楽天モバイル離脱者「争奪合戦」開始。povo2.5倍、LINEMO2.6倍、ワイモバ1.5倍と他社にユーザー殺到

楽天モバイルがひとつの目玉としてきた月額「ゼロ円」で利用できるプランの廃止を発表し、競合他社へ乗り換える人が増えているようです。その流れに乗れとばかりに、各社が「楽天モバイル離脱者」の争奪戦の様相を呈していますが、果たして激安スマホ戦争を制するのはどこのメーカーなのでしょうか。今回のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』ではケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんが、その動きを分析しながら、2022年の後半に起きるであろう激安プランを予測しています。

 

「楽天モバイル離脱者を奪え」キャンペーン合戦が過熱

楽天モバイルがゼロ円プランの値上げを発表した直後から、ユーザーの流出が始まっているようだ。KDDIの高橋誠社長は今週、行われたメディアのインタビューに対して、以前に比べて申込件数が2.5倍に増えたと語っていた。

povoに関しては1年間で120万契約を獲得している。ザックリした計算でしかないが、1年間で120万件ということは1日あたり3000~4000件程度の新規契約件数と思われる。この2.5倍となると、直近は1日あたり1万件近い申し込みがあると予想される。つまり、5000~6000件近い、楽天モバイルユーザーがpovo2.0を契約しているのではないか。

一方、ソフトバンクも、LINEMOのミニプランへの申し込みが2.6倍になっていると明かした。ただし、そもそもpovo 2.0に比べてLINEMOのほうはユーザーが少ないので、母体数が小さいからこそ、povoより多い2.6倍という数値になったと思われる。LINEMOはユーザー数が昨年8月の段階で「50万にも満たない」(宮川潤一社長)ということで、楽天モバイルからの流入は1日数千件がいいところなのではないだろうか。

ただ、ワイモバイルに関しても1.5倍伸びているという。こちらのほうが、おそらくpovo2.0よりも母数は大きいと思われるので、かなりの数が楽天モバイルから流入していそうだ。

MVNOでもIIJmioがユーザーの申し込みが増えて、手続きが遅れていると明かしている。

各社の状況を俯瞰すると、1日あたり数千あるいは1万程度、ユーザーの流出が起きているのではないか。

楽天モバイルでゼロ円だった人だけが流出するのであれば、楽天にとっては大した痛手にはならないが、これまでアクティブに使っていたユーザーが流出するとなれば、結構、厄介な話だ。

povo2.0が「おとな買いキャンペーン」を始め、LINEMOに至っては「半年、実質無料」という楽天モバイルユーザーが飛びつきそうなキャンペーンをぶつけてきた。

その点において、NTTドコモ・ahamoが波に乗れていないのが、なんとも残念だ。一般メディアでは「3GBでいくらか」という比較表を出す中で、楽天モバイル、LINEMO、povo2.0の名前が並ぶのだが、ahamoだけは20GB2970円という数字が記載され、明らかに分が悪い。

NTTドコモとしては「大盛り」でARPUを稼ぐ方向に行きたいのだろうが、業界のトレンドとしては完全に「小盛り」のほうが需要がある。

NTTドコモが小容量ニーズをエコノミーMVNOだけで獲得していけるのか、一方で、楽天モバイルはこのまま指をくわえてユーザーの流出を見過ごすのか。

2022年後半戦は「3GB1000円」の獲得合戦が盛り上がりを見せそうだ。

 

NATOに包囲されるプーチン。北欧2カ国の加盟申請で本格化する世界分断

ロシアのウクライナ侵攻を受け、これまで取り続けてきた軍事的中立の立場を転換し、NATOへの加盟を申請したスウェーデンとフィンランド。これは“ただ2つの国が方針転換した”だけでは収まらない、世界の分断が進む象徴となりそうです。メルマガ『石川ともひろの永田町早読み!』では、著者で小沢一郎氏の秘書を長く務めた元衆議院議員の石川知裕さんが変わりゆく世界情勢を危惧しています。

 

CSTO拡大を画策するロシア/フィンランドとスウェーデンの乱

フィンランドとスウェーデンがNATOへの加盟を申請した。 正式加盟となれば欧州の軍事バランスが変化することになる。

EUに加盟し政治経済的には西側諸国に属していても軍事同盟には加わらなかった両国のNATO加盟は、ロシアにとって安全保障上の脅威となる。 加盟が承認されれば、ロシアが対抗措置をとることは間違いない。

両国は国民世論の後押しを受けて、NATO加盟という長年の悲願を決断した。 背景には、ロシアがウクライナとの二正面作戦は無理だと判断したことがある。

プーチン大統領は旧ソ連の枠組みを回復し大ロシア復活を目指していたが、ウクライナ侵攻は”逆バネ”に働いた。

孤立を深めるロシアだが、さきの国連決議ではロシア寄りの協力国を増やし、世界を分断している。 NATOの拡大に対抗して新たな軍事同盟を再構築することも考えられる。

現在のロシアの軍事同盟はCSTOだ。 いまの受験生は「ワルシャワ条約機構」と言ってもピンとこないだろうが、我々のころは「NATOとワルシャワ条約機構の争い」と覚えていた。

ワルシャワ条約機構解散後、旧社会主義諸国が相次いでNATOに加盟したので周辺地域への影響力を保持してNATOに対抗するため、ロシアを中心に設立されたのがCSTOだ。

加盟国はロシア以外には、アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンの旧ソ連6カ国だ。

かつてワルシャワ条約機構に加盟していたのはポーランド、東ドイツ、チェコスロヴァキア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、アルバニアの8カ国だったが、いまやすべてNATOに加盟している。 ロシアは徐々にNATOに包囲されつつあると言ってもおかしくない。

そこにフィンランドとスウェーデンがNATOに加わる。 フィンランドは75年以上にわたり維持してきた軍事的非同盟方針を転換し、スウェーデンに至っては200年以上にわたって軍事的な非同盟を貫いてきたことからの転換である。

ロシアがこの攻勢に対してどう手を打つのか。 地続きで軍事同盟を拡大していくことは難しい状況なので、海を越えてCSTOを拡大しNATOに対抗していくことが考えられる。 世界の分断が進むだろう。

 

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戸田恵梨香、完全復活まであと一歩?降板相次ぐも夫・松坂桃李の徹底サポートで仕事再開の兆し

しばらくテレビで姿を見かけることがなかった女優・戸田恵梨香(33)さんが再びメディアを賑わせ始めました。2020年12月に俳優の松坂桃李(33)と結婚後も大忙しだった戸田さんですが、2021年7月期放送のドラマ『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』(日本テレビ系)に出演して以降は仕事をセーブ。あれから約8カ月が経過しましたが、これからどのような展開となっていくのでしょうか。芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが解説します。

戸田恵梨香がCMで見せる姿に業界内は妄想の嵐

5月2日からオンエアされている戸田恵梨香のCMに芸能マスコミが大いにざわついています。それはこのCMの戸田の衣装が、あまりにも“意味深”過ぎるから…。

話題のCMは『サントリー』の『金麦』。これで戸田が着ているブルーのゆったりとしたワンピースが、関係者たちの妄想を悪戯に刺激しているのです。

たくさんのタレントを知るスタイリストに話を聞いてみると…“彼女が好んで着るようなコーディネートではないような気がしますね…”と、さらに騒動に油を注ぐようなコメントをくれました。

戸田がテレビから消えて、早いもので8カ月近くが経過します。

その間、長かった髪を突然切ったとか、ファッション誌のモデルの仕事をしたとかのニュースが断片的に報じられるだけで、その実態をなかなか掴めずに現在に至っています。

そんな中5月2日に解禁になった新CMの戸田に…にわかに彼女の周辺が騒がしくなっているというわけです。

このCMを複雑な思いで見ているのが、現在オンエア中の『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』のスタッフではないでしょうか。

元々このドラマ、戸田と松重豊のコンビを想定して書かれたコメディだと言われていて、上手く化学反応を起こせば“10%台の平均視聴率も見込めるドラマ”と局幹部の間で噂されていました。

TBSの火曜22時~という“火曜ドラマ”枠は、今まで“ドラマのTBS”として『逃げるは恥だが役に立つ』『義母と娘のブルース』『恋はつづくよどこまでも』などの高視聴率を連発した枠ですから、局期待の作品だと言えるでしょう。

そして脚本には『ダメな私に恋してください』や『病室で念仏を唱えないでください』の吉澤智子氏を据えました。

本編第4話終了直後にはスピンオフを配信したことでも、いかにこのドラマに局が期待しているかが想像できる展開でした。

“もし想定稿通り戸田だったら…”『金麦』CMを見ながら、スタッフのそんな恨めしい呟きが聞こえてきそうです。

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プーチン退陣は必至。ロシア「惨めなまでの敗北」の後に待つ不安な国際情勢

ロシアの軍事侵攻から5月24日で3カ月となるも、未だ先行きが見通せない状況が続くウクライナ紛争。18日にはフィンランドとその隣国スウェーデンがNATOへの加盟申請を行なうなど情勢は目まぐるしく変化していますが、今後この戦争はどのような展開を辿り、そして国際社会はいかなる動きを見せるのでしょうか。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では著者で元国連紛争調停官の島田久仁彦さんが、ウクライナ紛争はまだまだ長期化すると予測。その上で、国際協調の時代はもう戻ってこないとの悲観的な見解を示しています。

 

ウクライナ戦争―止められない世界の分断の波

「要衝マリウポリが陥落した」
「アザフスターリ製鉄所に留まっていたアゾフ連隊が、ついに“投降した”」
「いや、任務を終了して退避した」

ウクライナおよび欧米側が伝えるニュースと、ロシア側が伝えるニュースでは、対象は同じでも、伝え方が違えばこれほど受ける感触が違うのかと思わされるエピソードです。

誤解を招く言い方になるかもしれませんが、アゾフ連隊が“投降”したのか、“退避”したのかというポイントは、正直さほど気になりません。

あるのは【アゾフ連隊が製鉄所から去り、ウクライナ南東部の要衝マリウポリがロシア軍によって“完全”掌握された】という事実だけです。

もちろんこれで終わりではなく、ロシアとウクライナ、そしてその背後にいる皆さんによる一進一退の攻防が継続されるのだと思いますが、今週、ついにマリウポリが墜ちたのは、一つ大きな区切りだと考えます。

ロシアとしては、親ロシア派が掌握しているウクライナ東部のドンバス地方からマリウポリを通って、クリミア半島に陸続きでアクセスできる回廊が、一応できたことと、ウクライナがもつ港をことごとく押さえたことは、今後、ウクライナとその背後にいる皆さんの出方に影響を与えることになるでしょう。もちろん、ロシアの出方も。

このまま一気呵成にロシアがウクライナ全土を掌握できるかというと、そうは問屋が卸さないことは明らかですが、ウクライナとNATOによる対ロシア抗戦が激化することで、一層、戦争の長期化が見込まれてしまいます。

泥沼化するが、あくまでも軍同士のにらみ合いと交戦に留まるのか?それとも、まだまだ一般市民を巻き込み、さらなる悲劇の渦を拡げ続け、そしていずれ戦火が周辺に、まるで野火のように広がっていき、収拾のつかない事態がまっているのか?

その答えは分かりませんが、“拡大”を懸念させる事態が今週起きています。

それはこれまで中立の立場を取り続けてきたフィンランドとスウェーデンの同時NATO加盟申請です。

5月18日に両国首脳が揃って申請を行い、19日には日本出発前のバイデン大統領を訪問するためにワシントンDC入りし、今後の対応について協議しています。

ロシアに第2次世界大戦時に領土を奪われ、終戦前に奪還したフィンランドは、終戦後、たまたまナチスドイツに与していたことで罰せられ、結局、ロシアに国土の一部を取られることになりました。その経験は1,300キロにわたる国境線をロシアと共有する国に、生存のため、欧米にもロシアにも与しない、中立の立場を保ってきました。

「いつまたロシアに…」

その思いはフィンランドに核シェルターを作らせ、防衛のための軍を強化し、欧州でも有数の軍事力を備えるに至りました。

スウェーデンについては、中立でありつつも、サーブ社を通じて自国で戦闘機を建造することが出来、かつ最先端兵器を有する非常に強い軍隊をもっていることから、ロシアも容易には攻略できない状況にあります。

これまでロシアと欧米のバッファーとして、戦いを防ぐための砦の役割を果たしてきた両国が、安保政策を根本から変更し、NATO加盟申請を決行するにいたったのは、今後の安全保障および地政学的な意味合いを大きく変えることになります。

 

ロシアからの「核」だけじゃない。日本が抱える“兵器以外の北朝鮮リスク”とは

核ミサイルが大きくクローズアップされる、金正恩政権が各国にもたらす脅威。しかし日本にとっての最大の北朝鮮リスクは、それら「兵器」の類ではないようです。今回のメルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』ではジャーナリスト・作家として活躍中の宇田川敬介さんが、我が国に対する北朝鮮による一番の脅威についての考察を展開。さらに新しい冷戦構造において、日本がシミュレーションしておくべき局面を提示しています。

 

ウクライナ情勢を見て思う「我が国は生きのこれるのか?」日本のリスク・北朝鮮編

今まで日本国内における日本の置かれた状況を見てきました。

日本は、「平和ボケ」をしていてとても戦えるような状態ではないということが言えます。

一つの例を挙げてみましょう。

今回ウクライナに「人道支援」という名目で食料などを支援するということを、日本の自衛隊機が行うという状況で、ロシアに近しい立場を表明しているインドが、自衛隊機の着陸を許可しなかったということが起きました。

日本は「人道支援」といえば、何でも通ると思っています。

しかし、実際にはそのような感覚にはならない状況です。

人道支援だから許されるという感覚は、日本の「平和ボケ」の感覚でしかありません。

食料品などは、当然、兵も食べることができますし、また、子供が育って戦いに参加する可能性もあるのです。

そのように考えた場合、今回の内容で「ウクライナ」を支援するということは、それが人道目的であったとしても、ロシアから見れば敵対行為になるでしょう。

敵味方関係なく怪我人の手当をする「赤十字」や「国境なき医師団」のような存在とは全く異なります。

また、難民キャンプに対して支援をするということとも全く意味が異なるのです。

当然、その内容は「立場」によって解釈は全く異なります。

ロシアは、当然「敵国」に対する支援と考えるでしょう。

しかし、「人道支援だからそのようなことは関係ない」「ロシアも理解してくれるはず」などというような感覚が捨てきれないのが、現在の日本の「平和ボケ」なのです。

一方、今回知床半島で観光船が行方不明になった事件に関して言えば、海流によって被害者が流されている可能性があります。

これに関してロシアの管理する海域などに入ってしまう可能性もあるので、その点に関しては、ロシアは理解しています。

つまり、「本当に人道的な援助」に関しては、ロシアは当然に日本に協力しているということになります。

ある意味で、日本は戦争をしている敵国ではないということになるので、当然に、その内容を認めるということになります。

つまり、「ウクライナへの支援」は、「敵国に対して利益を生む行為」というように見られているということになるのです。

逆に言えば「戦争の当事国に対して、人道支援などということはあり得ない」ということになるのではないでしょうか。

もちろん、私も日本人ですから日本人の考え方はよくわかります。

しかし、立場を変えて考えれば、当然日本の考え方が世界で通用するとは考えられないのです。

そのような例は、過去に人道支援であるからと言って、イラク戦争の中、イラクに出かけて行った日本人などにもあります。

このような「解釈の違い」や「立場の違い」「誤解」などから、当然その行動に関して全く異なる解釈になり、日本人が敵対的であるというように解釈されることも少なくないのです。

このような解釈の違いも本来は「戦争を知っているかどうか」ということにつながるのです。

ようするに、戦った経験があり、かつその時に敵国に対してどのような行動をとられたら困るのかということが見えていれば、わかるのです。

もちろんそれを理解するために戦争をするなどという愚を犯してはいけません。

 

©️手塚プロダクション

手塚治虫「幻の処女作」がスゴすぎる。少年時代から天才だった“マンガの神様”の知られざる名作『ママー探偵物語』の全貌

『鉄腕アトム』『火の鳥』『ジャングル大帝』『ブラック・ジャック』など、誰もが耳にしたことのある作品で知られる日本を代表する漫画家、手塚治虫。その偉大なる功績から「マンガの神様」とも言われていることは皆さんご存知の通り。

そんな手塚治虫の描いたマンガの中で、“ちょっとひと休み”と言ったシーンに出てくる「ヒョウタンツギ」や「ママー」といったキャラクターは、少年時代の手塚が、弟妹と一緒に手描きで作った手作りマンガ本ママー探偵物語で初めて生まれたものでした。

このママー探偵物語は、今まで手塚治虫のエッセイや特集記事でその存在が知られていましたが、現物をすべて読んだ人は誰もいなかったのです。

そんなレアな作品が、その貴重な内容を一字一句変えないまま、このたび一冊の単行本として刊行されることになりました。

昭和初期に手塚少年(10歳から16歳まで)が、弟妹と描いたマンガを一冊にまとめたママー探偵物語(888ブックス)は、なんと722ページという超大作。手塚治虫の大ファンで、学生時代にもらったサインが宝物というブックデザイナー・祖父江慎さんとスタッフの小野朋香さんの手によって原稿1枚1枚がていねいに復元され、読みやすくしかもこだわりの詰まった作品集に仕上がっています。

今回、その初単行本化に関わった、手塚プロダクション資料室の田中創(はじめ)さん、発行元の出版社「888ブックス」の吉田宏子さん、本書の企画・編集を担当した濱田髙志(たかゆき)さんからそれぞれの思いを伺いながら、手塚プロダクションにて貴重な『ママー探偵物語』の現物を拝見させていただきました。 

手塚プロダクション資料室・田中創さんが語る、『ママー探偵物語』のココがスゴい! 

この企画の原点となった資料は、手塚家から出てきたものです。その後、手塚プロダクションで保管していたのですが、なぜか誰もそのノートに何が書かれているかをチェックしていませんでした。

あるタイミングから、子どもの頃に描いた作品として兵庫県・宝塚市にある手塚治虫記念館で展示されていました。ただ展示品の宿命ですが、照明をあてて展示していたので劣化が進んできたんですね。そこで複製を展示しようということになり、手塚プロダクションに戻ってきたんです。

私はそこで初めて中身を見たのですが、いや「スゴい」としか言えなかったですね。よく残っていたなとか、こんなにいろいろ描いていたのかとか、ココに原点があったのかとか、あとからいろいろな想いが出てきますが、その時はただ「スゴい」と。そして、「これを一人占めしてはいけないな」という使命感のようなものを感じました。

ただ、これがまさか本になるとは思いませんでした。所詮はノートに描かれたものですしね。けれども、『マアチャンの日記帳』や『ロマンス島』の復刻をしてくれた濱田さんと吉田さんに話をしたところ、「単行本にしましょう!」と。

濱田さんはラクガキから文字のミスまで一字一句そのままで複製しようという意気込みでしたから、あとはおまかせすればいいと。

このママー探偵物語には誰も見たことのない手塚治虫が詰まっています。しかも手塚先生のサービス精神がこの頃から随所に溢れていることを感じますね。デザイナーの祖父江さんがまたそれに応えて完璧な「本」に仕上げてくれました。まさかが本当になって感慨深いです。

888ブックス・吉田宏子さんが語る、『ママー探偵物語』のココを見て!

この本は正直、私どものような小さい出版社だからこそできたのではないかと思います。大きな出版社ではコストの関係で作れなかったと思いますね。原画の経年劣化が激しく取り扱いを含め印刷所ではなかなか対応できないと言われ、祖父江さんの会社でスキャンして修正が施されています。その分時間がかかかり、刊行スケジュールが大幅に遅れることとなってしまったのですが、出来上がりには自信があります。

企画が通ってから、弟の浩さんや当時の漫画キャラクターを描いた方のご遺族などに書籍化の許諾をお願いしたのですが、皆さん好意的でスムーズにご承諾いただけました。

当初はノートの復刻なので、モノクロ印刷でペーパーバックのようなものをイメージして、安価なものを作る予定でいたのですが、内容を確認するうちこの本は単純な復刻ではなく、資料的な価値が高いと祖父江さんを含む4人で一致しまして、劣化しない紙や当時の質感を生かしたインクなどを積極的に取り入れました。

手塚先生は漫画家として大成されましたが、この本を見ると編集者になっても超一流になっていたのではないかと思います。表紙、目次、奥付などもご自身で作られて、検印などもあってこだわりが窺えます。

手塚先生と交流のあったイラストレーターの和田誠さんが小学校時代に作ったノートを見せていただいたことがあるのですが、和田さんの本もやはり表紙や目次、奥付がありました。お二人とも「本として読ませたい」という共通のこだわりがあったのかなと思いました。

私は出版側として今回この本で苦労したことは実はあまりありません。祖父江さんのイメージや要望に応えるだけでしたから。

888ブックスのサイトで買うと、もれなく緻密に作られた複製原画と、田中さん・祖父江さんセレクトのポストカードが付いてきます。この特典はココでしか付きませんので、ぜひ888ブックスのサイトでお買い求めいただければと思います。

企画・編集を担当した濱田髙志さんが語る、『ママー探偵物語』のココに苦労した!

僕は今までいろいろな手塚作品を復刻させていただきました。そんな中でも『ママー探偵物語』は特別です。なんと言っても復刻ではなく、世の中に初めて出す手塚作品ですから。

復刻については賛否両論あるんですが、僕自身が手塚ファンということで、ファンの観点から「読みたいもの」「価値があるもの」はできる限り本の形で残していきたいという気持ちがあります。手塚プロダクションの出版局局長だった故・古徳(稔)さんも「手塚治虫は特別な存在なんだから、残したものにはすべて文化的価値がある。作品にまつわるものは後進のためにも残すべきだ」とおしゃっていて、ご子息の眞さんからも「発表を前提としていない作品が世に出ることには複雑な思いがあるが、漫画研究の素材として残すという意義はわかる」と言っていただき、それを受けて復刻企画に取り組んでいます。

ただ、ママー探偵物語については、弟さんや妹さんが描かれている共作部分もありますから、ファンとしての欲求よりも、まずはご遺族の意向を優先し、許諾どりは慎重に行いました。ところが、手塚先生の弟・浩さんがことのほか喜んで下さいまして。また、当時のことをあれこれ思い出していただいてお話しいただき、それらもできるだけ本に収録しました。

本来ならこの本はママー生誕80年として去年(2021年)刊行する予定でした。しかし、昨今のコロナや資材調達などさまざまな事情で遅れてしまいました。手塚先生を師と仰いだ藤子不二雄Ⓐ先生にも読んでいただきたかったですが、こちらも間に合わず残念な思いです。

僕がいちばん苦労したのは、ママー語の判読ですね。当時のことですから、全部カタカナなんです。モノによっては水で滲んだりしたところから読み解いていくわけですが、どこまでがセリフなのかママー語なのか……。けれども手塚先生の中では法則性があって、今回この本にはママー語の判読方法なども載せています。

また、手塚ファンの祖父江さんならではの修正ポイントもあるのですが、それはぜひ手に取って確かめてほしいですね。(談)

ファンだけでなく、デザイナーや編集者などのクリエイターから研究者まで、あらゆる専門家に読んで欲しい『ママー探偵物語』 

田中さんから見せていただいた現物は、保存状態はいいものの、ところどころに焼けや劣化があるノートでした。特に綴じ部分は触ったらポロッと外れそうな感じです。ずっと大事に保管されていた年月の重みが感じられるものでした。

今回の復刻作業に相当な困難を要したことは想像にかたくないですが、祖父江さんを始めとする関係者の皆さんのご尽力で、80余年の時を経てこのたび見事に新しく素敵な書籍に甦りました。シュリンクされた函をカッターで開け、本を抜き出すと、函の内側にも祖父江さんこだわりのひと工夫があります。こちらは見てのお楽しみ、ぜひ手に取って、装幀の遊び心も味わってみてください。

今回取材させていただいた私から見ても、定規の線も拙い10歳の頃から、ページを追うごとにだんだん罫線がしっかり書かれるようになっていって、コマ割りが変化し、スターシステムに出てくるキャラの初期の姿が見られるようになっていき、この本で手塚治虫先生の成長期を疑似体験している気分になります。

また、手塚先生が当時チョイスした、昭和初期の鮮やかな包装紙を使った表紙のデザインのセンスがすばらしい。この色合いをぜひ見ていただきたいです。

手塚先生の昆虫スケッチは有名ですが、このママー探偵物語に付録という設定で描かれているお菓子にも目を引かれました。本文中のカタカナ表記の吹き出し、当時流行った世相のパロディなどで昭和の戦前文化も垣間見ることができます。読めば読むほどいろいろな方向からスルメのように楽しめる本です。

「制作原価率が通常の書籍と比べるとかなり高く、ギリギリの値付けにしましたが、24,200円という高価格になってしまいました」と888ブックス・吉田さんは言いますが、この本は24,200円以上に「スゴい」を体感できます。高くて買えない……と思われる方も図書館で見かけたらぜひ手に取って体験してみてください。「これは買わないと!」ときっと感じるはず。未来の漫画家・編集者・デザイナー・製本業界・文化学・社会学・児童学……研究者必見の資料です。

なお、この希少本は初版800部のみの販売で、重版をかけられないギリギリのところで作られているそうです。皆さんなくならないうちにまずページをめくって、手塚先生の少年期のわくわくが詰まったこの世界に触れてみてください。

この取材を終えて新座スタジオを出ると、大きく鮮やかな虹がかかっていました。これはまさしく手塚先生からのメッセージ……ああ、手塚先生もママー探偵物語の刊行を喜ばれているんだなと、その場にいた一同全員で確信しました。

【関連書籍情報】

ママー探偵物語

本書は『ママー探偵物語』を中心に、手塚治虫が10歳から16歳にかけて描いた漫画の秘蔵作品集。これまでムックや展覧会でその一部が発表・展示されることはあったものの、全貌は不明のままだった、謎の生物「ママー」が登場する、現存する中短編の物語をまとめたもの。 

デビュー作「マアチャンの日記帳」以来、手塚治虫は生涯を通じて数多くの作品を発表したが、創作自体はそれ以前の幼少時にまで遡る。

当初は模写や紙芝居のスタイルで描かれていたものの、小学生の頃には、早くもオリジナルキャラクターを生み出した。とりわけ有名なのが、物語の展開を無視してコマに割り込んでくる正体不明の不思議な生物の数々で、その筆頭がヒョウタンツギ、次いで印象に残るのが、謎の生物「ママー」。

1941年、手塚少年が13歳の時から数年に亘り描いた『ママー探偵物語』(現存2作品)で、堂々主役を演じたママーは、その後のヒゲオヤジを彷彿させる名探偵ぶりを発揮している。

ブックデザインは、同社の「手塚治虫アーリーワークス」「手塚治虫コミックストリップス」を手がけた祖父江慎さん。鉛筆の質感を残しつつ、古い紙の汚れは極力目立たなくし、読みやすさも追求した印刷。

なお、888ブックス公式サイトから購入した方には、特典として本書未収録カットの「複製原画」と「ポストカード」をプレゼント中。

【本書収録作品】

◉ニコニコ漫画大祭
ピーピーピーコ/ママーの冒險/お化け寺/セミとトンボの大合戦
ママーノタイサウ/チドリのチーチャン
特別大ふろく:新おくわし・てんらんくわい 

◉漫画(短篇集)5  漫画と考へ物
ママーのサンポ/ピヨコノピーチャン③/ツルトスゞメノマキ 
おもちゃの國/セミノサイゴ
考ヘ物ページ①〜③
ピヨコノ大バウケン①/ピヨコノ大バウケン②
面白エデホン
カメカメブユウデン 

◉ママーたむていものがたり2 
ママーの宝さがし

◉フロク 昆虫の身の上ばなし

◉ママー探偵4
ママー探偵モノガタリ4
ママーたむていモノガタリ 第四話ふろく スパイの女王
ママーノオンピッタ
ママーたむていものがたり(断片)

◉おやじマンガ4
ヒゲオヤヂ南方戦線記

◉昆虫手帳

著者:手塚治虫
企画・編集・解題:濱田髙志
解説:黒沢哲哉
ブックデザイン:祖父江慎(cozfish) 、小野朋香(cozfish)
印刷:三永印刷
発行:888ブックス(ハチミツブックス)
定価:本体22,000円+税 

サイズ:菊判変形(天地226 ㎜ × 左右146 ㎜)
ページ:カラー722ページ
装丁:上製本、貼箱入り

お問い合わせ888ブックス

※本記事に使用されている手塚治虫氏の正式な「塚」の文字は、一部のオペレーティングシステムやブラウザなどの環境では表示が異なります。

image by: ©️手塚プロダクション

北の核ミサイル威力に対抗せよ。「韓国版マンハッタン計画」とは

第二次世界大戦中にアメリカが原爆開発のために進めた、「マンハッタン計画」と呼ばれるプロジェクト。北朝鮮による核の脅威が高まりを見せる中、韓国のとあるメディアに「韓国版マンハッタン計画」の必要性を訴える論説が掲載され話題となっているようです。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、同国最大の日刊紙である朝鮮日報の記事を翻訳する形で、その論説の内容を紹介。日本以上の緊張状態が続く「韓国の今」をありのままに伝えています。

韓国版マンハッタン計画

ネットによるとロシアの一部の政治家が日本に対して強硬な発言を行っているようだ。左派政党「公正ロシア」のミロノフ党首が4月1日「ロシアは北海道にすべての権利を有している」と日本への脅しとも受け止められる見解を表明した。

また、ロシアの極東開発を統括するトルトネフ副首相は4月25日、北方領土について、独自の開発や投資をさらに進め、「ロシアのものにする」との意向を示した。北方領土を対象としたクルーズ船の就航や投資計画の策定、観光開発を通じて「クリール諸島(北方領土と千島列島の露側呼称)をロシアのものにする」と強調した。

いやまったく、だんだん物騒な世の中になってきていると言わざるを得ない。そんな中、韓国でも「韓国版マンハッタン計画」が必要だという論説が朝鮮日報に載っていた。筆者のことばでご紹介したい。

朴槿恵政府時代、韓米拡張抑制戦略協議体(EDSCG]に参加したある元政府高官は当時、米国側の雰囲気について「米国は拡張抑制に関する核戦力についてまったく具体的に伝えようとせず高い壁を実感しました」このように伝えた。

EDSCGは北朝鮮の増大する核・ミサイル脅威に対応し、対北朝鮮核抑制力を強化するために2016年に新設された韓米外交・国防高位級協議体だ。拡張抑制は核の傘だけでなく通常の精密打撃兵器、ミサイル防衛(MD)の3大要素で北朝鮮の核・ミサイル挑発を牽制することだ。

米国は韓米年次安保協議会などで引き続き核の傘を強調してきたが、有事の際、いつどのような核兵器をどのような方式で使用するかについては徹底的に口を閉ざしてきた。このような問題を改善していこうという趣旨で、EDSCGを発足させたが、米国は従来の態度から大きく外れていないということだ。しかもこの会議は2018年1月、2回目の会議を最後に4年以上開かれていない。

尹錫悦(ユン・ソンヨル)大統領は候補時代、韓米拡張抑制強化を北朝鮮核抑制対策の代表公約の一つに掲げた。EDSCGの再稼動はもちろん、有事の際、米国の核の傘使用計画に対する詳細情報共有も推進するということだ。5月21日に開かれる韓米首脳会談でもこれに対する具体的な議論と成果があるものと予想される。実質的な北朝鮮核抑止力強化の次元で圧倒的な変化だ。

増大する北朝鮮の核・ミサイル脅威に対する肯定的な変化はこれだけではない。威力を弱めて「使える」核兵器に変身した低威力戦術核兵器の登場が代表的だ。これまで核兵器は威力が大きすぎて事実上使えない兵器と見なされてきた。

昨年10月、米国防総省はF-35Aステルス機からB61-12戦術核爆弾を投下する最終試験映像を公開した。B61-12は、米戦術核兵器の代表走者であるB61戦術核爆弾の最新型モデルだ。正確度を高める代わりに威力を減らし放射能落塵など付随的被害も最小化して「使える」核兵器として開発したという点が特徴だ。

日本人が理解できない、北欧2国のNATO加盟申請が誤りである理由

ロシアのウクライナ侵攻を受け、これまで取り続けてきた軍事的中立の立場を転換し、NATOへの加盟を申請したスウェーデンとフィンランド。トルコが反対の立場を崩していないため正式加盟を巡っては難航が予想されますが、そもそも北欧2国のNATOへの参加は正しい選択と言えるのでしょうか。今回のメルマガ『室伏謙一の「霞が関リークス」増刊号』では国会議員や地方議員の政策アドバイザーを務める室伏謙一さんが、両国とロシアとの歴史や現在の関係性を鑑みつつ、その判断の是非を考察しています。

 

スウェーデンとフィンランドのNATO加盟への動きをどう考えるか

ロシアのウクライナ侵攻を受けて、欧州における安全保障環境は大きく変わりました。このことは欧州各国のその後の動きを見ても明らかであり、このことについて異論の余地はないでしょう。

そうした中で、スウェーデンとフィンランドがNATOへの加盟を申請すると表明しました。

NATOは第二次世界大戦後、東西対立が始まる中で設立された西側の集団安全保障体制であり、その対抗する相手はワルシャワ条約機構(WP)です。平ったく言えば、米ソ対立の道具だったわけであり、NATOは西側陣営、WPは東側陣営と呼ばれたりしました。

さて、両陣営は対立はしていましたが、両陣営間で武力衝突は起きていません。結局両陣営が目指していたのは、現状維持でした。それがソ連の崩壊によってWPが最終的に解散し、対立も終結したはずでしたが、NATOは存続し、事実上の盟主であるアメリカのクリントン政権以降、旧WPへの拡大、東方拡大が進められます。これが今回のウクライナ危機の遠因となっているわけですが、その辺りの詳しい解説は、オンラインサロン「霞が関リークス」をご参照いただくこととして、NATOは冷戦終結後、その役割が終わったにも関わらず存在し続け、むしろ欧州の安全保障を脅かす原因ともなりかねない存在になってしまったと言えると思います。

さて、集団安全保障の基本的な性格は、それに参加する一国に対する攻撃を他の参加国に対する攻撃と見做して対処するというものです。したがって、特定の集団安全保障に参加するということは、どこか特定の国や特定の勢力(複数の国)を脅威と考え、そこからの武力攻撃を受ける可能性が考えられるような場合です。

これを今回NATOへの加盟を表明したスウェーデンとフィンランドの場合に当てはめて考えてみましょう。

両国とも過去にロシア又はソ連と戦争した経験があります。ただし、スウェーデンの場合は18世紀初頭の話ですし、ロシアがスウェーデンに侵攻したのではなく、バルト海の覇権をめぐる争いでした。

フィンランドの場合は、20世紀の第二次世界大戦中の話で、こちらは国境を接するソ連による侵略戦争と言っていいものでした。ただし、時は第二次世界大戦勃発直後であり、ナチス・ドイツが破竹の勢いで膨張しているという特殊な状況でもありました。ソ連はナチス・ドイツの膨張に対抗するためにフィンランド領の一部を必要としたという、なんとも身勝手な話が、ソ連による侵攻の背景としてあったわけですが、そんなことも平気で主張し、要求し、それに応じないなら攻撃だということが起きてしまう状況だったということです。

 

小室圭さんが無試験で弁護士に?崖っぷちどころか“超余裕”のNY生活、ロイヤルサポートに「足りない」不満あらわか

2回目のNY司法試験も不合格となり、さぞや肩身の狭い思いをしているに違いない小室圭さん。しかし、そんなことはただの杞憂のようだ。物価の高いニューヨークでの生活に四苦八苦しているかと思いきや、誰もが驚く“ロイヤルサポート”で満喫。小室夫妻の未来は明るいかもしれない。

崖っぷちのはずなのに小室夫妻は“ゆったり”NY生活

コロナ禍やウクライナ侵攻の影響でアメリカでは物価上昇が続き急激なインフレが続いている。小室圭夫妻の住むニューヨークの高級アパートも40万円から45万円に値上がりしたという。

NY司法試験に2回連続で失敗して、取得ビザの期限も迫っているはずの小室圭さんと眞子さんだが悲壮感は全く見られない。ニューヨークの町をリラックスしたカジュアルな服装で歩く姿をキャッチされている。

それもそのはず、二人には協力なサポートがあるからだ。

以前報道された、上皇夫妻からの年間1800万円の生前贈与など、サポートは金銭面だけではなかった。女性セブンによると、ニューヨーク総領事館には「小室さん夫婦担当」の職員が置かれ、生活まわりのことについて逐一相談に乗っているという。

4月からニューヨーク総領事に着任したのは外務省の森美樹夫氏で、かつて秋篠宮さまと眞子さんの2度のアフリカ旅行を案内したアフリカ局出身の人物。

入省以来、アジアとアフリカの大使館に勤務してきた森氏が、唐突に北米局の領事館勤務になるのは異例のことで、政府のなんらかの働きかけがあったことが疑われている。

というのも、森氏は以前から秋篠宮さまと親交がある旧知の仲。現に1月27日には赤坂御用地で森氏と秋篠宮ご夫妻が接見したことが報じられている。

2回目の試験にも落ちて、就労ビザ取得のプランは崩れた。多くの報道では5月あたりにもビザの期限が切れ、一時帰国の可能性が取り沙汰されたが、結局二人が帰国することはなかった。

強制帰国を免れるために外務省がビザ問題解決のために奔走したと女性セブンが報じているが、その裏には秋篠宮さまからの命を受けた森氏の暗躍があったかもしれない。

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外務省の奔走も拒みNY在住にこだわる小室夫妻

3度目の正直をめざす小室さんだが、7月の司法試験合格も難しいとの声が多い。そんな小室さんが無試験で弁護士になれるという“極秘プロジェクト”を日本政府は極秘裏に進めていたようだ。

女性自身によると、米ウィスコンシン州のロースクールで学んだ者は無試験で弁護士資格が取得できるため、そちらを目指すべきとの声が上がっていたという。

しかも、バイオ、医療、電子機器が盛んなウィスコンシン州は日本のビジネスとも繋がりがあり、資格取得後の仕事も用意されていたとされる。

しかし、それを小室夫妻は断固拒否。その上で小室さんは外務省にビザを取得するためにベンチャー企業の社長の座を用意せよと迫ったという。現実にはベンチャー企業の社長になってもビザの取得は困難であり実現しなかったようだ。

「弁護士になりたい」はずならこんな良い話はないと思うが、どうやら小室さんはそこまで弁護士にこだわりはないのかもしれない。

また、週刊朝日では小室夫妻の“カナダ移住説”が浮上したと報じだ。

ニューヨーク総領事の前任だった山野内勘二氏がカナダ大使館に異動しており、中学・高校と東京都内の「カナディアン・インターナショナルスクール」に通った小室さんにとっても馴染みのある国だ。

物価も安く、治安もいいカナダはニューヨークよりよっぽど住みやすいだろうが、小室夫妻のプライドが高すぎるのか、どうやらニューヨークでの生活にこだわっているようで、その可能性も少ないとみられる。

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何度試験に落ちても、日本政府の手厚い保護がある限り、小室夫妻のNY司法試験合格の夢とニューヨーク暮らしは続いていくようだ。

プーチンをあざ笑う孫子の言葉。読み解くことでわかるロシアの将来

出口が見えないロシア軍によるウクライナ侵攻。最初の攻撃から3カ月が経過しますが、状況はあまり変わっていません。一体いつまで続くのでしょうか。そこで今回は、経営コンサルタントの梅本泰則さんが自身のメルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』の中で、戦争に対する孫子の言葉を紹介。ロシアの現状から行く末、そして戦争について紐解いていきます。

孫子から見たプーチンの兵法

ロシアのウクライナ侵攻が止まりません。

この事態を経営と重ね合わせて考えることも出来ますが、現実の戦闘場面を見せられると、そうもいかないです。

こうした時にこそ、「孫子」をひも解いてみようと思います。戦争に対する孫子の考え方のすごさが分かるはずです。

まずは戦争の本質について語られた言葉を2つ紹介します。

● 兵は国の大事、死生の地、存亡の道なり。察せざるべからず

「戦争というものは、人民の生死、国家の存亡にかかわる重大事である。だから、戦争を始めるにあたっては、よほど慎重に検討しなければならない」

ウクライナでは、多くの人民が死んでいます。本当に国家の存亡がかかっているところです。ロシアも慎重に準備して戦争を始めたのかもしれませんが、結局ロシアそのものの存亡に、事は及んでいます。

● 兵の拙速を聞くも、未だ功久しきを睹(み)ず

「短期決戦に出て成功した例は聞くが、戦いを長引かせて成功した例は見たことがない」

戦争が長引くと、国力が疲弊します。孫子はその理由もあげています。

1.軍隊、兵器、食料の輸送に膨大な経費を消費する
2.商品の物価が上昇する
3.国家の財政がひっ迫する
4.そのため、税金や賦役が重くなる
5.その結果、人民の生活に窮乏を加え、国全体が貧しくなる

まさにロシアの将来を見透かしているようです。ですから、ロシアは短期決戦をもくろんだようですが、事はうまく運んでいません。孫子によれば、この戦いは成功しないことになります。

次は戦い方についての孫子の言葉です。