カネの無い中国など用はない。欧州に吹き荒れ始めた「反中」の風

3月22日、EU首脳会談で貿易不均衡是正や次世代5G通信網など「対中国対策」が話し合われましたが、欧州の一致団結は実現するのでしょうか。今回、国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんは自身の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で、中国の武器だったチャイナマネーの威力は年々衰え、近年は民族弾圧行為への非難も高い為、EUも米国同様、反中に移行するのは時間の問題だろうと記しています。。

マクロン「中国に甘い考え抱く時代終わった」

第2次大戦前、西欧の大国は揺れていました。ヒトラーの動きにどう対処するか悩んでいたのです。ある人は、こう考えました。

「ヒトラーのドイツが強くなっても問題ない。彼は、共産ソ連の侵略を防ぐ防波堤になってくれるだろう」

一方で、ヒトラーの本性を見抜き、「彼は危険すぎる!いまのうちにつぶしてしまわなければならない!」と主張する人たちもいました(例:チャーチル)。

今、欧州は、100万人のウイグル人を強制収容所にぶちこんでいる中国とどうつきあうかで割れていますイタリアのようにチャイナマネー欲しさに、習近平に接近する国がある。しかし、大勢は右往左往しながらも徐々に反中の方向にむかっているようです。

悩む欧州

産経新聞3月23日付を見てみましょう。

欧州連合(EU)の加盟国は22日、ブリュッセルで行われた首脳会議で、経済・政治的な影響力を増大させる中国への新たな戦略を協議し、貿易の不均衡是正などに向けた対応を進めることで一致した。EUのユンケル欧州委員長は「中国はパートナーと同時にライバル。この状況に適応せねばならない」と述べた。首脳会議の声明によると、中国対応を念頭に、EUの行政執行機関の欧州委員会は年末までに域内市場を歪ませる国有企業や国家補助への対処をまとめる。政府調達分野での互恵的な市場開放を求め、第5世代(5G)移動通信システム整備での安全保障確保のため、共通の対策もとる。

ようやくEUも少しアメリカ的な対応になってきたようです。

欧州では近年、不公正な中国市場への不満や中国による欧州企業の買収などへの警戒が高まっている。5G整備では米国が中国通信大手の華為技術(ファーウェイ)の排除を求めるが、加盟国には温度差もあり、対応は一様ではない。このため欧州委は先立つ12日、中国をパートナーであると同時に「競争相手」と位置づけ具体的な行動を盛り込んだ10項目の「戦略見解」を公表。首脳会議が議論の土台とした。フランスのマクロン大統領は22日、「欧州が(中国に)甘い考えを抱く時代は終わった」と強調した。
(同上)

マクロンさん、「欧州が、(中国に甘い考えを抱く時代は終わった」そうです。ただ、すべての国がそう考えているわけではないのですね。

ただ、中国との経済関係を重視する加盟国も多く、EUの結束維持は難しい。首脳会議ではイタリアの巨大経済圏構想「一帯一路」の覚書署名についても意見が交わされ、ドイツのメルケル首相は「差し当たり批判しないが、協調対応の方がはるかによいと、私らはこれまでに話し合ってきた」と不満をにじませた。
(同上)

イタリアは中国と一帯一路の覚書を交わした。

新年度あるある「名刺交換」と「握手」は心理学で攻略せよ

4月は新年度スタートの記事で、入社・入学や異動など新生活がスタートする人が多い時期。そのため、初対面の人に挨拶する機会が一気に増えますが、名刺交換や握手などの挨拶アクションをきっかけに相手との心理的距離を縮めることができると説くのは、心理学者でメルマガ『富田隆のお気楽心理学』の著者、富田隆さんです。人と仲良くなるための「距離」の縮め方を心理学的に解説します。

名刺交換と握手の共通点とは

いよいよ3月。日本では年度末。出会いと別れの季節ですね。名刺交換をしたり、握手をしたり。こうした「挨拶の回数が増えるのもこの季節。名刺交換はもっぱら日本流のビジネスマナー。しかし、挨拶のついでに自分のビジネス情報を相手に渡せる便利さから、今やグローバルに拡がりつつあります

一方、ヨーロッパ・アメリカ発の握手という挨拶も、いつの間にか日本でも定着しつつあります。なぜか日本では別れ際の握手(またお会いしましょうの握手、ありがとうの握手)が人気のようです。
名刺交換と握手は、どちらも「挨拶」ですが、心理学的に見ると、親密な関係を築く上で、両者には、ある共通な機能が秘められていることに気づきます。

それは、相手と自分の距離を縮めるという機能です。

物理的な距離を縮めて親密度を増す儀礼

距離を縮めるという場合、心理的に親しくなるという意味と、文字通り物理的な距離を縮める(近づく)という意味の二つが考えられます。
実は、この両者には密接な相互作用が働いているのですが、それは後ほど説明させていただくこととして、まずここで問題にするのは「物理的な距離」です。

握手をするためには、お互いの手が届く距離に近寄る必要があります。
初対面の場合、日本の場合でしたら相手との距離が一番近くても1m、遠い場合でも3m以内で紹介されたり自己紹介をすることになりますね(アメリカやヨーロッパでは1.3m~3.6mとやや遠くなります)。

ところが、これだと握手をしようにも手が届きません。そこで、手を握れるように、お互い一歩ずつ相手の方に近づくわけです。すると、二人は1m以内の空間を共有することになります。

握手は、手を握り合うというスキンシップで親近感を高めるだけでなく、お互いの物理的距離を縮めることによっても親密度が増す儀礼」だったのです。

名刺を交換するのにも近づく必要がある

名刺をお互いに交換する場合でも、両者が1m以上離れたままだと、伸縮自在のマジックハンドが必要になります。
そんなもので名刺を渡しても親しくはなれません・・・、というより、相互の不信感が増すだけですので、ここはお互いに一歩ずつ歩み寄ることになります。

離れた位置から相互に接近して、1m以内の空間を共有するための儀礼」という点では、握手も名刺交換も同じ機能を備えています。

明治以降の近代化の過程で、それまで「非接触系」の文化を守っていた日本人に「接触系」の握手やハグといった西欧流の挨拶は受け入れにくかったのでしょう。そこで、握手代わりに普及したのが、初対面における名刺の交換です。

名刺は古代中国の発明ですが、当初は訪問する相手の門前の箱に名前を書いた札(刺)を入れて案内を乞うというような取り次ぎ用のものだったようです。今日の使い方とは随分違いますね。そして日本流の、挨拶としての名刺交換は、今や世界のビジネスシーンを席捲しつつあります。

ユリ・ゲラー「EU離脱を超能力で止める宣言」はトンデモじゃない

世界的に注目を集めている英国のEU離脱問題について、かつてスプーン曲げなどで日本に超能力ブームを巻き起こしたユリ・ゲラー氏が「EU離脱を超能力で止める」と声明を発表し話題になっています。これについて、このニュースを笑い話にして片付けてはいけないと警鐘を鳴らしているのが、人気有名ブログ「きっこのブログ」の著者にして、メルマガ『きっこのメルマガ』を創刊したばかりの「きっこ」さん。きっこさんが英語で書かれた全文を読み解いた内容について、メルマガ記事を一部抜粋した「チョイ見せ」でご紹介します。

ユリ・ゲラーさん記事をトンデモニュースだと勘違いする日本人

英国は今、EU離脱問題で大騒ぎになっていますが、3月24日付の時事通信が次の記事を配信しました。皆さんは、この記事を読んでみて、どのような印象を受けたでしょうか?

「ユリ・ゲラーさん、EU離脱を超能力で止めると宣言」(2019年3月24日)

【ロンドン時事】スプーン曲げで有名な自称「超能力者」のユリ・ゲラーさんが、英国の欧州連合(EU)離脱を超能力で止めると宣言した。
英EU離脱はさまざまな政治的力学が働く中で行き詰まっているが、「超能力」で英国が進む方向を曲げられるかに関心が集まっている。ゲラーさんは22日、
フェイスブックの公式アカウントにメイ首相への公開書簡を投稿。その中で「ほとんどの英国人がEU離脱を望んでいない、と心霊的に非常に強く感じる」と訴え、
「あなたが英国をEU離脱に導くのを私は許可しない。私が超能力でそれを止める」と表明した。ゲラーさんはイスラエル生まれだが、英国のメイ首相の選挙区内に住んでいたのが縁で、20年以上にわたって首相と交友があるという。メイ氏の首相就任も「予言した」と主張している。ゲラーさんの投稿に対しては多くのコメントが寄せられ、「もう既に議員の多くは折れ曲がり転向している」などと指摘する声も上がっている。【時事通信社】

時事通信が配信したこの記事を、そのままニュアンス通りに読んだとしたら、この記事の本意を正確に受け取ることができた人は少数だったと思います。
そして、大半の人は、面白おかしい海外の「トンデモ記事」のひとつのように感じたと思います。それは「自称超能力者」という表現を始め「心霊的に非常に強く感じる」や「予言した」など、この記事を書いた記者自身が超能力など存在しないという立場から書かれたような記事だからです。そして、この記事に書かれた内容を鵜呑みにした人たちは「まだユリ・ゲラーはこんなことをやっていたのか」という結論に達し、この記事に関する思考を停止してしまうのです。

でも、本当にそれでいいのでしょうか?

上手く話せなかったと悩む人に贈る、失敗しない説明のテクニック

人前で話すあらゆるシーンに役立つプロの技を伝えてくれるメルマガ『話し方を磨く刺激的なひと言』の著者で、現役アナウンサーの熊谷章洋さん。今回は…前回の記事「話しながら頭の中を整理する会話術」を踏まえ、話のネタになりそうな要素を羅列しながら、話すべきテーマを絞り込んで膨らますテクニックについて解説しています。

説明や意見を述べるとき、出来不出来が生まれる理由

自分の話し方に不満がある人でも、たまたまうまく話せた経験があることでしょう。例えば、仕事で上司から、〇〇の件について、口頭で報告してくれ、と言われたとき。

〇〇の件のうち、自分が把握している現状の中で、上司に報告して共有しておくべき情報を、うまく表現できて、聞き手の上司が満足し、自分の頭の中もスッキリした。

こういう時もあるのに、逆に、頭がボンヤリしてしまって、話してスッキリできない時もある、むしろそちらの方が多い…。おそらく、過去の成功体験があるからこそ、余計に、できないときとのギャップを不満に感じることでしょう。

なぜこういった、話し方における、出来不出来が生まれるのでしょうか?もちろん、話すテーマ自体への理解が不足している、というような根本的な問題、この点においては、理解が不足していること自体を認識できていないケースも考えられます。あるいは、その時々の環境の違いに左右されていることもあるでしょう。

大勢の人が聞いている前で話さなくてはいけなかったり、聞き手である上司がいつもより偉い人だったり、部下も同席したため、カッコイイところを見せたかったり、話をするその場所が、ざわざわしていて集中できなかったり、と、外的環境から受ける精神的な圧力、それに対抗しようとする「自意識」が、自分の話し方に影響していることは、これまで何度も繰り返し、お伝えしてきました。

簡単に言うと、「主語が私になっているとき」でしたよね。「私は」失敗できない、うまく話したい、というような自意識のことです。それが、緊張するということです。緊張してダメダメだった過去を思い出してみてください。間違いなく「主語が私」になっているはずですから。

こういう自意識から自然に解放され、話す内容に集中でき、「相手のための話」ができたときに、たまたまうまく話せた、と、結果、満足することもあると思います。

「主語が私」という自意識から解放される方法などの話は、ぜひ過去記事でご覧いただければと思います。

名選手、名監督にあらず。新人教育は若手の社員に任せるべき理由

多くの企業が、「10年以上勤務しているベテラン社員が新人教育係として最適」と考えているのではないでしょうか。しかし、それは逆に新入社員を萎縮させる可能性がある、とするのは人気コンサルタントの中久保浩平さん。中久保さんは自身の無料メルマガ『ビジネス真実践』でその理由を記すとともに、無理なく社員の力を伸ばす新人教育法を紹介しています。

新人教育は若手に任せよう

1つの会社に10年以上も勤めると知識も経験も膨大に蓄積され部下を指導したり、教育を任せられたり…というケースがあるかと思います。

このようなベテランの人が新人教育を行うと新人は圧倒され、「自分はこんな風になれない」「この仕事はやっぱり自分には向かない」などというネガティブな感情がわきあがってしまう…。

ちょっと強引かもしれませんが、こいうようなことも往々にしてあるのです。

入社したての最初の時期にドバァァーーーと知識を詰め込もうとされると、拒絶反応を起こします。それではせっかくの新人教育も台無しに…。

名プレーヤー、名将に非ず、という言葉もあるように必ずしも、知識も蓄え実績もそれなりに積んできたベテランが、教育という仕事に向いているかと言われればそうではありません。自らがプレーヤーとなって結果を出すのと人を指導・教育してその人に結果を出してもらうのとでは性質が違うからです。

「自分のころは朝駆け闇討ちの営業が当たり前だったよ。だからお前もそれで頑張れ」とか、「このマニュアルをよく読んで、そのとおりにやってね」というのは指導でも教育でもありません。つまり、自分にとって当たり前のことは新人にとっては当然ながら当たり前のことではない」のです。この感覚、意識を持っていなければ育つものも育ちません。

なぜホカ弁屋で「のり弁当」だけがこんなにも売れ続けるのか

お弁当屋さんの定番といえば、「のり弁当」。他のお弁当に比べて見た目はチープではありますが、長い人気を誇る商品となっていますよね。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では著者で人気コンサルタントの佐藤きよあきさんが、安さだけにとどまらない「のり弁当」の人気の秘密について考察しています。

“ほか弁屋”の「のり弁当」は、なぜ売れ続けているのか?

庶民なら一度は食べたことがあるであろう、ほか弁屋さんの「のり弁当」。

ご飯の上に、昆布の佃煮もしくは醤油和えのかつお節をのせ、焼き海苔をかぶせた本体。その上に、白身魚のフライと竹輪の天ぷら、きんぴらがのり、さくら漬けか大根の甘酢漬けが添えられています。

見ためにはチープですが、間違いのない安定した美味しさがあり、長年に渡る人気商品です。「ほっかほっか亭」「ほっともっと」「かまどや」などのチェーン店では、300~340円程度で販売されています。

「のり弁当」が一番よく売れるというお店も多いのです。不況の中では、この安さも人気の要因ではありますが、それだけではありません。

「すごく美味しい」「めっちゃ旨い」という存在ではありませんが、心にほのかな明かりが灯るような温かな味がします。

特別なものは何も入っていません。

安い素材ですが、もっとも美味しい調理法を選んでいます。淡白な白身魚は、フライにすることで脂の旨味を足しています。竹輪はそのままでは“おかず”になりにくいものですが、天ぷらにすることで、練り物のコクを引き出しています。ごぼうと人参のきんぴらは、和総菜の定番です。

このお弁当のもっとも美味しいところは、昆布もしくはかつお節と海苔とご飯の組み合わせです。白ご飯に合うものの王道として、昔から親しまれてきた味なのです。安っぽいと感じる人もいるでしょうが、庶民ならどこか懐かしく、ガツガツと食べてしまうほど、美味しいはずです。

ほか弁屋の人は言います。

お金のない人にもしっかりと食べてもらいたいから安い価格で提供している

これがほか弁屋さんの原点であるがゆえに、いまだ安く提供しているのです。

この信条は、どこか母親に通ずるものがあります。お金もなく、決して料理上手とも言えない母親が、子どもの成長を願い、不器用ながらも一所懸命に作ってくれたお弁当に似ています。

アルマイトの弁当箱に、ギュウギュウに詰められたご飯。白ご飯では寂しいから、昆布や海苔をのせる。少ないおかずを豪華に見せるために、ご飯の上に並べる。腹を空かせた子どもには、なによりのごちそうです。

「のり弁当」には、そんな郷愁があります。母親の愛情のようなものを感じるから美味しいのです

image by: MAG2 NEWS

かなりやっかい。副業してる社員「時間外労働」の上限規制は?

4月から施行される、時間外労働の上限規制。各企業とも対策を進められているかと思いますが、現役社労士の飯田弘和さんは、「兼業を認めている会社」に対して注意を促しています。社員が兼業をしている場合、この時間外労働のルールがかなり複雑なものになるとのこと。飯田さんは今回、自身の無料メルマガ『採用から退社まで! 正しい労務管理で、運命の出会いを引き寄せろ』で、その詳細について解説しています。

時間外労働の上限規制と副業について

この4月から、時間外労働の上限規制が罰則付きで施行されます。時間外労働の上限は、原則として、月45時間・年間360時間となります。ただ、臨時的な特別の事情があった場合には、この上限を超えることが可能です。それが「特別条項」と呼ばれるものです。

ただ、特別条項にも上限があります。まず、回数について。月45時間を超える時間外労働が行えるのは年間6回6か月までです。そして、月の上限時間は、時間外労働と休日労働を合わせて「月100時間未満」となります。さらに、年間の上限時間は、時間外労働について「年720時間以下」となります。この範囲内で、会社と過半数労働組合あるいは従業員の過半数代表者との間で協定を結んで頂き、その協定に定めた時間の範囲内で、残業や休日労働を行うことになります。

そしてもう1つ、気を付けなければならない新ルールがあります。それは、時間外労働と休日労働の合計について、「2か月平均」「3か月平均」「4か月平均」「5か月平均」「6か月平均」のすべてにおいて1月当たり80時間以内に収めなければなりません。

【動画】新品TVの保護シールを気持ちよく剥がしてたら…悲劇が!

新品のスマホや携帯ゲーム機、テレビなどのガラス・液晶製品の表面に貼ってある保護フィルムやシール。あれを剥がす瞬間はなんとも言えない快感だ。

こちらの動画でも、新品テレビの縁に貼ってあった保護シールを剥がしていたら・・・

 

 

テレビ画面上部にあるシールをペリペリと剥がしていく。気持ち良さそうだ。

しかし剥がし終える寸前に悲劇が!

テレビの角までシールが剥がされると、シールにつられてテレビがバランスを崩し・・・

そのままテレビ台の下に落下してしまった。これはショックすぎる。

画面が割れてしまったにしろ無事だったにしろ、決して安くはないであろう新品のテレビを派手に落としてしまった絶望感は計り知れない・・・。

 
(※↓詳しくはコチラへ)
参照・画像出典:YouTube(RM Videos)
(本記事は上記の報道や情報を参考に執筆しています)

 

記事提供ViRATES

任天堂やソニーを襲うGoogle参入の衝撃。これは他人事ではない

海外のメディアのニュースを、日本のマスコミではあまり報じられない切り口で本当はどういう意味で報じられているのか解説する、無料メルマガ『山久瀬洋二 えいごism』。今回は、グーグルのインタラクティブゲームサービス開始に衝撃を受けるゲーム企業について解説しています。

「ものづくり」という言葉に依存しすぎた日本人

New technology will not necessarily replace old technology, but it will date it.

訳:新しい技術が古い技術にとってかわる必然性はない。ただ、古い技術がそのまま古くなるだけのことだ(Steve Jobs)

【ニュース解説】

グーグルが新しいインタラクティブなゲームのサービスを開始するというアナウンスは、任天堂やソニーといったゲーム機器を販売している企業に大きな衝撃を与えました
今、世の中は、パソコン、あるいは手にとって移動できるiPhoneのような端末と、インターネットで稼働するソフトウエアがあれば、ほとんど全ての情報や学習、そして娯楽が楽しめるようになろうとしています。これによって失われ、時代遅れになる機器やサービスが、これから先10年の間にどんどん増えてくるのではといわれています。

この現象を日本の将来に当てはめたとき、「ものづくりという言葉に依存しすぎてきた日本人のおごりが日本の凋落の原因となるのではと危惧する人も多いはずです。
以前、日本の自動車業界を見舞うことになりそうなリスクについて触れたことがありました。そこでも解説したように、日本の多くの企業はいまだに組織という縦社会のピラミッドを大切にしすぎ、横のネットワークをグローバルに広げることに長けていないのです。もっといえばグローバルなサイズで人材を育成するノウハウに劣っているといえましょう。
そこで、今回は、そうしたノウハウを育成するために、海外のビジネスの現場ではどのような行動が求められているかをまとめてみたく思います。

全てのビジネスはそれが大きな組織であろうと、個人企業であろうと、「ひらめき」からはじまります。要はこのひらめきを組織がつぶさず、「ひらめき」を促進し、さらにそこから新たな機能のネットワークを構築することが必要なのです。

欧米流の発想では「ひらめきのあとのプロセスはおおまかに言えば以下のようになります。

ひらめき(Inspiration)
→プラン二ング(Planning)
→ビジョンの創造(Vision)
→イニシアチブ(Initiative)
→ネットワーキング(Networking)
→説得と議論(Presentation and brainstorm)
→チームワークの蘇生(Creating teams)
→目標設定(Goal setting)
→異なる意見や発想(Counter opinions and ideas)
→顧客のニーズの査定(Customer needs assessment)
→試行錯誤(Trial and Error)
→調整(Adjustment)
→最終目標(Final Goal setting)
→完成(Completion)→イノベーション(innovation)
→新たなひらめき(New Inspiration)
→さらなるネットワーキング(New networking)
→成長(Business development)

一見、日本も同様に思えるかもしれませんが、このプロセスの中に散りばめられた発想法をみてゆくと、そこにいかに異なるビジネス文化が潜んでいるかがわかってきます。
そして、物事は最初の「ひらめき」よる事業の開始で求められる完成で終わりません。完成のあと、常に完成品の刷新が求められます。そのとき、再び新たなひらめきによって開発がはじまるのです。

グループ志向で、組織の構造を重んずる日本と異なり、海外ではより個人のイニシアチブが評価されます
そして個人が組織の縦に対してではなく、横のネットワーク、時には組織を超えたネットワークを通じて戦略を進化させてゆくことが求められます。
組織が「ひらめき」を促し、個人がいかにそれをプレゼンし、チームの組成を促し、チームの中でブレンストームを重ねながら、「ひらめき」を具体的な計画に進化させてゆくかが大切です。
日本の組織に欠けているのは Individual Initiative 「個人のイニシアチブ」を奨励し、育てることです。日本ではとかく「出る杭は打たれる」といわれますが、グローバルな競争に晒されて生き残るためには、まず、この「ひらめきをいかに育ててゆくかという価値観が大切なのです。
日本の社会では、自らの発想や意見を直裁に発言することを忌諱する風習があります。しかし、世界中の人が寄り添う環境では、遠慮することなく自らの気持ちを述べ提案する行動が必要です。その時には assertive、つまり堂々と自信をもった対応をしなければなりません。上下関係や横の関係に気をつかって引っ込み思案になってはいけないのです。

そして、Inspiration、つまり「ひらめき」を組織としての目標というvision「ビジョン」に高め、そこで生まれるリスクを検証するために立ち止まるのではなく、リスクを冒しながら、失敗から学び、常に前に進む迅速さとしたたかさが求められます。そのためには、失敗したら責任をとらなければならいという発想自体を変えなければなりません

現在のリーダーに求められるのは、この個人の「ひらめき」をみんながshare「共有」し、その「ひらめき」の向こうにある大きな「貢献」、そして「あるべき姿」をvision「ビジョン」として皆の心の中にいだけるよう、情報を共有してゆくファシリテーション力、ネットワーク力なのです。そして失敗を責めず、責任を追及することに終始せず、むしろ失敗を奨励しそこから学べる環境を整えることなのです。

グローバルな環境では、様々な人が世界中から集まり共同作業を行います。このときに、お互いの difference「違い」を尊重し、その様々な異なる発想や考え方が集合できる diversity「多様性」を受け入れ、そうした環境を積極的に創造しなければネットワーキングは成り立ちません。常に日本ばかりに目を向け、他者を排除してはいけないのです。

ありとあらゆるビジネスにおいて、世界からプレイヤーが参入し、競争はますます激しくなってきています。
ここに挙げたグローバルでのビジネスの基本に加え、迅速にadvantage「有利な状況」を獲得し、他者より少しでも先により新しい製品やサービスを提供することが、我々に今求められています。ソニーや任天堂を見舞った衝撃は人ごとではありません。日本の産業界全体が取り組まなければならない喫緊の課題を突きつけられているのです。

image by:Sundry Photography, shutterstock.com