アバターが働く「仮想オフィス」だからこそ管理職の育成が必要なワケ

リモートワーク化が進む企業では「仮想オフィス」の活用が増え、市場規模は今年8倍にもなると予想されているようです。社員のアバターが“出社”し、会議や相談事などコミュニケーションに役立つと期待は大きいものの、ミドル層の管理職の中には戸惑う人たちも多いのだとか。メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』著者で健康社会学者の河合薫さんは、会社が「場」としての役割を失いつつあると憂慮。新たな働く場として「仮想オフィス」を設けるのなら、そこでもメンバーの力を引き出せるように、管理職をどう育成するかが大切になると訴えています。

プロフィール:河合薫(かわい・かおる)
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

 

アバターで事足りる世界?

2022年がスタートしました。今年はコロナ感染拡大以降、急速に進んだ「新しい働き方」が本格化する1年になりそうです。そこで2022年1回目の今回は、昨年末に受けた「新しい働き方」に関する取材を取り上げます。

みなさんは「仮想オフィス」をご存知ですか?これは自宅にいながら「会社に出社」し、仮想空間でアバターがやり取りするオフィスのこと。つまり、「私」という存在そのものではなく、自分の分身となるキャラクター、すなわち「アバター」が働く、「新しい働き方」です。

矢野総合研究所が21年10月に公表した調査結果によると、仮想オフィスの導入は急拡大しており、21年度の市場規模は20年度の8倍にあたる20億円に達すると予測。特に、コミュニケーション不足を課題にあげる企業が導入を進める傾向が高く、25年度には180億円規模まで急増するという見通しを示しています。

アバターが会社に出社するだなんて、「映画の中の世界」のよう。かつて手塚治虫氏が描いた「21世紀の物語」が現実になったように、技術の発展は私たちの想像をはるかに超えるスピードで進んでいるのです。

実際、オフィスの役割を見直す企業は多く、規模を縮小する動きは加速しています。フリーアドレスにした企業も増えていますが、私が知る限り、社員には不評です。結局、力のある人が「いい席」を取り、仲のいい人たちと「固定席」を作る。自分の席が決まっていれば居場所があった人が、居場所を失うのです。

そもそも「会社」とは、単なるコミュニティではなく、「場」としての役割が極めて大きい。しかし、その「場」が、効率化という耳触りのいい言葉で消滅しつつある。今こそ、「会社が存在する意義」が問われているのに、その問いの答えを自問する経営者はどれだけいるのでしょうか?

むろん、リモートワークも、仮想オフィスも、フリーアドレスも、使い方次第ではプラス面も大きいので否定する気はさらさらありません。

しかし、「会社=COMPANY」の語源は、ラテン語のcompāniōnで、ともに(com)パン(panis)を食べること(ion)。「一緒にパンを食べる仲間」です。果たして「仮想空間」は、その仲間が集う場になりうるのでしょうか。

 

京大教授が暴露。元旦「朝生」CM中に立憲・小川淳也議員が口走った激しい言葉

先日掲載の「竹中平蔵の起用は“逆走”だ。京大教授が指摘する岸田首相『決別』のウソ八百」で、目玉政策として「新しい資本主義」を掲げたにもかかわらず、竹中平蔵氏を首相直属委員会のメンバーに任命した岸田氏を強く批判した、京都大学大学院教授の藤井聡さん。しかし年明け早々出演した討論番組で、その竹中氏と「共闘」する事態となってしまったようです。藤井さんはメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』で今回、そのような展開となってしまった顛末を紹介。さらにオンエアされなかったCM中の論敵との会話もリークしています。

【関連】竹中平蔵の起用は“逆走”だ。京大教授が指摘する岸田首相「決別」のウソ八百

(この記事はメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』2022年1月1日配信分の一部抜粋です)

 

「朝まで生テレビ 元旦スペシャル」で浮き上がった緊縮・改革派に次ぐ新しい反日勢力「人新世」派と「反積極」派

新年、あけましておめでとうございます。

今年の元旦は年明け早々から、『朝まで生テレビ 元旦スペシャル』に登壇し、コロナの問題、経済の問題について、タップリ討論致しました。

これで三度目の朝生となりましたが、今回は4時間という拡大枠ということもありこれまで以上にしっかりと議論できたように感じました。この機会を作っていただいた田原総一朗さん、スタッフ、共演者の皆様に心から感謝申し上げたいと思います。

今回の議論が円滑に進んだ一つのポイントに、冒頭で、各登壇者が一番大切だと思う論点を、フリップをそれぞれ出して数分かけてしっかりお話しした、という点がありました。当方はその「フリップトーク」では、「世界唯一のデフレ国家からの脱却」というキーワードの下、各パネラーが言及した経済復興・競争力強化・賃金向上といった目標を実現するためにこそデフレ脱却が必要であり、そのためには「緊縮が必要だ~」「兎に角改革しろ~」という二つの「固定観念」の打破が不可欠だとお話し差し上げました。

その後、本格的な議論に突入していくのですが、当方は当初、「竹中平蔵」氏と対立する展開になるのではないかと……想定していました。

しかし…蓋を開けて見れば驚くべき事に、竹中氏とは対立するよりもむしろ、融和的に議論する局面が大半を占める結果となったのです!

なぜこうなったのかというと、竹中氏ですら「そりゃダメでしょ」というツッコミを入れてしまう議論を声高に主張する論者が二人もおられたからです。

そんな論陣を張ったお二人の一人はまず、立憲民主党の政調会長である、小川淳也衆議院議員。

小川氏は上述の様に野党第一党である立憲民主党の政策をとりまとめる政務調査会の会長。

したがって、彼の政策思想は、日本の国会運営において巨大な影響を及ぼし、野党といえども日本の政治そのものにそれなりに影響を及ぼす、という重要なお立場にある先生です。

それほどの要職に就きながら、彼は、次の様に発言したのです。

「先程から、二人の先輩方(藤井&竹中)の議論を聞いていると、GDPが成長すればそれで良いかのような、バブル世代の古いイメージで議論されているが、そんなのはダメだ。今の新しい時代の我々世代が求めているのは、環境制約の中で、GDPで測れない価値を見据え、成長をしないで国民が幸せになる国家を目指す事なんだ!」

いろいろな事をおっしゃってましたが、彼の「論旨」はこういうものでした。

 

サクラ不起訴で逃げ切り成功。はしゃぐ安倍晋三元首相が取るべき「責任」

以前掲載の「安倍氏『桜を見る会』責任は全て秘書。118回の嘘で固めた悪の顔」でもお伝えしたとおり、「桜の会」問題を巡っても頑なに自身の責任を認めない姿勢を貫いてきた安倍元首相。昨年末に東京地検が不起訴としたことで、捜査は終結、安倍氏の罪は問われない結果に終わりました。この決定に異を唱えるのは、元全国紙社会部記者の新 恭さん。新さんは自身のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』で今回、当案件の悪質性と元首相の罪の重さを指摘。さらに、政治的な存在感を誇示するかのような言動を繰り返す安倍氏とその内容について、強く批判しています。

【関連】安倍氏「桜を見る会」責任は全て秘書。118回の嘘で固めた悪の顔

 

サクラ不起訴の安倍元首相。日本有事を煽るより道義的責任をとれ

御用納めの昨年12月28日、東京地検特捜部は公職選挙法違反と政治資金規正法違反の疑いで告発されていた安倍元首相を、再び不起訴処分とする旨の発表をした。

公的な行事であるはずの「桜を見る会」を、総理大臣があたかも支持者集会のごとく私物化してきた事件の捜査は、安倍氏の後援会代表だった元公設第一秘書を略式起訴しただけで終結するかたちになった。

しかし、これで醜悪きわまる政界劇の幕引きをさせてはならない。アベ・スガ政権でまかり通ってきたウソとゴマカシによる「逃げるが勝ち」の成功法則を打ち砕き、腐敗と堕落の病根を取り除かなければ、この国に民主主義をとり戻すことなどできないからだ。

安倍元首相は、「桜を見る会」前夜パーティーで、参加者が個別にホテルと契約して会費を支払ったなどと、国民を小馬鹿にした荒唐無稽な答弁を100回以上も国会で繰り返した。

2020年2月17日の衆議院予算委員会で、その件に関し野党議員から「事実と違ったらきちんと責任をとられるということですね」と問われた安倍首相はこう答えていた。

「私がここで総理大臣として答弁するということについては、全ての発言が責任を伴うわけであります」

しかし、ウソはすぐにバレる。東京地検特捜部は、2016~19年の政治資金収支報告書に、計約3,022万円の収支を記載しなかったとして、政治団体「安倍晋三後援会」代表の公設第一秘書を略式起訴した。

後援会が訂正した収支報告書によると、例えば19年前夜祭の場合、参加者767人から集めた金額は383万5,000円なのに、約644万円がホテルニューオータニに支出されている。

これにより、実際には一人当たり8,400円ほどかかり、5,000円の参加費では足りない分を後援会が補てんしていたことが明らかになった。そして、ホテルから出ているはずの領収書は無くなったとして「亡失一覧」が添付されている。

これだけの事実があっても、安倍元首相は、議員辞職をすべきという声を拒んだ。その理由について、秘書が事実を隠していたから自分は知らなかったとか、検察が自分を不起訴にしたから問題はないとか言っている。誰がみても、ウソの上塗りであり、ごまかしだ。民主主義国家の国会で首相たるものがウソをつき続けた罪は重い。

モリ・カケ・サクラ。いずれの疑惑でも総理の関与は明らかである。しかるに、安倍氏はいっさい責任をとっていない。それどころか、安倍氏は政治的な存在感を誇示するかのごとき言動を繰り返している。とりわけ「やっぱり、安倍さんだ!」(「月刊Hanada」特集)などと右派論壇を沸かせたのが、台湾防衛に関する対中発言だった。

 

「逃げるは恥」なんてむしろ逆。Netflixに学ぶ失敗を許容する重要性

近年よく耳にするようになった、エマージェントストラテジーなる言葉。「戦略を持たない戦略」と言われますが、それではどうもピンとこないというのが実情ではないでしょうか。そんなエマージェントストラテジーを徹底解説してくださるのは、Google、マッキンゼー、リクルート、楽天の執行役員などを経て、現在はIT批評家として活躍されている尾原和啓さん。尾原さんはメルマガ『尾原のアフターデジタル時代のモチベーション革命』で今回、メディア界の新興勢力・Netflixの事例をもとに、エマージェントストラテジーの何たるかをレクチャーしています。

 

変化の時代に大切なのは初志貫徹ではない?エマージェントストラテジーを解説

今日は、失敗を許容することの大事さについて解説します。

初志貫徹することよりも過ちに気づいたら、さっと謝って、次のスタイルにどんどん変えていくことが大事みたいな話を以前させていただいていたのですが、実はこれが、この5年ぐらい、ベンチャーとか新規事業をやるときに、非常にに大事な戦略、「エマージェントストラテジー」として立ち上がってる分野なので、この解説をしたいと思います。

エマージェントストラテジーとは

この「エマージェントストラテジー」を一言で説明すると何かというと、戦略を決めないことが戦略って言うものなんですね。エマージェントストラテジーをそのまま日本語訳にすると創発するする戦略とか、新しく現れてくる戦略みたいな意味なんですけど、何かって言うと、

今までの時代ってまるで問題集を解くように正解がわかって、その正解をひたすら実装するのが早くて、すごいところが勝つ。という、比較的正解がわかってた時代から、今っていうのはどちらかと言うと、昨日までの正解が、今日は正解じゃなくなるかもしれない。

そして新しいテクノロジーとか、新しい変化が起きることによって、新しい正解がどんどんどんどん現れてくるかもしれない。

そんな時代の中で、あらかじめこれが正解だからこっちに向かって進もうということが、危険で、いかに次に現れてくる正解を呼び込もうとするような形に戦略を決めずに、でも新しく生まれる正解というものを、呼び込むためにはどうすればいいか、ってことが大事になってくるんですね。

これ非常にわかりやすいのが、「Netflix」。もうディズニーに次ぐ、コンテンツの投資規模の大会社ですね。

この事例が、わかりやすいので、それを中心に説明をしていければです。

 

2022年も注目の「NFT」。業界人が決して口にしない根本的な疑念

デジタルアートが超高額で取引され、2021年に急激に注目度が上がった「NFT」(非代替性トークン)。日本でも昨年数社がサービスを開始し、2022年はメルカリや楽天も加わる予定で、ますます注目されそうです。そんな「NFT」に対し、以前から疑念の声を上げているのは、「Windows95を設計した日本人」として知られる世界的エンジニアの中島聡さんです。今回のメルマガ『週刊 Life is beautiful』では、中島さんが抱く3つの根本的疑念を裏付け補完する資料から、注目点を抜き出し詳しく解説。NFTを成立させる「ブロックチェーンの安心安全」すらも幻想かもしれないと指摘しています。

プロフィール中島聡なかじま・さとし
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。

※本記事はメルマガ『週刊 Life is beautiful』2021年12月28日号より一部抜粋したものです。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

 

エンジニアから見たNFT

NFTについては、このメルマガでも何度か触れて来ました。実際にソフトウェア・エンジニアとして、アプリケーションを作った結果、NFTに対する根本的な疑念がいくつか見えてきました。代表的なものは、次の3つです。

  • トランザクションコスト(ガスコスト)が高すぎて使い物にならない
  • Decentralized Appのほとんど全てが、実際にはDecentralizedではない
  • ユーティリティ・トークンは通常のデータベースで実装した方が良い

私には、それらの疑念が、あまりNFT界隈で話題になっていないのが不思議でなりませんでした。私の理解が間違っているという可能性もありますが、NFT業界の人たちは、自分たちに不利になる発言はしない(ポジショントークをしている)という可能性も十分にあります。

そこで、私と同じようなエンジニアが、ポジション・バイアスを抜きにして純粋にNFTを評価している資料を探していたところ出会ったのが、「An Engineer’s Hype-Free Observations on Web3(and its Possibilities)」というドキュメントです。

シアトルからハワイ島に遊びに来たゴルフ友達の奥さんが、たまたまPioneer Square LabsというシアトルのVC(ベンチャーキャピタリスト)のCFOで、彼女が、私に是非ともこのドキュメントを読んでフィードバックが欲しいと頼んで来たのです。

内容はとても濃いので、興味のある方には全文を読んでいただきたいところですが、私なりに注目に値すると感じた点を列挙します。

何よりも貴重だと思う情報は、ブロックチェーンがデータを格納するのは、とても非効率で高価だという点です。筆者によると、Ethereum上に256-bitの整数を格納するのに、約$7.50かかるそうです。

まさにこれが、私が「トランザクションコストが高すぎて使い物にならない」と感じた理由であり、市場にある「自称Decentralized App」のほとんどが、ブロックチェーンにはURLやIDだけを格納し、実際のデータは通常のデータベースに格納している理由なのです。

また、不動産などの取引の記録にブロックチェーンを使うというアイデアはありますが、実際の取引の段階では、今と同様に「信頼出来る第三者」が必須であり、その部分に関しては、ブロックチェーンは何も解決してくれない、という指摘もとても鋭いと感じました。

 

「年末年始らしい気分」とは「準備」への「対価」だと気づいた話

子どもがいる家庭といない家庭で大きく違うことの一つに、年中行事を楽しむか否かがありそうです。正月に凧を上げ、かるたや福笑いで遊ぶ大人ばかりの世帯や、節分の豆撒きで鬼役をするDINKs世帯の夫の話はほとんど聞いたことがありません。それでも年末年始くらいは「らしい気分」を味わいたいという人も多いのではないでしょうか。今回のメルマガ『8人ばなし』では、著者の山崎勝義さんが、何年も「年末年始らしい気分」を経験していないと告白。その理由を掘り下げて、人生に彩りを添えるには「準備」が必要だったのだと述懐しています。

 

気分のこと

もう何年も年末年始らしい気分を経験していない。この原因については実は自分でも疾うに分かっている。自分が悪いのである。誤解のないように一応断っておくが、別にクリスマスから年末年始にかけて続くどことなく明るい感じを嫌悪している訳ではない。むしろこの間どことなく明るいままに変化していく街の雰囲気は逆に好きなくらいである。

では何故、特段厭世的になった訳でも、原理主義的宗教観に目覚めた訳でもない人間が「年末年始らしい気分」になれないのか…理由は存外簡単である、私が横着になったからである。

どの年中行事においてもそうだが「らしい気分」になるために欠かせないことが一つあって、それが横着者にとってはなかなかに高いハードルなのである。他でもない「準備」である。

クリスマスならツリーを飾り、家を電飾し、そこら中を赤と緑と白にする。年末ならまずは大掃除、同時進行で新年の準備のあれこれ、そのほとんどが所謂縁起物と呼ばれるものだから作法もそれなりには厳しい。ギリギリでの辻褄合わせは通用しない。しかもどんなに金に余裕があっても他人や業者任せでは意味がない。どんなに面倒でも自分たち自身の手でやることが大事なのである。

そうやって手間と暇を十二分にかけた人だけがその瞬間、あるいはその期間に感じることができるのが、この「らしい気分」なのである。「らしい気分」とはある種のご褒美なのである。あるいは特殊な労働対価と言ってもいいのかもしれない。子供がはしゃぐのも当然である。誰よりも準備(子供にはこれが全く苦にならない。それどころかむしろ楽しいまである)期間が長いのだから。

逆に、これらの手間暇を惜しめば惜しむほどに「らしい気分」は小さくなって行くというものである。例えば、餅も個別包装された袋詰めの物をスーパーで買って来るのではなく、自分の家でホームベーカリーか何かででも作ってみればきっと楽しいに違いない(横着者の想像に過ぎないのだけれど)。さらに杵と臼で搗いてみたらもっと…(これこそ絶対にあり得ないレベルの横着者の想像に過ぎないが)。

このように横着になるということは、まあまあそれなりの代償を支払うということなのである。とは言っても、前にも述べた通りある種労働対価的なものでもあるから別に損をしている訳でもない。何もしていないから何もないだけのことである。

ただ人生から色味が抜けていくのは確かだ。自分は横着者だから、と嘯いて手間や暇をかけることを省くほどに少しずつか、あるいは一色ずつ、その色味は消えて行ってしまっている。この調子でいけばジジイになる頃にはすっかりモノクロームであろう。

ならばもっと準備に手間と暇をかければいい、となるのではあるが、どうしても(本当にどうしてもなのである)自分が笑顔で餅搗きをしている画など全くもって想像の埒外なのである。それどころかリアルに気持ち悪いレベルである(これも一周回って滑稽まで行けば、まだましなのだろうが)。

幸い自分は白黒映画は嫌いではない。くすんだカラーも割と好きだ。そういう訳で、これからも土日祝日盆暮正月クリスマスも「as usual」で行くのであろう。きっと死ぬまでそれで行くのであろう。

 

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東京で積雪5cm超も。久しぶりの大雪でネット大混乱「帰宅命令だして」「電車止まるとかないよね?」

気象庁は6日午後4時5分、東京地方に「大雪警報」を発表した。同日昼頃から降り出した雪は夜まで降り続くとの予報がでており、普段は積雪がない都内在住者および都内勤務の会社員などからは帰宅への不安や明日の路面凍結などを心配する声があがっている。

気象庁は同発表で「降雪による交通障害、12時間最大降雪量10センチ」との予報で、都内在住者や在勤者へ大雪警報を出した。

それでなくても午後4時30現在、窓の外は大雪が降り続いており、SNSのTwitterでは、トレンドワードのほとんどが雪にまつわる言葉で埋め尽くされている。

中でも深刻なのが「帰宅命令」というワードだ。勤務先の会社で「今日は早めに帰った方がいいよ、お先にお疲れさん」と上司がそそくさと帰宅してくれたら問題ないのだが、そうはいかないネットユーザーたちからは「早く帰宅命令だして」と悲痛の叫びがあがっている。

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なぜなら、次のトレンドワード「電車止まる」でもわかるように、交通機関が完全にマヒする可能性があるからだ。電車が止まって帰宅難民となる前に、会社の経営者のみなさん、早く「帰宅命令」を出してください!

【関連】なぜ首都圏の電車はこうも雪に弱いのか?在米作家がメカニズムを解説

さらに心配されるのが、自動車を使って仕事をしている方々だ。運送会社は言うに及ばず、営業の方や出勤に自家用車を使っている人、バス通勤の人もいるに違いない。トレンドワードの上位にも「ノーマルタイヤ」という切実な言葉があがっている。

【関連】ノーマルタイヤ装着時に大雪・・・覚えておきたい5つの運転術

そして、ネット上には早くも明日の朝に凍結するであろう路面への懸念や、レミオロメンの「粉雪」思い出した等、さまざまな声があがっている。

綾瀬はるかの熱愛はなぜいつも独占スクープされるのか?その裏に潜む告発者の存在とは

元SMAPの香取慎吾さん(44)さんが先月28日に一般女性との結婚を発表。他にも女優の大政絢さん(30)が自身のインスタグラムで結婚を報告するなど、2021年も駆け込み婚が話題となりました。そんな中、毎年結婚の噂が絶えないひとりとして注目されているのが綾瀬はるかさん(36)。しかし、なぜかいつも熱愛スクープを報じるのはある週刊誌だといいます。気になるその裏側を芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが解説します。

綾瀬はるかと船越英一郎、熱愛スクープに潜む奇妙な接点

女性セブンの新年合併号が“2時間ドラマの帝王”こと船越英一郎の真剣交際を伝えています。

お相手は22歳年下の女優兼歌手・アーティスト、松下萌子。25年前の『全日本国民的美少女コンテスト』で上戸彩とグランプリを競い合ったことのある女性です。

このニュースを知って驚いたのは、ベテラン芸能記者たちでした。

というのも、船越は5年前に松居一代と離婚していて、そのときの経験が半ばトラウマ状態になっていると聞いていたからです。

複数の直撃取材にも“もう2度と結婚はしない!”と公言していました。

口先だけとはいえ、こんな公約があったから“船越”と“再婚”という2文字のコラボ記事に、ベテラン記者たちはにわかに色めき立ったというわけです。

記事を改めて検証してみても、同誌の取材クルーはクリスマス・イブ、クリスマス当日、そして年明けへのカウント・ダウンの夜にも、船越の自宅に足繁く通う松下の姿をキャッチしていました。

時間をじっくりとかけてエビデンスを積み重ねる取材を続けているのが、手に取るように理解できます。

これは双方の所属事務所には反論の余地すら与えない、攻撃的な取材体制をとったと言っていいでしょうね。

実際、船越が所属する『ホリプロ』も、松下が所属する『オスカープロモーション』も、物的証拠を突き付けられて“ぐうの音も出なかった…”と言われています。

芸能取材の見本的記事と言い換えてもいいでしょう。

【関連】浜崎あゆみ、B級アイドル時代は黒歴史?「新人なのに態度がデカい」歌姫誕生までの知られざる秘話

私自身何度もクリスマスというとても特殊なシチュエーションの日に張り込み取材をした経験がありますが、その心中は実に複雑なものでした。

情報を成立させるというドキドキ感の反面、街のイルミネーションと恋人たちの何とも言えない距離感が眩しく視野に入り、地にしっかりと足が着かない状態での取材でした。

心が常に落ち着かない状態ですから、いつも取材を終えたときの疲労感といったら半端ない程、人生が半分に短くなったような疲労感とでも言いましょうか…。

船越のニュースで私の中で強く印象に残ったのは、同誌とホリプロの、とても微妙な関係でした。

現役精神科医が伝授。「語尾を変えるだけ」でネガティブな気持ちが楽になる

どんな人でもネガティブな気持ちに囚われてしまう時はあると思います。そんな時に試してほしいのが、現役精神科医のゆうきゆう先生がおすすめするちょっとした工夫。時間もお金もかからないその方法を自身のメルマガ『セクシー心理学! ★ 相手の心を7秒でつかむ心理術』の中で紹介しています。

どんな悩みも2秒で消し去る魔法の言葉!

こんにちは、ゆうきゆうです。

今日も元気でお過ごしでしょうか。

さて、みなさんはネガティブ気持ちに囚われた時、どうやって改善するか考えたことはありますか。

今回は、ネガティブな気持ちになったときに気持ちを前向きにする、ちょっとした工夫についてお話していきたいと思います。

魔法のワード

例えば、もうだめだ、と思う時があると思います。

・何であんなことをしたんだろう…
・あのとき失敗しなければ…
・あのことがすごく心配でしょうがない…

このようなネガティブな思いに囚われた時、試していただきたいシンプルな言葉があります。

それこそが

「~と思っているんだな、僕は」

もしくは

「~って考えているんだな、私は」

です。

これらのワードをつけて頂くだけで、自分自身の気持ちを客観的に見る事ができるのです。

人間はネガティブな気持ちになった時やパニックになった時は、かなり主観的になってしまいます。

例えば、自分自身の視点がカメラだとすると、カメラそのものが嵐の中に巻き込まれてしまい、グルグル回って自分自身の気持ちがわからなくなってしまうのです。

しかし、「~って考えているんだな、私は」と思うことによって、カメラをその嵐の外から客観的に見ることができます。

そうするとリラックスしてきて

「そっか、自分はそういう風に思えているんだ」

とソフトで冷静な気持ちになり、ネガティブな気持ちに囚われることが減っていきます。

嫌なことを言われた時

これは、他の人から何か嫌なことやパニックになるようなことを言われた時にも使えます。

例えば、「お前はクズだ!」と言われた時に、真正面から捉えてしまうと、どんどん気持ちが落ちてしまいます。

「お前はクズだと、この人は思っているんだな」

とか

「あんたバカだと、この人は考えているんだな」

という風に、表現をソフトにできます。

そして、「お前はバカだ」という嵐の中に巻き込まれることなく「他の人みんなが思っているわけじゃない」と冷静に見ることができるようになりますよ。

今の自分の状態を客観的に見ることによって、冷静になったり気持ちをリラックスさせたりできるので、ぜひ「考えている、思っている」を使ってみてくださいね。

少しでも参考になることあれば幸いです。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

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『鬼滅の刃』に蔓延する“飢え”。作品が本当に描きたかったテーマとは?

子供から大人まで多くの人を熱中させ、ブームとなった『鬼滅の刃』。同作を見る上で、人によって様々な視点があると思いますが、“飢え”という点で考察するとどんなことが見えてくるのでしょうか。朝日新聞の元校閲センター長という経歴を持つ前田安正さんが自身のメルマガ『前田安正の「マジ文アカデミー」』の中で熟考しています。

 

『鬼滅の刃』に見る「飢え」

明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。みなさん、年末年始はゆっくりできましたでしょうか。

僕は年明けに遅ればせながら、吾峠呼世晴の人気コミックス『鬼滅の刃』(集英社)全23巻と「外伝」読みました。

今回はこれを基に書いてみます。年明け最初に「鬼」の話もいかがとは思ったのですが、なかなか感慨深いものがあったので、お付き合いいただければ幸いです。ネタバレ部分も出てくるで、まだお読みになっていない方は、ご容赦ください。

陰の気、得体の知れない精霊

中国の字書『説文解字』には
人が(死後に)帰するものが「鬼」である。霊鬼は陰の気のものであり…
とあります。

人が(死後に)帰するものが「鬼」である、という解釈は、死亡することを「鬼籍に入(い)る」ということばにも表されているように思います。また、「鬼(キ)」と「帰(キ)」は、ともに漢字の成り立ちが同じだという語源感覚があったのではないか、とする説もあります。

「陰の気」が、もともとの意味で、亡霊とか死者を指しました。そこから得体の知れない精霊や化け物、人知を超えたもの、また技や力が人間離れしているという意味に展開しました。「鬼」は甲骨文字にも現れているので、紀元前15世紀頃からこうした概念があったと考えられます。

「山鬼」と言えば「山の精霊」を指すことばです。「鬼気」は人を病気にさせたりする邪気とか、気味悪く、ぞっとするような気配という意味があり「鬼気迫る演技」などという具合に使われます。

「仕事の鬼」「復習の鬼」などは、執念に取りつかれて夢中になっている人のたとえとして、使われました。そこから「ひどい」という意味で、かつては「鬼軍曹」とか「鬼嫁」などということばもよく使われました。