武田邦彦氏が解説。なぜ主要国の中で日本は凶悪犯罪が少ないのか

かつては全世界の羨望を集めるも、今や衰退の一途を辿る日本。何がこのような惨状を招いたのでしょうか。今回のメルマガ『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』では中部大学元教授の武田邦彦さんが、その原因のひとつにヨーロッパ文化の悪しき影響を指摘。主要国の中でも優れていた日本の教育や、男女の関係性に欧米思想がもたらした弊害を考察しています。

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衰退へと向かう今の日本。ヨーロッパとは違う持つべき思想とは

日本はハッキリと衰退している。それはGDPが世界の2位から26位に低下し、円が1ドル150円になっただけではない。衰退は経済ばかりか、文化、日本人の人生、社会の誠実性、苦しむ子供…など全体に及んでいて、現世代の無策は歴史にも残るだろう。

明治維新以来、私たちの祖父母、父母があれほど苦労して築き上げた日本はもろくも30年でほぼ半分が失われ、これから30年ですっかり衰退する様相を呈している。緊急を要する!このブログでも、日本の大問題に集中して議論をしていかなければならないだろう。

今回はその第1回で、もともと日本の社会と欧米は違うので、言葉が共通でなかったり、定義が異なったりしているが、欧米の言葉や用語、文章をそのまま使って日本での議論が混乱している例が多い。

例えば、「宗教」という言葉は「日本社会」にはない。多くの人が「そんなことはない」というが、日本人が外国で「どの宗教を信じていますか?」と聞かれて、「無宗教です」と答えるので、「日本人は無宗教が多い」という統計になる。また、日本国憲法でも、憲法20条には「信教の自由」というのがあるが、これもアメリカ人(GHQ)が憲法草案を作ったので、「信教」という言葉が使われているが、日本社会には「信教」というのはない。だから宗教戦争もほとんどなかった。

モーゼの十戒に「汝、殺すなかれ」というのがあるが、日本人にはいらない。日本人は生まれて育つ中で(教えてもらわなくても)「殺してはいけない」ということを会得するからである。簡単に言えば、日本以外の主要国の人は「殺してはいけない」と宗教的に教えてもらわないと人を殺すが、日本人は自分で「他人を殺してはいけない」と知っているのである。

日本人は、恵まれた自然の中で子供時代を過ごし、自ら日本社会の中で生活するための道徳や信条を作っていく。教育に関する考え方でも、ヨーロッパは「人間は野獣で生まれて教育で人間になる」と考えるが、日本では真逆で「大人は裏表があるが、子供は神の子」ということで基本的には7歳まで子供同士で遊ばせて優れた人間を作るという思想である。

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国益ガン無視。岐路に立つ日本を再び「敗戦国」にする、中露の肩を持つ人々

米中覇権戦争やロシアによるウクライナ軍事侵攻など、一昔前には予想もつかなかった出来事が現実のものとなってしまった世界。日本が今後も独立国家として主権を守り続けてゆくためには、どの方向に進んでゆくべきなのでしょうか。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では著者で国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、自身の基本的立場を明確にする過程で昨今の国際社会の変遷を解説。さらに日本を再び敗戦国にしないために注意を払うべきポイントを明示しています。

北野の基本的立場は親欧米、親中、親ロではない

今回は、ちょうどいい機会ですので、私の基本的立場を明確にしておきたいと思います。

私は、親欧米でしょうか?違います。私は、親中国でしょうか?もちろん、違います。私は、親ロシアでしょうか?全然、違います。私は、親欧米でも、親中国でも、親ロシアでもない?では、なんなのでしょうか?私は、【 親日本 】です。【日本の国益のみ】を考えて、情報を発信しています。

北野の情報発信、基本的な流れ?

実際にどんな情報を発信してきたのでしょうか?メルマガ創刊から23年。メインテーマは、時と共に変わってきました。

1冊目の本『ボロボロになった覇権国家アメリカ』を出した2005年当時。私のメインテーマは、「アメリカ発の危機が起こって、アメリカは没落する」でした。実際、2008年に危機が起こり、アメリカ一極時代は終わったのです。

ちなみにこの本には、「中国は、08~10年に起こる危機を短期間で克服し、2020年頃まで成長をつづける」とあります。実際に、08年に危機が起こった。中国は短期間で危機を克服した。そして、2020年まで成長をつづけたのです。

さて、既述のように、08年の危機で「アメリカ一極時代」が終わりました。そして、「米中二極時代」がはじまったのです。

私は、08年出版の『隷属国家日本の岐路 ~ 今度は中国の天領になるのか?』の中で、「尖閣から日中対立が激化する」と書きました。実際、2010年に「尖閣中国漁船衝突事件」があり、2012年の「尖閣国有化」で、日中関係は戦後最悪になったのです。

流行りは必ず廃れる。人気たこ焼き店「銀だこ」に学ぶ、成功する多角化とは?

多くの路面店やショッピングモールにも出店し、よく目にする人気たこ焼き店「銀だこ」。1号店出店から今年で25年を迎えた、安定成長の秘訣とは何でしょうか?今回のメルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』では著者でMBAホルダーの理央さんが詳しく紹介しています。

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新規事業はバリューチェーンの見直しから~ 銀だこのホットランドに学ぶ失敗しない立ち上げの視点

ファストフードの会社が運営する築地銀だこは、1号店を出してから今年で25年とのことです。

銀だこは路面店だけでなく、ショッピングモールのフードコートにも入っていますよね。私も実はたこ焼きが好きで、ランチを食べる時なんかはつい、一品たこ焼きを買い足してしまいます。

銀だこのたこ焼きはもちろん、定番のものも美味しいのですが、チーズ明太やネギたこ焼きなんかもあるし、季節限定の物も売っているのでいつ行っても食べたくなります。

ホットランドでは、銀だこを中心に飲食業のビジネスをやってきて、右肩上がりの成長をしてきました。

ところがコロナ禍もあって、外食産業がダメージを受けた時に、「たこ焼きだけの一本足打法ではだめだ」と、多角化を推進することを決めたそうです。

銀だこでは、ロードサイド店舗を増やしたり、テイクアウトを充実させていますし、また、冷凍を拡充させて、海外への進出も狙っています。

中でも興味深いのが「タコの養殖」を手がけている点です。

日経MJによると、2013年から養殖を手がけ始め、2015年に熊本の上天草水産研究所を、始動させたとのことです。

たこは1匹が10万~20万個の卵を産むため、養殖に適しているそうですが、一方でその生態があまりわかっていなくて、安定した養殖をするのに苦労したそうです。事業として成り立たせるためにはまだ課題も多いそうですが、かなり目処も立ってきた、と報道されています。

この養殖がうまくいけば、たこ焼きの原材料として安定して供給ができることになり、コスト面でも話題性でもインパクトが大きいですよね。

ホットランドの多角化を見ていると、自社のメイン事業になる「たこ焼き」から大きく外れることなく展開をしようとしています。

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モナカの中にタケノコが?ふるさと納税にもおすすめ、京都のこだわり名物和菓子「誕生秘話」

ふるさと納税の返礼品に選定されるほどの人気を博している、京都の「竹の子最中」をご存知でしょうか。今回のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では、そんな名物和菓子を生んだエピソードと、そのこだわりについて紹介しています。(この記事は音声でもお聞きいただけます。

竹の子入り最中?地元愛が生んだ、名物和菓子!

京都府長岡京市。菓子処「喜久春」。

このお店に、ふるさと納税の返礼品にも選定されている「竹の子最中」があります。

名前から察すると、竹の子のカタチをした皮に餡子が入っているのだろうかと考えますが、その予想は半分正解で、半分不正解です。

竹の子のカタチをした皮に餡子が入っているのですが、さらに「竹の子の甘露煮」が入っているのです。

竹の子ご飯や木の芽和えに使われる、本物の竹の子です。

和菓子に竹の子?と驚いてしまいますが、40年近く前に誕生し、いまも売れ続けているのです。

発想は斬新ですが、なぜ、和菓子に竹の子を入れたのでしょうか。

創業者の西山喜久治さんは、自身が生まれ育った長岡京市には、名物と言われるものがなく、そのことを憂いていました。

そこで、名物がないのなら、自分で作ってやろう。お土産として認めてもらえるようなものを作ろうと考えたのです。

目をつけたのは、長岡京市で300年以上前から盛んに栽培されていた竹の子。

えぐみがなく、肉厚でやわらか。日本一と称されるほどの名産地なのです。

この竹の子を最中に入れることを思いついたのです。

しかし、すぐには完成せず、試作から完成まで、3年の月日が掛かりました。

まず、竹の子を和菓子の素材として使うには、どうすれば良いのか。

試行錯誤を繰り返した結果、氷砂糖で作った蜜に3日間漬け込むこととなりました。

ここまで手間を掛けて、最中に合う竹の子に仕上げたのです。

人を“不幸”にさせる「異常な能力」を持った鳩山邦夫と上杉隆の苦悩

人とは違う「突出した能力」を持つ人は、成功しやすく幸福だと思われるかもしれません。しかし、実際は人を幸福にすることはないと語るのは、メルマガ『上杉隆の「ニッポンの問題点」』の著者で『悪いのは誰だ!新国立競技場』の著書もあるジャーナリストの上杉隆さんが、 自身の「異常な記憶力」について告白。同じ能力を持った鳩山邦夫さんのもとに秘書として仕えた5年間を振り返りながら、その記憶力と人間関係について語っています。

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鳩山邦夫氏に仕えた5年間の秘書時代。ひとを幸福にしない「異常な記憶力」

いったい記憶力の良さというものは人を不幸にしかしない。

突出した記憶力を持ち、秀才の集まる東京大学出身の中でも群を抜いた天才といわれた鳩山邦夫氏。その鳩山氏に仕えた5年間の秘書時代は、厳しい時代ではあったが、知的には幸福な期間だった。

「君は、オレと少し同じだからわかる。その記憶力は人間関係において君を不幸にすることが多いぞ。普通のつもりでも理解されない。苦しいぞ」

鳩山事務所に入った最初の3年間は、自宅か事務所に泊まり込み、年間の休日日数はゼロ。最初に休みをもらったのは父の急死した翌日、葬式の準備のためだった。

その間の2年半、出勤時刻は6時、終業時刻は24時すぎごろ(事務所クローズの定刻は23時)。ただ、その時間に終業したことはなく、土・日・祝日も、お盆も正月もないため、そのため、途中から随行秘書となった私は、一日24時間のうちの実に寝ている時間以外(といっても、軽井沢などの別荘や地方出張だと幽霊嫌いの邦夫氏の命令で同部屋に寝かされる)は、車の中も、食事の時も、他の政治家との会食も、党の会合も、家族と過ごす休日も、研究対象の蝶々採集の時もすべて、ふたりでの行動となっていた。

「さっきも君は、○○たち(同僚秘書)はわざと覚えていないふりをしていると思って、彼らを責めただろう。(はい)。だがな、残念ながら、彼らは本当に覚えていないんだよ。そして、それが普通だ。いいか、忘れるなよ、君の方が異常なんだ」

鳩山氏の記憶力は驚異的だ。高校時代、現役生にも関わらず、駿台の全国模試で連続1位を取り続け、ほとんど受験勉強をすることなしに一校だけ受けた東京大学にストレートで合格した。私も自分では記憶力(=日本では頭)が良いと小さいころから言われ続けてきたが、鳩山氏のそれには到底及ばない。

「あの子は頭が良くってね。3年生の時も高校から戻ると、カバンを置いてパーッとどっかに行ってしまう。帰ってきたと思ったら、テレビでナイター(野球のナイトゲーム)を観て、夕食をとって、そのまま寝てしまう。翌朝、出かける前にちょこちょこと10分ほど、参考書でしたかね、なにかに目を通してそれで学校に行ってしまうだけ。本当に勉強をしたことなんてみたことなくて、それで『おふくろ、大丈夫だよ。滑り止めはいらないよ』と言っていたら、本当にその通りになった。まぁ、きちんと勉強をしないと大学に行けなかったお兄さん(由紀夫)と比べて、本当に要領がよかったんでしょうね(笑)」

生前、母の鳩山安子と話をしていると、いつもそんな話になった。そもそも都立小石川高校から現役で東京大学に合格した兄の由紀夫さんだって、優秀すぎるほど優秀だ。その由紀夫氏の才能が霞むほど弟の邦夫の天才はすさまじかったのだろう。

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KDDIはStarlinkと強固な関係。auスマホでの直接通信は実現するか?

日本で衛星通信サービス「Starlink」を法人や自治体向けに展開するKDDIが法人向けサービスの説明会を実施。将来的にスマホへの直接通信を視野に入れていることが明らかになりました。今回のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』では、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川さんが、スマホでの直接通信実現のための技術面、制度面の課題を列挙。それでも衛星通信分野においては国内で優位な位置にいると伝えています。

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KDDIがStarlinkによるスマホ直接通信の実現に含み──同社が持つ周波数帯にStarlinkは対応するのか

KDDIは10月19日、Starlink説明会をオンラインで開催。法人向けサービスについて説明を行った。Starlinkはすでに日本でサービス提供を行っているが個人向けにとどまっており、国内における法人や自治体向けのサービスはKDDIが手がけることになっている。ただし、サービス内容や料金体系については今回、明らかにされなかった。

説明会で注目されたのは、au基地局のバックボーン回線の活用、さらに「Starlink BUSINESS」としてWi-Fiや有線LANが提供されるだけでなく、将来的にスマホへの直接通信を視野に入れているという点だ。

StarlinkとアメリカのキャリアであるT-MobileUSが数年中にスマホへの直接通信のサービスを提供するとしている。Starlinkではアメリカ以外の国でのパートナーを募っているとしていた。

KDDIは衛星においてStarlinkに技術協力しているし、日本でのサービス導入においても、総務省との交渉に一役買っている。さらにKDDIは国内で唯一の「認定Starlinkインテグレーター」であり、これも世界で4社目なのだという。つまり、KDDIはStarlinkとの関係は強固なのだ。

日本におけるスマートフォンへの直接通信には技術的、さらには制度面の課題がいくつか残っているという。

松田浩路経営戦略本部長兼事業創造本部長は「iPhoneで発表された衛星通信機能は、衛星通信に使っている周波数をスマートフォンに搭載している。一方、StarlinkとT-MobileUSが発表したのは、地上で使っている周波数を衛星で使うというもの。

厳密に言えば、地上で使っていい周波数と、衛星で使っていい周波数は、国際的にも区分が分かれている。そこが制度面での課題となっている。

技術的には通信速度がどの程度になるのかといったことは、衛星側のアンテナの大きさなどにもよる。またスマートフォンのままで直接通信することを考えると、いくつか技術的な課題が残っている」としている。

StarlinkとT-MobileUSはミッドバンドを使ってスマホとの通信を実現するとしている。両者の使うミッドバンドと同じ周波数帯をKDDIが使えるのかどうか。もしくはKDDIが持つ周波数帯をStarlinkに対応させることができるのか。

楽天モバイルのスペースモバイル計画やHAPSがこれからの計画に対して、Starlinkはすでに3400機以上の衛星を飛ばし、ビジネスを稼働している点が大きい。

もちろん、事業が上手くいかず、突然、終了してしまう恐れもゼロではないが、いまのところ、KDDIは実に上手くStarlinkと組むことができたのではないだろうか。

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image by:madamF/Shutterstock.com

中国メディアすら“称賛”をやめた、中国の新最高指導部7人の顔ぶれ

中国共産党の党大会が10月22日に閉幕。翌23日に明らかになった7人の最高指導部メンバー「七皇」の顔ぶれは、メディアや専門家の予想以上に「習近平体制一色」を思わせるものとなったようです。多くの中国関連書籍を執筆している拓殖大学教授の富坂聰さんは、事前の人事予想の無駄を指摘していましたが、その富坂さんですら少なからず衝撃の人事だったよう。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では、「七皇」の顔ぶれから透けて見える習近平の思惑を読み解き、中国メディアすらも冷ややかな反応を示した習総書記3期目の船出を伝えています。

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新たな最高指導部メンバーから習近平の思惑を読む

中国共産党第20回全国代表大会が閉幕し、予定通り新たな中央委員会のメンバーによって最高指導部メンバーが選出された。出そろった「七皇」の顔ぶれをみて改めて考えさせられたことは、やはり党中央の上層部人事の予想は難しいということだ。

そもそも外国メディアが何のストレスもなく人事を報じ、ほぼ事前の予測通りになったのは、胡錦涛の党中央総書記への就任時くらいだった。当然といえば当然の結果だ。

それにしても習指導部の情報管理は徹底していた。これまで「二人交代説」(党中央政治局常務委員=常委が二人退き二人上がるという説)に始まり「四交代説」まで予測があふれた。李克強が首相に留任するとした説や胡春華国務院副総理の首相就任説、はたまた李首相の全国人民代表大会(全人代)常務委員長へのスライド説までメディアを賑わした「説」は引きも切らない。だが、いずれも当たらなかったということだ。

筆者自身、このメルマガでも触れてきたように事前予想には無力感を感じているので、分析にそれほど熱心ではなかった。それでも「二人交代説」(栗戦書と韓正)で、丁薛祥(党中央弁公庁主任=中弁主任)と胡春華の昇格という説が一番しっくりきていただけに、打ちのめされた。

前評判の高かった李強上海市党委員会書記(上海書記)も新型コロナウイルス感染症対策で大きな味噌をつけ、加えて年齢も少し高めなので、枠が二つであれば見送られるのではないか、と予想したのだった。

二人交代説が有力だと考えたのは、現状、中国を取り巻く環境の厳しさを考慮すれば、新人事はマイナーチェンジにとどめるのではないかという判断だった。しかし習近平の大胆さは、やはり筆者の予測をはるかに凌駕していたようだ。コロナ対策での不満など一顧だにせず、むしろ大胆に首相候補としてしまった。もっとも李克強も抜擢直前に河北省の売血問題で大失敗していたのだから、前例がないわけではない。

ただ中国の国民がこれをどう受け止めたのか、という点において筆者の感覚は多少は役に立つようだ。というのも、この最高指導部メンバーに対する評判は決して良くはないようだからだ。日本では、中国のメディアは完全に当局によってコントロールされ、すべてが茶番であるかのように扱われるが、現実は決してそんなことはない。

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「女子中学生髪切り事件」の被害者宛に届いた“嫌がらせ年賀状”の写真と文面

2016年に山梨市内の中学校で起きた、女子生徒が教員に工作用のハサミで髪を切られたという許し難い事件。両親が市を相手取り起こした損害賠償訴訟は被害者側の勝訴が確定していますが、事件発生から6年が経った現在も誹謗中傷が続いています。今回のメルマガ『伝説の探偵』では現役探偵で「いじめSOS 特定非営利活動法人ユース・ガーディアン」の代表も務める阿部泰尚(あべ・ひろたか)さんが、被害者宅に届いた匿名の嫌がらせ年賀状を誌上公開。さらに学校事故やいじめの被害者に対するこうした行為が絶えない現状を訴えるとともに、彼らの救済のために私たち一般市民ができることを紹介しています。

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山梨「女子中学生髪切り事件」後日談

山梨県山梨市の市立中学校で2016年6月、女子生徒が教員らに工作ばさみで髪をザクザク切りにされ、その後不登校になったという事件があった。

いわゆる「山梨髪切り事件」である。

「伝説の探偵」でもこれを報じている。

探偵が激怒。女子中学生髪切り事件の黒塗りだらけな調査委員名簿
探偵が脅迫覚悟で暴露。女子中学生髪切り事件の驚くべき異常事態
探偵が告発。山梨「女子中学生髪切り事件」の信じ難い情報漏えい

報道によれば、2021年11月30日、被害者の両親が山梨市に770万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、一部の損害を認めて、「教諭が工作用ハサミを使った方法も不適切で職務上の法的義務を違反している」と指摘した、とされている。

その後、控訴されることもなく、この判決は確定した。

この判決には、これまでにはない画期的な判断があり、今後に対して大きな影響を与えるだろうと言われている。

一般に、これで一件落着と思うだろうが、被害者はその後も嫌がらせをされているというのだ。

匿名の嫌がらせ年賀はがきが届く

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写真は、この髪切り事件被害者宅に2022年に届いた年賀はがきだ。

1つは、被害者宅の自宅の写真と自家用車、勤務先が推測できるものが写ったものであり、「監視しています」との宣言だとも言える。

もう1つは、文面で被害者側の主張が嘘だという内容になっている。

さらにネットでは、不審な人物からストーカーのように付け狙われたり、送った覚えなのないDMが拡散されるという嫌がらせを受けているというのだ。

ちなみに、調査を進めてみたところ、「山梨県内」からの発送だということまでが分かった。

推測に過ぎないが、利害関係者が嫌がらせを目的に被害者宅に送り付けたということだろう。陰湿を通り過ぎて、その思考は犯罪者そのものと言っても過言ではないはずだ。

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“裸の王様”と化した米国の大誤算。従うのは日本だけという情けない現実

世界的なエネルギー価格上昇に各国が頭を悩ます中、10月5日に原油を減産することで合意したOPECプラス。7月には自らサウジアラビアを訪れ原油増産を訴えたバイデン大統領ですが、産油国が出した答えは正反対のものでした。このような状況の背景には、どのようなパワーバランスが働いているのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著者でジャーナリストの高野孟さんが、米国とサウジの特殊な関係を紹介するとともに、バイデン大統領が理解していなかったと思われる「石油をめぐる国際政治学」をレクチャー。その上で、世界の変化について行けないアメリカと、彼らへの追従路線を取り続ける岸田政権を批判しています。

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※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2022年10月24日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

なぜサウジもインドもバイデンの言うことを聞かないのか/米国は“裸の王様”化して自分の立ち位置が分からない

10月5日に開かれた「OPECプラス」の閣僚級会合は、11月から来年12月までの13カ月間にわたり200万バレル/日の原油減産を実施することを正式に決定した。

バイデン米大統領は、対外面では、減産による原油価格の上昇でロシアの収入が増え戦費の調達がたやすくなることを警戒すると共に、内政面では11月中間選挙目前にこのような決定が出て米国内のガソリン代の高騰への不満が抑えきれなくなることを恐れて、去る7月16日にサウジアラビアを訪問、事実上の最高権力者であるムハンマド皇太子と会談してOPECのリーダーであるサウジが原油増産に踏み切るよう働きかけた。確約は取り付けられなかったものの、それなりの感触を得た〔と思った〕バイデンは会談後、「世界の需要を満たすのに十分な供給を確保する必要性について意見が一致した。今後数カ月で起こることを楽しみにしている」とまで述べたのだったが、数カ月後に出た結論は真逆で、彼の面子は丸潰れとなった。

10月15日付ニューヨーク・タイムズが論説欄の1ページを割いて「米国がサウジアラビアと訣別する時が来たのか?」と問いかけたのも当然の、米国にとっては大きな出来事だった。

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トランプ復権に繋がるか。在米作家がアメリカ中間選挙を大胆予測

11月8日に投開票が行われるアメリカ中間選挙。苦戦が伝えられているバイデン政権ですが、国民はどのような審判を下すのでしょうか。今回のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』では著者で米国在住作家の冷泉彰彦さんが、選挙を直前に控えたアメリカ国内の状況をレポート。候補者のプロフィールを含めた激戦区の情勢を詳しく伝えるとともに、選挙結果の予測を試みています。

※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2022年10月25日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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アメリカ中間選挙の直前情勢

それにしても、中国の中央委員、中央委候補委員、常務委員の人事には驚きました。団派は徹底的に排除されたばかりか、第6世代の男性ばかりが団子のように固まって習近平体制にしがみつく異様な人事になってしまいました。

ということで、先週お話した人事の観測は、香港メディアなどを参考にしたものですが、全くの「ハズレ」になってしまいました。この結果に関しては、後でご紹介するように、長年の読者の方から厳しいご指摘をいただいております。

つまり、「ロシア侵攻」「ウクライナ和平を中国仲介」に続いて「予測3連敗」という事になってしまったわけです。「希望的観測」は有害無益だというのは、全くその通りですし、JMM時代の2016年11月に「ヒラリー辛勝」という「ハズレ」をやったことを考えると、4連敗とも言えます。

そうではあるのですが、時間は刻々と過ぎて行く中で近未来に関する仮説を持ち、それを修正するという態度は、やはり必要です。とりわけ、アメリカの政局はここ20年以上、専門的に見てきたわけですので、その責任から逃れるわけには行きません。

ということで、11月8日に迫ったアメリカの中間選挙の見通しをお話する時期となってしまいました。

さて、今回の選挙戦ですが、大きな見取り図としては次のような枠組みを考えながら見る必要があります。

1)新任大統領が経験する初の中間選挙は、基本的に大統領への信任投票になる。多くの場合、就任2年目の秋というと、「期待を裏切られた感」が顕著になる時期なので、どんな大統領でも与党を勝たせるのは難しいし、今回のバイデンもそれは同じ。

2)これに加えて、30年ぶりという厳しいインフレ、とりわけ原油高から来るガソリン価格の上昇が家計を直撃する中で、経済への不満は非常に深刻。これは結局のところは、現職への大逆風となっている。

3)これに加えて、バイデン大統領の「高齢問題」が、裏のストーリーとして進行中。多くの信頼できる世論調査が、民主党支持者の間でも「バイデンは高齢故に2024年の大統領候補として不適当」という意見が過半数。そんな中で、バイデン再選出馬断念というアナウンスは時間の問題という説も。

4)民主党では、依然として「経済合理性=グローバリスト」対「環境、雇用、格差を問題視する左派」の対立は激しい。バイデンが辛うじて左右をまとめているという構図は2年前と変わらない。但し、共和党が「各州中絶禁止法の合憲化」に成功するなど、価値観戦争を仕掛ける中で、共通敵の存在から団結は強まっているという構図もあり。

5)一方で、アメリカの場合はコロナ禍の「出口」に差し掛かったというムードは顕著。雇用も堅調であり、若者世代には切迫感はそれほどではない。例えば、リーマン・ショック後の2009年から10年の世相に比べれば、遥かに明るい。

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