発射自体をなかったことに。なぜマスゴミは「ロケット落下」を隠蔽するのか

3月7日、種子島宇宙センターから発射されたH3ロケット1号機がフィリピン沖に落下しました。今回の発射は過去の失敗の再挑戦だったこともあり、「日本の宇宙開発政策」に厳しい課題があると言わざるを得ません。メルマガ『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』の著者でジャーナリストの伊東森さんは、なぜ日本のロケットは落下するのか? そして、落ちたことを隠蔽するマスコミに対して苦言を呈します。

なぜ日本の国産ロケットは堕ちるのか? “空”だけ見続け“足元”の現実、直視できず ロケット“敗戦” マスゴミも真実隠す

JAXA(宇宙航空研究開発機構)と三菱重工業は、3月7日午前10時37分ごろ、日本の新型主力機であるH3ロケット1号機を、種子島宇宙センター(鹿児島県)より発射した。

しかし離陸後、2段目のエンジンが点火せず、約14分後に信号を出し機体を破壊、結果、地球観測衛星だいち3号の打ち上げは失敗した。1号機は、衛星ごとフィリピンの東方沖に落下したとみられる。

JAXAは記者会見で、1号機の発射トラブルが連続したことについて、

「見直すべきことがあったと言わざるを得ない」(*1)

とした。

山川宏理事長は謝罪しうえで、

「原因を究明し、早期に信頼を回復していくことが最優先の課題。それに専念してきたい」(*2)

と語る。開発担当の岡田匡史プリジェクトマネージャーは、

「対策をどうするかも含めると時間は読めない」(*3)

とし、失敗の原因究明から対策までの期間の見通しは立たないとした。

今回の発射は、2月17日に機器の誤作動で中断した発射のやり直しだった。しかし、昨年の10月にも、小型固体燃料ロケットにイプシロン6号機が指令破壊され、失敗したばかり。日本の宇宙戦略の見直しは避けられない。

目次
・再挑戦急ぎ 最悪の結果 「迅速だ」との見方も
・“空”だけ見続け“足元”の現実、直視できず
・ロケット“敗戦” マスゴミも真実隠す

再挑戦急ぎ 最悪の結果 「迅速だ」との見方も

2月の発射中断から2週間あまりでの再挑戦となった日本初の新型主力機H3ロケット1号機は、しかし機体の指令破壊という最悪の結果に。

問題となったのは、最も懸念されていた主エンジンではなく、2段目エンジンのトラブル。

「まだ見当もつかない」(*4)

失敗を受け開かれた7日午後のオンライン記者会見で、2段目エンジンが点火しなかった原因を聞かれたJAXAの岡田匡史プロジェクトマネージャーは、こう答える。

本来、最も懸念されていたのは1段目の主エンジン。H3の開発で最も難航を極め、独自構造を採用した。シンプルな構造にすることで部品を少なくしコストの削減につながった一方、大きな推進力を生み出すのが難しく、計画が2年遅れる要因となった 。

しかし実際には、2段目のエンジンが点火せず、指令破壊となった。

一方、政府内には、

「迅速だったのでは」(政府関係者) (*5)

との見方もある。

海外では1号機は失敗のリスクがあるためダミーを載せることもあるが、今回は地球観測衛星「だいち3号」を搭載したからだ。

 

 

この記事の著者・伊東森さんのメルマガ

「動物と触れ合うことは命のご飯」ムツゴロウさんが語っていたこと

5日“ムツゴロウさん”の愛称で人々に親しまれた畑正憲さんが、心筋梗塞で亡くなりました。動物と触れ合い続けた畑さんは生前、自身の生き方について語っていました。今回の『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、畑さんにインタビューした際の記事を掲載しています。

【追悼】ムツゴロウさん

2023年4月5日、「ムツゴロウさん」の愛称でお馴染みの作家・畑正憲さんが亡くなられました。87歳でした。

世界の秘境へ挑み、インドの泥水さえ飲み込んで、さらに獰猛な巨大動物と触れ合う。畑正憲さんの人生は、常に死ぬか生きるかの厳しい戦いと共にあったと言えるでしょう。

生きとし生けるものすべてに惜しみない愛情を注ぎ、多くの人々に生きる力を与えてくださった畑さんを偲んで、その独特の生き方の秘訣を語られた『致知』1992年7月号のインタビューをご紹介します。

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畑 「私にとってはどうも、裸になって動物と触れ合って生きるということは、自分が生きていくための命の栄養、『命のご飯』の一つのような気がしてならない」

──「命のご飯」ですか。

畑 「そう、体にご飯が必要なように、命にもご飯が要る、という気がするのです。だから、命が老いないためにも、成り上がらないためにも、悲しんだり、悩んだり、惨めになったりすることは、とても大切だと思う。

とくに日本の都会生活はいま、どこへ行っても金ピカになってしまった。大理石で固めた無機質の空間が多くなって、俗っぽく息づいている人間の命というものが、だんだん姑息(こそく)になり、ものの考え方とか感じ方が衰弱してきている。

そうすると、ヤケにいろいろなものが気になって、批判的になって、小さなことまで人に押しつけるようになるんです。

例えば、魚を釣るのは非常にかわいそうだとか、実験動物はかわいそうだ、といっている人がいるが、命が細くなってそういうことをいい始めている。切ないことだと思います。

大自然の生命、命というのは哲学とか思想というものを欲していません。思想は人間がつくったもので、共産主義が崩壊したのでわかるように、ファッションであって、どう見たっていつかは滅びる。

しかし、生命というのは何億年も続いた舞台の中で生きているものなんです。その舞台がなければ、何も反応しない、本当に俗な世界です」

──そういう俗な世界に裸で飛び込んで初めて命の尊さを知るということですか。

畑 「命は太陽の光が必要だったり、風が必要だったり、風が皮膚にどのくらい当たるかで反応してしまうのです。そうした命を持つ生き物とのつながりみたいなものに、自分の命を置くことに、私はこの上ない興味がある」

──まさに生命に触れておられるんですね。動物に接している時の先生の表情を見ると、真心こめて、誠心誠意接しているな、という感じを受けるのですが、それを厳しく超えている。

畑 「デレッとしていたら、はねつけられてしまいますからね。あふれる愛情を持っていても突っかかられて、ろっ骨を折ったという話もあります。分析力を持って、相手からの情報とこちらからの情報と柔軟に受け渡ししながら対応していかなければならない。

片時も油断できないのです。ちょうど、赤ん坊を母親が育てるときのように、まだ、抽象能力のない丸裸の頼りないものの要求を素直に聞いて、そして、満足を与えていくというようなことだろうと思います。

──それにしても、アマゾンの秘境を平気で旅したり、インドの泥水を飲んだり、獰猛な動物と触れ合ったり、そういうことができるという基本的な秘訣は何ですか。

畑 「常に気持ちが前向きであるということです。それが非常に大切です。

ほかにもいろいろな表現があると思います。『神に感謝する』といってもいい。

私が好きなのは、『いま、自分がここに生きていることに対して感謝する』というか、『生きている』という事実に対して、自分が前向きに喜んでいるということですね。わざとでもいいから『喜んでいる』ということが秘訣です」

──ああ、「楽」ということがポイントだ、と。

畑 「はい。それでないとやっていけないですね。

アマゾンの奥地で暮らすときでも、私は日本の食べ物を一切、持っていかない。当然ながら現地のものしか食べられないわけで、それを『おいしい』と思って食べる。一度でも『まずい』と感じたらもう駄目ですね。下痢はするし、風邪はひく。命を落とす羽目にさえなります。

だから、うそでも、景気づけでもいいから、『アッ、おいしいではないか、もっと持ってこい!』と一番先にやる。

そうすると、不思議に病気にならない。

だから、常にあらゆる環境を楽しんでしまうというところに、私は、人生を生き抜く秘訣があるように思います」

 

 

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笑顔で日本を揺さぶる習近平。林外相に王毅政治局員がかけた「言葉」

米中対立の溝が深まる中、次々と中国を訪問する欧州主要国の首脳たち。その裏には、どのような思惑あるのでしょうか。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では元国連紛争調停官の島田久仁彦さんが、各国が「中国詣で」を開始した理由を解説。さらに中国がウクライナ戦争を始め各地の紛争の調停や仲裁に乗り出している「本当の理由」を大胆予測しています。

欧州首脳の「中国詣で」で加速する日欧米の分断と習近平が見据える台湾併合

「マクロン大統領とフォンデアライデン欧州委員会委員長が北京にやってくることになった。それにショルツ首相も最近、北京にやってきたし、イタリアのメローニ首相もやってきたよ。これをどう考えるか?」

中国政府の外交の司令塔周辺から送られてきたコメントです。

全人代閉会後、一気に外交活動を活発化させた習近平国家主席ですが、そのタイミングを見計らったように、欧州各国が中国との関係修復に乗り出そうとしています。

中国も、米中対立や台湾問題、ロシアに対する対応などを理由に、欧州から厳しい批判を受けてきましたが、ロシア・ウクライナ問題に積極的に関与しようとしている姿勢、特に対話による解決を目指すことをプーチン大統領に合意させた姿勢を受け、風向きが変わってきたように思います。

中国政府としてはアメリカやカナダとの関係修復は容易には望めないと見込み、中国への経済的な依存度がまだ高い欧州各国との関係修復を狙っていると言われています。

欧米諸国とその仲間たちによる対ロ制裁を受けて、世界経済の流れが停滞する中、中国はいわゆるグローバル・サウスの国々での売り上げを伸ばしましたが、国内経済の停滞を再度成長路線に戻すには、欧州からの投資の拡大と、欧州における経済活動の活発化が欠かせないとの認識から、国際社会における対中非難のトーンを緩めるための努力を行っています。

経済的な関係の保持と拡大については、欧州側も同じようなことを望んでいるのか、“経済・貿易・資源”に的を絞って、中国との関係回復に努めようとしているように見えます。

外交ライン・そして経済閣僚間でのやり取りは行われてきたようですが、今回、マクロン大統領やフォンデアライデン委員長、そしてショルツ首相やメローニ首相という首脳級を訪中させることで、習近平国家主席や中国政府の面子を高め、協議の進展を図ろうとしているように思われます。

首脳の訪中のアジェンダを聞いたところ、一応、ウクライナ情勢についての意見交換や、中国による仲介への評価などが入ってはいるものの、協議のメインは経済、特にポスト・ウクライナの世界における世界経済の姿と思われます。

ちなみにウクライナ紛争へのコミットメントという意味では、【中国にロシアへの武器供与を思いとどまらせること】【中国が積極的に事態収拾に乗り出したことを高く評価し、欧州各国も協力の用意があること】が表明されている模様です。

特にフランスのマクロン大統領は、ロシアによるウクライナ侵攻が起きた直後、自らのルートを用いて何度もプーチン大統領との直接会談を行ない、停戦協議の仲介に意欲を示していたこともあり、習近平国家主席による仲介を評価しつつ、自らもその一翼を担いたいとの思いが見え隠れしているように感じます。

とはいえ、マクロン大統領の訪中のメインアジェンダは、中国との経済・通商関係の回復と強化、レアメタルの確保といった経済問題で、それはまたフォンデアライデン委員長も、ドイツ・イタリアの首脳も同じと言えます。

この記事の著者・島田久仁彦さんのメルマガ

プーチンが絞めた自らの首。NATO拡大への逆ギレで日本が核攻撃の標的になる日

世界中から上がる非難の声にも聞く耳を持たずウクライナでの殺戮行為を続け、ますます孤立を深めるプーチン大統領。今月4日にはロシアと長く国境を接するフィンランドがNATO加盟を果たしましたが、世界にはこの先、どのような未来が待ち受けているのでしょうか。外務省や国連機関とも繋がりを持ち、国際政治を熟知するアッズーリ氏は今回、ロシアによるベラルーシへの戦術核配備が国際社会に何をもたらすかについて考察。さらに日本のNATOへの接近が、却って戦争に巻き込まれるリスクを高める理由を解説しています。

フィンランドがNATOに正式加盟、ロシアはベラルーシへ「戦術核」配備。今後考えられる日本への影響は?

4月4日は北大西洋条約機構(NATO)にとって特別の日となった。ブリュッセルのNATO本部にフィンランドの新たな国旗が掲げられ、これでNATO加盟国が31か国になった。フィンランドのニーニスト大統領は我が国にとって歴史的な特別の日になったと表明し、今後NATO諸国と防衛や安全保障面での協力を緊密化させていくことになった。

ロシアと1,300キロに渡って国境を接するフィンランドは、これまでNATOの東方拡大を強く警戒するロシアの思惑を考慮し、NATOには加盟せず軍事的中立の立場を堅持してきた。ウクライナ侵攻以前、欧米とロシアの間にはNATOの東方拡大や戦略兵器配備など安全保障上の問題はあったものの、フィンランドはNATO加盟によってロシアを刺激し、自国の安全保障が返って脅かされることへの警戒感があった。しかし、ロシアがウクライナへ侵攻したことで状況は一変し、フィンランドは侵攻から3か月となる昨年5月、NATO加盟に向け正式に申請を行った。

申請してから1年足らずでの早期加盟となったが、これはNATOの歴史で最も早いとされる。フィンランドは今年2月、ロシアとの国境地帯にフェンスを建設する工事に着手した。今後3年から4年かけてフィンランド南東部を中心に全長200キロメートルに及ぶフェンス建設が完了するという。NATO諸国もフィンランドの正式加盟を強く歓迎し、異例のスピードでの加盟についてNATOは直面する脅威に一致団結して結束できることが証明されたと、今後ロシアに対して強い姿勢で対抗していく意気込みを示した。

自らの首を自らで絞める結果となったプーチンの皮肉

これについて、ロシアは当然のように強く反発している。ロシアのペスコフ大統領報道官は、ロシアの安全保障と国益を脅かすもので対抗措置を取ると反発し、ロシア外務省は、フィンランドは数十年にわたり国際情勢の中で堅持してきた軍事的中立を放棄したと強く非難した。

今後はもう1つのNATO加盟申請国、スウェーデンの動向が注目されるが、NATOの東方拡大に不満を抱くプーチン大統領にとっては、1,300キロも隣り合うフィンランドの加盟に強く神経を尖らせていることだろう。領土保全、領土の一体性という立場からみると、これまでロシアと隣接するNATO圏はカリーニングラードを除いて、バルト三国のラトビアとエストニア、ノルウェーのみだったが、隣接距離はフィンランドと比較すれば極めて短い。そのフィンランドがNATO圏に入ったという現実は、NATOの東方拡大を抑える強い意志を持ってきたプーチン大統領にとっては極めて皮肉なものだ。

プーチン大統領はウクライナ侵攻の目的を親ロシア派住民の保護と強調しているが、東方拡大を続けるNATO諸国を改めてけん制する思惑もあったとみられるが、フィンランドのNATO加盟によってプーチン大統領は自らの首を自らで絞める結果となった。ロシアは同盟国ベラルーシへ戦術核を配備することを既に発表しており、今後東欧地域を舞台にした睨み合いは一層激しくなるだろう。

WBCの大谷翔平を韓国人も称賛。新たな日韓関係を築くために必要なこと

3月16日、韓国の尹錫悦大統領が訪日し岸田文雄首相と会談。戦後最悪と言われた日韓関係に改善の兆しが見えています。ともすれば敵対感情の発露の場だったスポーツにおいても、大谷翔平選手の活躍が韓国で称賛されているように、純粋に「実力」を称える風潮の定着を期待するのは、メルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』著者で、記者時代に韓国に駐在していた経験がある引地達也さん。今はまだ「八方よし」と言える状態ではないものの、韓国における徴用工問題解決策に対するデモに日本批判の色がないことを伝え、新たな日韓関係を築くために必要なことは何か、考えを述べています。

日韓関係の改善で見えてくる新しい世界に向けて

韓国の尹錫悦大統領が来日し岸田文雄首相と会談したことを象徴として、確実に日韓関係が改善してきた。

日韓の両首脳が定期的に相互訪問するシャトル外交や韓国ドラマを代表とする韓流ブームによる蜜月時代から、小泉純一郎首相の靖国神社参拝や韓国側の竹島の領有権主張で一気に冷え込んだ境目に韓国に駐在していた経験から、「その前に戻れれば」と念じ続けて、長い歳月が過ぎた。

今回の改善は久々に本当の光が見える気がしている。とはいえ、韓国の保守と革新に二分された状況の中で、米国との協調を優先し北朝鮮を敵対する保守政権でもある尹大統領の背景を考えると、今もなお八方よしの状態には程遠い現実もある。

それでも今回、最も近い隣国との関係改善で、大きな役割を果たしているのがソフトパワーの力である。映画、ドラマ、音楽、スポーツ。自然な文化交流が前の世代が築いていた垣根を越えて、新しい価値観でそれを乗り越え、互いにポジティブに受け止めながら、新たな関係を築ける光が見える気がしてならない。

韓国のアーティストはもはや日本に広く浸透し、その「韓国性」のイメージはすでに刷新され、洗練された歌やダンス、それらのパフォーマンスの質は高く、その評価が人気の高さに結びついているから、それは実力派と言えるだろう。

「実力」への敬愛は国境を超える。絶対値の強さが出自への偏見を飛び越えていく。それは、ワールドベースボールクラシックで活躍した大谷翔平選手にも言える。

野球も根強い人気がある韓国からは、100マイルの速球とメジャーリーグで本塁打王を争う長打力を併せ持つ大谷選手の能力は、もはやアジア人が体力的に劣勢にあることを跳ね除け、「アジアの代表」としての誇りも見出しているようだ。

日韓が野球やサッカーでライバル関係にあることは重要だが、それは罵り合い争いではなく、今後はスポーツマンシップを基礎とした尊重のし合いも定着させたい。そのために大谷選手の存在は大きい。

この記事の著者・引地達也さんのメルマガ

なぜ欧米銀行危機は「今からが本番」なのか?ダリオ氏が懸念する株暴落後のFRB再緩和シナリオと熟練投資家の狙い目

米シリコンバレー銀行(SVB)など3行の破綻をきっかけに、世界に金融不安が広がっている。懸念はクレディ・スイスやドイツ銀行にまで波及し欧米銀行株は急落、3月は主要株価指数も大幅に下げる場面が見られた。ただ当局による預金保…

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勤続20年で1200万超も。日本で働くのが馬鹿馬鹿しくなる米ファッション業界お給料事情

長引く不況から抜け出せない日本を尻目に、好景気を享受するアメリカ。当然ながら待遇面も我が国とは比べ物にならないほど恵まれた状況となっているようです。今回の『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』ではNY在住の人気ブロガー・りばてぃさんが、このほど発表された「米国ファッション業界の給料事情」を紹介。そこに並んでいたのは、思わずため息が漏れてしまうような数字でした。

これが今のファッション業界の「お給料」

興味深い調査資料があったので、新年度のタイミングにもちょうど良いのでご紹介します。

4月5日付の記事でファッション系メディアのファッショニスタが「THIS IS WHAT FASHION SALARIES LOOK LIKE RIGHT NOW」(これが今のファッション業界のお給料)と題して2022年の給与調査を発表しました。

アメリカは歴史的な高インフレだけでなくここ10年ほどでじわじわと給料の基準は上がっています。

アルバイトの時給ですら最低賃金を15ドルという設定になっているので、正社員の給料も上がっているわけです。

でも実際のところはどうなのか?自分は一般基準の金額をもらっているのか?ちょっとみてみましょうという企画です。

というわけで具体的にみていきます。

この調査はファッション業界の、小売、PR、デザイン、メディア、マーケティング、商品開発など550人以上にアンケートを実施。

匿名となってますが、対象企業は世界的に有名な企業も多数入っており例えば、アディダス、ナイキ、雑誌社のコンデナスト、高級デパートのバーグドルフ・グッドマン、ノードストローム、ブランドのグッチ、ルイ・ヴィトン、ヴィンス、マーラ・ホフマン、ブティック系PR会社など。自営業のフリーランサーも含むとのこと。

まずは属性から:

<最終学歴(端数四捨五入省略)>

  • 大卒:75%
  • 院卒:11%
  • 短大卒:6%
  • 高卒:6%

<勤務地>

  • ニューヨーク:42%
  • アメリカ国外:18%
  • カリフォルニア:12%
  • ニュージャージー:5%
  • その他:24%

<経験年数ごとの平均給与>

※グラフ読み取り数字のためおおよそ
 また円換算は単純に1ドル=100円

  • 0~2年:$58,000(580万円ほど)
  • 3~6年:$65,000(650万円ほど)
  • 7~10年:$83,000(830万円ほど)
  • 11~15年:$110,000(1,100万円ほど)
  • 16~20年:115,000(1,150万円ほど)
  • 20年以上:$123,620(1,230万円超)

この記事の著者・りばてぃさんのメルマガ

彼らは「考えて」いない。なぜChatGPTに知性が感じられないのか

日進月歩の進化を遂げているAI。中でもChatGPTの登場は私たちを大いに驚かせました。そんなチャットサービスについて、「優れているが知性はない」と言い切るのは、文筆家の倉下忠憲さん。倉下さんは自身のメルマガ『Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~』で今回、そう判断せざるを得ない理由を解説するとともに、「考える」という行為の重要性を指摘しています。

優れているが知性はない。「AIと思考」について考える

ChatGPTはすぐれた性能を持っていますが、そこに「知性」を感じることはありません。すごく使い勝手のよいUIがある、という感覚があるだけです。端的に言えば、彼らは「考えて」いないのです。

倉下は『すべてはノートからはじまる あなたの人生をひらく記録術』で「思う」と「考える」を区分しました。「思う」は直感的な情報処理で、「考える」はそこから一歩引いた情報処理です。

この区分のポイントは、「直感的」は必ずしも「感情的」とイコールなわけではない、という点です。あくまで脳内の処理において意識を介在しないで発動されるという意味において「直感的」なものであり、その内実は問わないのです。

プロスポーツ選手を見ればわかるように、習熟した状態では相当に複雑な行為も「身体化」が可能です。あれらの行動を逐一意識して行っていたら、スピードがまったくついてこないでしょう。

同じことは認知的反応にも起こります。たとえば、「1+1=」という式を見たら「2」という答えがぱっと思い浮かぶでしょう。1という数字の1つ次は2だから答えは2である、という演算は行われていないと思います。それと同じように、コンピュータが好きな人なら、「16×16=」という式を見たら「256」という答えがぱっと思い浮かぶでしょう。これもかけ算を展開しているのではなく、直感的に答えが浮かんでいるのだと思います。

当初は意識的に計算が行われていたとしても、ある程度経験を積むことで、その中身をショートカットし、一気に「答え」にアクセスすること。それはつまり、何かしらの式・問題を目にしたときに、連想的に答えを思い浮かべることとイコールです。

そうした連想的解答は、決まり切った数式だけでなく、あらゆる反応に出てきます。人間関係に言及するときでも、時事問題に言及するときでも、提示された情報から連想される何かしらの「適切」な答えを口にしているのです。

ChatGPTがやっていることも基本的には同じでしょう。膨大な量の学習があり、その連想がきわめて適切に行えるから人間と同じように会話できる。その意味で、その連想関数はたしかに人間の知性と等しいと言えるかもしれません。これは、ChatGPTが高度な知性を獲得したというのではなく、人間の“知性”が予想されるよりも低レベルで展開できたというだけの話です。

しかし、だからといってChatGPTが「考えている」とは言えません。それはつまり、人間は一般的に「考えている」とは言えない、と言っていることに等しいわけですが、まさにそのような主張を今私はしています。

私たちの生活の大半は「思う」だけで構成されているのです。内面化・身体化された反応と習慣で日常は問題なく過ごせるのです。この世界が固定的・静的であり、新しいアイデアを求めないような環境ならば、きっとChatGPTでも過不足なく日常を過ごせるでしょう。

しかし、現実の環境は違います。さまざまな変化が予期せぬ形でやってきます。そこでは身体化された反応と習慣だけではうまくいきません。そんなとき、私たちの「考える」が起動します。直感的な反応を抑制して、そこから全体的な状況を俯瞰し、選択肢を確認し、必要であれば新たな選択肢が作れないかを検討します。

この記事の著者・倉下忠憲さんのメルマガ

大谷翔平の担当記者を募集開始。適任は「ホラン千秋」一択か、鬼ヤバ弁当で胃袋も年収85億もゲット?

アメリカの情報サイト「MLBトレードルーモアーズ」が、エンゼルス・大谷翔平(28)の担当記者を募集している。求める人材・職務内容は「英語と日本語ともに流暢であること」「日本での報道を英語に翻訳して執筆できること」「登板日はライブ速報でブログの執筆をすること」「記事の執筆経験があること」などとあり、簡単なハードルではなさそうだ。一人の選手の担当記者を募集するのは異例中の異例で、大谷翔平という選手がどれだけ偉大なのかということがよく分かる。

世界の大谷翔平の専属記者は、誰が適任か?

ネットでは、「大谷ファンで英語ができる人はチャンスかも」といった声もあり、条件をクリアした人材ならばアタックしてみる価値はあると思う。しかし、今や世界の宝となった大谷翔平の専属記者に採用されるには、やはり“それなりの人材”でなければ、日本、いや世界が納得しないだろう。

誰か、適任はいないだろうか?

まぐまぐニュース編集部で長時間会議を行った結果、「この人しかいない!」という結論にたどり着いた。

ホラン千秋(34)である。

条件をクリアしまくりのホラン千秋

ホラン千秋は、学生時代にオレゴン州立大学に留学経験があり、青山学院大学文学部英米文学科を卒業している。「英米文学科」というくらいだから語学堪能に決まっていると言ってもいい。

しかも、2017年からは報道番組『Nスタ』(TBS系)のキャスターとして活躍。報道スキルも持っているのだ。

唯一の懸念点だった「記事の執筆経験」については、まぐまぐ編集部のライターに採用すれば良いと思っていたが、なんと彼女、産経新聞に書評を寄稿しているではないか! つまり、わが社で変な記事を書かせる必要もなく、既に条件はクリアしていたのだ。

巣ごもり終了でも売上アップが続くデリバリー企業が取り組んだこと

コロナ禍での巣ごもり需要で一気に伸びたフードデリバリー業界ですが、ライバルが増えたことに加えて、生活様式が以前のように戻りつつあることで苦戦する企業が増えています。そんな中でも売上を伸ばし続ける企業はあり、今回のメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』では、外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんが、この3月に過去最高の売上を達成した企業の取り組みを紹介。個人客相手では日頃コツコツと集め続けた「データベース」が大きな武器となっていること、企業案件では「領収書の範囲内」での品揃えなど、細かな戦略を明かしています。

苦戦するデリバリー業界の中、3月に過去最高の月7,000万円売った企業の取り組み

コロナ禍で伸びたデリバリー業界。2019年までは市場規模が4,000億円前後が、一気に7,000億円を突破してきました。しかしここに来て急ブレーキになっています。有名なところだとシカゴピザが15億円の負債を残して破産申請したところでしょうか。

東京商工リサーチの調査でも、
・宅配飲食サービス業
・持ち帰り飲食サービス業
この倒産件数は前年対比でも増えていました。正直、戦略なくブームに乗っただけのところも多く、しっかり事業化に成功されたところとは大きな差があるのも事実です。

そんな中で今回は継続して事業の拡大をし続けているご支援先の取り組みのポイントです。

■事業概要

二次商圏まで入れると商圏人口は80万人程度。事業体としては下記を複合的に実施しています。
・高単価の弁当宅配
・ケータリング
・寿司宅配
・葬儀会社との提携

その上で売上の伸びとしては前年比で、
・2021年度:110%
・2022年度:120%
・2023年度:139%(1月~3月)
このように伸びておられむしろ加速!

冒頭の市場環境で見れば伸び悩んだりマイナスがあってもという環境ですが、むしろまだまだ伸びていくような状況です。その要因を深掘りしていこうと思います。

■日常案件は「大切な日」を抑える!

コロナ禍で圧倒的に伸びたのは、「BtoCの日常用途」です。しかし一番落ちているのはこの領域。こちらのご支援先も直近は前年比微減です。とはいえ、これは予想通り!

コロナ禍で大変な時にも、
・配送時
・アンケートメール
などで徹底して「誕生日や記念日」「法事法要」のデータをマンパワーで集め続けられました。

そして今年に入りアプローチできる分母が大きく増えたことで売上増加に。
・法事:前年比140%以上
・慶事:前年比110%以上

デリバリーは「データベース」が大きな差になるのは明確です。しかし配送時に泥臭くアンケートなどで細かい情報を獲得する方が少数派。やるべき事は徹底してやり切りたいですね。

この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ