巧妙に仕組まれた嫌味と再登板の野心。菅前首相が「弔辞」に含んでいたこと

9月27日に営まれた安倍晋三元首相の国葬で、それぞれ友人代表、葬儀委員長として弔辞を読み上げた菅前首相と岸田首相。ネット上ではさまざまな評価が飛び交っていますが、「政治家の発言や声明」として聞くと改めて見えてくるものがあるようです。今回のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』では著者で米国在住作家の冷泉彰彦さんが、二人の弔辞を分析。そこから浮かび上がった菅前首相の凄みや岸田首相に対するスキル的な疑問を書き記しています。

※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2022年10月4日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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安倍氏国葬、岸田・菅の弔辞を分析すると

安倍晋三氏の国葬が無事に執り行われ、新旧の2人の宰相の弔辞が話題になっています。ただ、菅さんのものが感動的とか、岸田さんのが詰まらないというような印象論には私は興味はありません。あくまでこの2人は政治家であり、弔辞もまた政治的なステートメントとして受け止めました。その上で、留意点をメモしてこうと思います。

(1)菅氏の弔辞の冒頭にあった「瀕死の安倍氏を見舞った運命の日」についてですが、この行動には凄みを感じます。自身の政治的復権をかけて東京から奈良まで飛んだのですから、その迫力には敬服しますし、これをお涙頂戴の感動ドラマに仕立てるというのは相当です。

(2)北朝鮮にコメを送ろうとした民主党の政府に反対したくだりですが、菅氏は「草の根の国民に届くのならよいが、その保証がない限り、軍部を肥やすようなことはすべきでない」と言って、「自民党総務会で、大反対の意見をぶち」、それで安倍氏と意気投合したというのは面白いと思いました。ここで言う「草の根」というのは、北朝鮮の庶民のことなんですね。菅氏の一種のバランス感覚であり、この場でこういう事を言うのは結構面白いと思いました。

(3)最大のハイライトは、安倍氏に2度目の総理総裁目指して出馬を促した、具体的には「2人で、銀座の焼き鳥屋に行き、私は、一生懸命、あなたを口説きました。それが、使命だと思ったからです」という部分です。どうして安倍氏にはカリスマ性が戻っていると判断できたのか、とても興味がありますし、そもそも清和会のボスではない安倍氏を総裁候補に押し出した辺りの力学は、もう少し詳しく分析が必要です。

(4)TPPの話も面白いです。「TPP交渉に入るのを、私は、できれば時間をかけたほうがいいという立場でした。総理は、「タイミングを失してはならない。やるなら早いほうがいい」という意見で、どちらが正しかったかは、もはや歴史が証明済みです」ということで、自由貿易を認めています。現在の政治の文脈からは、菅氏が一定程度は河野太郎氏などと連携して、構造改革に理解を示していることの証左かもしれません。持ち上げ過ぎかもしれませんが。

(5)晩年の安倍氏が、山県有朋伝を読んでいたというのは、非常に巧妙に仕組まれた嫌味も薄っすら感じられますね。山県という人は、最後は昭和天皇と香淳皇后との婚約に反対して、国民から総スカンを喰らい、国葬も閑古鳥だったそうです。その辺の含みもピリっと利かせてあって、つまり安倍さんをディスるのではなく、国葬を強行した政権に対して、薄っすらと嫌味になるというわけです。その上で、山県の「今より後の世をいかにせむ」という短歌の下の句で結んでいる、そこには再登板の野心もあるし、難局への危機感もあるということで、お見事でした。もっと言えば、山県の短歌は、伊藤公を悼んでいる内容であり、つまりは安倍さんを伊藤公にたとえているわけです。これも伊藤公が日露と日韓の間で引き裂かれた存在ということを踏まえていると考えると、面白いと思いました。

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プーチンに正義など無し。それでも「ロシア擁護」のバカにつける薬

ウクライナの東部と南部の4つの州を一方的に併合し、あまつさえ西側諸国を核で威嚇するプーチン大統領。国際社会からの孤立を深めるばかりのロシアですが、それでもまだ彼らを擁護する声があるのも事実です。今回のメルマガ『uttiiジャーナル』では著者でジャーナリストの内田誠さんが、これまでプーチン大統領が手を染めてきた、そしてこれから行おうとしている「考えつく限りの卑怯なやり口」を取り上げ厳しく批判。さらに彼らに正義などないとして、「ロシア擁護派」を強く非難しています。

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本当にボロボロになりつつあるロシア。「デモくらジオ」(9月30日)から

冒頭にお話申し上げたいと思っていますのは、ウクライナの話です。毎度申し上げておりますように、私は別に専門家でもありませんから、色々な情報を総合して、こうじゃないか、ああじゃないかと素人なりの意見を申し上げているに過ぎないということはあらかじめ申し上げておきたいと思うけれど、ちょっとこの間伝えられているニュースで、今回というか、ここ1日2日の議論ですね。

これはきついなと思うのは、NATOとロシアの関係がある種の戦争状態に近いのではないかという印象を、素人ですけれども、持ちました。どういうことかというと、ヨーロッパに天然ガスを供給しているノルドストリームというパイプラインがありますけれど、そこが故障というか、3カ所で壊れて、ガスが供給できない状況になったようですね。まさに空気が入れ替わって、先ほどの話は日本の南関東の話ですけれど、これから寒い時期を迎えるヨーロッパ、特に北の方なんかからすると、ドイツとかね、かなりきつい話になっていくのだろうと思います。

既に政治的に天然ガスの量とか、供給の仕方に関してはロシアが色々な「調整」をして、修理だとか故障だとかいって送らないようにしてきているということもあったようですが、かなりあからさまな、もちろん、そうじゃないとロシアは言っているようですけれども、インフラを遮断するという行動に出たようですので。NATOあるいはEUの外相あたりがかなり強烈なコメントをしていると思いますけれども、そういう段階に入っているような気がします。

その前段階として21日でしたか、プーチンロシア大統領が演説をして、国民向けのテレビを通じた演説で、例の3つのことを発表していますね。

1つは予備役をどうこうすると。30万という数字がどこに出ているのかちょっと定かではないですけれども、ショイグさんという軍務経験のない国防大臣がいますけれど、あの方が30万という数字を確か言ったと思うのですが。これ、凄いですよ。大統領令のなかに秘密の項目があって、内容が明らかになっていない。

国民に知らせなくていい大統領令の決定の中身というものがあり、それが法的にも何も問われないという国なんですね。大変驚きました。おそらくそこにはもしかしたら120万という数字が書いてあるかもしれない、という話です。予備役は250万人くらいいるという話もあり、あるいは総動員を掛ければ…総動員というのは一定の年齢にある国民はすべて招集されうるということになれば、とんでもなく大きな数字が出てくるわけですが、しかし、兵士としての訓練を受けていない人を招集して戦場に送るということについては色々な問題があるわけで、そう簡単ではない。

予備役というのは軍務経験がある人ですので、全く経験のない人よりは現役兵士に近い存在ですけれど、しかし、年齢のことがあったり、経験の質と量の多寡があったりと、そういうことを考えると、「即戦力」になるかどうかは分からない。そういうことが現にあります。

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旧統一教会と、解散命令が下された過去2つの宗教団体との違いは何か?

政治家との深く長い関係が次々と明らかになり、改めて旧統一教会による霊感商法の被害や寄付の強要が問題視され、解散命令を下すべき対象ではないかとの議論がなされています。この問題に法律面と過去の事例から迫るのは、メルマガ『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』の著者でジャーナリストの伊東森さん。文化庁宗務課長を務めた前川喜平元文科事務次官の解散命令の要件にあたるとする考えと、過去の2つの事例との違いから難しいとする現在の文化庁の担当者の言葉を引いて、まだまだ議論が続きそうなムードを伝えています。

旧統一教会に「解散命令」は出るのか?解散命令とは?過去にオウム真理教と明覚寺

旧統一教会の問題を巡り「宗教法人法」に基づく「解散命令」についての議論が、多方面でなされるようになってきた。日本テレビ系の「情報ライブ ミヤネ屋」の8月12回放送回では、全国霊感商法対策弁護士連絡会の紀藤正樹弁護士らが出演し、「解散命令」について議論。

番組では、これまでの教会の活動は、同法第81条が定める「著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」および「宗教団体の目的を著しく逸脱した行為」をした可能性があり、解散命令を出せるのではないかとの問題提起がなされる。

一方、8月10日におこなわれた永岡桂子文部科学大臣の就任会見では、「旧統一教会の宗教法人格の剥奪もしくは解散命令を考えていないのか?」と記者から質問された大臣は、「憲法でも保障される信教の自由がある」としたうえで、「(宗教法人法は)宗教法人が自由で自主的な活動をする基礎を確保することを目的としており、宗教法人の規制や取り締まりを目的としていない」とし、さらに、「宗教法人法には手をつけず、何か社会的に問題が起こった団体に対して被害の救済をするのがよい」ともした。
旧統一教会に「解散命令」は出るのか…専門家は「弱みを握られている政治家は教会を生きながらえさせるのでは」と疑問視 | Smart FLASH(2022年8月14日)

宗教法人の解散命令とは

宗教法人の制度とは、宗教法人に法人格を与え、宗教団体が自主で自主的な活動を行うための財産や団体組織の管理の基礎を確保するための制度だ。
日本の宗務行政/解説 宗教法人制度の概要と宗務行政の現状 | 文化庁

他方、日本における宗教法人の認証は、宗教法人法にもとづく。ただ、いったん設立された宗教法人でも解散事由が生じると、解散させられる(宗教法人法43条)。解散すると、宗教法人はその本来の目的の遂行のための活動を終了し、既存の法律関係の整理と残余財産の処理のために手続き(清算手続)に入り、清算の終了をもって解散させられた宗教法人は消滅する。
西牧駒蔵「一宗教法人の解散命令について」

宗教団体が宗教法人になるためには、宗教法人法上の要件を満たした「宗教団体」でなければならず、また、宗教法人法の定めに沿った設立の手続を行う必要がある。ただ、「団体で宗教活動を行う際に法人格を取得するかどうかも自由です。当然,法人格を持たない団体(任意団体)のままでも、宗教活動を行うことができます。ただし,任意団体のままでは,法律上の権利義務の主体となれないため,不便に感じる場合もあり得ます」とも。
日本の宗務行政/解説 宗教法人制度の概要と宗務行政の現状 | 文化庁

年金生活者支援給付金が停止してしまう「タイミング」を知っていますか?

令和元年から始まった『年金生活者支援給付金』。消費税が上がったことで生活に支障が出てしまう対策として制定されたものですが、この給付金はいつまで貰うことができて、停止する場合はどんな時なのでしょうか?今回のメルマガ『事例と仕組みから学ぶ公的年金講座 』では、著者で年金アドバイザーのhirokiさんが、 事例を用いて詳しく解説しています。

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消費税対策の為に始まった低年金者用の年金生活者支援給付金事例3つで復習!

こんばんは!年金アドバイザーのhirokiです。

1.令和元年10月からの消費税引き上げで導入された年金生活者支援給付金

令和元年10月から低年金者に対して一定の給付金が支払われる「年金生活者支援給付金制度」が始まり、既にあれから3年が経とうとしています。

なぜこのような給付金が支給されるようになったかというのは、令和元年10月から消費税が8%→10%になったので、消費税対策としての給付という意味合いですね。

消費税増税のように物価が上がるのに、年金額が変わらなければ年金額の価値が下がってしまうからですね。収入が変わらないのに、物価が上がると買いたいモノが今までのように買えなくなってくるので、そのための対策でもあります。

今までA商品が100円で買えてたのに、120円に物価が上がったら100円では買えなくなるからですね。物価が上がるというのはいろいろと生活が苦しくなってきます。

でも賃金もちゃんと上がればそんなに気にする事もないんですけどね。賃金や年金も上がらない中での物価のみの上昇は生活が苦しくなるだけです。

本当は、社会保険としての年金に上乗せ給付をするというのは、今まで保険料を支払った期間や保険料額で決まる年金制度に下駄を履かせる事になるという批判も多かったのですが、別の形の年金とは違う給付金として支払う事で合意しました。

なので年金振り込み時も、別々にして振り込まれます。これは社会保険制度とは別物だよって示したいわけですね。

この給付金案は民主党時代に低年金者に上乗せしろって事で考えられたものですが、当時はやや社会保険としての年金に組み込むような形だったので社会保険方式の原則を崩しかねないものでしたが、別物として給付金を支払うという事になりました。

いつまで支払われるのかと言えば、基本的には終身で支払われます。

ただし、全額を税金で支払っているため所得制限が設けられており、一定の所得がある人は給付金を受給する事が出来ません。

老齢年金の生活者支援給付金は公的年金収入+前年所得≦781,200円となっており、その金額を超えてくると給付金が停止となります。

いつまで停止されるのかというと、10月分から翌年9月分までが停止となっています。

停止されていたけど、前年所得が下がったという人はまた対象者に請求書が送られてきて10月分から受給する事が出来ます。

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北朝鮮食堂で働く女性5人が連続脱北。彼女たちを掻き立てたものは何か?

日本の上空を弾道ミサイルが通過した4日朝、5年ぶりの「Jアラート」が発動し、日本は北朝鮮のミサイルに関する報道で溢れました。そして先日、北朝鮮のMZ世代の女性5人が連続脱北をしたニュースが韓国を賑わせたのをご存知でしょうか。その脱北の準備を手助けした男性が語った支援の方法と、この集団脱北事件が影響する今後について、韓国在住歴30年を超える日本人著者が発行するメルマガ『 キムチパワー 』が紹介しています。

北女性5人、連続脱北

中央アジアウズベキスタンの首都タシケントの北朝鮮食堂の女性従業員5人全員が5月から4か月間、3回にわたって食堂を脱出して韓国に入ってきたことが9月30日分かった。彼女らはいずれも20代前半のMZ世代(1980~2000年代生まれ)であることが分かった。

今回の連続脱北の扉を開いた女性従業員A氏は、現地の韓国人と異性交際をして脱北決心をしたという。彼女がまず脱北すると、残りの4人も後について亡命の途についたという。海外の北朝鮮食堂職員の集団脱北は2016年4月、中国寧波の「柳京食堂」脱出以後、約6年ぶりだ。この5年間、新型コロナウイルス感染症の拡散と文在寅政府の北朝鮮のご機嫌伺い、脱北漁民強制送還事件などで脱北者が急減する中、集団脱北事件が再び発生した格好だ。

ウズベキスタン現地の消息筋や情報当局などによると、タシケント市内にある北朝鮮レストラン「ネ・コヒャン(私の故郷)」の従業員5人は、今年5月に1人、6月に1人、8月に3人の計3回にわたって脱北した。彼女らは現地の韓国大使館を訪れ、亡命の意思を明らかにしたという。

北朝鮮食堂「私の故郷」は2019年9月頃にオープンした。現地人だけでなく、韓国人や旅行客もよく訪れる場所だったという。韓国国内の有名YouTuberたちもこの食堂を訪ねて紹介したりもした。ところでこれら従業員全員が脱北して韓国に来たのだ。現在、この食堂は廃業状態だという。

今回の脱北行列は従業員A氏が5月に初めて亡命してから連鎖的に起きたという。20代前半のA氏は、現地の韓国同胞B氏と相当期間異性交際をし、この過程で脱北を決心したという。B氏は年のいった大学生で、タシュケントに長く居住していたという。現地消息筋はこの日、本紙(朝鮮日報)との通話で「2人がラブレターをやりとりするなど真剣に交際してきたと聞いている」とし「A氏が脱北を決心すると、B氏がA氏が働く食堂から韓国大使館に行く略図を書いた手紙を伝えるなど積極的に支援した」と話した。彼らの脱北のニュースは、客が多かった北朝鮮食堂「私の故郷」が突然廃業し、現地同胞社会に広がったという。

 

コスパ重視の社会で「サスティナブル」を謳う、おかしな国ニッポン

近年「コスパ」という言葉をさまざまなシチュエーションでよく聞くようになりました。普段から使っている人も多いと思いますが、そんな風潮に異を唱えるのはメルマガ『j-fashion journal』の著者でファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さん。コスパを追求することと重視され始めたサスティナブルを同時に実現しようとすることの矛盾について語っています。

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コスパ追求はサスティナブルではない

1.コスパ追求が招くもの

コスパは、コストパフォーマンス(costperformance)の略語。費用対効果の意味。支払った費用(コスト)と、それにより得られた能力(パフォーマンス]を比較したもので、低い費用で高い効果が得られれば「コスパが高い」と表現される。

顧客にとって「コスパがいい」とは、価格の割に品質が良いとか、価格の割に満足度が高いということだ。大体において、原価率が高い商品はコスパが高い。

しかし、原価率を高くすると、小売店の利益は少なくなる。自社の利益を優先するなら、原価、つまりコストを下げた方が良い。コストを下げるとは、原材料費、加工賃を下げることだ。

原材料費や加工賃を抑えると、通常の場合、安かろう悪かろうの商品しかできない。これはコスパが良いとはいえない。

コスパを追求すると、奴隷労働や環境汚染につながる。強制収容所や刑務所で加工すれば、工賃を削減できる。あるいは、不法就労者を使う悪質な工場に発注する。

また、環境汚染対策にコストを使わないことで、生産コストを下げることもできる。汚水をしないで排水すれば、環境コストをかける工場よりもコストは下がる。

欧米の消費者は価格よりも、環境配慮や人権配慮を重視する。つまり、コスパだけで商品を選ばないし、企業認証を受けていない企業の商品は買わない。

しかし、日本の消費者はコスパを優先することが多い。商品の購入が、人権問題や環境問題と連携しているとは考えない。そんなことは、「メーカーが適正に処理しているだろう」と勝手に思い込んでいる。

国産メーカーならそれも良いが、中国メーカーにそれを期待するのは困難である。

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ここ数週間が非常に危険。プーチン面目丸つぶれで核使用決意の緊急事態

9月21日に行った演説で、核兵器の使用について「ハッタリではない」と述べたプーチン大統領。ウクライナ4州の併合式典でも核使用を示唆しましたが、はたしてロシアによる核攻撃はあり得るのでしょうか。今回のメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤先生が、その可能性を検証したニューヨーク・タイムズの記事を翻訳する形で紹介。「ここ数週間が非常に危ない時期」であり、予断を許さない状況にあることを強調しています。

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予断許さないロシア核使用

ロシアが徴兵をはじめて多くの若者がロシアから脱出するために国境に殺到しています。

国内の不満は高まっています。

そしてプーチンが東部4州の併合を発表した直後、その戦略的要衝であるリマンからロシア軍は撤退せざる得えない状況になっています。

プーチンの面目が丸つぶれです。

そんな中でロシアによる核使用が現実の可能性として急浮上しています。

まさに「予断」を許さない状況です。

ニューヨーク・タイムズ、10月1日の記事から抜粋要約します。

参考:In Washington,Putin’s Nuclear Threats Stir Growing Alarm

9月30日の演説でプーチン氏は、米国とNATOをロシアの崩壊を求める敵と呼び、ロシアの領土(現在はウクライナ東部の4地方を含むと宣言)を守るために「利用できるすべての手段」を使用すると再び宣言した。

 

プーチン氏は、77年前にハリー・S・トルーマン大統領が日本の広島と長崎への原爆投下を決定したことを世界に想起させ、「彼らが前例を作った」と付け加えた。

 

10月1日には、ロシア南部のチェチェン共和国の強権的指導者ラムザン・カディロフが、プーチン氏はウクライナで「低収量の核兵器」の使用を検討すべきだと述べ、ロシアの有力者で初めて公然と核攻撃を要求した。

 

米国防総省は、2月のウクライナ紛争が始まったときよりも、今の方がはるかにその可能性を心配している。

 

屈辱的な撤退を繰り返し、驚くほど多くの死傷者を出し、ロシアの若者を徴兵するという不評を買った後、プーチン氏は明らかに、核兵器による脅威がロシアの力に対する敬意を回復するための方法であると考えている。

 

ロシアの軍事アナリストの中には、黒海のような遠隔地で戦術核を爆発させてデモンストレーションを行う、あるいは実際にウクライナの基地に対して戦術核を使用することを提案する人もいる。

 

プーチン大統領は先月、「これはハッタリではない」と述べ、核兵器の先制使用はロシアの軍事戦略に不可欠な要素であることを示唆した。

 

それに対して先週末バイデン大統領の国家安全保障顧問であるジェイク・サリバン氏は、核兵器の使用はロシアにとって「破滅的な結果」につながると答え、モスクワとの非公開の通信で、米国は米国と世界がどう反応するかを「明示してきた」と付け加えた。

 

元ロシア大統領で、プーチン大統領の安全保障会議のタカ派副議長を務めるドミトリー・A・メドベージェフ氏は先週「ロシアがウクライナに対して核兵器を使用せざるを得なくなった場合、ロシアへの直接攻撃は全面的な核戦争につながる恐れがあるためNATOが軍事介入する可能性は低い」と主張した。

 

プーチン氏が併合地域で屈辱的な敗北を喫した場合、米国政府は、プーチン氏が核兵器の使用を検討することを懸念している。

 

実際、ロシア軍は鉄道の戦略的要衝であるリマン(モスクワが併合した地域)から撤退しており、ロシアはウクライナ東部で地力を失いつつある。

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弘中綾香アナの電撃婚と「お金の流儀」に田中みな実も驚愕?プログリット岡田祥吾社長との密室デートに芸能記者お手上げ状態

テレビ朝日の弘中綾香アナウンサー(31)が、イケメン青年実業家との結婚を発表。弘中アナと言えば“あざとい”トークで人気を博する一方、プライベートでは浮いた話が聞かれないという不思議な存在でした。人気ナンバーワン女子アナはどのように愛を育み、今回の電撃婚に至ったのでしょうか?芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが解説します。

弘中綾香アナは「掟破り」の常習犯!?

『テレビ朝日』の人気女子アナウンサー・弘中綾香の“電撃婚”に、ファンの間では動揺が走っているようですね。

『あざとくて何が悪いの?』で田中みな実と丁々発止、“あざとさ”を披露していますが、プライベートではこれといった浮いた話は微塵も囁かれていませんでしたから本当に“電撃”でしたね。

弘中アナと聞いて私がすぐに思い出すのが、今から4年前の2018年6月に『週刊文春』が報じた『ONE OK ROCK』Toruとの“隠密デート”騒動です。

弘中アナとToruが、事前に打ち合わせしたかのようなモノトーン・ファッションだったのが今でも鮮烈に私の脳裏に残っています。

これが例え“撮り直し”の写真だったとしても、両者の性格が十分に表現された、良質なデート写真だったと思うような出来でした。

ただ、『テレ朝』幹部の怒りは相当なものだったようで、弘中はこの記事からわずか3ヶ月後に『ミュージックステーション』のMCを降板するという破目になってしまいました。

ミュージシャンが大好きで、“ミュージシャン・キラー”とも陰で呼ばれていた弘中アナですが、局の看板音楽番組のMCとしては御法度、掟破り行為…さすがにダメでしょう…。

ちなみにToruは昨年末、大政絢と結婚しています。

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資産額15億円、青年実業家との極秘愛に芸能記者お手上げ

弘中アナ“電撃婚”の詳細を報じる『女性セブン』によれば、御相手は英語コーチングサービスを展開する『プログリット』の社長で、創業からわずか3年で売上17億円、資産額15億円の青年実業家だそうです。

この詳細な報道を見る限り、『テレ朝』に“公表止む無し”の決断をさせたのは『女性セブン』のせいでしょうね。

記事を読み、思わず溜め息が漏れてしまったのは、結婚発表前のふたりの暮らしぶりでした。

コンシェルジュ付高級マンションの、同じフロアの別々の部屋で生活をしていたとか。

おそらく弘中アナの家賃も彼が払っていたのでしょう、外でデートすることも滅多になかったと書いてありました。

最近で言えば桐谷美玲♡三浦翔平、星野源♡新垣結衣、松坂桃李♡戸田恵梨香等の、芸能人熱愛交際パターンです。

これではどんなにスキルが高いパパラッチでも、完全にお手上げ状態です。
仕事帰りにどこにも立ち寄らず、マンション敷地内に帰られて外出も無し…ですから。

私的には坂口健太郎と高畑充希の交際を思い出してしまいました。

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「結婚は生活、生活はお金」を有言実行

弘中アナが只者ではないと感じるのは、『あざとくて~』等で“結婚は生活、生活はお金…”と度々公言していたことです。

“あざとさ”のための演技かと思っていましたが、まさに有言実行だったわけです。

少し前、ツイッターで“女子アナの罰”とタグ付けされた“陰口音声流出”騒動がありましたが、これではどうやら最近の“女子アナウンサー”の職業意識は、散々タレント化されてチヤホヤされるためか、テレビ局付のアナウンサーなんて名前を売るための腰掛け程度としか思っていないとされてもしょうがないような気さえしてしまいます。

番組共演やインタビュー、レポート相手の中から、誰もが羨むような結婚相手を探すための腰掛け…原稿を的確に明瞭に視聴者に伝えるアナウンサーとは何ぞや…とまで考えてしまいます。

元フジテレビアナの加藤綾子フリーアナウンサー…カトパンも、結婚発表時には御相手は一般人としか発表されませんでしたが、『文春オンライン』によって報道されたプロフィールは年商2000億円の2代目社長でした。

女子アナという職業は“玉の輿”婚への近道…もちろん仕事熱心で滑舌のボイス・トレーニングを欠かさない方もいらっしゃるとは思いますが、どうもそういう努力は表面には現れてこないようですね…。

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プロフィール:芋澤貞雄
1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao

記事提供:芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄の「本日モ反省ノ色ナシ」

image by: テレビ朝日公式サイト

竹中平蔵「五輪汚職」逮捕なしの理由に激怒。元国税が告発する日本の異常

先日掲載の記事では、ネット上でささやかれている「東京五輪汚職事件での竹中平蔵氏逮捕」の可能性について検証した、元国税調査官で作家の大村大次郎さん。その中で、「残念ながら竹中氏の逮捕はない」とした大村さんですが、根拠はどこにあるのでしょうか。大村さんは自身のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』で今回、そう断言した理由を詳しく解説。さらにこれまで竹中氏が続けてきた法律の抜け穴を突くような行為を、「日本社会が抱えている病巣の一つ」と強く非難しています。

【関連】五輪汚職「竹中平蔵は逮捕できぬ」の理不尽。なぜ特捜部動けず?豚箱回避の根拠を元国税が解説

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プロフィール大村大次郎おおむらおおじろう
大阪府出身。10年間の国税局勤務の後、経理事務所などを経て経営コンサルタント、フリーライターに。主な著書に「あらゆる領収書は経費で落とせる」(中央公論新社)「悪の会計学」(双葉社)がある。

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なぜ竹中平蔵氏は逮捕されないのか?

前号では竹中平蔵氏に関して次のような記事を掲載しました。

  • 最近ネットなどを中心に竹中平蔵氏の逮捕があるのではないか?という噂が流れている
  • その噂の根拠は、東京オリンピック関係で贈収賄の逮捕が相次いでいるし、竹中平蔵氏が最近パソナを辞めたのも逮捕が近いからではないのか?ということである。
  • しかし、筆者としては竹中平蔵氏が最近パソナを辞めたのは偶然であり逮捕はあり得ないと考える。

【関連】五輪汚職「竹中平蔵は逮捕できぬ」の理不尽。なぜ特捜部動けず?豚箱回避の根拠を元国税が解説

今号ではその件について、もう少し深く掘り下げたいと思います。

筆者が、「東京オリンピック関連で竹中平蔵氏が逮捕されることはない」と考える最大の理由は「贈収賄は逮捕されるけれど天下りは逮捕されない」からなのです。

今回東京オリンピック関係者が逮捕された容疑である「贈収賄」という犯罪について、ご説明したいと思います。贈収賄という犯罪は、政治家や公務員など「公的な権力を持っている人」に、私企業などが「特定の目的のために金品を送る」という犯罪です。そして渡した方は贈賄という犯罪になり、もらった方は収賄という犯罪になるのです。

この贈収賄という犯罪は、「特定の目的」がなければ成り立ちません。たとえば、今回の東京オリンピックであれば、「安いお金でスポンサーの枠に入りたい」と思っていた企業が、オリンピック理事に金品を渡して、その枠をもらったということです。直接金品を渡したわけではなく、理事の会社への委託料などという形をとっていますが、その委託料が賄賂だと認定されたわけです。つまり、「スポンサー枠の確保」のために「金品の授受」があったという関連性が認められたから贈収賄で逮捕されたのです。

たとえば、ある国会議員がある私企業からお金をもらったとします。そしてその国会議員は、その企業に対して、いろんな便宜をはかったとします。しかし、これだけでは贈収賄罪は成立しません。その私企業が「駅前再開発事業の受注の便宜を図ってもらうため」など、具体的な目的がなければならないのです。具体的な目的もなく、「いろんな便宜を図ってもらう」ために政治家にお金を渡した場合は、贈収賄にはならず、ただの政治献金になるのです。

「特定の件で便宜を払ってもらう」ことも「いろんな便宜を払ってもらう」ことも、社会にとっては、同じような害悪であり、我々から見れば、腑に落ちない話ではあります。が、現在の法律では、このように贈収賄というのは、立件するにはかなりハードルの高い犯罪となっているのです。

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プーチン亡命かクーデターか。中国が避けたい露の親欧米政権樹立

9月30日、ウクライナ4州の併合を一方的に宣言したプーチン大統領。領土防衛のためなら核兵器の使用もいとわない姿勢を見せていますが、この先戦況はどのような推移をたどるのでしょうか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、4州併合によりロシアが主張していた「軍事作戦」から「祖国防衛戦争」となったウクライナ紛争の最新の動きを解説するとともに、プーチン大統領が核兵器を使う可能性を考察。さらにこの戦争を終結させる方法を提示しています。

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リマン陥落。プーチンが匂わす戦術核の使用

ウクライナ戦争で、ロシアは東部南部4州の併合をし、部分動員で兵力の増強をしたが、東部要衝リマンをウ軍に奪還されたことで、ルハンスク州の防衛も危なくなっている。プーチンは戦術核の使用も匂わしている。今後を検討しよう。

ウ軍は、オスキル川を渡河して東岸を攻撃しているが、ウ軍の前進をロ軍は止められていないようである。

リマン攻防戦

スラビアンスク東側の攻撃でウ軍の前進は急速である。オスキル川を渡河したウ軍攻撃部隊が、リドコドップからカテニフカを奪還して、包囲されたノボセリフカやオレクサンドリフカからロ軍は撤退し、リマンに逃げこんだようだ。

しかし、ヤンピルの東側地点から攻撃するウ軍が北上して、リドコドップから南下しているウ軍は、スタフスキーのロ軍防衛線を突破し、ドロビシェブとリマンを結ぶ補給線を切断して、リマンを包囲した。さらにドロビシェブのロ軍も撤退した。

ヤンピルのロ軍も撤退し、ウ軍が奪還し、そのため、リマンからロ軍もやっと撤退したが、包囲を抜け出せず、殲滅になる可能性がある。リマンには5,000人のロ軍がいたが、どれだけが撤退できたのであろうか?

ということで、この地域全体をウ軍は奪還したようである。ドネツク州北部は完全にウクライナ軍の奪還になり、今後はルハンスク州の攻防になる。

リマンを奪われると、ロ軍の次の防衛都市はザリチネとクレミナになり、防衛線は、ザリチネ川になるのであろう。しかし、この方面のロ軍は、戦力が足りずに依然苦しい。すでにクレミナの南にウ軍が到達していて、クレミナを攻撃している。今後、ロ軍も部分動員兵を増援するがどれほどの戦力になるか疑問である。

しかし、東部一帯は、この時期雨が多く、戦車などの機甲部隊は路外走行ができなく、仕方なくP07など主要道路を進むしかなく、このため、待ち伏せ攻撃の危険があり、歩兵を斥候で送り、その後を機甲部隊が進むことで進軍速度が、大きく落ちている。それでもクリリフカを奪還している。

このため、リマン包囲戦以外では前進速度が緩やかだ。

その他方面

ロ軍は、精鋭部隊がいなくなり、バクムット周辺やドネツク市周辺でのロ軍の攻撃圧力が縮小して、ロ軍は前進できないでいる。そして、ここの主力であるワグナー軍も徐々に精鋭兵士が消耗して、囚人兵や新兵になり、その攻撃も単調になってきた。

ワグナー軍を狙い、HIMARSで基地や指揮所などを攻撃した効果が出て、ワグナー軍の勢いがなくなってきた。

しかし、ウ軍は南部ヘルソン州での攻撃では、苦戦しているようだ。しかし、ドニエプル川の橋やフェリーは相変わらず攻撃しているし、はしけや通行のトラックなどへも砲撃しているので、食料や飲料水が思うように確保できない状況は変わらない。

ロ軍は、ドニエプル川西岸に、クリミアから部分動員2,000人の増援を送っている。ここにも死守命令を出しているようだ。

しかし、ウ軍はドニエプル川西岸の北東部のクレシェニフカのロ軍要塞を制圧したというように、徐々にロ軍は弱体化はしているが、プーチンの撤退拒否で、ロ軍はウ軍を反撃もしているが、防衛のための攻撃になっているだけである。

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