安倍氏「暗殺」の衝撃。市民が4億丁の銃を持つ米国はどう受け止めたのか?

国政選挙戦のさなかに起きた、安倍元首相銃撃事件。日本中に衝撃を与えたこの決して許されない凶行を、銃社会であるアメリカはどのように受け止めているのでしょうか。今回のメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤先生が、NYタイムズの記事を引きつつその反応を紹介。さらに米国人が銃を手放せない理由を解説しています。

この記事の著者・大澤裕さんのメルマガ

 

銃社会米国から見た安倍元首相暗殺

安倍元首相の暗殺。衝撃を受けました。

各国の政治家、指導者からその死を悼む声が届いていることは、すでに報道されているとおりです。

各国の首相のコメントなどは十分に紹介されていますので、本日は7月8日NYタイムズに掲載された「暗殺に衝撃をうける銃のない社会、日本」という記事を紹介しましょう。

銃がない社会、日本への驚きがあります。

安倍晋三元首相が選挙集会中に暗殺された事件は予測しがたいものだった。銃器の購入と所有に関する法律が最も厳しいこの国では、この種の犯罪は極めてまれである。

 

日本では銃による暴力はほとんど前例がない。2017年以降、銃に関連する死亡は14件で、人口1億2,500万人の国としては驚くほど少ない数字である。

 

日本の銃刀法では、原則的に銃は禁止されている。狩猟に使う銃は例外だが、免許取得に時間と費用がかかるため、わざわざ足を運ぶ人はほとんどいない。

 

銃の購入には、銃の安全講習から始まり、筆記試験に合格するまで12段階のステップを踏まなければならない。さらに、銃の購入者の心身の健康状態について医師の診断が必要である。さらに、身元調査、銃器や弾丸を保管するための銃器庫や弾薬庫の警察による検査など、さまざまな段階を経て購入する。

 

日本の政治が穏やかであることは有名だ。政治的緊張が高まることはめったにない。議会での議論は通常見せかけの怒りを超えることはなく、政治的プロパガンダを鳴らしながら街を徘徊する超右翼団体の車でさえ、治安に対する脅威というよりは迷惑行為と見なされているのだ。

 

政治イベントでの警察の保護は手薄である。選挙期間中は有権者が国のトップリーダーと交流する機会も多い。今回の事件のビデオには容疑者が元首相の近くを歩き手製の銃を発射する様子が映っていた。

 

警察官が銃器を所持していても、ほとんどの日本人は日常生活で銃に出会うことはない。また、米国ではおなじみの銃乱射事件の感情的・政治的余波を日本はほとんど経験したことがなかった。

 

警察庁によると、2021年、日本では死傷者や物的損害をもたらした銃乱射事件が10件発生した。そのうち1人が死亡、4人が負傷している。この数字には事故や自殺は含まれていない。

 

国内で認可されている約19万2,000丁の銃器のほとんどは、散弾銃と猟銃である。これに対し、銃器がほとんど登録されていない米国では、一般市民が手にする銃の数は4億丁近くにのぼると言われている。

 

ここ数週間、日本のメディアは米国で相次いだ銃乱射事件を不信と混乱の入り混じった思いで見ていた。テキサス州ユバライドで起きた銃乱射事件の後、日本第2位の発行部数を誇る朝日新聞は、米国を「銃社会」と呼ぶ社説を掲載し悲劇によって教室が「銃乱射地帯」と化したと述べた。

 

著名な週刊経済誌である東洋経済は昨年“なぜ米国では「銃の所有」が譲れない権利なのか”と問う記事を掲載した。

 

ジャーナリストの津山恵子氏は記事の中で、「これほど多くの犠牲者が出ているにもかかわらず、なぜ米国で銃の保有が続いているのか、日本人には理解しがたい」と述べている。

この記事の著者・大澤裕さんのメルマガ

 

日本にとって大損失。安倍元首相の死が「闇に葬ってしまった」モノ

国内はもとより、世界中で大きく報じられた安倍元首相銃撃事件。憲政史上最長、3,188日にも渡り首相を務めた安倍氏の誰しもが予測し得なかった突然の死は、我が国にどのような影響を及ぼすのでしょうか。今回のメルマガ『uttiiジャーナル』では著者でジャーナリストの内田誠さんが、「日本にとって大きな損失」としてその理由を解説。安倍元首相はまさに、これから先に行われるさまざまな議論の中心にいるべき人物であった、との見解を記しています。

この記事の著者・内田誠さんのメルマガ

 

安倍元総理の死去が日本にとって大きな損失となる理由:「デモくらジオ」(7月8日)から

きょうは7月8日ということになりますね。参議院選挙を明後日に控えて、もう期日前投票をした方も大勢いらっしゃると思いますが、日本の民主主義にとっても非常に大きな問題が起こってしまったということです。まあ、安倍さんのやってこられたことに対しては常に批判的であった私から見ても、それは人が亡くなるのを見て気持ちの良いものではありません、もちろん。実に惨たらしい亡くなり方をされてしまいました。

これから、そうですね、事件そのものについてちょっと申し上げておきますと、どうも犯人の動機ですが、これが全く分かりませんね。安倍さんの政治信条には不満はないけれども、安倍さんに不満があったので殺そうと思ったと、ここのところがどういうふうにつながっているのか、少なくとも今現在出てきている内容からすれば、何が何だか分からない。で、メディアはみな、各政党もみなそうですけども、民主主義に対する挑戦であるとか、言論の自由に対する攻撃であるとか、最大限の言葉を使って批判をしている。それは当然だと思うんですけれども、そこの間にうまく理解するに足るだけの情報がまだないので、すごく、いや、別に犯行の理由がハッキリ分かればそれでスッキリするというものでもないわけですが、そことは遙かに遠いところにいるような気がしております。冥福を祈るという言い方はありきたりなので私はできるだけしないようにしているのですが、全く残念なことだと思います。

特にこういう形になるとメディアはなかなか批判しにくくなるので、傑出した総理大臣だったとか、日本を良い方向に持って行った立役者であるとか、色々な褒め言葉が当然出てきます。それは人が亡くなられたときには常にそのような形になるだろうとは思います。それも当然なんですね。ですが、安倍さんに関しては、もちろん大変な政治生活、お疲れ様でしたということではあるけれども、実はこれからやっていただかなければならないことがたくさんあったんですね。それが出来なくなってしまったことに関して、非常に大きな損失だなと思っています。

というのは、例えば特定秘密保護法であるとか共謀罪であるとか、あるいはいわゆる「平和安全法制」。憲法の解釈見直しを閣議決定でやってしまったという。それから日銀の人事や内閣法制局の人事もそうです。これはまさしく民主主義の破壊ではないのかということがたくさんありました。それから、経済政策、アベノミクスは日本に住む我々に何をもたらしたのか。というのはこれから分かってくる問題ですよね。これからさらに解明されなければならないこと。特にロシアのウクライナ侵攻ということも併せて考えれば、これは世界的な色々な動きの中で起こっていることでもあるわけですが、大変な物価高の中でさらなる物価高にみなさん日本国民が怯えている状況。この状況でアベノミクスをどう考えるべきなのか。経済政策をこれからどのような方向に持って行くべきかということは、かなり厳しい議論をしなければならない。そのときに安倍さんはいてもらわなければ困る人なわけですよね。

この記事の著者・内田誠さんのメルマガ

 

真相解明の意思はあるか?東京高専の学生自死事件で発覚した第三者委の不誠実

2020年の10月に東京高専で起きた、当時3年生だった学生の自死事件。その原因が教員によるパワーハラスメントであったことは、以前掲載の記事「いじめ探偵がパワハラ教員を告発。東京高専の生徒を自殺に追い込んだ悪魔の所業」でもお伝えした通りですが、当事件を調査するために設置された第三者委員会でも大きな問題が発覚し、遺族の方々の不信感が増大しています。今回のメルマガ『伝説の探偵』では、現役探偵で「いじめSOS 特定非営利活動法人ユース・ガーディアン」の代表も務める阿部泰尚(あべ・ひろたか)さんが、呆れ返らざるを得ない内実を詳しく報告。さらにこの件に限らず、教育現場における第三者委員会の機能的・根幹的な問題点を指摘するとともに、その改善を訴えています。

【関連】いじめ探偵がパワハラ教員を告発。東京高専の生徒を自殺に追い込んだ悪魔の所業

この記事の著者・阿部泰尚さんのメルマガ

 

東京高専パワハラ自死事件続報

7月4日に私のところにメッセージが来た。

明日7月5日は陽向の月命日、来週7月11日は陽向の誕生日です。時間は過ぎていきます…。

以前、「伝説の探偵」で第一報を出した、東京高専パワハラ自死事件のご遺族である野村さんからのメッセージだ。

本日は、野村さんの意向を得て、現状開催中の第三者委員会でおきた委員辞任劇を加えて、今何が起きているのかを報じることにする。

東京高専パワハラ自死事件の概要

【関連】いじめ探偵がパワハラ教員を告発。東京高専の生徒を自殺に追い込んだ悪魔の所業

野村陽向くんは、東京高専の1年生で学生会に立候補し、2年生から学生会の会長を務めるなど人望があり優秀な学生であった。人望の高さは折り紙付きで、2回目の会長選挙で当選し、学生会の会長に再任されている。

事件は2020年当時のことである。陽向君は東京高専3年生で、学生会の会長であった。

当時は新型コロナウイルス感染症の蔓延で、各イベントが中止決定をする中、陽向君は学園祭の開催の中止を申し入れた。理由は、十分な感染症対策を行うのが困難であり、感染者が出た場合の責任を取ることができないからであった。

当時は、消毒用のエタノールなどが売り場から消えて、マスクの入手すら困難であった時期だ。しかも、学生の中には受験期であったり、就活生もいるわけで、感染による機会損失など重大なリスクがあったわけだ。

通例、これは英断と評価されるべきであるが、1人の教員から、学生会の暴走で、信頼されなくなるぞなどの中傷を受けはじめ、立場を利用したパワハラ行為が相次いで起きた。

結果、陽向君は教員からのパワーハラスメントについて申し入れ書を作り、これを提出した。こうした申し入れは異例中の異例であり、当時の教員が謝罪をする形で取り下げて欲しいという学校側の要望を陽向君が受け入れて、取り下げることになったのだ。

しかし、取り下げても教員のポジションや立場は変わらないわけで、当然のごとく、この教員は陽向君への陰湿な攻撃を始めたわけだ。

そもそも学生会は陽向君が就任する以前から使途不明金などがあり、これは繰り越しで会計されていた。陽向君の時期にこの使途不明金などについての処理が進むが、元々の土台は弱いことは誰もが知っていることであった。

このパワハラ教員は、この会計処理に目をつけ、これまで行われてこなかった監査をする名目で、陽向君らの上級生を使って監査を厳しく始めたのだ。

このような監査の調査は、深夜に及ぶこともあった。特に、問題視しようとしていることも明白で、学生会がその業務で使うiPadなどを私用で使っているという疑いだ。

学生会の仕事を持ち帰ってやるためにiPadを持ち帰れば、それは私用に当たるとでもしたかったのであろう。

こうした不当な調査などを受け続け、確実に何らかの責任を負わせられるだろうと学生会のメンバーも確信していたに違いない。

責任感が特に強い陽向君は、板挟みになるような形で精神的に追い込まれていき、2020年10月5日に自死してしまったのである。

この事件を受け、東京高専の設置者に当たる「高専機構」は、第三者委員会の設置を決めた。

この記事の著者・阿部泰尚さんのメルマガ

 

引退後の夢は映画監督。無念の凶弾に倒れた安倍晋三氏の人となり

7月8日、奈良市内で応援演説中に銃撃され亡くなった安倍元首相。その政治手腕に対する評価はさまざまありますが、気さくな性格で多くの人から慕われていたのもまた事実です。今回のメルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』では著者で現役医師の和田秀樹さんが、実際に接した際に感じた安倍氏の印象を紹介。腰も低くマイルドな人となりを高く評価するとともに、安倍氏を含めた世襲議員が、マスコミ内でおしなべて人気がある理由を考察しています。

この記事の著者・和田秀樹さんのメルマガ

 

日本の悲劇

安倍元首相が亡くなったというか、殺された。

このメルマガを読んでこられた方ならご存じのことだろうが、私はアベ政治を批判し続けてきたし、彼の政策に関しては好きになれないどころか、日本を韓国に抜かれるくらいボロボロにしてきたことにしても、コロナ禍の真っ最中に(おそらくうつ病になったのだろう)2か月も政権をほっぽらかして、首相の在位記録を樹立するや、すぐに政権を明け渡す姿勢など、政治家としての資質にすら疑いを感じている。

ただ、公人であるがゆえに政治家としてとか、政策などに批判をしていただけで、実は、あまり政治家に会わない、とくに総理経験者など5人しか(2人は結婚式の別の席にいて、一言も会話を交わしていない)お会いしていないという中で、本当に素敵な人だった。

腰も低く、マイルドで、育ちのよさがにじみ出ている。

おそらく、わけへだてもしない。

私も「エンジン01文化戦略会議」に入って以来、林真理子先生他、偉い人の金魚のしっぽのような役割なので、いろいろな偉い人たちが、林先生と私とで態度が変わる経験を何度もしてきた。とくに林先生がいなくなってからがひどい。林先生が同席中は、それなりに私を遇してくれるが、そのあとで、一言も話をせずに、残りの偉い人仲間でしか話をしないという経験もしたこともある。

こういうことは今でも覚えているが、あえて実名は書かない。

一般的に偉そうにするやつは成り上がりが多い。

塾のオヤジ(しかも大して実績を上げていない)から文科大臣にまでなったシモムラとかいう奴は、私が大学の教員としてあいさつをする(というか、お節介な人がいて彼の席につれていかれたのだが)と「僕が君の大学の医学部を認可してやったんだ」とわけのわからない恩を着せられた。私にはまったくメリットのないことなのだが、「それはどうもありがとうございます」と卑屈に頭を下げることになった。

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ホンマでっか池田教授が指摘。露呈したEU「エネルギー政策」の嘘

ロシアからのエネルギー調達が難しくなったドイツが、石炭火力発電所の再稼働を発表。「SDGs」のお題目の下、EUとイギリスが主導してきたCO2削減の流れに綻びが生じ始めました。そもそも「SDGs」は、化石燃料に乏しいEUとイギリスがエネルギー大国への対抗策として流行らせた“いかがわしいもの”と指摘するのは、CX系「ホンマでっか!?TV」でもおなじみ、生物学者の池田清彦教授です。今回のメルマガ『池田清彦のやせ我慢日記』では、SDGsもCO2削減も崇高な理念などではないことをドイツの方針転換が証明しているとし、今後のエネルギー戦略の行方を論じています。

この記事の著者・池田清彦さんのメルマガ

 

ウクライナ紛争後のEUのエネルギー戦略の行方

少し前に『SDGsの大嘘』と題する本を出版した。発売1か月で発行部数が3万2千部に達したので、拙著としては結構売れている方で嬉しい。2時間もあれば読めるので、是非紐解いてほしい(まあ紐で縛ってあるわけじゃないけどね。昔は、本は貴重品で、普段は帙{ちつ}という覆いで保護してあって、読むときにはこれを解いたのだ)。一番大事な論点は、SDGsといういかがわしいお題目を流行らせたのはヨーロッパ(EUとイギリス)の政治経済的な戦略だということだ。

ヨーロッパは化石燃料の埋蔵量が少なく、世界中で、化石燃料を自由に使っているうちは、化石燃料を沢山埋蔵している国に対して経済的に勝ち目が薄い。石炭の可採埋蔵量は、2018年の統計では、アメリカが一番多く(全世界の23.7%)、ロシア(15.2%)、オーストラリア(14.0%)、中国(13.2%)、インド(9.6%)と続き、インドネシア(3.5%)、ドイツ(3.4%)、ウクライナ(3.3%)である。ヨーロッパの中ではドイツの埋蔵量が比較的多い。

石油はどうかと言うと、同じく2018年の統計で、中東(48.3%)、ベネズエラ(17.5%)、北米(13.5%)、ロシア(6.1%)と続き、ヨーロッパは0.8%である。天然ガスの埋蔵量はロシア、イラン、カタール、トルクメニスタン、アメリカ、サウジアラビアと続き、ヨーロッパの埋蔵量は少ない。

また最近話題になっている、シェールガス、オイルに関しても、シェールガスの可採埋蔵量は上位から、中国、アルゼンチン、アルジェリア、アメリカ、カナダ、メキシコ、オーストラリア、南アフリカ、ロシア、ブラジルがトップ10。シェールオイルはロシア、アメリカ、中国、アルゼンチン、リビア、ベネズエラ、メキシコ、パキスタン、カナダ、インドネシアがトップ10である。

ここから分かるように、ヨーロッパは化石燃料が乏しく、化石燃料が豊富な、北米、ロシア、中国、オーストラリアなどのエネルギー大国と、エネルギーの供給において見劣りするのは避けられないのである。

そこで、化石燃料は地球温暖化の元凶だという理屈を振りかざし、化石燃料をエネルギーの供給源から締め出してしまえば、エネルギーの調達に関し、ヨーロッパは他の大国と、この点に関しては対等な立場に立つことができる。それがSDGsの裏の本音である。というわけで、再生可能エネルギーに力点を移し、徐々に化石燃料を締め出す政策を、国連などの働きかけて進めようとしていたわけだ。

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安倍元首相の円安政策と外交により芽吹き出した日本復活の種

安倍元首相の応援演説中の射殺事件。日本中が大きな驚きと悲しみに包まれました。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、自身のコラムをよく見ていたのは安倍元首相だとして、今まで津田さんが提唱し安倍首相が実現させた戦略について語っています。

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安倍元首相への追悼

このコラムの提案する政策をよく見ていたのが、安倍元首相であったと思う。勿論、小泉元首相は、このコラムでの政策提案を実現した数では多いし、イラクへの自衛隊派遣に反対した時、私の意見を聞きに、自衛隊幹部を寄こしたこともあり、多くの政策を実現できたと見ている。

予想通り、イラクには大量破壊兵器はなく、私の予知は当たっていたし、その後に、米国は、イラク侵攻のために多くのウソをついていたことも発覚した。

そして、小泉元首相の官房長官であった安倍元首相も見てくれたようであり、金融緩和と、特に日銀のETF買いの金融緩和は世界でも初めてで、その実現を渋った民主党政権にとって代わる形で、安倍政権ができ、そこで黒田総裁にして、実現した。

もう1つが、私が唱えた農業が日本の有望産業であり、高付加価値化が可能であるとの意見を、国の研究所が聴きに来たこともあり、その後、農産品や加工食品などの輸出目標を立て、高付加価値化の農業に日本の農業を転換させた。農業の輸出産業化ができた。

また世界の秩序構築には、中国包囲網を形勢する必要があり、それをしないと、日本の復活はないとみたが、この構築を安倍元首相は、精力的に行ってくれた。この甲斐があり、今NATOが、やっと目覚めて、中国に対しての日本の懸念を共有してくれたのである。

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中日・木下雄介投手の妻が球団の“不誠実な対応”を明かす。弔慰金500万円で解決図る?遺族を傷つけた酷い言葉

7月7日発行の週刊新潮が昨年8月にコロナワクチン接種後に死亡した中日ドラゴンズの木下雄介投手の遺族と球団側との話し合いに争いが起きていると報じた。この報道を受けて木下投手の妻がInstagramで「報道はほぼ事実」と認めたことで、ファンからは球団に対する失望の声が上がっている。

コロナワクチン接種の翌日のトレーニング中に異変

木下投手に異変が起きたのは昨年の7月6日11時頃。球団トレーニングルームで下半身のウェイトトレーニング後のことだった。6月28日にモデルナ製のワクチン接種を受けた後で、ベンチに腰掛けていた木下投手は意識を失い、身体は硬直していたという。

病院に運ばれた木下投手はICUで緊急手術を受け、心臓に機械を入れた。1週間後には心臓自体は蘇生し始めたものの、脳死状態になった。それから一カ月も経たない8月3日、木下投手は低酸素脳症による臓器不全で亡くなっている。

遺体解剖したところ、劇症型心筋炎が原因で心臓が急に止まったと判明。ワクチン接種後に激しい運動を行ったために副反応の心筋炎が起きた可能性が高いと言われている。

【関連】中日・木下雄介投手が死去。ワクチンとの因果関係は? 接種後の「激しい運動」日本と海外で基準に違いも

週刊新潮によると、球団側は遺族に500万円の弔慰金を提示して全てを納めようとした。しかし、球団の選手が結んでいる統一契約に基づくと、試合や練習中などの稼働中による死亡事故が起きた場合、球団は5000万円の補償金を選手の相続人に支払う義務があるという。

つまり、木下投手の死が練習に直接起因したものと認められれば、500万円ではなく、5000万円の補償金が支払われるはずである。

しかし、球団側は補償金の規定を家族に通知しておらず、遺族が補償金の存在を知っても、球団は練習と心肺停止との因果関係が証明できないと、補償金の支払いを拒んでいるというのだ。

この報道に対して木下投手の妻は7月10日にInstagramで「DMを送って来て下さる方もいたりして知らん顔できない状態になってきたので週刊誌の件について触れさせて頂きます」として、この件について言及した。

「これは違う。と思う点がいくつかありましたが、記事の内容はほぼ事実です」と中日との争いを認めた。さらに球団側から信じられないような酷い言葉を言われ、また酷い対応だと感じることも多々あったという。しかし、球団と円満に解決する事を望んでいたために、いままで沈黙を貫いてきたと語った。

「このような状況になってしまった事は本当に悲しく何故、こうなってしまったのだろうと思うばかりですが私は、真実だけをきちんと公表したいと思っています」としたうえで、「また、日を改めてお話しさせて頂きたいと思っているのでご理解、宜しくお願い致します」と結んでいる。

木下投手は2016年に育成枠でドラフト1位で入団。2021年の開幕一軍を期待されていたが、3月21日のオープン戦の投球中に肩を脱臼した。脱臼と肘の手術を同時期に行い、2022年の復帰を目指して、懸命なトレーニングを続けていた矢先の訃報だった。

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ファンからの期待も大きかった選手だけに、今回起きている件に関して知った人たちからは、「これが事実なら身売りしろ」「中日に誰も入りたがらんぞ」など、球団の姿勢に対して失望する声があがっている。

韓国はどう動く?安倍元首相死去で尹錫悦大統領が命じたこととは

参院選の真っ只中に起きた元首相である安倍晋三氏の「射殺」というショッキングな事件。この驚きのニュースは瞬く間に世界中に配信されました。日本ではその報道で連日埋め尽くされていますが、韓国はどのように安倍氏の逝去について感じているのでしょうか。今回のメルマガ『キムチパワー』では、韓国在住歴30年を超える日本人著者が、新政権がこれから安倍氏の追悼会等にどのようなかたちで臨む予定かなどを詳しく語っています。

安倍氏逝去に韓国も悲しむ

尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は近く在韓日本大使館が設ける安倍晋三元首相の焼香所を訪れ弔問する予定だ。これとは別に、韓悳洙(ハン・ドクス)首相と鄭鎮碩(チョン・ジンソク)国会副議長、重鎮議員で構成される弔問使節団が後日訪日し、日本政府と自民党が合同で開く公式追悼式に出席することにした。

安倍元首相が銃撃テロで死亡した衝撃的な事件をうけ、尹大統領が韓国国内の焼香所を直接訪れ、韓首相が日本で行われる公式葬儀に出席することになった。

姜仁善(カン・インソン)大統領室報道官は10日のブリーフィングで、このような計画を伝えた。バイデン米大統領は8日(現地時間)、ワシントンの駐米日本大使官邸を訪れ哀悼の意を表した。バイデン大統領と同様に、尹大統領も国内焼香所を訪問する方式を選んだわけだ。

韓首相と朴振(パク・ジン)外交部長官、金聖漢(キム・ソンハン)国家安保室長らは11日、焼香所を訪れて弔問する予定だ。

韓首相と政府議長が率いる弔問団は、今後日本で行われる予定の内閣・自民党合同公式追悼式に韓国政府を代表して出席し、安倍元首相の墓を参拝して帰国する計画だ。大統領室関係者は「大統領が哀悼の気持ちを最もよく表現できる方々を考えて送っているようだ」と説明した。

安倍元首相が最長寿首相の在任記録を樹立するなど、国内外的に相当な政治的地位を持っていたことを考慮し、韓国政府と議会を代表する人物で弔問団を構成し格別に礼遇しているわけだ。特に、政府議長は新政権発足前の4月、韓日政策協議団を率いて日本を訪問した。

06年、橋本龍太郎元首相の葬儀の時は、韓国政府の弔問使節として潘基文(パン・ギムン)外交通商部長官(当時)が訪日した。2020年、中曽根康弘元首相の葬儀には南寛杓(ナム・グァンピョ)駐日大使(当時)が出席した。

安倍元首相の公式追悼式の日程は未定の状態で、弔問団の訪日時期もまだ決まっていない。12日に安倍元首相の家族葬が終わった後、相当期間が過ぎてから追悼式が開かれる見通しだ。

安倍氏銃撃事件で走る衝撃。犯人に影響を与えたマスコミの偏向報道

街頭演説中の安倍晋三元総理が射殺され、日本にこれ以上無いほどの衝撃が走りました。そして、メルマガ『1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』』では、著者である本のソムリエさんが安倍氏に対し、日本のマスコミは同じようなことをしてきたではないかとして、ある一冊の本を紹介しています。

【一日一冊】永田町・霞が関とマスコミに巣食うクズなんてゴミ箱へ捨てろ!

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永田町・霞が関とマスコミに巣食うクズなんてゴミ箱へ捨てろ!

渡部悦和 著/ワニブックス

モリカケ問題や安保法制などでマスコミが安倍政権を叩き続けていた2018年に発行された一冊です。著者のケント・ギルバートさんはアメリカ人ですが、「事実」や「真実」を報道しようとしない日本のマスコミが異常に見えるのです。

例えば、加計学園の獣医学部新設では、それまで文科省が長年獣医学部を新設させず行政をゆがめていたことを、国家戦略特区諮問会議が正したというものです。マスコミは文科省からリークされる情報をもとに、獣医学部新設が認可されたのは、安倍首相が口利きしたからではないかという憶測を報じましたが、文科省のクーデターにマスコミが乗ったものの証拠もないまま印象操作を続けているのが事実です。

また、著者は安保法制賛成派としてTBSの「NEWS23」のインタビューに30分ほど応じましたが、番組で使われたのは、「アメリカの戦争に巻き込まれるのではないか」という問いに、著者が笑い飛ばした場面だけだったのです。安保法制の集団的自衛権によって、日本が戦争に巻き込まれるかのうように印象操作したかったのでしょう。「NEWS23」はフィンランドとスウェーデンがNATOに加盟することを「戦争に巻き込まれるのではないか」と反対するのでしょうか。

安保法制賛成派として「NEWS23」のインタビューに30分ほど応じた…ところが番組で使われたのは、一番どうでもいい話をした1分弱の部分でした(p36)

著者が日本のメディアがおかしいと感じるのは、例えば、テレビ朝日の「報道ステーション」で、特定秘密保護法の報道について、反対派の識者ばかり出演させていたこと。森友学園問題は、財務省の問題であるにもかかわらず、昭恵夫人が関わっていたため財務省が忖度したのではないかという憶測を証拠もないまま報じていたことです。

また、安保法制の国会デモでは「アベ政治を許さない」「自民党感じ悪いよね」などプラカードを掲げた人が、テレビに写っていました。法政大学教授の山口二郎氏は、安保法制反対デモで「安倍に言いたい。お前は人間じゃない、叩き斬ってやる!」と叫んでいます。

欧州で加速するウクライナ“忘れ”の現実。なぜ熱狂は一気に覚めたのか

2月24日のプーチン大統領による軍事侵攻開始から4ヶ月半。その間、ロシアに対して厳しい経済制裁を科してきた西側諸国に、じわじわと「ウクライナ疲れ」が広がりつつあると報じられてきましたが、欧州ではさらに事態が「悪化」しているようです。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では元国連紛争調停官の島田さんが、国連会議出席のため訪れたドイツで肌で感じた、「ウクライナ離れ」が加速している現実を紹介。さらに彼らがNATOについて抱えているという違和感を取り上げるとともに、そのNATOと深く関わることを選択した日本政府がなすべきことを提示しています。

この記事の著者・島田久仁彦さんのメルマガ

 

ウクライナ“忘れ”が加速する欧州

今週は国連の会議出席のため、ドイツに出張しています。主に議長を務める気候変動問題の遵守委員会会合への出席が目的なのですが、ボンに来る際にはボン大学での特別講義もさせていただいております。今回の話題はもちろん【ロシアによるウクライナ侵攻】なのですが、副題には「欧州統一への挑戦」という内容も含まれていました。

ウクライナ情勢について、何か違った視点からの分析を見たいと思っていただいたのか、いつもにも増してたくさんの聴講生が来てくれました。

講義においては、まず私から様々な見解を紹介し、残りの時間のほとんどを聴講生との双方向での議論に費やしたのですが、出た意見の中で私が驚いたのが、ドイツではすでに議論は“ウクライナ疲れ”から“ウクライナ問題を避ける”段階に移っている傾向が見えたことです。

街のいたるところに「ウクライナと共に」というスローガンが掲げられてはいるのですが、今回お会いした方たちの傾向は【できればもうウクライナのことは話したくない】という内容が多かったように思います。

聞いた話を整理すると、5月あたりから、ロシアに対する制裁の影響が市民生活に物価上昇(特にエネルギー)という形で直接悪影響を与えだし、関心は「いかに自分たちの生活を立て直すか」や「いかに耐えるか」という内向きの内容に変わってきたようです。

6月中旬くらいからは、ニュース番組などでもウクライナの話題を取り上げる頻度が下がり、仮にウクライナ情勢に触れたとしても、アングルはウクライナでの戦況ではなく、ショルツ首相の対ロシア・ウクライナ政策転換への評価や、いつ終わるかわからない急激なエネルギー危機にいかに対処すべきか、という内容に変わってきたとのことでした。

今週は、いろいろな方たちと食事をしながら語りましたが、政治のお話が大好きなイメージがあるドイツの人たちも、「もうあまりウクライナの話はしたくない」と言い出しました。

2月24日にロシアがウクライナ全土への侵攻を始めてからしばらくは、ドイツでも自身の安全保障にかかわる“自分事”として捉えられ、「いつ戦火がドイツにも及ぶかもしれないので、何とかしてそれを防がなくてはならない」と非常に熱い議論がなされ、ショルツ首相が進める防衛費の増額(注:メルケル政権では封印されてきた方向性)にも賛同し、「そう戦争も長続きしないだろう」、「ロシアの企みも欧米が一致して臨めば挫かれるだろう」と信じて、エネルギー価格などの高騰も受け入れる雰囲気が存在していたとのこと。

しかし、次第にエネルギー価格の高騰が直に家計に響きだし、ウクライナ紛争も一進一退の様相を呈しだすと、“熱狂”は一気に覚め、次第に自らに降りかかる目前の現実に目が移りだし、関心の低下と“疲れ”が目立ちだしたと、今回話し出した方たちも言っていました。

この記事の著者・島田久仁彦さんのメルマガ