岸田クソメガネ「異次元の少子化対策」の大ウソとは?女性蔑視と晩婚化神話

岸田首相が「異次元の少子化対策」と発言したことについて、世論はさまざまな意見を交わし合っています。そこで、今回のメルマガ『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』ではジャーナリストの伊東森さんが、 少子化の原因や影響しているものについて詳しく解説しています。

【関連】荒井首相秘書官「見るのも嫌だ」オフレコLGBTQ差別発言は、岸田首相の代弁か?

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岸田首相「異次元の少子化対策」の行く末 「晩婚化」というウソ 奨学金問題 福祉国家でも少子化が進んでいるのというのに

岸田文雄首相が年頭の記者会見で「異次元の少子化対策」と発言したことが、広く波紋を呼んでいる。

2022年の年間の出生数は80万人割れが確実な状況だ。そもそも既存の少子化対策でさえ不十分であるというに、ただ闇雲に「異次元」発言されても、まさに岸田首相の思考回路が異次元だ。

首相がここで掲げた政策は、

1.児童手当を中心とした経済的支援の強化
2.学童保育や病児保育、産後ケアなどすべての子育て家庭への支援拡充
3.育児休業の強化を含めた働き方改革の推進

の3本柱。しかし、いずれも既存の政策の“拡充”に過ぎず、「異次元」とは名ばかりだった。さらにいえば、岸田首相の発言をよく聞いてみると、

異次元の少子化対策に「挑戦する」

としただけで、実施するとも一言も述べてはいない。所詮は、いつもの「検討使」の“バカ発言”に過ぎない。

百歩譲って、「異次元の少子化対策」と述べた理由には、一向に浮上しない内閣支持率の反転の材料としたい思惑もあったのだろう。しかし、いつの時代も子ども予算の捻出は結局、”後回し”とされてきた。

さらに、現代日本では、「結婚したいのにできない」人や、「希望する子どもの数を持てない」人が存在する。首相の掲げた政策は、どれも「子育て支援策」であり、それだけでは上記の人たちの希望へと到達しない。

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キンプリ永瀬廉推しティアラが激怒!なぜ北川悦吏子の暴言をTV局は許すのか?『夕暮れに、手をつなぐ』視聴率低迷の裏

恋愛ドラマの神様こと北川悦吏子さん(61)がオリジナル脚本を手がけるドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系 火曜22:00~)の視聴率が低迷しています。「King&Prince」の永瀬廉さん(24)と広瀬すずさん(24)が初共演ということで期待された本作ですが、ここにきて脚本の北川さんが「本当は仕事を受けたくなかった」とも取れるツイートを投稿して、永瀬廉推しのファン(ティアラ)たちは猛反発。いったい何が起こっているのでしょうか?芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが分析します。

本当はやりたくなかった?脚本北川の発言が物議

『ロングバケーション』『あすなろ白書』『ビューティフルライフ』などの作品から“恋愛の神様”とも呼ばれている人気脚本家・北川悦吏子のツイッターが波紋を呼んでいます。

現在オンエア中の『夕暮れに、手をつなぐ』を脱稿したことと、その舞台裏を暴露したからです。

“そもそも、この体調で連ドラは無理、と一度お断りしたのですが、なんとか頑張りませんか?と…”

乳酸菌飲料を2口飲むだけで気持ちが悪くなり、それでもチーフプロデューサーに説得、励まされて書いていた…ことを呟いたのです。

これに激しく反応したのはドラマに出演中の『King & Prince』永瀬廉推しのティアラたちと、アンチ北川の視聴者でした。

意地悪な受け取り方をすれば“本当は引き受けたくなかったのにゴリ押しで決められた”、“具合が悪いんだから視聴率が低くても許してね”…なんて解釈もできるこの呟きに、SNSでは“展開が唐突すぎるのは具合が悪くて早く終わらせたかったから?”とか“世界一美しいラブストーリーという触れ込みに騙されました”という辛辣な声が溢れてしまったのです。

“神様”北川悦吏子にテレビ局は頭上がらず

“名前だけで視聴者を獲得できる数少ない脚本家のひとりではありますが、こんな呟きを野放しにしているのにはテレビ局側にも問題があるのでは…”という芸能関係者の声もあります。

このチーフプロデューサーとのコンビで作られた『ビューティフル~』は平均視聴率が32.3%、最終回には41.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という『NHK紅白歌合戦』を凌ぐ数字を残していますし、『ロンバケ』の平均視聴率も29.6%…テレビ局としても北川には足を向けて眠れないという存在なのは確かでしょう。

それだけに永瀬と広瀬すずを起用した『夕暮れに~』の、初回8.0%→6.6%→5.9%という視聴率推移は北川にとって簡単に受け入れられるものではなかったのでしょう、それが呟かせてしまった理由なのかもしれません。

個人的な意見としては、どうにも言い訳をしているようで、どうせなら沈黙を貫いていた方が良かったんじゃないかと思ってしまいます。

実は3年半程前、北川はやはりツイッターで永瀬と思われる役者を“声の高さが微妙。落ち着かない…”と評していたことがありました。

これにSNS上ではたくさんの憶測・指摘を呼ぶことになり、後に“永瀬廉さん(を指したわけ)ではないです”と呟き返しています。

ドラマ後半も期待薄?巻き返しはあるか

脚本家という仕事が架空の人物に少しづつ感情移入しながらストーリーを作り上げていく作業だとしたら、もしその中に“落ち着かない”人物がキャスティングされていたら筆が進まなかったり、人間ですから気持ちが乗らないということにもなっていくでしょう。

脚本家が書いていてあまり気が乗らないのであれば、視聴者側は尚更に物語に感情移入することは困難になると思います。

私は『ビューティフル~』や『ロンバケ』には強い“キムタクLOVE”を感じましたし、それがドラマの面白さ…成功に繋がっていったような気もします。

製作発表会見では「キンプリが出たときから永瀬廉くんのことがいいなと狙っていました」「広瀬さんとのカップリングもすごくいいんじゃないかと…」と発言していた北川です。

しかしSNS上では――
“空豆(広瀬の役名)の九州弁がどこの方言なのか、何を言っているかわからない”
“『逃げ恥』はキャスティングの関係性がよく見えたエンディングの恋ダンスだったけど、『夕暮れ~』の二番煎じは失敗。何で踊るシーンをエンディングに入れるのか意味がわからない”
と、スタッフや出演者には遠慮のない感想が飛び交っています。

後半に向けてしり上がりに“世界一美しいラブストーリー”が展開されることを期待しましょうか…。

プロフィール:芋澤貞雄
1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao

記事提供:芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄の「本日モ反省ノ色ナシ」

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やっと一審判決。なぜ韓国「玉ねぎ男」の裁判はここまで長引いているのか?

韓国の文在寅前大統領の側近で、元法相のチョ・グク氏といえば、子供の不正入学に絡む多くの疑いで起訴され「玉ねぎ男」と呼ばれていたことで知られています。そんな彼の裁判の一審判決がようやく出たようです。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年で韓国の大学に勤務する日本人教育関係者が、この裁判について詳しく語っています。

たまねぎ男に懲役2年

たまねぎ男で一躍有名になったチョ・グク。2月3日、3年2か月ぶりに第一審の判決があった。

ソウル中央地裁刑事合意21-1部(馬成英部長判事)は3日、入試不正と監察もみ消しなど12の容疑で起訴されたチョ・グク元長官に対し、7つの容疑を有罪と認め、懲役2年と追徴金600万ウォンを言い渡した。

チョ・グクとともに自分の子どもの入試不正などの疑いで起訴された夫人の鄭京心(チョン・ギョンシム)元東洋大学教授(収監中)は、懲役1年の実刑を言い渡された。鄭元教授は昨年1月、最高裁で入試不正および私募ファンド不法投資などの疑いで懲役4年と罰金5,000万ウォン、追徴金1,061万ウォンが確定し、収監中だから1年がさらに追加された格好だ。

チョ・グク裁判は、起訴されてからなんと3年2か月ぶりのことだ。裁判所は「チョ・グクが入試制度の公正性に対する社会的信頼を深刻に毀損し、政界の請託により監察を中断させ罪が悪質で重い」と語った。

チョ・グクは息子の入試のために虚偽で作成したソウル大学インターンシップ活動証明書を活用し、息子が通っていた米の大学のオンライン試験の代わりにしてやった。また娘の医学専門大学院入試に虚偽インターン確認書と東洋大学表彰状を提出した。

文政府時代の青瓦台の民情首席(民情首席というのは大統領の次にふんぞり返っていたポストだった。今はない)時代、政界の請託を受けてユ・ジェス前釜山市副市長に対する青瓦台特別監査班の監察を揉み消した。この容疑すべてが有罪と判断された。

3日、共犯として一緒に起訴された妻のチョン・ギョンシム元東洋大学教授も懲役1年を追加で言い渡された。上でも書いたように彼女はすでに娘の入試不正などで懲役4年が確定し収監されているからさらに1年追加で5年収監されることになった(まだ最終判決ではないにしても)。

3つの仕事を掛け持ちして感じた「やる気」と「権限」の不均衡の弊害

日々仕事に取り組んでいると「ここをこうしたらもっと良いのに」と改善のアイデアは浮かんでくるもの。そうした意見を聞いてもらえるかどうかが仕事のやりがいにつながるのかもしれません。『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』著者で人気ブロガーのりばてぃさんは、現在3つの仕事を掛け持ち中。その中の1つ、朝3時間だけの小売店の仕事では、立場的に意見できずにいることがストレスになり、「仕事」と割り切ってしまう気持ちになっているそうです。そして、提案が可能な別の仕事の気持ちに生じた変化についても記しています。

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何かを変えたいなら責任も持たなくていけない

皆さんのご存じのとおり、現在私は主に3つの仕事をしています。自分のマーケティング会社の運営、データサイエンス会社でのマネージャーの仕事、そして小売店の商品を出すアルバイトのようなお仕事です。

3つ目の小売のお仕事は運動も兼ねているので程よくストレス発散にはなっていますが、一方で別のストレスもあったりします。それは、権限があまりにもなさすぎて変えたいことがあっても変えることができない、です。

デスクワーク中心の他の2つの仕事と常に動いている肉体労働の3つ目の仕事というだけでも随分違いはあるのですが、例えば、「こうやったらもっと売上あがるかも?」とか、「ここはもう少し工夫して変えたい」とか思っても、そもそも朝の3時間だけだし、権限はないし、お店の事情を知らなすぎて提案しようにも提案しにくいとか、したとしてもその後の責任を負えないというのもあり提案すら気軽にできないのです。せいぜい棚の状況をできる範囲で工夫して若干変える程度。

それに、どんなに良い提案だったとしても逆に迷惑になることもあるかもしれません。そもそも求められていないので聞く耳を持ってなければただの煩い人になってしまうかもしれませんし、提案自体を聞いてくれたとしても忙しいので提案を聞く時間、メールで送っても読む時間すらないかもしれません。せいぜいこちらがこういうことを考えていると知ってもらえるかもしれない程度でしょうか。

なので小売店のお仕事に関しては今後どうなっていくかはわからないけど、経験値と情報を集める時期であると捉えて向き合っています。

一方、自分の会社とデータサイエンスの会社の方は必要以上に良くしていくことや提案などが求められます。デスクワークなので意思疎通も気軽にできるというのもありますが、そういう立場にいるからというのもあります。そしてその責任を最初から持たされている立場でもあります。

責任を持たされるのはプレッシャーと感じたりアイデアを出すのは大変と思うこともありますが、出したくても出せない立場もあるので、甘えたことを考えている場合ではないなと思いつつ頑張っているところです。

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軽蔑から尊敬へ。トップ営業マンたちの“気合と根性”エピソード

ノルマを達成できなかった営業スタッフに先輩や上司から飛んでくる「気合が足りない」「根性がない」の言葉。「精神論で売れたら苦労しない」と聞き流してきた人も多いのではないでしょうか。営業コンサルタントの菊原智明さんもその一人でしたが、多くのトップ営業マンと出会ううちに考えが変化したようです。今回のメルマガ『菊原智明の【稼げる人、売れる人に変わる知恵】』では、トップセールスを記録し続ける人たちの「気合と根性」と言い換えられるメンタルの持ち様を紹介。“本気でお客様のことを考える”からこその営業スタンスには見習うべき点があると伝えています。

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トップ営業スタッフは“気合と根性”で契約を取っている

タイトルを見て「いつもとかなりテイストが違うな」と思ったかもしれない。本、ブログ、メルマガではまず書かない内容だ。今日のテーマはズバリ、“気合と根性”というもの。これは私が最も苦手とする考え方だ。

ダメ営業スタッフ時代の私は上司からよく「気合が足りないんだよ」と怒られたもの。これがトラウマになっているのかもしれない。会議の中で営業スタッフに対して大声で脅す。嫌な上司の典型だ。今だったらパワハラで大問題だっただろう。

その時は「契約が取れるかどうかは、気合とか根性の問題じゃないだろう」と思っていた。さらには「具体的に指導できないから“気合いだ根性だ”となるんだろうな」とも思っていたものだ。こういった上司にはまったく共感できない。むしろ軽蔑していた。

それから時が流れた。今まで様々なタイプのトップ営業スタッフとお会いした。種類は違えども、トップ営業スタッフはメンタルが強い。認めたくなかったが、“トップ営業スタッフは気合と根性がある”ということ。これは紛れもない事実である。気が強いとか、声が大きいというものではない。なにか芯の強さを感じる。

ではどのように気合と根性があるのか?その一つは“トップ営業スタッフは勝つ前提で行動している”ということ。一切の負けを考えず100%で商談に臨む。これがはたから見ると気合と根性があるように見える。

一方、ほとんどの営業スタッフは「失敗したらどうしよう。断られたら後がない…」といった気持ちがある。こうなると前向きに行動できない。恐る恐る話を進めることになる。いわゆる“気持ちが入っていない”ように見えてしまう。これではお客様の気持ちはつかめない。

結果を出している人は負けることを考えていない。それどころか「私から買わない人はおかしい」と考えている。こういった考えで行動しているから“気持ちが強い”といった印象を受けるのだ。

ここまで極端でなくても「私から買った方がお客様はいいに決まっている」と考えている。勘違いであってもいい。こう考えることで目の前のお客様に100%集中できる。これが大きな差となって現れる。

そんなトップ営業スタッフも“百発百中で負けなし”というわけではない。当然、断られることもある。

私の知人の生命保険の営業スタッフの方のこと。億を超える年収を稼ぐ。桁違いに凄い人だ。こういった人の商談はスゴイ。当然のように決まる前提で話を進める。しかしこの方だって話がまとまらない時もある。そんな時では「今はタイミングではなかった」と捉える。

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非難轟々でも「盗掘」を続けた朝鮮総督府。バックについた“味方”の正体

北朝鮮にある金剛山は、地下資源が豊富な鉱山として知られていますが、この金剛山で自然破壊を行っていることについて、戦前から議論がかわされてきていたことをご存知でしょうか。今回のメルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』では、かつて おこなわれていた「盗掘」への批判についてまとめています。

※本記事は有料メルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』2023年1月20日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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盗掘などで自然破壊する北朝鮮「金剛山」

朝鮮半島は地下資源に恵まれている。特に北朝鮮は鉄、銅、金、銀、石炭、ニッケル、アルミニューム、マグネサイト、タングステン、モリブデン、黒鉛、鉛、亜鉛、タンタル、モナザイト(モナズ)、希土類(レアアース)などが知られており、マグネサイト(40億トン、世界2位)、黒鉛(200万トン、同3位)など世界的な埋蔵量を誇るものが少なくない。

金属の強度を高めるタングステンは現在、中国が全世界生産額の8割を占めるが、北朝鮮もタングステンの埋蔵量は多く、北朝鮮各地にタングステン鉱山が分布している。景勝地として有名な金剛山は「山そのものが鉱脈」であると紹介されるほどで、金剛山は黄海道の天恵鉱山と共にモリブデン鉱山としても知られている。

さて、広瀬論文の「金剛山の自然破壊」の項によると、朝鮮総督府が1936年8月から金剛山国立公園化政策を中止し、その一方でタングステン採掘を進めて金剛山の自然の自然を破壊していることに、朝鮮人や日本人から批判の声が起こった。1938年7月、「東亜日報」は社説で「霊峯金剛を守護しよう」として、次のように述べた。

「最近産業奨励の当局の方針により、特に水鉛、重石等軍需物の需要激増に促され、金剛山に着目着手する鉱業家が続出する一方、保護区域内に盗掘が盛行し、これら無軌道無統制な徒党の跳梁によって霊峯金剛の風致が日毎に損なわれ、このまま放任すれば金剛山がその面目を失う日は遠くない。(中略)所謂(いわゆる)保護区域の設定にこのような大きな遺漏があり、これを補足する対策を急いで考究しなければ、保護区域設定の意義を喪失するだけでなく、さらに重要なのは霊峯金剛を失う千古の惨事を迎えるだろう」と危機感を示した。

1938年12月、東亜日報は社説「金剛霊峯の脅威──毀損は絶対不可」で、朝鮮総督府殖産局が採掘許可を拡大していることに対し、次のような反対の立場を示した。

「タングステンやモリブデン等貴石鉱は軍需工業に不可欠と言えども、金剛山でなければ収得できないわけでなく、他所でも需要量は取得することができる。その産出額からも、その品質からも金剛山は良質ではなく(採掘を)あえて許可しなくても国策上、別に支障はないでないか。(中略)金剛山のように山と水と地の絶妙さを備え持つ名勝は、世界が広くてもこれを求めることはできない。(中略)吾人(ごじん=我々)はこの一つの理由だけでも、殖産局の金剛山採掘許可方方針に極力反対するものである。

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プーチンと同じ罪を犯そうとする日米の愚。台湾有事への介入がNGである明確な理由

中国から飛来した気球を巡る騒動で国務長官の訪中は延期となったものの、対話姿勢を示しつつある米中両国。しかしながら「台湾有事切迫説」を唱え続ける米国の要人が存在するのもまた事実です。そもそも習近平国家主席は、武力をもって台湾を併合するという「強い意志」を持っているのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著者でジャーナリストの高野孟さんが、習氏を侵略主義者のように扱う向きについて「歴史を学習しない人たち」とし、そう判断せざるを得ない理由を解説。さらに台湾の人々が「台湾有事」についてどのような考えを持っているのかを、彼らの意見を織りまぜ紹介しています。

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2023年2月6日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

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偵察気球の米上空侵入事件で延期となった米国務長官の訪中。それでも対話再開に漕ぎつけようとする米中の思惑

ブリンケン米国務長官が2月5~6日に予定していた訪中は、時ならぬ中国の観測ないし偵察気球の米国上空侵入事件でひとまず延期となった。この肩書きの米高官としては何と4年ぶりの中国訪問で、彼は新任の秦剛外相だけでなく、党の外交統括者となった王毅=政治局委員(前外相・元駐日大使恐)や習近平主席とも会談して、トランプ政権の後半から途絶えていた両国間の対話を再開させるはずだったが、それは今しばらく遠のくことになる。

とはいえ、ブリンケン訪中で米中関係に画期的な進展があると期待する者は、元々誰もいななかった。「ジャパンタイムズ」のガブリエル・ドミンゲス記者が2月4日付同紙に書いたように「しかしながら、〔米中関係の〕渦巻き状の急下降に歯止めがかかるか、速度が緩まるかして、限られた範囲であっても意思疎通と何らかの協力関係さえ再開されるのであれば、世界は安堵のため息をつくことができるだろう」というのが精一杯の期待だったので、それが多少先に伸びようとバイデン大統領とブリンケン国務省が過度の反中国感情剥き出しの路線を修正して対話を再開しようとする方向に変わりはないだろう。

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荒井首相秘書官「見るのも嫌だ」オフレコLGBTQ差別発言は、岸田首相の代弁か?

2月3日のオフレコ取材での性的少数者や同性婚を巡る極めて差別的な発言が問題視され、翌日更迭が発表された荒井勝喜首相秘書官。なぜ荒井氏は首相秘書官という要職にありながら、そのような言葉を口にするに至ったのでしょうか。今回、その理由を自らの記者体験を交えつつ考察するのは、毎日新聞で政治部副部長などを務めた経験を持つジャーナリストの尾中 香尚里さん。尾中さんは「オフレコ取材」の持つ意味を紹介しつつ、荒井秘書官が差別発言を行った意図を推測するとともに、岸田首相が置かれた立場を解説しています。

プロフィール:尾中 香尚里(おなか・かおり)
ジャーナリスト。1965年、福岡県生まれ。1988年毎日新聞に入社し、政治部で主に野党や国会を中心に取材。政治部副部長、川崎支局長、オピニオングループ編集委員などを経て、2019年9月に退社。新著「安倍晋三と菅直人 非常事態のリーダーシップ」(集英社新書)、共著に「枝野幸男の真価」(毎日新聞出版)。

荒井首相秘書官「LGBTQ差別発言」は、岸田首相の認識そのものか

性的少数者(LGBTQなど)や同性婚に関し「見るのも嫌だ」などと差別発言を行った荒井勝喜首相秘書官(経済産業省出身)を、岸田文雄首相は早々に更迭した。荒井氏の発言が3日夜、更迭方針の発表が4日朝。これまで問題閣僚の進退問題でぐずぐずした対応を取ってきた岸田首相としては、異例の早さと言っていい。

危機感の表れだろう。発言が政権全体に打撃となるのを食い止めたいという、強い意思が感じられる。だが、ちょっと待ってほしい。そもそも荒井氏の発言は、岸田首相自身の国会答弁がなければ発生することもなかった、という事実を忘れていないだろうか。荒井氏が職を追われることになったLGBTQや同性婚への認識は、そのまま岸田首相のものである可能性はないのか。

荒井氏の発言を「言語道断」と断じて「トカゲのしっぽ切り」をする前に、岸田首相はまず、性的少数者や同性婚に対する自身の認識について、自らに問い返す必要がある。

本題に入る前に、この問題が表面化するきっかけとなった「オフレコ取材」について、少しだけ記しておきたい。

オフレコ取材について「内容を一切外に漏らすべきではないもの」という認識が一部にあるようだが、それは全く違う。一般的な政治取材における「オフレコ」とは「発言者の実名を表に出さない」こと。取材を受ける政治家や官僚は「実名は出さないでほしいが、話したことは国民に広く知られてほしい」と思っていることの方が、むしろ多いと考える。

新聞の政治記事の多くで「政府筋は」「自民党幹部は」などと、発言者の主語をぼかして書かれているもの、あれはすべてオフレコ取材のたまものだ。例えば「自民党幹部は『○○○』と述べ、首相を批判した」という記事があったとする。取材を受けた自民党幹部は「オレの名は出さずに、首相批判の声が党内に広がっていることを伝えてほしい」という狙いを持って話しているわけだ。

複数の記者が取材対象を「囲み取材」した場合などは、特にそうだ。「発言者の実名を出さない」暗黙のルールがあることを除けば、発言が表に出ることが前提の、事実上の記者会見状態と言っていい(だから今回の発言も、報道されることは当然あり得たし、報道されれば匿名であっても、必ず野党や識者らから発言者の特定を求められただろう。荒井氏の発言であることは、早晩明らかになる運命だったのだ)。

昔からのこうした取材慣行について、現在多くの批判があることは承知しているし、全国紙の政治記者だった筆者自身も、批判を免れない点はある。だが、今回はとりあえずその点は脇に置きたい。ここで言いたいのは、荒井氏の発言は「表に出ることが前提」、いやむしろ「表に出してほしい」との意図で語られたものだ、ということである。

新任部長の苦悩。優秀な直属部下2人がまったく指示を聞かない場合どうする?

人事異動で悩むのはビジネスマンの宿命とも言えますが、ほとんどのケースは似た状況を誰かが経験していて、解決法があるものです。今回、メルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』に寄せられた相談は、「異動先の直下の優秀な部下2人が指示を聞かない」でした。世界的なコンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんは、本来は異動後1ヵ月以内に終わらせておきたかったことと前置きした上で、問題の部下2人から信頼されるための動きを細かく具体的にアドバイスしてくれます。

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部下が100人。直下の2人の優秀な部下が指示を聞きません。何とかならないでしょうか

Question

shitumon

中堅商社である部門を任され、事業部長をしています。半年前に別の部門から異動しました。部下が全体で100人ほどで、直下に優秀な部下が2人いて、若干微妙な雰囲気になっています。

どう微妙かというと、私の指示を少しだけ曲げて下に伝えているようなのです。「事業部長はああ言っているけど、そうは言ってもね。実際はこのくらいでいいんじゃないかな」的な話だと思います。私のほうがこの部門での日が浅いので、真っ向から反論することもできません。ただ健全とは思えないので、何とかしたいのですが。

赤羽さんからの回答

ご相談どうもありがとうございます。よくある話ですね。古参の優秀な部下が新しく来た上司に対してとりがちな姿勢です。

彼らの問題ではありますが、こちらの姿勢、態度、自信のなさの結果、軽く見られているのは否めません。猛獣使いと思うといいかもしれませんね。厳しく接しないと、すぐにつけあがる、ということです。

具体的にどうすればいいかというと、まずは、半年前に異動してきたばかりですので、その部門について徹底的に質問して何もかも理解する必要があります。本当は異動してきた最初の月に終わらせておけばよかったのですが、今からでもやるしかありません。

その2人の部下それぞれを1時間のミーティングを3回くらいして、初歩的な質問から高度な質問まで遠慮なく、徹底的に聞きまくります。並行して、前任者とは改めて1時間のミーティングを3回くらいして、こちらも深くまで把握します。可能であれば、前任者とのミーティングを先行させます。

次に、主要顧客への訪問を1ヶ月くらいの間に実施します。毎日2~3件で50件はいけます。彼らに訪問設定を指示すると、面倒くさがられますが、「着任6ヶ月たっていろいろ把握できたので、改めてご挨拶にお伺いしたい」ということで、日和らずに指示します。

躊躇すると、理由をつけて無視したり手抜きをしたりしますので、断固とした姿勢で要求します。すでに舐められていますので、どちらが上司か、明確に見せることが必要です。こちらがうろたえていると、平気で馬鹿にしてきます。こちらがぶれずに指示していると、渋々動くはずです。

顧客訪問時に大切なことは、こちらの無知をさらけ出さないことです。そのためには、アクティブリスニングをするに限ります。裏で必死に勉強しつつ、表では、顧客によりそって真剣に、本気で話を聞き続ければ、顧客の信頼を得ることができます。

2人の部下が何年も顧客としてフォローしていたのに話してくれなかったようなことをぽろぽろと話し始め、2人がびっくりする、ということなども普通に起きます。

2人の部下のほうが本当に優秀だと会社側が判断すれば、こういう人事は決してしていません。その意味では、自信を持って取り組んでください。いつの間にか、彼らは信頼できる上司として見てくれるようになります。

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売上で悩む飲食店主らにコンサルが「コンセプトは?」と逆質問する理由

「売上が伸びない」。悩む飲食店は、接客法やメニュー、販促策でなんとかしようとするのが常ですが、その前にすべきことがあるようです。無料メルマガ『飲食店経営塾』の著者で飲食店コンサルタントの中西敏弘さんは、売上アップの相談を受けると、まず「お店の方針(コンセプト)」を聞くと言います。コンセプトを明確にしたうえでサービスを考えないと、顧客満足度は上がらないと伝えています。

商品、接客、販促ばかり考えていると危険!

「どんな接客をすれば、もっと売上が伸びるのでしょうか?」。僕はコンサルタントなので、ご支援先の社長やスタッフから、こんな質問を受けることが多々あります。そんな時は、必ず、反対に僕の方から質問をします。

「お店の接客の方針(コンセプト)は、何でしょうか?」。と。この質問の意図は、世間で流行っているから、繁盛店がやっているからとそれをそのままマネしても、店の方針に合わなければ意味がないということです。

例えば、店としての方針が、「お客様を元気にする!」ということであれば、接客でやるべきことは、

  • 元気な挨拶
  • 笑顔
  • 声の連携
  • キビキビした行動

などが考えられます。

仮に、あるお店の店舗コンセプトが「非日常空間の提供」であったにも関わらず、上記の店が繁盛店だからということで、それをマネしてやると店はどうなってしまうでしょう?

きっと、お客様は、「もっと静かにしてほしい」「元気もいいけど、もっと商品やドリンクに対しての情報が欲しい」などなど、「不満」の方が多くなるに違いありません。

なので、コンセプトが「非日常空間の提供」で、接客もこの方針のもとに考えるのであれば、接客向上のためにやるべきことは、

  • お客様に合わせた接客(トーク、対応)
  • 商品知識
  • 提供方法の工夫
  • きめの細かい気配り

などが、店として取り組むべきことでしょう!

だからこそ、ただ「やること」だけに目を向けるのではなく、「方針」「コンセプト」を明確にし、それをもとに「やるべきこと」を考えることが重要なのです。

特に、この考え方は、商品づくりにおいて非常に重要なこと!商品づくりは、どこの店でもついつい「どんな商品をつくろう」と考えがちです。しかし、この考え方をずっと続けていると、上記の接客の例と同じようにいつの間にか、方針からズレ、顧客不満足につながりかねないのです。

商品を考える前に、商品に関しての情報収集ばかりする前に、店の方針(コンセプト)を明確にしましょう!

例えば、「新しい食体験の提供」「気軽に楽しめる和イタリアン(イタリアン料理をアレンジした和食が楽しめる店)」などなど、商品づくりに関する方針を明確にするのです。このコンセプト(方針)が明確であればあるほど、お客様への主張もはっきりし集客アップにもつながるでしょう!

さて、あなたは、店の接客や商品ばかり、つまり、手段ばかり考えていませんか?手段ばかり考えていると、必ず、本来やるべきことを見失いガチになります。そうならないよう、店の方針(コンセプト)を明確にし、それに基づいて接客や商品を考えるようにしていきましょう!

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