過去には日系人も被害者に。トランプが連発する「大統領令」の恐怖

海外のメディアで報じられたニュースを解説する『心をつなぐ英会話メルマガ』では、日本のマスコミではあまり報じられない切り口で、本当はどういう意味で報じられているのかを詳しく伝えています。

今週のテーマは、「トランプ大統領が多発する大統領令とは?」です。

【海外ニュース】

President Trump on Friday closed the nation’s borders to refugees from around the world, ordering that families fleeing the slaughter in Syria be indefinitely blocked from entering the United States, and temporarily suspending immigration from several predominantly Muslim countries.

訳:トランプ大統領は、金曜日に海外からの難民への門戸を閉ざすことに。シリアでの殺戮から逃れた家族のアメリカへの入国を無期限で認めず、イスラム教徒が多数を占める複数の国からの移民へも一時的にドアを閉ざすよう指示。
(New York Timesより)

【ニュース解説】

この見出しでの移民の入国制限など、最近トランプ大統領が連発している大統領令とはいったいどのようなものなのでしょうか。

英語ではExecutive Orderといいます。まず、この言葉の意味を理解することからはじめましょう。Executiveという単語ですが、もっとも一般的に使用されるのは、日本流にいえば会社などの上級管理職、正にエクゼクティブを意味する言葉ですね。この executive とは語源的には「物事を実行してゆく」ことを意味します。動詞は execute 。これは処置するとか、対処する、あるいは刑などを執行するという意味で使われます。

では、Executive Order といえばどういう意味になるでしょうか。政治の世界では、物事を実行してゆく場所は行政機関です。つまり、この言葉は「行政執行命令」ということになります。大統領は行政の長ですから、大統領が行政上の処断を決定して行政機関に命令をすることがExecutive Order なのです。

では、トランプ大統領の発令するExecutive Order は、絶対的な命令なのでしょうか。もちろん、大統領の命令ですから、それは大きな影響のある行為です。日本の一部の報道機関が、大統領令といっても、議会などの承認も必要なので、それを実施するには色々な手続きが必要だと解説しています。しかし、理論的にはその論説は正しくても、現実は違います。Executive Order は、時には違法ではないかと思われるグレイな部分でも緊急時の特別な措置であれば、かなりのことができる執行命令なのです。

日本にとって好都合。米英の再接近が中国にもたらす「大打撃」

オバマ政権時代、アメリカは何度もイギリスに裏切られ、長年続いた両国間の「特別な関係」が「最悪な関係」となってしまったのは周知の事実。しかし、無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者で世界情勢に詳しい北野幸伯さんは、トランプ新大統領にとって、EU離脱でナショナリズムに転じ始めたイギリスは「同志」でもあり、米英関係は改善されていくと見ているようです。さらにその流れは、日本にとっても喜ばしいことだ、とも。一体どういうことなのでしょうか。

米英の「特別な関係」は、なぜ復活するのか???

オバマ大統領の時代、アメリカと伝統的な親米国家、同盟国の関係が破壊されました。たとえば、アメリカとイスラエル、アメリカとサウジアラビア。これらの関係は、主にオバマがイランと「核合意」し、和解したことで悪化したのです。

しかし、もっとも衝撃的だったのは、「特別な関係」といわれるアメリカとイギリスの関係が、「最悪になったことでしょう。

イギリスは、3度アメリカを裏切る

原因は、主にイギリスにありました。イギリスは、少なくとも3回アメリカを裏切っています

1回目の裏切り。2013年8月、オバマは、「アサド軍が化学兵器を使った」とし、「シリアを攻撃する!」と戦争開始宣言をしました。イギリスとフランスもこれに同調していた。しかし、イギリス議会がこの戦争に反対した。アメリカは孤立し、「シリア戦争」を開始することができなくなりました。2013年9月、オバマは戦争を「ドタキャン」。結果、「史上最弱の大統領」と呼ばれることになります。

2回目の裏切り。イギリスが2回目に裏切ったのは、2015年3月のこと。そう、先頭を切って、中国主導AIIBへの参加を決めた。この時アメリカは、イギリスに「入るなよ!」と要求していた。ところが、イギリスは、オバマの制止を完全に無視したのです。

イギリスが「AIIB参加」を表明すると、他の親米国家もこれに続きました。フランス、ドイツ、イタリア、オーストラリア、イスラエル、韓国などなど。これらの国は、「アメリカを無視して」「中国の言うことを聞いた」。

「AIIB事件」は、「アメリカの弱体化」と「中国の影響力の強さ」を示す「歴史的大事件」でした。そして、イギリスの裏切りが、「歴史的大事件」を引き起こしたのです。

3回目の裏切り。2015年11月、人民元がIMF・SDR構成通貨に採用された件。これも、イギリスが積極的に支持したのです。

こうして、アメリカとイギリスの「特別な関係」は破壊されました。

ところで、なぜイギリスは、アメリカを裏切ったのでしょうか?

2回目(AIIB事件)、3回目(人民元SDR構成通貨入り)を見ると、イギリスは、中国の国益を後押ししていることがはっきりわかります。そう、イギリスは、「チャイナマネーでアメリカを裏切った。米英関係が最悪になる中、英中関係は2015年10月の習近平訪英以後、「黄金時代」と呼ばれていたのです。イギリスは、アメリカを裏切り、中国についた。

病院や薬局でもらうお薬、たくさん余ったらとって置いてもいいの?

いつもらったかわからない薬が家に余っている、ということはありませんか?

病院や薬局で出してもらった薬は、余ったらとっておいても問題ないものなのでしょうか?

今回は、ドラッグストアなどで自分で買う薬ではなく、病院や薬局で処方箋がでた上でもらう薬を中心にご説明していきましょう。

薬の正しい飲み方は必ず確認を

風邪薬やかゆみ止め、アレルギーの薬など、病院でもらう薬はさまざま。

「症状が治まれば、全部飲みきらずにとっておいていいの?」という疑問を持っている人は多いのではないでしょうか。

少し難しいのは、症状や薬の種類によって正しい判断をする必要があることです。

薬には、最後まで飲みきる方がいいもの、症状が出たときだけ使うもの、毎日飲み続けるものなど、いろいろな種類があります。

一概に余らせてもいいとは言えないため、正しい飲み方を医師や薬剤師に確認し、薬についてくる説明文もしっかり読むようにしましょう。

その中でも、家に残りがちな薬について、いくつか見ていきます。

毎日飲み続ける薬は?

高血圧や糖尿病、脂質異常症など、定期的に受診し毎日薬を飲み続ける必要がある病気もあります。

一方で、たまに飲み忘れてしまったり、受診のタイミングがずれて手元に多く残ってしまったりすることもあるでしょう。

薬は種類にもよりますが、適切な管理がされていれば、1~3年の使用期限があります。そのため、余っている薬を先に飲んだからといって身体に悪影響がでる可能性は高くありません。

ただし、場合によっては効果が減ったり、重複して薬を飲んでしまう危険性もあります。

定期的に飲み続ける薬が余ってしまったときには、医師と相談し、適切な数が手元に残るよう調節してもらいましょう。

目薬や湿布など、飲み薬以外のものは?

病院で出される薬には、目薬や湿布など、飲み薬以外のものもあります。これらも症状が治まれば使用頻度が減り、余りがちですね。

ただ、とっておくには注意が必要です。

目薬や湿布には使用期限が書いてありますが、それはあくまで未開封であることが前提です。一度開封した目薬はまつ毛や外気などに触れるため、長期間とっておくと清潔でなくなったり、成分が変化してしまう可能性があります。

また、湿布も封を開けた後に時間が経つと、効果が減ってしまいます。

余ってしまった場合は、あくまで未開封のものを、保管方法に注意してとっておくようにしましょう。

薬の管理は正確に

薬はつらい症状の強い味方ですが、扱い方を間違えると身体に毒となってしまうこともあります。

病院や薬局でもらった薬は、説明に従って正しく使用し、管理しましょう。

余ってしまった薬は、もったいないからと言って残したままにせず、もらった日付や使用期限に注意しておくことが大切です。

 

執筆:井上 愛子(保健師、看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
 

<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
 
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

 

image by: Shutterstock

 

【関連リンク】

【高円寺】ラーメン官僚が完成度の高さを讃えた、勝浦式タンタンメン【じもん】

日本全国に数多あるラーメンの中でもとっておきの一品を食べ歩きながら紹介する、ラーメン官僚かずあっきぃこと田中一明さん。豪華執筆陣による興味深い記事を1本から購入できて読める、まぐまぐの新サービス「mine」で無料公開中の、田中さんの記事から本日ご紹介するのは、東京・高円寺にある「麺処じもん」の勝浦式タンタンメン。今まで12,000杯のラーメンを食べ歩いたラーメン官僚が、「尋常ではない完成度の高さ」と褒め称えたお味は?

オススメ!【ラーメン官僚かずあっきぃの麺遊記】麺処じもん

麺処じもん@高円寺にて、勝浦式タンタンメン(辛さ普通)。

自分でも意外極まりないのだが、この場所の店舗が現在の屋号を宿してからは足を運んだ記憶がないので、おそらくは初訪問なのだろう。

どうやらはるか昔、2012年8月にオープンしていたようで、どうして今まで訪問せずに放置していたのか、理解に苦しむ。

この屋号になる前の店舗も、その更に前の店舗も、かなり早い段階に足を運んでいたはず。

にもかかわらず、同店に関しては…。完全に見落としていたということだ。

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「勝浦式タンタンメン」を「辛さ普通」でオーダー。

ちなみに、勝浦式タンタンメンとは、千葉県勝浦市を発祥の地とするご当地麺。

名称こそ「担々麺」であるが、醤油ラーメンに大量のラー油をぶっ掛けた、一般的な担々麺とは全く別種のラーメンだ。

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さて、この1杯。

端的に結論から申し上げれば、これは尋常ではない完成度の高さ!

舌蕾を心地良く刺激する上質なうま味を土台とし、そこに絶妙な塩梅で辛みが乗り掛かる。

ひと口で頬が落ちそうになる鉄壁の味わいだ。

搭載される挽肉とタマネギの分量もたっぷり。しかも、あたかもスープの一部であるかのごとく、スープにしっとりと溶け込んでいる。

これはもう、レンゲを持つ手が止められない!

もしかすると、現存する高円寺エリアのラーメン店の中では、屈指の高水準を誇るのではないか。

未食の方は、是が非でも足を運んでいただきたい。

 

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DATA

麺処じもん

営業時間 【平日】11:30~15:00 19:00~23:00 【土・日・祝】11:30~15:00 19:00~23:00 ※スープが無くなり次第、終了
住所 東京都杉並区高円寺南4-7-13 仲野ビル 1F
定休日 不定休

 

じわじわくる。キューブ型に加工された動物写真

#AnicubeというハッシュタグがSNSを賑わせています。”Anicube”とはアニマルキューブの略で、ずばりキューブ型になった動物たちのこと。形が四角になっただけで、動物の印象が全然違ってみえて、「笑える!」、「面白い!」と海外のメディアもこぞって取り上げています。じわじわ笑いがこみ上げてくること間違いなしですよ!

キューブ型の動物たちが大集合

ふくろう
これを手がけたのは、インドネシア在住のAditya Aryantoさん。もともとキュービック型の形に興味があったAdityaさんは、Photoshopで動物たちの形を四角に加工をし始めたそうです。
「正直に話すと、他の誰かが作った同じような作品をみたことがあるので、”Anicube”自体は私のオリジナルなアイデアではありません。でも、これまであまり作られてこなかったので、私はうまくキューブに加工してみたんです。そうすると、たくさんの友人が興味を持ってくれて、面白いといった反応があったので、たくさんのAnicubeシリーズを作りました」。
 
ハムスターや犬、フクロウなどの小型の動物から、馬や熊、虎などの大型動物までもが、四角に!
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しろくま
 
ぺんぎん
とり1
くま
 

韓国、対馬の仏像返さない「愛国判決」の薄すぎる根拠

長崎県対馬の寺院から盗み出され、韓国に持ち込まれた仏像の返還を巡る裁判で、本来の所有者である韓国の浮石寺へ引き渡すよう命じる判決を出した韓国・大田地裁。日本人にとってはどうにも理解しがたいこの判決ですが、メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では、国民感情に迎合する韓国の司法の場において、日本に有利な判決や判断が出るはずがないとした上で、今後、韓国のみならず中国、北朝鮮といった国家といかに対峙するかが主要命題になってくると記しています。

【韓国】窃盗仏像を「倭寇の略奪」と決めつけた韓国

対馬仏像:専門家「略奪文化財認定、韓国は国際的な信用を失った」

1月26日、2012年に韓国窃盗団によって日本の対馬の観音寺から盗まれ韓国に持ち込まれた観世音菩薩坐像に対し、韓国の大田地裁は、「14世紀に倭寇によって略奪された可能性が高い」ということで、仏像を保管している韓国政府に対して、所有権を主張する韓国の浮石寺への引き渡しを命じました

このニュースは日本でも大きく報じられ、釜山の慰安婦像問題に加えて日本人の嫌韓感情を増大させましたが、韓国でもこの判決はさすがにまずいと思ったのでしょう、国内の専門からも「略奪されたという確証がなく、韓国人が盗んできたことがはっきりしている文化財を韓国のものだと主張するのは国益のためにならない」という声があがっています。

この観世音菩薩坐像に対しては、2013年に浮石寺が「倭寇に盗まれたもの」として占有移転禁止の仮処分を申し立てしたのが事の始まりです。そして大田地裁はこの申請を受理し、「日本の観音寺が仏像を正当に取得したことを証明するまで日本に仏像を返還しない」という、信じられないような判断を示したのでした。

どのような経緯で日本側に渡ってきたのかを示す証拠を出せというわけですが、数百年も昔のことについて、正当な受け渡しがあったことを証明しろというほうが無茶な要求です。

朝鮮半島では14世紀に高麗朝から李氏朝鮮へと王朝が交代しましたが、それにより儒教が国教となったことで仏教は徹底的に弾圧されました。寺院は徹底的に破壊され、僧侶は賤民階級に落とされたのです。そうした弾圧の難を逃れて、対馬に渡ったと考えるほうがよほど説得力があります。

仏教はインドから西域を経由して、後漢の約1世紀前後に中国をはじめ、北亜、東亜などユーラシア大陸の東半分に伝わり、「北伝仏教」と称されました。朝鮮半島でも高句麗、百済、新羅など三国の時代から、仏教王国の高麗朝に至るまで栄えていました。

しかし大仏教文明圏の衰退は、中洋(中央アジア)のイスラム文明の興起という理由とともに、中国の北魏(446年)、北周(574年と575年)、唐(845年)、後周(955年)における「三武一宗」の仏教弾圧により、決定的になりました。

とくに朝鮮半島の廃仏毀釈はもっとも過激で、仏像や仏寺を潰すのみならず、寺院の周辺の茶園では茶の木が根こそぎ抜き捨てられました。寺廟の仏像の代わりには、明の皇帝をはじめ、孫悟空や猪八戒が神として祀られました。仏像は地下に埋められるか木っ端微塵に叩き壊されたのです。

消え行く24時間営業。なぜ深夜のファミレス需要は減ったのか?

ファミリーレストランが、今、続々と24時間営業から撤退していることをご存知でしょうか。その一番の理由は、従業員の「ワークライフバランスの推進」ということで間違いないようですが、飲食店が抱える深刻な裏事情も影響しているようです。無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』の著者で店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんが詳しく分析しています。

ロイホで24時間営業が終了、ファミレス業界は新たな時代へ

佐藤昌司です。「ロイヤルホスト 府中東店」は1月末日、24時間営業を終了しました。これをもって、ロイヤルホストでは全221店舗で24時間営業がなくなりました

これはファミレス業界が新たな時代に突入したことを表す象徴的な出来事といえます。ロイヤルホストを運営するロイヤルホールディングス(HD)はさらなる営業時間の短縮と定休日の導入も検討しています。

ファミレスにおける営業時間の短縮が相次いでいます。ファミレス最大手の「すかいらーく」は2016年12月15日、主力の「ガスト」や「ジョナサン」を中心に約750店舗の営業時間短縮を進めると発表しました。原則、深夜2時閉店朝7時開店とします。1月中旬から順次4月までに行う予定です。

すかいらーくは営業時間短縮の主な理由として「ワークライフバランスの推進」を挙げています。従業員の健康に配慮した職場の整備が目的といいます。これは政府の働き方改革に呼応した動きといえるでしょう。政府は現在、働き方改革を推進しています。労働環境を改善し、仕事の仕方を効率化することで企業の生産性を上げる試みです。

群馬の片隅で始めた老舗のパン屋が、スイーツ女子をときめかせるワケ

「自分の会社、お店がどの戦場で戦うのかという定義づけは、ひとりよがりにならないためにも非常に重要である」とするのは、無料メルマガ『MBAが教える企業分析』の著者・青山烈士さん。そんな青山さんが今回注目したのは、創業60年のパン屋さんが打って出た新たな戦場で成功を収めつつある「メロンパン専門店」です。はたしてこのお店、どのような戦略・戦術で存在感をアピールしているのでしょうか。

どこで戦うのか?(戦場はどこか?)

メロンパン専門店で注目されている企業を分析します。

メロン・ド・パーネ(メロンパン専門店)

「メロン・ド・パーネ」は創業六十年の歴史を持つ群馬県のパンメーカー「グンイチパン」のメロンパン専門ブランドです

戦略ショートストーリー

メロンパン好きな方をターゲットに群馬県のパンメーカー「グンイチパン」のノウハウに支えられた「豊富な種類の美味しいメロンパンが楽しめる」という強みで差別化しています。

材料、味に妥協せず、完成度の高いメロンパンを提供することはもちろん、継続的に新商品をリリースすることで、顧客の支持を得ています。

■分析のポイント

どこで戦うのか?(戦場はどこか?)

「メロン・ド・パーネ」は、どこで戦っているのかというと、「グンイチパン」は「メロン・ド・パーネ」をメロンパン専門店として出店していますが、「スイーツ好きのパン屋さん」と看板にも書かれているとおり、主にスイーツの戦場で戦っています。要するに、自分たちをただのパン屋ではなく、スイーツのお店と位置づけたということです。

一般的なパン屋は、食パンやサンドイッチ、総菜パン、菓子パンなど様々なパンを取り揃えていますが、多くの顧客はパンを食事(主食)として購入しています。ということは、パン屋の競合は、パン屋だけでなく、ご飯類を扱うお店や麺類を扱うお店などが競合になりえます。例えば、今日のお昼は、パンにしようか、弁当にしようか、ラーメンにしようかなどと、顧客の頭のなかに浮かんだ食事の選択肢が競合になります。

では、スイーツのお店の場合、基本的に主食ではなく、おやつ(軽食)になるでしょう。スイーツが主食の方もいるかもしれませんが…。おやつということは、お菓子やコンビニ各社が力を入れているコンビニスイーツ、コージーコーナーなどの洋菓子店が競合になりそうです。自店の位置づけを変えるだけで、戦う相手(競合)が大きく変わっていますね。

つまり、「グンイチパン」は「メロン・ド・パーネ」という新しいお店を通じて新しい市場戦場に打って出たということなのです。言い換えれば、「グンイチパン」にとって、「メロン・ド・パーネ」が新たな成長の機会になると判断したということです。

今回の事例のように自社・自店がどこで戦うのかを定義づけすることは非常に重要です。なぜなら、戦略上、どこで戦うのかが「あいまい」であるということは誰と戦うのか(競争相手)も「あいまい」ということになりますので、競合との差強みを示すことが困難になります。あたりまえですが、このような「あいまい」な戦略では、競争優位を築くことはできません。

そして、顧客が自社・自店をどうみているかも重要になります。自分たちはスイーツのお店だと思っていても、顧客が同じように思っているとは限りません。ですから、ひとりよがりにならないように、顧客の視点も考慮しつつ自社・自店の戦場を定義することが求められます。

「メロン・ド・パーネ」はスイーツ好きの方に人気の店となっているようですので、しっかりと戦場を定義づけできているといえるでしょう。FC展開もしていくようですので、今後、店舗数が増えていくことを楽しみにしています。

買収が生んだ破産劇。トランプ氏「プラザホテル」への異常な愛情

米国の新大統領に就任したドナルド・トランプ氏。日本のマスコミでは「不動産王トランプ」などと、出馬前は敏腕ビジネスマンとしての経歴を紹介することが多かったのですが、実は過去に4度も破産を経験していたことはご存知でしょうか? 2月5日創刊の有料メルマガ『「ニューヨーカーたち」 by ケニー・奥谷』(初月は無料です)の著者で、NYのプラザホテルにてアジア地区営業部長を務めたケニー・奥谷さんは、トランプ氏が破産する要因となった「プラザホテルへの溺愛」ぶりを紹介。トランプ氏がいかにして世界最高のホテルを手中に収めていったのかを明かしています。

ニューヨークホテル物語  「不動産王トランプ氏とプラザホテル」

【プラザホテルに恋したトランプ氏】

7歳の時だったと思う。両親と一緒にプラザホテルに来て、パームコートでランチを食べたんだ。それ以来、プラザのことは忘れられなかった。大学を出てから買いたい物件リストがあった。プラザはいつもナンバーワンだった。

これはドナルド・トランプ氏がプラザホテルのオーナーだった1993年に語ったこと。後に「ザ・プラザ」を出版することになるウオード・モアハウス氏のインタビューに応えたときのものだ。

マンハッタンの中央を縦に走る目抜き通りがフィフスアベニュー。そのアベニューはセントラルパークの最南端59ストリートを境に、北方向はミュージアムがひしめきあうミュージアムマイルに、南方向は世界の一流ブランドが乱立するブランド街へと姿を変える。その真ん中に立つフレンチルネッサンスシャトースタイルのホテル、ザ・プラザ(プラザホテルの正式名称)

これほどニューヨークを代表する豪華ホテルは他には無いと言っても過言ではない。トランプ氏が、たとえ破産を経験することになろうとも、手に入れたかったのは無理もなかった。

1975年、ウエスタン・インターナショナル・ホテルズ(後のウエスティン・ホテルズ)がプラザホテルを25ミリオンダラーで購入。その1年後トランプ氏は当時の総支配人フィリップ・フューズ氏にプラザホテルを購入したいと話をもちかける。「いくらまで出せるんですか?」というフューズ氏の問いに「50ミリオンダラーまでならだします」と言ったという。

昨年払った額の2倍のオファーを無碍にはできず、フューズ氏はシアトルの本社に電話を入れた。

だが、ウエスタン・インターナショナル・ホテルズにフラッグシップのプラザホテルを手放す意思はなかった。トランプ氏は聞いたという。「一体いくらなら売ってくれるんですか?」「100ミリオンダラーなら」というフューズ氏の応えは“売るつもりはない”という意思表示に等しかった。

科学も証明。日本の漢字教育が育む、子供の心と高い知能指数

外国の方からよく「難易度が高い」と言われる日本語。その理由として漢字、ひらがな、カタカナの使い分けが挙げられますが、今回の無料メルマガ『Japan on the Globe-国際派日本人養成講座』で紹介されている小学校教師の石井勲氏は、あることをきっかけに「漢字」に子どもの能力を伸ばす不思議な力があることに気付き、「石井式漢字教育」を編み出したと言います。「幼児に漢字は難しい。まずはひらがなから」は誤りなのでしょうか。

子どもを伸ばす漢字教育

きっかけは偶然だった。小学校教師の石井勲氏が炬燵に入って「国語教育論」という本を読んでいた。そこに2歳の長男がよちよち歩いてきて、石井氏の膝の上に上がり込んできたので、氏は炬燵の上に本を伏せて置いた。

その時、この2歳の幼児が「国語教育論」の「という漢字を指してきょうと言ったのである。びっくりして、どうしてこんな難しい字が読めたんだろう、と考えていると、今度は隣の「の漢字を指していくと言った

石井氏が驚いて、奥さんに「この字を教えたのか?」と尋ねると、教えた覚えはないという。教えてもいないものが読めるわけはない、と思っていると、奥さんが「アッ! そう言えば一度だけ読んでやったことがある」と思い出した。奥さんは音楽の教師をしており、「教育音楽」という雑誌を定期購読していた。ある時、息子が雑誌のタイトルを指で押さえて、「これなあに?と聞くので一度だけ読んでやったような記憶がある、というのである。

そんなこともあるのか、と半信半疑ながら、ひょっとしたら、幼児にとって漢字はやさしいのかもしれない、と石井氏は思いついた。ひらがなは易しく漢字は難しい、幼児に教えるものではない、と思いこんでいたが、実はそうではないのかもしれな い。これが石井式漢字教育の始まりだった。

漢字学習で幼稚園児の知能が伸びた!

それから石井氏は昭和28年から15年にもわたって、小学校で漢字教育を実践してみた。当初は学年が上がるにつれて、子どもの学習能力が高まると信じ込んでいたが、実際に漢字を教えてみると、学年が下がるほど漢字を覚える能力が高いことが分かった。

そこで今度は1年生に教える漢字を増やしてみようと思った。当時の1年生の漢字の習得目標は30字ほどだったが、これを300字ほどに増やしてみると、子供たちは喜んでいくらでも吸収してしまう。それが500字になり、とうとう700字と、小学校6年間で覚える漢字の8割かたを覚えてしまった

ひっとしたら就学前の幼児は、もっと漢字を覚える力があるのかもしれない。そう思って昭和43年からは3年間かけて、幼稚園児に漢字を教えてみた。すると幼児の漢字学習能力はさらに高いということが分かってきた。同時に漢字学習を始めてからは幼児の知能指数が100から110になり、120になり、ついには130までになった。漢字には幼児の能力や知能を大きく伸ばす秘密の力があるのではないか、と石井氏は考えるようになった。

複雑でも覚えやすい漢字

どんな子どもでも3歳ぐらいで急速に母国語を身につけ、幼稚園では先生の話を理解し、自分の考えを伝えることができる。この時期に言葉と同時に漢字を学べば、海綿が水を吸収するように漢字を習得していく、というのが石井氏の発見だった。漢字は難しいから上級生にならなければ覚えられない、というのは、何の根拠もない迷信だったわけである。

同時に簡単なものほど覚えやすい、というのも、誤った思いこみであることが判明した。複雑でも覚える手がかりがある方が覚えやすい。たとえば「耳」は実際の耳の形を表したもので、そうと知れば、簡単に覚えられる。「みみ」とひらがなで書くと画数は少ないが、何のてがかりもないのでかえって覚えにくい。

石井氏はカルタ大の漢字カードで教える方法を考案した。「机」「椅子」「冷蔵庫」「花瓶」などと漢字でカードに書いて、実物に貼っておく。すると幼児は必ず「これ、なあに?」と聞いてくる。そこではじめて読み方を教える。ポイントは、遊び感覚で幼児の興味を引き出す形で行うこと、そして読み方のみを教え書かせないことである。漢字をまず意味と音を持つ記号として一緒に覚えさせるのである。

抽象化・概念化する能力を伸ばす

動物や自然など、漢字カードを貼れないものは、絵本を使う。幼児絵本のかな書きの上に、漢字を書いた紙を貼ってしまう。そして「鳩」「鴉」「鶏」など、なるべく具体的なものから教えていく。すると、これらの字には「鳥」という共通部分があることに気づく。幼児は「羽があって、嘴(くちばし)があって、足が2本ある」のが、「鳥」なのだな、と理解する。ここで始めて「鳥」という「概念」が理解できる。

これが分かると「鶯」や「鷲」など、知らない漢字を見ても、「鳥」の仲間だな、と推理できるようになる。こうして物事を概念化・抽象化する能力が養われる

またたとえば「右」、「左」など、抽象的な漢字は「ナ」が「手」、「口」は「くち」、「工」は「物差し」と教えてやれば、食べ物を口に入れる方の手が「右」、物差しを持つ方の手が「左」とすぐ覚えられる。そう言えば、筆者は小学校低学年の時、右と左の字がそっくりなので、どっちがどっちだか、なかなか覚えられなかった記憶があるが、こう教わっていたら瞬時に習得できていただろう。