地元で大怪我し引退。元関脇・嘉風「4億8千万賠償しろ」への違和感

10月19日、大相撲の中村親方(元関脇 嘉風)が、地元の大分県佐伯市などに損害賠償を求める訴えを起こしたことがわかりました。昨年引退するきっかけとなった大怪我が、市のPR企画に参加した際に負ったものであることが理由ですが、釈然としない思いを抱くのは、サッカーをメインにスポーツ情報を取り上げ人気のメルマガ『J3+ (メルマ)』著者のじじさんです。じじさんは違和感の理由を2つあげながら、他のプロスポーツ選手よりも地元との繋がりが強い印象のある大相撲の元力士による訴訟について持論を展開しています。

【大相撲】元・関脇の嘉風の提訴について思うこと

渓流で右膝を痛めた

2016年の3月場所に東関脇まで登り詰めた大相撲の嘉風は2019年の9月12日に現役を引退した。幕内での通算成績は561勝600敗24休。金星を8個も獲得している。身長は177センチ。豪快な取り口で人気を集めた。ベテランの力士としてメディアに登場する機会も多くて「相撲界きっての人気者」だったが、現役引退のきっかけになったのは故郷である大分県佐伯市での合宿中に同市のPR企画に参加した際に渓流で右膝を痛めたことだったという。引退会見の時に「無念の思い」をコメントしているが残念な終わり方になった。

怪我をした直後の2019年の7月場所は全休。9月場所は西十両7枚目で12年ぶりの十両陥落だったという。9月場所のときには「右膝前十字靱帯損傷、右腓骨神経麻痺で、現在リハビリ中。ただし、今後の追加治療や治療期間に関しては現時点では未定」と発表されている。9月場所を全休した場合は幕下に転落するのが確実な情勢だったので進退が注目されていたが9月場所の5日目にあたる9月12日に日本相撲協会に引退届が提出されている。場所中やけいこ中での怪我ではなくてそれ以外のところでの怪我で現役を終えた。

引退会見の時も一部のコメントが注目を集めたが10月19日(月)に「出身地の大分県佐伯市などを相手取り、約4億8,000万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴したこと」が明らかになった。「右腓骨の神経まひで装具をつけなければ歩行も難しい状態になった」とも報じられている。力士生命どころか、引退後の日常生活にも大きな影響を及ぼすほどの大きな怪我になってしまったが、故郷である大分県佐伯市などに対する訴訟であること、約4億8,000万円という高額な損害賠償金であることの2点もあって興味深い訴訟である。

もちろん、プロ野球選手やJリーガーの中にも出身地を大事にしている選手は多い。Jリーガーでいうと、元・鹿島のMF小笠原や元・熊本のFW巻などは出身地が地震で大きな被害を受けた後、Jリーガーの先頭に立って復興の象徴的な存在になった。出身地に対して金銭的な援助をしているスポーツ選手は少なくないと思うが大相撲の力士はプロ野球選手やJリーガー以上に出身地とのつながりが深い。毎度、取組前には「○○県、××市出身、△△部屋」とアナウンスされるほどである。

「1on1のない会社は成長しない」上司が部下と現場を理解する実践テクニック

 いま日本企業でも当たり前となった「1on1」ミーティング。この、上司や役員との一対一面談ですが、貴重な時間を割いてまで本当にやらなければならないことなのでしょうか? 今回のメルマガ『金田博之の「出世したサラリーマンが絶対やらなかったこと」』では外資系IT企業の日本法人代表をつとめる金田博之さんが、かつては多忙さにかまけて「1on1」をやめた過去を明かすとともに、改めて気づいた「1on1」の大切さとその理由について力説しています。

 

現場の声を早期に掴むための1on1のやり方とは?

課題背景

1on1ミーティング(以下1on1)とは、上司と部下による1対1の対話です。1on1の定期的な開催を推奨する会社も増えました。しかし、「忙しい中で1on1をやる意味がよくわからない」「効果をいまひとつ感じない」「部下と話がかみ合わない」という、1on1に対する否定的な意見を耳にすることもあります。 そこで今回は、私が体験から培った「1on1を戦略的に行うためのHow To」をご紹介します。

出世したサラリーマンはここが違う!
【出世するサラリーマンが絶対やらないこと】1on1をそもそも行わない、もしくは「しょうがなく行って」しまい、時間を無駄にするだけで何も得られない

【出世するサラリーマンは】1on1によって現場の声や変化をいち早く掴み、経営判断に生かす

1on1を行わないと、部下の変化に気付かなくなる

私が初めて「1on1」という概念に触れたのは、SAPジャパン(以下SAP)に勤めていた30代のときでした。部長に昇進したときでした。当時、SAPでは会社が1on1を推奨していました。私も最初のうちは1on1を行っておりましたが、次第にやらなくなっていきました。

当時の私はとにかく忙しく、全体会議や部署間の調整に追われていました。当時は40名ほどの部下がおり、ひとり1回30分と考えても回しきれないという実情もありました。

また何より、当時の私は1on1の重要性をよく理解していませんでした。部下と1対1で対話するといっても、会話のネタがありません。逆に、会話が弾みすぎる部下もいます。

全員に1on1が同じようにできないなら、それは不平等ではないか?と考えたのです。

私は、1on1を行わなくなりました。

そうすると、私の元には、現場の声が集まりにくくなっていきました。

部下が不満を持っていたり、部下同士の人間関係がうまくいっていなかったりしても、私のもとには直属の部下からしか、つまり間接的にしかその声が届きません。

直属の部下の下にいる人たちと顔を合わせても仕事の話しかしなくなるので、プライベートがまったく見えなくなりますし、気持ちの変化に気付きにくくなります。彼らのモチベーションの低下にも気が回らなくなりました。

また、会社で飲み会があっても、普段会話をしない人たちとは話しにくくなっていきました。コミュニケーションの機会がないので、会話のネタがないのです。そのうち飲み会でも、いつも決まった部下とばかり話すようになっていきました。

そして、直属の部下から「~くんが辞めたいって言っています」と聞き、慌てて本人に話を聞くと手遅れの状態になっている。モチベーションは下がりきっていて、退社を翻意させることはできなくなっている。そんなことが続いてしまったのです。

会社にとって、人は宝です。その宝が会社から去ろうとしている。

これはなぜだろう?と考えた結果、部下の気持ちの変化を定期的に知る機会を設けていないことに気付いたのです。

そこで、私は1on1を再開することにしました。しかし、再開するにはある程度の戦略も必要です。私は、1on1の意味を真剣に考えました。

【書評】大学教授がマジで研究した「マジヤバイっす」と日本語の豊かさ

「です」を「っす」と短縮することを、「ス体」と呼ぶのをご存知でしょうか。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』で編集長の柴田忠男さんが取り上げているのは、「ス体」の名付け親である大学教授が著した一冊。言語学の博士による「新しい丁寧語」の研究の成果を、柴田さんはどう読んだのでしょうか。

偏屈BOOK案内:中村桃子『新敬語「マジヤバイっす」: 社会言語学の視点から』

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中村桃子 著/白澤社

「そうっすね。おもしろいっす」。関東学院大学の教授、言語学の博士である著者が毎日接している男子学生が、この話し方を始めたのは、1990年代らしい。「そうですね。おもしろいです」の「です」を「っす」に短く縮めた話し方である。大学生がこんな言葉をつかって、バッカじゃなかろかと思う。わたしのような60年代に大学生だった年寄りには、抵抗感しかない。ところが!

著者は大学の体育会系クラブに所属する男子学生の会話を録音してみた。すると、先輩が何か言うと、後輩が「そうっす」「そうっす」と繰り返す。先輩が「センスがねぇや、あいつ」と言うと、後輩は「センスないっす」とただちに同意する。部活では先輩を立てなければならないときに「です」ではなく「っす」をつかう。「です」の堅苦しさを除き、軽く敬意も表している、という。

著者は「っす」を「ス体」と呼ぶ。第一章では「ス体」の特徴と社会言語学的な分析をしており、かなりめんどうくさい。第二章は男子大学生が日常生活でどのように「ス体」を使うのかを見る。以下の章はほとんどは、書かれていることは分からなくはないがダルい。この本は一般的な読み物ではなく、丁寧な研究書である。おおむね退屈だから、ナナメ読みしたっていいでしょ。

どうやら、高校生・大学生が会話で「ス体」を使っているらしい。普通、目上に対しては「ですます体」(丁寧体)を使う。ただ、この言い方は、敬意は表せるけど、相手を遠ざけてしまう欠点があり、先輩に「そうですね」はよそよそしい。というが、そうかなあ。一方、「そうっすね」と「ス体」を使うと、敬意と親しみの両方が表現できる、とか。わたしは全然そんなふうに感じない。

著者によれば、「ス体は後輩が先輩に話す時に使い、決してその逆ではないこと。後輩同士でも避ける。つまりス体は『親しい丁寧さ』を表現する一種の敬語だった」「他にも主張を和らげる、仲間意識を示すなどの意味があってス体はとても繊細」「そこに広がっていたのは、かわいげがあって憎めない豊かな世界だった」。研究家(開発者?)の分析は理解できたが、世間様はどう思う。

韓国で何が起きている? 1週間に5人死亡、インフルエンザ予防接種で

韓国でインフルエンザワクチンの予防接種後に命を落とす方が相次ぎ、各メディアで大きく報道されています。未だ因果関係は確認中とのことですが、一体何が起こっているのでしょうか。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、その詳細をレポートしています。

インフルエンザ予防接種による事故

韓国でインフルエンザ予防接種による死亡事故が10月21日までに5件にのぼっている

1件目:10月14日に接種、16日に死亡(仁川)17歳の男子
2件目:10月19日に接種、20日に死亡(全羅北道高敞市市)78歳
3件目:10月20日午前10時接種、午後3時ごろ死亡(大田市)82歳
4件目:10月19日午前9時接種、21日午前1時17分死亡通報(済州島)68歳
5件目:10月21日に接種、21日午前12時ごろ死亡(大邱市)70代

この1週間ぐらいのうちにインフルエンザ予防接種をしたあとで死亡した人がこのように、10代から80代までにわたり5人にのぼっている。

当局の発表では、予防接種と死亡との因果関係はまだ確定していないとしているが、これだけ重なるとその因果関係を疑わざるをえない。

このうち、たとえば5件目の人の場合は、パーキンソン病、慢性閉鎖性肺疾患、不整脈心拍細動などの疾患を患っていたというものの、2015年からインフルエンザの予防接種を受けていたが、これまで異常反応を示したことはなかったという。

現在、毎日のようにこの予防接種が続けられている。当局は、予防接種は安全だといっているが、5件目が報道されて、人々の間にも不安感が広がっている。受ける予定でいたけど、ちょっと今年は控えようという人が増えるはずだ(ちなみに筆者はインフルエンザ予防接種はうけたことがない)。

コロナはこのところ100人以下の日が続いている。最新は91人(10月20日)。

コロナがまだまだ落ち着かないなかでのインフルエンザ予防接種による死亡事故だ(因果関係は不明だとされているが)。

免疫力を高めて健康な生活を送るしか方法はないように思う。無理をせずによく寝てよく食べて、健康を増進させる日々の過ごし方を心掛けたいものだ。

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松尾貴史氏が足立区議にチクリ。LGBT発言を撤回も「全然反省してない」

タレントの松尾貴史さん(60)が20日、自身のツイッターを更新。性的マイノリティーの人たちを傷つける発言をした東京・足立区議会の白石正輝議員が、謝罪し発言を撤回したことについて触れ、「支持者まで問題視し始めたので謝るふりをしたのだろうけど、本人は全然反省などしていない」と痛烈に批判した。

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足立区議のLGBT発言に松尾氏「許してはならない」

白石議員は9月25日に開かれた本会議でLGBTについて、「日本人が全部L、全部Gで、次の世代は生まれますか。次の世代を担う子どもたちが1人も生まれない。本当にこんなことでいいんだろうか」などと発言。

「差別だ」とか「議員としてふさわしくない」などといった電話やメールが足立区の区議会事務局へ300件以上寄せられている。

これを受け、白石区議は20日に開かれた本会議で、「私の認識の甘さにより、たくさんの方々の心を傷つけ、苦しめてしまったことに対し深くおわび申し上げるとともに、一連の発言を反省し、今後は性の多様性を受け入れられるよう努力して参りたいと思います」と謝罪し発言を撤回した。

松尾氏は自身のツイッターの中で、本人は全然反省していないと述べるとともに、「『努力していく』なんて誰が信じられるか。こんな品性が議員でいることを絶対に許してはならないと思う」とツイートしている。

菅首相は自分の著書でも証拠隠滅に改ざん

また、松尾氏は同日のツイッターで、菅義偉首相の著書『政治家の覚悟』(文芸春秋)の改訂版に、公文書管理の重要性を訴える記述が削除されたことについても触れ、「おやおや、自分の著書でまで証拠隠滅、改竄、隠蔽」とコメント。

2012年に同書が出版された際、菅首相は旧民主党政権が東日本大震災時、会議で十分に議事録を残していなかったことを痛烈に批判。

菅首相は「千年に一度という大災害に対して政府がどう考え、いかに対応したかを検証し、教訓を得るために、政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為」と同書の中で述べていた。

モリカケ問題で行われた証拠隠滅、改竄、隠蔽を菅首相は自分の著書でも行ったと皮肉った。

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香港「民主の女神」周庭さんが怒りの電撃結婚?! 日本のメロンパンに苦言

香港デモ活動の中心的人物で「民主の女神」と言われた周庭(アグネス・チョウ)さん(23)が20日、自身のツイッターを更新し、大阪・心斎橋の高級食パン専門店「非常識」で限定発売されている「台湾メロンパン」について、「明らかに香港のパイナップルパンなのに」と、クッキー地の載ったパンに厚切りバターを挟んだパンの名称について苦言を呈した。周さんは「香港人として悲しい…」とつぶやき、ツイッター上で「いいね」が1万以上もつくなど話題となっている。

周さんの言う「パイナップルパン」とは、香港の名物である「菠蘿包(ボーローバウ)」のこと。パンの上にクッキー生地を載せて焼くという手法で作られたパンだが、横に切れ目を入れて厚切りバターを挟んでいるところが特徴的だ。生地にパイナップルは使用されていないが、クッキー地の割れた様子がパイナップルに似ていることから名付けられたという。

この香港発祥のパンに「台湾メロンパン」という名前を付けられてしまったことで、大の日本通で日本好きで知られる周さんは、とてもガッカリしたに違いない。

しかし同時に、日本人へ向けて香港名物のパイナップルパンの存在を知ってもらいたいという思いから、同ツイートには「これからは「香港のパン」として紹介されればいいなと思います」とポジティブな言葉も。

そして、「日本の皆さんも、香港に来る時、ぜひ食べてみてください❤️」と、しっかり香港のPRも忘れていなかった。

まさかの“結婚”発表?! YouTube投稿動画が物議

周さんは同ツイートを投稿する前日の20日、自身のYouTube「周庭チャンネル」で「彼と…結婚します」というタイトルの動画を配信。

ネット上のファンからは「あのチー牛(黄之鋒氏のこと)と結婚するの?」「ショック!」などといった声が多数あがり騒然となった。本当に結婚したわけではないようで、真相は下記の動画を参照していただくとして、香港民主化運動が中国や香港政府によって封じられる中、香港をはじめ日本や台湾での「アグネス人気」はまだまだ健在のようだ。

※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

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image by: 周庭さんTwitter

「ミス東大」運営がセクハラ認め謝罪。歪んだミスコンの呆れた釈明とは

11月に行われるミスコンをめぐって騒動となっている『ミス東大コンテスト2020』。ファイナリストに選ばれている1年生の女子学生がセクハラ被害を訴え、大学側が関係者に事情聴取を行うことがわかった。

タイトル

出場者の1人がインスタライブやツイッターで運営側からセクハラやパワハラを受けたことを告発。その詳細が明るみになったことで騒動へと発展した。

【関連】「ミス東大」候補者がセクハラ告発。性欲と金にまみれたミスコンの闇とは

被害を訴えたミス東大ファイナリストの神谷明采さんは、「内部でファイナリストお披露目会というものがあるのですが、そこで広研の方に皆の前で、生々しい性的な質問を複数されるなど、不快なセクハラがありました」とツイート。

これを受けて、ミスコンの運営者である東京大学広告研究会は17日、「今年度のファイナリストを広告研究会内で披露する場にて、会員による、候補者が不快に思われるような質問があったことを確認致しました」とツイッターで声明を発表し、セクハラがあったことを認めて謝罪した。

続けて、「不適切な質問をした会員に対しては、謹慎処分を行うと共に、再発防止に努めさせていただきます」とコメントした。

大学側は事実確認をし、早急に関係者への聞き取り調査などを行うとしている。

ミスコン運営者と出場者という力関係を利用して行われたセクハラ行為。女子学生はこのような屈辱を受けるためにミスコン出場を決めたわけではない。ミスコンの存在そのものに疑問を投げかける、取り返しのつかない騒動となってしまったようだ。

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「メシハラの経済学」上司からの食事の誘い、行くか断るか人生で得するのは?

上司から飲みに誘われたら、あなたはどうしますか?最近では誘いを断る部下も多いと言いますが、少し考えを巡らせた方が良いかもしれません。米国公認会計士でフリー・キャピタリストの午堂登紀雄さんは、自身のメルマガ『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』の中で、上司との食事にはメリットとデメリットがあると指摘。「メシハラ」かそうでないかを見極める必要があると解説します。

上司のメシハラ=飯ハラスメントにうんざりする若者たち

先日、「メシハラについてどう思いますか?」というご相談をいただきました。この「メシハラ」は、朝の情報番組から広まった比較的新しい概念。会社の上司など立場が上の人間が、気が進まない部下に対して強引に食事や飲みに行くことを迫る、といった行為を「飯ハラスメント」略して「メシハラ」と呼ぶようです。

部下に誘いを断られた上司が、「なんだよ、付き合いが悪いヤツ」と嫌味を言ったり、「いいからさっさと来い」と強制したり。また、部下が食事に付き合ったとしても「奢ってやってるんだから」「俺の酒が飲めないのか」など圧力をかけるのも「メシハラ」のひとつとのこと。

これはセクシュアルハラスメントにも似ていて、「好きな人からのタッチはうれしいけど、嫌いな人からのタッチはセクハラ」というようなもので、「好きな上司からの誘いはうれしいけど、嫌いな人からのそれはメシハラ」ということなのでしょう。つまりは相互の信頼関係の問題なのかな、と感じます。

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筆者としては「イヤなら断ればいいだけなのに、不満があれば何でもかんでも“○○ハラスメント”などと、満たされない自分の感情を正当化しようとする昨今の風潮はなんだかなあ」とも思うわけですが、それでは相談への回答にならないので、今回は私の個人的見解を踏まえて、部下からみた「上司との食事の損得勘定」を考えてみたいと思います。

さらに、余計なお世話かもしれませんが、部下を誘う側である上司の皆さんにもアドバイスをさせていただきます。

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上司との食事には「メリット」と「デメリット」がある

メシハラを主張する人は、上司に気を遣って疲れるし、就業後まで拘束されるのは自分の時間がもったいないと感じているようです。確かにその側面もありますが、反対に上司や先輩との酒食における「」の可能性について考察してみると、次のようなことが挙げられます。

  • 食事代・酒代が浮く(ワリカンではなく奢りの場合)
  • 上司の本音が聞け、今後の方向性や理不尽だと感じていた指示等への理解が深まる
  • 普段はなかなかできないプライベートの話や思想信条の話ができる
  • 社内では言いにくい会社の問題や業務上の課題が共有できる
  • お互いをよく知ることができ信頼関係や結束が強くなる
  • 社内の人間関係やパワーバランスを把握できる
  • 他の部門やあまり話したことがない同僚も同席するなら、社内人脈が広がる
  • 上司の過去の経験やノウハウを教えてもらえる
  • 会社の歴史の裏側を知ることができ、社風や体制等への理解が深まる
  • 悩みや不安などの相談に乗ってもらえる

ただし、ここには前提条件があります。「誘ってくれた上司が、上述したメリットを得られるに足る人物である」場合に限られるという点です。

たとえば、上司が持つ業務上のノウハウが得られるといっても、そこには「有能な上司であれば」という条件が付くでしょう。相談できるといっても、やはり「尊敬できる上司であれば」という条件が付くでしょう。

しかし、実際にはそうではない上司が少なくないからメシハラに感じるわけです。

仮に筆者が部下の立場なら、上司から食事に誘われたらついていくでしょう。そこで具体的にどう立ち回るか?ですが、「私がまだ未熟で半人前」という立場であれば、上司から酒食に誘われたら極力参加する方針です。

なぜなら、上司についてよく知ることは、自分の仕事のしやすさにつながるからです。上司自身も完ぺきではないですから、上司の性格や傾向を知ることで、「この人にはこういう接し方が良い」「この人にはマメな報告が良い」「この人には事前に着地点を共有した方が良い」などといった接し方、関わり方がわかってきます。

普段は叱ったり褒めたりすることが少ない上司であればなおさら、自分の業務のやり方に対する長所短所、改善点を知る良い機会です。 また、上司もさらにその上司からのプレッシャーを受けていますから、その影響も把握できるでしょう。上司はたいてい説教好きですから、謙虚に「はい、はい、わかりました、ありがとうございます」と素直に聞いていれば、いろいろ教えてくれます。

自分のキャリアプランを踏まえ、長期視点で判断する

私がなぜ「自分が未熟なら参加する」かというと、自分に転職の予定がないかぎり、その会社での職業人生は何十年も続く可能性もあるからです。

もしかしたら、その上司が持つ社内人脈がふとしたところで役に立つとか、その上司が昇進したり新しいプロジェクトに任命されたときに、引っ張ってくれる可能性もあります。

ならば週1回、もしくは月に1~2回ぐらい参加するのであれば、長い目で見ればメリットもあるというものでしょう。

ただし、パワハラ上司や無能上司、過去の自慢話に終始する武勇伝上司、同じ話を延々と繰り返す壊れたレコード上司など、明らかに時間の無駄と思える上司の場合は、この限りではありません。さすがに私も断りそうです(苦笑)。それに、そういう上司はいずれ淘汰されるでしょうし。

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とはいえ、世の中そんな有能で尊敬できる上司ばかりではないし、かといって、そこまでダメダメ上司でもないし、やはり誘いはなかなか断りづらいし、でも無意味な時間にはしたくない―― 次ページでは、そんな悩める部下の皆さんに「ストレスにならない上手な誘われ方」を提案してみたいと思います。

誰の指令か?「学術会議は諸悪の根源」というデマを流布する人間の正体

菅首相による日本学術会議の任命拒否問題が発覚し世論の反発が高まるや、突如として展開され始めた、議員や識者による同会議に対する批判。しかしそのどれもがデマや印象操作の類であり、誤った情報が拡散される原因となってしまいました。この流れについて疑問の目を向けるのは、人気ブロガーのきっこさん。きっこさんは今回のメルマガ『きっこのメルマガ』で、改めてデマや印象操作を検証しつつ、その「一斉射撃」がなされた時期から立てたある一つの仮説を提示しています。

デマによって延命を図る政権

10月17、18両日に実施された全国世論調査では、どの媒体の調査でも、菅内閣の支持率が10ポイント前後も大幅に下落しました。スタート時が「御祝儀相場」だったことを差し引いても、まだ所信表明演説も行なっていないのに、まだ国会も開催されていないのに、わずか1カ月で10ポイント前後も下落するなんて、これは異例中の異例です。

あたしの場合は、新しい首相が所信表明演説を行なう前に外遊へ行くという国民軽視の姿勢にも呆れていますが、今回の内閣支持率の大幅下落は、日本学術会議に対する菅義偉首相の任命拒否問題が主な原因です。今回の全国世論調査では、この問題に関する菅首相の説明について「十分だ」との回答が10%台にとどまった一方で、「不十分だ」との回答は70%を超えました。

そりゃそうでしょう。菅首相も加藤勝信官房長官も「総合的、俯瞰的に判断して」という意味不明の呪文を九官鳥のように繰り返すだけで、具体的な拒否理由をいっさい述べないのですから。逆に、これで「十分だ」と回答している人が10%以上もいることが、あたしは、総合的にも俯瞰的にもまったく理解できません。きっと妄信的な自民党信者なのだと思いますが、あの説明を「十分だ」と言うのは、あまりにも無理がありすぎます。

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しかし、今回の問題は、これだけでは終わりませんでした。口が裂けても「警察から上って来た情報を基に政権に批判的な6名を任命拒否した」とは言えない菅首相は、日本学術会議そのものを悪者にするという論点のすり替えを始めたのです。そもそも、憲法で保障された「学問の自由」に、時の首相が政治介入したということが問題視されているのに、日本学術会議を悪者にすることで「日本学術会議は問題のある組織なので任命拒否しても構わない」という方向へ持って行こうとするなんて、国民をバカにしすぎです。

百歩ゆずって、仮に日本学術会議に何か問題があったとしても、それと「任命拒否」とは全く別次元の問題です。しかし、菅内閣と自民党応援団の面々は、こともあろうに、日本学術会議を悪者に仕立て上げるために次から次へと悪質なデマを垂れ流し始めたのです。

その先陣を切ったのは、フジテレビの上席解説委員、御用コメンテーターとしてお馴染みの平井文夫でした。平井文夫は10月5日のフジテレビ『バイキング』で、日本学術会議の会員について「この人たち6年ここで働いたら、そのあと学士院というところに行って年間250万円の年金がもらえるんですよ。死ぬまで。みなさんの税金から」などと事実無根のデマを流したのです。番組では翌日の放送で男性アナウンサーが訂正しましたが、このデマは自民党応援団の皆さんによって、あたかも事実であるかのようにネット上に拡散されてしまいました。

学術会議問題で判った日本の学問軽視、識者の声を黙殺してきた前科

26日に招集される臨時国会で野党から追求されることとなる、日本学術会議6名任命拒否問題。政府はこれまでどおりの姿勢で逃げ切りを図る構えですが、このような問題が起こるベースには、我が国で進む「学問軽視」という風潮があるようです。今回、健康社会学者の河合薫さんは自身のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』で、これまでも研究者の声は都合よく消されてきたとしてその実例を提示するとともに、学問に敬意を払わぬ国の行く末を不安視しています。

プロフィール:河合薫(かわい・かおる)
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

都合よく消されてきた「研究者の声」

未だに納得できる説明がない「日本学術会議新会員の任命拒否」問題。

さまざまなメディアで、さまざまな人たちが、あれやこれやと賛否両論意見を発信しています。

「そう!そのとおり!」と納得できるものもあれば、「何、それ?」と全く賛同できない意見もある。それ自体はいいのですが、何よりも残念なのは、政府も含めてかなり多くの人たちが、「学問」に謙虚な気持ちをもっていないと深く感じさせられたことです。

そもそも学術会議の会員になったからといって、「俺は学術会議の会員だぜ!」などと威張るような研究者にお会いしことはありませんし、会員に任命されることで学者の地位が高まるわけでもない。

なのに、あたかも学者たちが「名誉を欲しがっている」「税金を無駄遣いしてる」かのごとくバッシングする人たちの多いこと、多いこと。学問に対する敬意が欠けている。…そう思えてなりませんでした。

実際、これまでも「研究者の声」は、都合よく消されてきました。

たとえば「過労死ライン」は月100時間とされていますが、検討会で研究者たちが示したのは「60時間」です。

当時、私は大学院生で、恩師が出席する厚労省の検討会を見学していました。研究者側の意見は、すべて「エビデンス」に基づいています。国内外の論文をレビューし、自らも研究を行い、量的な調査だけでなく、質的な調査も行い、提言します。

しかし、決めるのはいつだって政権側です。

テーマによっては、結論ありきのものも少なくないのです。「働き方改革」もそうでした。最初から「働かせ改革」で企業側の論理ばかりが優先されました。