仕事の半分以上が「不貞行為の立証」。浮気調査のプロである現役探偵はそもそも浮気をどう考えているのか?

とある調査結果では、男性の67.9%、女性の46.3%が経験あるという浮気や不倫。当然ながらこれら不貞行為は法定離婚事由の一つとなりますが、「浮気調査のプロ」である探偵は、そもそも浮気に対してどのような感情を持ち仕事に当たっているのでしょうか。今回のメルマガ『探偵の視点』では現役探偵の後藤啓佑さんが、14年間の探偵生活で得たという浮気に対する考え方を綴っています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:浮気に対してどう考えているか

浮気に対してどう考えているか

探偵という仕事の半分以上は「不貞行為の立証」です。いわゆる浮気調査で、男女の接触を撮影するという仕事内容です。

そういった仕事をやっていく中で考えるのが「浮気は悪なのか」という答えの無いテーマです。

僕自身、14年もの間、クライアントの話を聞く、同業の話を聞く、時には対象者の話を聞く、ということを繰り返してきました。

“浮気”と一口に言っても、そこへ至るまでの動機や状況は様々。

妻を裏切り家を出て、子供の面倒も見ずにお金も渡さない。浮気相手の女性の家を渡り合く…。そんな男性の浮気もあれば、10年間ずっと夫に無視され、離婚したくても許してもらえず、たまたま外で会った男性と一晩だけ共にしてしまう。そんな主婦の浮気だってあります。

極端に社会通念上“悪”と思われる浮気もあれば、異性に走るのもしょうがないだろうというシチュエーションからくる浮気もある。

浮気の動機や状況は、本当に人それぞれです。しかし、そうやって形が変わる浮気も、法的に“不貞行為”として見てみれば全て同列に「離婚事由」になる。法的には“いけないこと”と定義され、争えば不利になります。

では、僕は探偵として“浮気”に向き合った時に、このことをどう捉えているか?浮気は絶対に“悪”なのか?これを考えてみたいと思います。

結論、“悪”です。個人的には“覚悟”の問題だと思っています。

どういうことかと言うと上記に書いたように、どんな状況だろうが、配偶者を持つ者が他の異性と性交渉をすれば、それは“不法行為”で一旦は離婚事由になります。

日本で20年以上生活していれば、“離婚事由”や“不法行為”という言葉は知らなくても“浮気”をポジティブに捉える方はいません。

さらに言うと、婚姻という“契約”をしたのであれば、不貞行為が離婚原因になることは法的にも道徳的にも把握しているはずです。

どんなに辛い状況でも、このことを知らないふりして“浮気で現実逃避”するのは罪です。つまり、“浮気の動機や状況”の“言い訳”はたくさん並べられますが「浮気が“社会通念上悪いこと”だと知らなかった」とは言えないわけです。現実にこれを言っている人はいないでしょう。

この記事の著者・後藤啓佑さんのメルマガ

小池都知事が子作りゴーサイン「東京都の婚活マッチングアプリ」に懸念されるトラブル…「利用者が学歴詐称」は2位、では1位は?

未婚化・少子化対策の切り札として、東京都が独自の「婚活マッチングアプリ」を(税金で)開発していることが物議を醸している。今年夏の本格リリースを(税金で)めざすとしているが、都の“おせっかい”に対するネットの反応は冷ややかだ。代表的な意見をランキング形式でご紹介しよう。

小池都知事のおせっかい?婚活マッチングアプリ「独自開発」が物議

東京都が独自に開発を進めている、結婚支援の「AIマッチングアプリ」がネットの物議を醸している。朝日新聞NHKが相次ぎ報じたことから注目されたもので、本格サービス開始はこの夏を予定。すでに昨年末から、都の交流イベント参加者らがWeb版を先行利用しているという。

近年、民間で人気を集めるマッチングアプリは、オンライン上で結婚相手を探すためのサービス。そんな中、都が独自アプリの差別化ポイントとして打ち出したのが「厳格な本人確認」だ。

ユーザーは氏名・生年月日はもちろん、年収、最終学歴などを正確に登録する必要がある。源泉徴収票や独身証明書、写真付き本人確認書類を提出し、運営との事前面談も行わなければサービスを利用できないという。運営は民間業者への委託となる。

だが、この東京都の“未婚化・少子化対策”、残念ながら歓迎よりも批判の声が多いようだ。

「マッチングアプリ業界では、すでに民間運営の『タップル』や『Omiai』、『ゼクシィ縁結び』といった有名どころが人気を集めています。この手のアプリはユーザー数がそのまま出会いのチャンスに繋がる面があり、『わざわざ都が税金を投入してやることか』という批判が数多く見られます。いまやユーザーの年代・属性を『30代以上のシングルマザー』のように細かくセグメントしたアプリも無数に存在しますし、出会い目的ではなく結婚前提の人には、昔ながらの結婚相談所もありますからね。わざわざ東京都がしゃしゃり出てくる意味がわからない、税金の無駄遣いだと感じる人が多いのはしかたがありません」(ネットメディア編集デスク)

類似のアプリやサービスはすでに民間に多数存在している。それにもかかわらず「結婚したいのに結婚できない」という人々を、東京都の「独自アプリ」が救える可能性は低い。未婚化・少子化対策という目的は正しくても、やり方が致命的に間違っているということか。

SNSや掲示板では、都の独自アプリが早くも“ネタ化”しており、今後起こりそうな「事件」や「トラブル」を予想するユーザーが多数出現。そこで厳密な集計ではないが、どんな声が多いかをランキング形式で見ていくことにしよう。

 

小池都知事謹製「マッチングアプリ」で起こりそうなこと10選(ネットの予想)

1位:税金が中抜きされ、アプリ開発だけで力尽きる

いまネットで最も多く見られるのは、「税金の無駄遣い」という批判や、アプリ開発業者による税金の“中抜き”を危惧する声だ。

「国や自治体がつくるアプリってたいていクソオブクソだからな」「公務員の“やってる感”に税金投入するのマジでやめろや」「TOKYOふたりSTORYはどうなったんだ」といった意見が多数みつかる。

「TOKYOふたりSTORY」は東京都が以前から運営する婚活支援サービス。TVでは「最近始まった」AIマッチングサービスとして報道されることもあるが母体は2018年から存在。これまでにいくら税金が投じられどれほどの成果があったのかは闇の中にも関わらずアプリ開発にまで手を出してしまった。

2位:ユーザーの学歴がほとんど「カイロ大卒」になる

小池都知事が学歴詐称問題に揺れていることから、都の独自アプリが本格的にサービスを開始した場合、ユーザーが学歴に「カイロ大学卒業」をイタズラ登録するトラブルが相次ぐのではないか?との予想も非常に多くなっている。「ユーザーの学歴詐称に対して、運営がどう対応するのかが見物」といった皮肉が効いたコメントも。

【関連】小池都知事と瓜二つ「AIゆりこ」に感嘆の声!「アラビア語は喋れるの?」「これ税金で作ったん?」神か悪魔かネット議論白熱

3位:利用のハードルが高すぎて誰も使わない

そんな学歴詐称を防止するためにも(?)、都の独自アプリはユーザーに対して厳格な本人確認を実施する方針。ただ、写真付きの本人確認書類や年収証明の提出はまだしも、運営との面談まで必須というのはいかにもハードルが高い。そのため、「マッチングアプリのメリットであるはずの気軽さがまったくない」「こんなの誰も使わないでしょ」といった指摘が相次いでいる。

4位:利用価格が高すぎて炎上/利用価格が不公平で炎上

報道によれば、都はマッチングアプリのユーザーから利用料を取ることも検討しているようだ。この種のサービスにおける課金には、利用者の“真剣度”がアップするというメリットがある。

だが巷では、「行政のサービスなのに金を取るのか…」「そもそも利用のハードルが高いのに、利用料を取ったらそれこそ閑古鳥が鳴きそう」といった意見が少なくない。だからといって、民間のように利用料を「男性>女性」に設定すれば、それはそれで男女差別と炎上するだろう。

「うまずして何が女性か」発言の気持ち悪さ。数少ない女性大臣が“女性蔑視”の思考回路を持つニッポン

6月2日に行われたメキシコ大統領選で当選を果たし、同国初の女性大統領就任を決めたクラウディア・シェインバウム前メキシコ市長。大統領の座を争ったのは同じく女性の上院議員でした。翻って日本を見れば、政界を含め指導的地位にある女性の割合は極めて低いのが現状です。女性が活躍する国と我が国の違いはどこにあるのでしょうか。今回のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』では健康社会学者の河合さんが、「クオータ制」に注目し日本が「女性活躍後進国」である理由を考察。その上で、呆れるほど女性問題に無関心な日本社会に対する率直な感情を綴っています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:女性への無関心の“謎”

プロフィール河合薫かわいかおる
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

女性への無関心の“謎”

女性の大統領が、“また”誕生しました。

クラウディア・シェインバウム氏。メキシコ国立自治大学とアメリカのカリフォルニア大学バークレー校で物理学やエネルギーを学んだ才媛です。博士論文のテーマは、メキシコの公共交通機関におけるエネルギー利用についての分析だとか。

また、2018年から23年まで、女性およびユダヤ系として初めてメキシコシティ市長を務めるなど、政治家としての経験を積んできました。市長時代には、市内の交通渋滞緩和のため、200キロメートルにおよぶ自転車専用レーンの設置、公共交通機関への補助金の増額などさまざまな施策や制度を導入し、科学者政治家としての手腕を発揮しました。

そして、今回の大統領選に挑んだわけですが、対立候補も女性。事実上女性同士の一騎討ちで、野党連合のソチル・ガルベス前上院議員か、シェインバウム氏か?と去年から盛り上がっていたのです。

日本でも2021年の自民党総裁選の時には、野田聖子氏と高市早苗氏が立候補し、初めて見る景色に「日本も変わるかも」と期待が高まりました。が、結局、変わらなかった。むしろ後退というか、悪化したようにさえ思えます。

先日の上川陽子外相の「うまずして何が女性か」発言は、申し訳ないけど気持ち悪かった。紅一点の組織にありがちな、発言とも言えます。

「マスコミが作り上げた失言」との意見も識者たちから出ていましたが、「うむ」と、「何が女性か」をセットで使う思考回路を、女性活躍後進国の数少ない女性大臣がお持ちだという事実には、悲しくなりました。だから日本は変わらないのだよ、と。日本はどんどんと世界に置いてけぼりをくらっている。そう思えてなりません。

この記事の著者・河合薫さんのメルマガ

日本はニューヨーカーからどう見られているのか?世界各国をクラスメイトに例えて分かった日本の笑えない立ち位置

10年ほど前から量産され始め、現在も高頻度で目にする「日本礼讃」番組。それらのプログラム曰く「日本は世界中の人々から大人気」とのことですが、はたしてそれは真実なのでしょうか。今回のメルマガ『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』ではニューヨークの邦字紙『NEW YORK ビズ!』CEOの高橋さんが、日本人もしくは日本という国がニューヨーカーからどう思われているかを紹介。さらに世界各国を「クラスメイト」に例え、その立ち位置を分かりやすく解説しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:日本は世界にどう思われているか / あるいは、世界をクラスにたとえてみたら

日本は世界にどう思われているか / あるいは、世界をクラスにたとえてみたら

日本の報道番組やバラエティ番組などで“【JAPAN】は世界から非常に好意的に思われている”とよく見ます。日本は世界の人々に「素晴らしい国」だと思われている、とマスコミは口を揃える。実際、日本の日本人から「日本は世界ですごく人気あるんですよね」ともよく聞かれます。

果たして、実際はどうなのか。

結論はありません。そんな“好意的”を数値化できるデータはこの世にはない(たまにネットニュース等で「世界に良い影響を与えている国ランキング」とかのアンケート上位に「JAPAN」がランキングされているのを見たことあるぞ!!”…という反論については、長くなるので次週、言及します)。

まず、ジャンルにもよります。「政治」的な側面なのか、社会、文化、エンターテイメント、スポーツと場面場面によって各国の印象は変わってくる。中華料理は好きだけど中国に住みたくない!という友人を少なからず僕は知っている。

それに加え、評価する側の「国」にもよって変わってきます。言うまでもなく一般的に「トルコ」や「台湾」は親日国と知られますが、「中国」「韓国」は反日国として報道されることが多い。対象が違うと印象も違う。

「ジャンル」にも対象の「国」にもよるので「世界から見たNIPPON」がどう映っているのか、一義的には言えない。もちろん「個」にもよります。「日本人、大っ嫌い!」なベトナム人も絶対いるはずだし、ひょっとしたら「日本最高!」って思っている北朝鮮人もいなくはない(かもしれない)。世界は例外でできあがっている。

それを踏まえた上で、僕個人という小さなデータがNYという限定された街で、あくまで日常生活の中で感じた「社会的」な面から、「日本」もしくは「日本人」がニューヨーカーからどう思われているか、感じたままに伝えたいと思います。四半世紀暮らし、日々ニューヨーカーと触れ合う仕事をしてきて感じたままに。

個人の主観であると同時に世界の人種・国籍が最もマージしているこのニューヨークという街は、最高のサンプルが採れる場所でもあります。採るとしたら、ここしかない。世田谷区とほぼ同じ面積に、全世界すべての国籍・人種・文化・宗教がひしめいている。比喩的な意味合いではない“世界の縮図”はここを置いて他にはない。

で、本題。「日本が世界で評判がいい!」「日本は世界で好かれている」という日本の報道が本当なのか、どうか。

結論から言うと、大筋、間違ってはいない…、と思います。

どの人種と接しても、好意的に思ってくれている人の方が比較的多い。世界各国の国籍のイエローキャブドライバーは「日本人か!オレ、行ってみたいんだよ!」「日本人っていい人が多いねー!」とよく声をかけてくれます。営業トークだけとは思えない。

全体的に好印象を持ってくれている、と言っていい。悪いイメージはほとんど聞かない。

この記事の著者・高橋克明さんのメルマガ

そこらへんにいるスライム倒すことを目標にするとちっとも楽しくないワケ

充実した人生を送るために、目標を決めることは重要ですよね。しかし、目標の立て方を間違えてしまうと途端に、達成までの行動が楽しいものではなくなってしまうことがあります。メルマガ『セクシー心理学! ★ 相手の心を7秒でつかむ心理術』の著者で現役精神科医のゆうきゆう先生は今回、目標の立て方について伝授しています。

自分の夢は、達成不可能?だから何だ!という話

こんにちは、ゆうきゆうです。

元気でお過ごしでしょうか?

さて皆さんは、何か目標を決める時にどのように決めていますか?

人生において目標は重要ですよ。

人間は目標に対して無意識にツッコミをいれてしまう!

目標がないと平地でふらふらと生きている感じになって、どこにもたどり着けないままどんどん老いてしまいます。

例えば

「あの山に登るぞ」

「あの池に行くぞ」

「あの海までたどり着くぞ」

という目標を定めると、1日1日、1歩1歩…と歩いていくことになります。

すると元の所からかなり遠くても良い所までたどり着いたり、その中で筋肉を含めていろいろ成長していたり、良いことがあるのではないでしょうか。

また、例えばマンガやゲームでも「今日中に何かやるぞ」と目標を決めて人間は動きます。

魔王を倒す、国を統一する、誰かに好きになってもらう、というような目標があるからこそ楽しくワクワクして読んだりプレイしたりすることができるのです。

目標がないとハリのあるゲームやマンガになりません。

これは人生も同じで目標は重要です。

しかしながら目標には落とし穴があります。

人間は目標を考えた直後に

「いや、でもこれ無理かな」

「いや、でもこれできないかな」

とストップを掛けてしまう自分がいるのではないでしょうか。

これは多くの人が陥る状況で、例えばあと3ヶ月間に10キロ痩せたいと言っても

「10キロは無理かな」「もうちょっと減らしておこうかな」とか、

部長に出世したいと思っても「でも部長は無理かな、課長ぐらいにしとくか」とか、

もしくは年収どのくらい達成したいって思ったとしても「ちょっと無理かな」と思ってしまいます。

このように目標には必ず実現可能かどうかというツッコミとか横やりが入るものです。

創業60年の老舗おにぎり専門店が、なぜ今になって8時間待ちの行列ができるようになったのか?

創業60年の老舗でありながら、いまでは最長8時間待ちの人気店になった「おにぎり専門店」。今回のメルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、その2代目店主のインタビューから、日本一になった秘訣を紹介しています。

おにぎり専門店「ぼんご」日本一の秘訣は「人」にあり

東京・大塚に店を構えるおにぎり専門店「ぼんご」。創業60年を超える老舗ながらSNSを中心に幅広く取り上げられ、いまでは最長8時間待ちの日本一の人気店に成長しました。2代目店主であり、今日の発展の礎を築いた右近由美子さんに、日本一の秘訣を伺いました。

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──日本一賑わうおにぎり専門店があると伺い、やってまいりました。本日も平日にも拘らず、開店前から長蛇の列ができていますね。

〈右近〉
東京の大塚に暖簾を掲げるおにぎり専門店「ぼんご」は1960年に創業した、カウンター12席のみの小さな老舗です。

近年はテレビ番組やSNSを筆頭に数多くのメディアが取り上げてくださり、3、4時間の行列は当たり前。休日は8時間お待ちいただくこともしばしば。ありがたいことに、地方や海外からもわざわざ足を運んでくださいます。

──多くの人を惹きつけるぼんごの魅力を教えていただけますか。

〈右近〉
大きな特徴は、「握らないおにぎり」でしょうね。おにぎりは握るからおにぎりなんですが、ついつい力を入れすぎる余り、固い食感になってしまいがちです。

一方、ぼんごでは寿司職人が親指でくぼみをつくってシャリに空気を入れるように、真ん中に穴を開けて空気を含ませてあげる。あとは数回ふんわり握ることで、口に入れた瞬間、お米がやさしく溶ける食感が実現するんです。

それから、新潟・岩船産のコシヒカリ、九州・有明海産の海苔、沖縄産の塩など素材にはとことんこだわっています。具材も豊富で、鮭をはじめとした定番から、ペペロンチーノ等のアレンジされたものまで全57種類に及びます。

でもね、老若男女問わず並んでくださる一番の理由は、商品のおいしさではないと思っています。私たちはおにぎりを通して、人と人との繋がりを届けているんです。

──ああ、人と人との繋がり。

〈右近〉
ぼんごでは、見ず知らずのお客様同士が自分の地元や家族の話で盛り上がり、仲睦まじく食事するケースが見受けられます。例えば、あるお客様が味噌汁を飲むや否や「祖母の味を思い出す」と呟くと、別のお客様が「ほんとだ!」って和気藹々と会話が始まる。そうした人の温もりや昔ながらの哀愁漂う空気感こそが、当店の魅力なのではないでしょうか。

最終的には「お袋の味」という掛け替えのない存在には敵いません。だから、従業員にはよく言うんです。「ものを売るんじゃない。お客様に心を配るんだよ」って。並んで待つ方々にお水を配ることもその一つです。

商いは人あってのものですから、最高のおにぎりを握るだけでは駄目なんですよ。

(※本記事は月刊『致知』2024年6月号 連載「第一線で活躍する女性」より一部抜粋・編集したものです)

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近くの空き地が緑化されると「気分の落ち込みが少なくなる」という研究結果

日本でも都会での緑化に力を入れている地域は多いと思いますが、そんな環境整備による精神衛生への影響はあるのでしょうか。今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』では、その研究結果を紹介しています。

緑化と精神衛生

◎要約:『近隣の緑化を含む環境整備で、その地域で精神衛生が改善する可能性がある』

今回は近隣の空地を緑化することによる精神衛生への効果を調べた研究をご紹介します。

Effect of Greening Vacant Land on Mental Health of Community-Dwelling Adults
A Cluster Randomized Trial
空地緑化の精神衛生に関する効果

アメリカのフィラデルフィア(ペンシルベニア州)における研究で、一般地域に居住する442人の参加者(平均44.6歳、59.7%が女性)が対象となりました。

近隣の空地においてごみの除去や植物を植える等の緑化を行い、精神衛生に関して経過を観察しました。

結果として、以下の内容が示されました。

・緑化のない場合と比較して、気分の落ち込みと無価値観を感じる割合が低下していました(落ち込みに関して-41.5%、無価値観に関して-50.9%)。

・貧困ラインを下回る地域の居住者では、特に落ち込みの改善が大きくなっていました(落ち込みに関して-68.7%)。

直接に居住環境が変わらなくても、近隣の緑化が精神衛生の改善に有効である可能性を感じる内容でした。

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朝鮮半島への“核”再配備論がアメリカ発で再燃し始めた「真の理由」

5月29日のアメリカの上院軍事委員会で、共和党のウィッカー上院議員が朝鮮半島への「戦術核再配備」について言及。トランプ氏が再び大統領となる「もしトラ」議論の中で無視できない発言として、韓国、北朝鮮が揺れているようです。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では、多くの中国関連書を執筆している拓殖大学の富坂聰教授が、朝鮮半島において戦術核がどう扱われてきたか、1950年代以降の歴史を解説。尹大統領就任後に韓国発で高まった「再配備」論と、アメリカ発の今回では、狙いに違いがあると伝えています。

「もしトラ」で浮上する朝鮮半島への戦術核再配備論に揺れる中朝関係

5月29日、アメリカ議会上院での共和党議員の発言が朝鮮半島をざわつかせた。震源地は、上院軍事委員会。発言の主は同委員会に所属する共和党のロジャー・ウィッカー上院議員だ。

30日の韓国KBSは、午前6時のニュース番組で、「ロシアや中国、イランなどの脅威に対抗するため、2025会計年度の国防予算を550億ドル増額することを求め、(中略)在韓米軍を強化してインド・太平洋での核共有の協定や、アメリカの戦術核の朝鮮半島への再配備など新たな選択肢を模索すべきだ」というウィッカーの発言をトップニュースで伝えた。

ウィッカーは米FOXニュースへの寄稿でも「再配備」に言及していて同調者も少なくない。やはり上院軍事委員会共和党の幹事、ジム・リッシュ上院議員の「核兵器を東アジアに復帰させるオプションを模索することをタブー視してはならない」という発言を『東亜日報』(5月17日)が紹介している。これらは「トランプ大統領の側近らの見解とも通じている」(KBS)というのだ。

トランプ大統領の再登板が現実味を帯びているなか、東アジアで予測される大きな変化の兆しだ。実際、アメリカの政治専門紙『THE HILL』は大統領選挙だけでなく、上下両院でも共和党が選挙に勝つ可能性があると報じたとKBSは伝えた。

朝鮮半島に戦術核を再配備すべきとの考え方は、「もしトラ」の議論の盛り上がりを受けて一つの風潮として今後のワシントンに定着してゆくのだろうか。

朝鮮半島の戦術核兵器は、1950年代から在韓米軍の所属として韓国に配備されてきたが、朝鮮半島の非核化を求める国際社会の流れや周辺国との関係を考慮して1991年に撤去された。再配備は、そうした流れを逆流させる意味を持つことは言うまでもない。実現の可能性については多くの議論が残されるものの、大きな一石が投じられたことは間違いない。

北朝鮮はすでに事実上の核保有国である。核兵器を搭載できるミサイルの種類や精度も日々高めてきている。このことが韓国国民を刺激し続けている。とりわけ文在寅大統領時代の対北朝鮮政策を批判し、強硬姿勢で臨むと公言して誕生した尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権にとっては、優先度の高い課題である。

「自分はコレができない」と認められる人が絶対に成長していくワケ

自分ができること、できないことを客観視することはビジネスマンにとって非常に重要です。しかし、それが難しいこともまた事実。無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんは、できないことを認める難しさを知ったうえで、それでも認められるようになるべきだとしています。

できないことを認められないと

先日、とある飲食店で数人で食事をしていたら、とても印象良くハキハキした店員さんがテーブルについてくれました。

物腰も柔らかいし雰囲気的にも「できる人」という感じで、テーブルについていた僕たちは安心してオーダーをしていました。

その後もその店員さんは非常にハキハキとオーダーを受け付けてくれましたし、料理やドリンクを持ってきてくれる時もとても良い感じの対応をしてくれました。

しかし、途中から僕らはあることに気づくことになります。

オーダーがおかしいのです。

注文した料理は間違っているし、ドリンクも何回言っても一向にやってこない。

別にクレームを言うようなこともせずただ普通に、「これは頼んでないですよ」「こっちを頼みましたよ」「だいぶ前にドリンク頼んだのってどうなってますか?」みたいに声をかけていました。

ですが店員さんは、「え?この〇〇ですよね?」「はい、今やってますので」と同じテンションで答えていました。

いやいや…う~ん…

すごく嫌な言い方をしてしまうと、その方は雰囲気はめちゃくちゃあるけどあまりデキるタイプの方ではなかったようです。

ただ僕が言いたいのはそこではありません。

デキるかどうかは経験の差もあるでしょうし、たまたま忙しいという時だってあります。

それは状況に応じて仕方のないことだと個人的にはとらえています。

それより気になるのは、『認めるかどうか』の点です。

自分に非があることを認めるかどうかではなく、自分がどういうタイプなのかを自分自身で認められるかどうかですね。

今の自分の力量を客観的に見ることは実は結構大切です。

もし自分がまだまだなのであれば、それを自分で認められていないと周囲は割を食うことになります。

経産省渾身の「パワポ芸」は日本をどこに導くか?絶望的にダメなスライドを分析してみえた製造業の敗因と「逆転への道」

経済産業省が作成した「製造業を巡る現状と課題 今後の政策の方向性」なるパワポ資料が「めちゃめちゃ面白い」「いや絶望的にわかりにくい」と喧々囂々の議論を呼んでいる。全141ページにおよぶスライドの中で、我が国の製造業の弱点と課題はどのように整理・分析されているのだろうか。米国在住作家の冷泉彰彦氏によれば主な論点は5つ。それぞれに、ものづくり日本を誤った道に導きかねない問題点がある。(メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』より)
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:敗北を認めて製造業の改革を

“経済産業省のパワポ”が示す、ものづくり日本の危機

経産省が作成したスライド、具体的には「第16回 産業構造審議会 製造産業分科会」で配布された「資料4 製造業を巡る現状と課題 今後の政策の方向性」が話題になっているようです。
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/seizo_sangyo/pdf/016_04_00.pdf

そもそも、現状・課題・政策の方向性などという抽象的な議論を先へ進めるために、141ページのパワポ(9MBものPDFファイル)を作るというところに、ダメな理由が現れているわけです。

つまり簡潔な本質論を提示して合意形成し、後は演繹的に徹底的に実行してゆくということができないのです。現状認識についても、課題についても、まして政策の方向性などということでは、百家争鳴といえば聞こえは良いものの、簡潔な本質論ではたぶん合意ができないのでしょう。

そこには、世界観の相違、過去の成功体験の束縛の深さ、リスクが取れないという権限のなさ、英語が通用しないというコミュニケーションの問題などが横たわっています。

その結果として、俗に「ポンチ絵」と言われる巨大なパワポで「見える化」しないと、話が進まないのだと思います。まず、この点が絶望的にダメだということに気づかなくては先へは進めません。

経産省のスライドは何を訴えているのか?論点は5つ

そこで、本稿では、このパワポの前提になっているらしい、問題提起のほうを最初に取り上げて議論したいと思います。「資料3 御議論いただきたい論点(PDF形式:782KB)」です。
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/seizo_sangyo/pdf/016_03_00.pdf

この資料にあるリストが今回の議論の内容というわけです。そのタイトルだけを並べてみますと、

  1. グローバル競争力強化に向けた組織・コーポレートの機能の在り方
  2. 製造DX
  3. Hard-to-abate産業におけるGXの方向性
  4. 経済安全保障を巡る国際情勢と政策の方向性
  5. 航空・宇宙

となっています。

一般の世論を「煙に巻く」ためか、あるいは内輪の言葉に閉じこもるためなのかわかりませんが、すでに翻訳が必要です。一つ一つ見ていくことにしましょう。

トヨタなど「日本発の多国籍企業」に関する経産省の致命的な勘違い

まず、「(1)グローバル競争力強化に向けた組織・コーポレートの機能の在り方」ですが、経産省の問題意識はわかりやすく言うと「製造業の海外比率が高まっているのに、米欧と比較するとその利益率は低いようだ。どうしたら利益率の向上ができるのか?」という話と、「今は6割の従業員が海外現地採用になっており、これに対応できるような経営組織はどうあるべきか」ということのようです。

この問題ですが、前提条件が不明確です。

まずもって、日本企業とは何かという問題があります。日経新聞の読者と同じように、また経団連のお歴々がそうであるように、経産省も「日本発の多国籍企業は日本企業であるし、その収益の合計は日本経済である」という前提で話をしています。

これは一般の世論もそうで、例えばトヨタが世界における自動車販売台数で1位になると、何となく祝賀ムードになります。また欧州のある国の高速鉄道や、アメリカのある大都市の地下鉄車両を日本の企業が受注すると、やはり良いニュースになるようです。

ですが、実際は違います。トヨタの場合、売上における海外比率は、この経産省のスライド(141ページある方)の10ページのチャート(力作ですが、若手官僚が何時間かけたんでしょうか?)にあるように、76%ぐらいあります。

鉄道車両の場合は、特に先進国では雇用確保が重要ですので、公共性が強いこの種の事業の場合は現地生産が前提になります。

さらに言えば、株主も多くの場合は外国人比率が高くなっています。トヨタをはじめ多くの企業はNYの株式市場にADR方式などで上場しており、実際の企業の所有者である株主も多国籍化しています。もっといえば、各国の現地法人は多くの場合トップも役員も現地の人材になってきています。

とにかく、日本が発祥の地であり、日本ぽい名前がついていても、多くの国際化した企業は実際は多国籍企業となっているのです。ですから、こうした議論を日本の経産省が主導するということ自体が、非常に奇妙です。

経産省というのは、日本政府の役所です。その役所は憲法に基づいて国民が選挙権を行使して選んだ多数党の組閣によって成立する行政府の一部門に過ぎません。日本発の多国籍企業の「秘密サロン」の応援団である根拠はそもそも希薄なのです。(1)に関しては、まずはこの点が非常におかしいのです。

もちろん、日本発の企業が多国籍化して世界で存在感が高まれば、誇らしいというのはわかります。また、多少はロイヤリティの収入はあるでしょう。ですが、実際の投資(キャッシュの動き)で見てみれば、人口減によって市場が縮小する日本ではなく、儲けたカネは海外に再投資されるわけです。

つまり、日本発の多国籍企業が海外でどんどん市場を拡大しても、こうした企業活動が日本のGDPに貢献することは、極わずかなのです。

どうして、豊かであったはずの日本国内で貧困が蔓延しているのか、非正規雇用が増えているのか、そして通貨がここまで安く叩かれているのか、その背景にはこの問題があります。

ですから、経産省の問題提起そのものがおかしいわけです。

もちろん、日本がトランプのように保護貿易に傾斜してもロクなことはありません。ですが、様々な判断のタイミングにおいて、「その判断は日本のGDPに寄与するのか?」あるいは「キャッシュフローとして国内に還流するのか?」という観点でもう少しバランス感覚を持っていれば、ここまで国内が貧しくなることはなかったと思います。