沈黙が続くことになる。

またこの人は極端な偏食である。まずほとんどの食材は苦手である。故にランチは常に持込みである。うっかり出先で調達しようなどと考えると食べられるものが全く見つからず終には一食抜きの憂き目に合うことになってしまうのだそうだ。一度、打ち上げか何かの立食パーティーで空の皿を手に持ってただただウロウロしているだけの彼女に会ったことがあるが、その時はもう事情が分かっているだけにお互い笑うことしかできなかった。

またこの人は日常変なチャレンジをして遊んでいる。例えば、ポケットティッシュをミシン目のない側から綺麗に開けてみたり、封筒の開かない方から丁寧に開けてみたりなどしている。なぜそんなことをするのか一度理由を聞いたことがあるが、どうも彼女にとってそれはある種の勝負のようなものであり、まず負ける訳にはいかないのだと言う。いよいよ不可思議な人である。

1人の清掃員が真面目に仕事しただけで起きた、マンションの奇跡

マンションでゴミ出しなどマナー違反の住民に対し掲示される警告文は、ただ貼っただけではなかなか効果が上がるものではありません。何か他に対応策はないのでしょうか。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では著者でマンション管理士の廣田信子さんが、清掃員の仕事が住民の心を動かし、結果的にマンション全体のゴミ出しマナー改善に繋がった事例を紹介しています。

一流の清掃人が住民のゴミ出しマナーも変える

こんにちは!廣田信子です。

マンションコミュニティ研究会の仲間が、ステキな新聞のエッセーを紹介してくれました。「管理会社」とか「ITソリュ─ション」とか、働く個々人の顔が見えにくい話を続けて書いていて、何かが足りないように感じていたところだったので、そのエッセーが心に染み入りました。

私も、紹介せずにいられなくなりました。10月4日の産経新聞の「朝晴れエッセー」で、表題は、「一流の清掃人」です。

この投稿者の方は、戸建てからマンションに移り住んで2年、マンションでの生活は快適ではあるものの、共用スペースの汚れや、いい加減なゴミ出しが気になって、つい手を出したり、家族にこぼしたりしていたのですが…、ある日清掃担当のSさんがやってきてマンションが変わり始めます

Sさんの仕事ぶりは見事で、玄関、廊下、エレベータ─の床のモップ掛けはもちろん、手すり、雨水排水溝も徹底して拭き掃除をするのです。さらに、ゴミ集積所のボックス内のゴミをきれいに整理し、ゴミが運ばれた後は、ボックス内も丁寧に拭き掃除をします。

「清掃とは、こうやるのだよ」というお手本のような仕事ぶりに、「いつもありがとうございます」と声をかけると、「玄関のガラス扉が思うようにきれいにならなくて…どうしても曇ってしまうんですよ」…と、素人には何の問題もないようなガラスの磨き具合にも満足していないようで、もっと清掃を極めようとしているのです。

そして…Sさんが来るようになってマンション住人のゴミ出しがよくなったのです。Sさんは、自分の仕事に責任と誇りを持った天下一品一流の清掃人だ…と、投稿者の感謝の気持ちが書かれています。今日も快適なマンション暮らしをさせていただいて、Sさん、ありがとう…と。

こういう仕事は、自分の仕事に誇りを持った」にしかできません。Sさんのような方々に、マンション管理の現場は支えられている、そのことは、絶対に忘れてはならないと改めて思いました。

自分と向き合って目の前の仕事を全力でするSさんの生き方はほんとうに神々しいほどです。そのきれいに磨きあげられた空間には、住民に、いい加減なゴミ出しができないような気持ちにさせる、何か不思議な空気があるのでしょうね。きっと、べたべた壁に貼られた「警告文」より、人の心を動かすのだと思います。

同時に、Sさんの働きぶりに気が付いて、感謝を言葉にしている投稿者の方もすてきです。そして…管理会社もきちんとそのことを見ていて、評価してほしいな…と思いました。高い精神ステージにいるSさんは、特別、そんなことを望んでいないでしょうが、凡人の私としては、Sさんに続く人の励みになるように…と思うのです。

ステキな話を紹介していただいて、ありがとうございました。心がほっこりしました。

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ラグビー日本代表の大金星で、海外からの関心が期間中最大ピークに

Amobee Japanが、ラグビーワールドカップに対する海外トレンドの分析したところ、日本代表チームへの関心の高まりは日本国内だけに止まらず、海外各国からも同じく注目が集まっていることがわかりました。なお今回海外視点でのワールドカップに対する関心を理解するため、分析対象国として選ばれたのは、アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージランドの4カ国。

日本対アイルランド戦が海外から注目される

期間中の全体のトレンドとして当然のことながら、大会開催日の9月20日より急激に関心が高まる傾向が見られました。 一方、その後いったん関心の下降を経て、9月28日の日本対アイルランド戦のタイミングで期間中最大のピークを迎えました。 大会開催日と日本対アイルランド戦での関心の高まりは4カ国全てで確認され、世界ランクの低いチームが上位チームに勝つことがめったにないとされるラグビーにおいて日本チームが成し遂げたジャイアント・キリングがグローバルで非常に大きな注目を集めた事が伺えます。

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やっぱり『All Blacks』は、一番の人気

関連トピックとしてはニュージーランド代表チームであるAll Blacks』が総じて高く、チームに対する関心として4カ国のすべてで最も高い結果となりました。 ついでオーストラリアのチームである『Wallabies』、 南アフリカチームの『Springboks』と続きました。いずれも、優勝候補とされている強豪チームです。

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※単語を囲む円の大きさが大きいほど、 エンゲージメントが高いことを示す
※白枠の円は、 代表的なチーム名

大会開始後は、国名よりも選手名が人気に

開催前では各国のチームに関する関心が高い傾向にありましたが、 開催後は各国の選手に関する関心の高まりが確認されました。 これは各試合で活躍した選手などが取り上げられ注目されたことが要因と考えられます。 最も関心の高かった『All Blacks』については特定の選手が注目される傾向が他チームと比較して少ない特徴が見られました。バレット三兄弟が全員トライを決めるなど、スター選手ばかりのチームであることや、試合前のウォーク・ライ「ハカ」の話題が拡散していることも関係していると言えるでしょう。

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いよいよ今週末はスコットランドとの因縁の対決にのぞむ日本代表。4年越しの勝負の結果、果たして日本はスコットランドに勝利し、予選全勝で決勝トーナメントへ進出できるのでしょうか。再び海外からも注目が集まりそうです。

source: Amobee Brand Intelligence、Amobee Japan 合同会社
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参考書を最初から熟読する人ほど、ちっとも合格しない当然の理由

資格取得の為に高い参考書を買い込み、時間をかけて勉強したのにまたも不合格だった…。こうした悩みを抱えている方からの勉強法に関する質問が、セミナー講師として活躍中の佐藤しょ~おんさんのもとに日々届いているそうです。そんな方のために佐藤さんは今回、自身の無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』で、「資格試験に最短で受かる人が実践している目からウロコの勉強法」を伝授してくださっています。

資格試験はこうすれば良い

私のところにあれこれと相談というか、質問が来るわけで、その中でも定型的になっている質問が、

 ● 資格試験に最短で合格するためのやり方

なんですね。

私は資格オタクではないので、そこまで詳しくはないのですが、それでもいつまで経っても合格しない人の、ダメなやり方は理解しています。ちなみに最もダメなやり方は、教科書や参考書、問題集を最初のページから順番にやる人です。これが簡単な資格で、誰でも1週間やれば合格するよという薄い試験ならそれでも良いんですよ。合格までに最低でも1年は勉強を続けないと話にならないという試験では、このやり方は致命的というか、時間をムダにすることになると思います。

資格ってどんなモノでも範囲が決まっているわけです。ここからここまでの範囲で、試験問題が作られますよということが最初から明示されているわけです。その中で、70点とか80点を取れば、誰でも合格ってことにしてあげますよという全体像があるんです。ここのところ、非常に大切なんですけど、みなさんスルーしたでしょ。スルーしちゃいけないのは、

 ● 70点とか80点を取れば誰でも合格ってことにしてあげますよ

の部分ですから。特に「合格ってことにしてあげる」のところが重要です。試験に合格するということと試験範囲のことについての業務をちゃんとこなせることはイコールじゃありませんからね。TOEICとかが典型なんですけど、900点あるから外人とペラペラ喋れるかというと、そんな保証は主催団体である一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会はしてくれないんです。

彼らが証明するのは、その試験について合格にしなきゃならない点数を、この人は取ってしまいましたよというだけなんです。だから全然話せないのに、試験対策だけメチャメチャやって900点を取ってしまう人が少なからずいるんです(外資で働いたことがある人は分かりますよね)。

それと同じことを、あなたが取得したい試験で狙ってやれれば良いわけですよ。

そのために必要なのは、試験の全体像を把握するということと、自分の得意苦手分野を把握すること、最後に過去問を答えから見て理屈を理解するということなんです。

これはあらゆる試験で通用するマル秘テクニックなんですが、過去問を買うでしょ。そうしたら模範解答と、その解説が付いてるでしょ。先にそっちを読むんですよ。考えなくて良いの。問題を見て考えずに解答を見る。そして、そこに書かれている解説を読んで、

 ● なんでこの問題の答えがこれになるのか?

を理解するんですよ。この解が正解になる理由が分かったら、次は条件反射で答えられるように、問題を見てすぐに答えを思い出せるようにするんです。最後はこのパターン認識ですから。

参考書を開く勉強って、「問題→答え→その理由」の3点セットに納得がいかない時にやるんです。つまり、なんでこれが正しい答えになるのか良く分からないなという時に、その理由を理解するために参考書を開くんです。答えを見てなるほどそういうことか!と理解出来たらその部分の参考書は開く必要は無いんです。だって意味が分かっているんですから。

その場合に必要なのは、類似の問題が出た時に、如何に早くその答えを導けるかの量稽古ですから。

で、どんな試験でも、過去問を10年分くらいやったら、似たような問題(エッセンスとして問うている内容が同じもの)がいくつもヒットするはずなんです。それはその試験で絶対に外しちゃいけない重要問題ですから。その類の問題は、見た瞬間に答えが出て来るまで、何度も繰り返してパターン認識にするんです。

そうやって、「問題答えその理由がパッと答えられるようになるまで、何度も過去問をやるんです。そして最終的には、試験時間の半分の時間で満点が取れるまでやるんです。

出題範囲が広い難関試験については、これを問題のジャンルごとに分けて、自分の知識の定着度合いと、出題範囲とのマッピングをするんです。その上で、自分が過去問でまだ満点が取れないジャンルがどれなのかを把握するんです。

資格試験の勉強って、自分が出来るところは手抜きして、ちゃっちゃと終わらせるんです。分かっていること、出来ることに時間を掛けても意味がないんですから。ここではケアレスミスだけ注意したら良いんです。

そもそもわかってないかも。吸収合併と新設合併って何が違うの?

企業の合併や営業譲渡がイレギュラーではなくなってきている昨今ですが、そうした場合、従業員の労働条件はどう変わるのでしょうが。今回の無料メルマガ『採用から退社まで! 正しい労務管理で、運命の出会いを引き寄せろ』では著者で現役社労士の飯田弘和さんが、「合併や譲渡の際に変更される場合のある条件」について詳しく解説しています。

企業合併の際の労働条件について

企業が合併した場合、従業員の労働条件等はどうなるのでしょうか?合併には「新設合併吸収合併」があります。新設合併とは、2つ以上の会社が合併して新たな会社を作る場合です。吸収合併とは、ある会社が別の会社を丸ごと取り込む場合です。しかし、新設合併であっても、吸収合併であっても、権利義務関係については全て承継することになっています。

したがって、従業員も合併先にそのまま引き継がれますし、その際の労働条件もそのまま引き継がれます。そうなると、合併先では、合併前に所属していた会社によって、いくつかの労働条件や就業規則が存在することになります。

そのような状態では、会社としては労務管理がとても複雑で面倒でしょう。そこは、合併後に社内で調整を図ることになります。

この場合、労働条件の変更については、基本、労働者の個別の合意が必要です。ただし、個別の合意を得られなくても、会社は就業規則等の変更で包括的に労働条件を変更することが可能です。とはいっても、その変更は合理的でなければなりません。従業員が「変更は合理的でない」と裁判を起こし、その主張が認められた場合、変更は無効となります。ですから、就業規則等の変更、特に賃金や労働日数・労働時間等で従業員に不利益が大きい変更を行う場合には注意が必要です。

次に、営業譲渡の場合の従業員の労働条件についてお話しします。営業譲渡の場合、合併と異なり当然には権利義務関係が引き継がれません。営業譲渡先との間で、権利義務内容について譲渡契約を結び、その内容如何によって、労働者の労働条件も決められることになります。労働者は、元いた会社をいったん退職し譲渡先会社へ転籍することになります。ただ、譲渡先は雇用を承継しないという事も可能ですし、必要人員のみの採用も可能です。あくまで、譲渡契約内容によります。

営業譲渡や事業譲渡の場合、譲渡契約の内容の検討や譲渡契約書の作成が必要です。また、労働契約を承継しないことが、不当労働行為や法人格の濫用に当たる場合もあります。よって、営業譲渡や事業譲渡を行う場合には、専門の弁護士等へ相談するのが良いでしょう。

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