宝塚歌劇団の苦しい言い訳にネット騒然。会見で「いじめもパワハラもない」「ヘアアイロンで火傷は日常茶飯事」と断言の異常

旧ジャニーズ、歌舞伎と並んで日本のエンタメ界「3大タブー」の一つとも言われる宝塚歌劇団。14日、9月に宙組所属の劇団員(25)が転落死した事件についての記者会見が行われたが、そこには想像を絶するレベルの闇が存在しているようだ。会見で公表された外部の弁護士等による調査報告書で、「亡くなった女性に対するいじめやパワハラは確認できなかった」とされていたからだ。中でもネットを中心に波紋を呼んでいるのが、同報告書に記載された「ヘアアイロンに関する習慣」。100年超えの歴史を誇る「女の園」で、一体何が起きているのだろうか。

月に250時間を超える時間外労働、先輩劇団員からの暴言やパワハラ

宙組所属の劇団員が、兵庫県宝塚市の自宅マンション敷地内で倒れて亡くなっているところを発見されたのは、今年9月30日。兵庫県警の調べによれば、マンション最上階に女性のものとみられる荷物が見つかっており、自殺の可能性が高いという。

女性が自死に至ったきっかけについては、文春オンライン等がいじめやパワハラであった可能性を指摘していたが、11月10日に都内で会見を開いた遺族の代理人弁護士は、月に250時間を超える時間外労働、先輩劇団員からの暴言やパワハラが自殺の原因と断言。女性は9月29日に開幕した宙組の新人公演のまとめ役を担っていたこともあり、過重労働状態が続いていた。

「いじめやパワハラは一切なかった」という認識

そして14日。宝塚大劇場内のエスプリホールで16時から開かれた歌劇団の会見で、外部の弁護士等による調査報告書の内容が発表された。出席した木場健之理事長らはさまざまな言葉を尽くしたが、その内容はX(旧Twitter)に投稿された以下のポストに集約される。書き出してみると、異常性が際立つ。

  • いじめやパワハラは一切なかった
  • 死因は故人の精神疾患だから宝塚側は悪くない
  • ヘアアイロンで火傷させるのは日常茶飯事だから問題なし
  • 長時間労働は認める
  • 理事長は辞任して逃げる予定
  • 宙組東京公演は実施する予定
  • 遺族の訴えは全面否定
  • 宙組を全面擁護
  • 芹香斗亜や天彩峰里などの当事者が説明する場を設ける予定は一切なし
  • 今までの体制を変えるという具体的な説明は殆どなし
  • 遺族に宝塚側は一度も面会せず直接謝罪もしていない
  • 遺族側と意見が全く異なるが、その理由や見解は一切話さず、いつか話し合うと言って逃げる


「ヘアアイロンで火傷させるのは日常茶飯事だから問題なし」

速報で報じられた会見中にもっともネット上が騒然となったのが、劇団理事で制作部長の井塲睦之氏が「ヘアアイロンで火傷させられるのは日常茶飯事」という旨の言葉を放った際で、これには「そんなことある!?!?言わない方が良かったんじゃないか」「ヘアアイロンで火傷するのが日常茶飯事ってどんな日常だよ」「宝塚はヘアアイロンで火傷するのが日常な恐ろしい所」「宝塚の人を見るたびに『この人たち日常的にヘアアイロンで火傷してるんだ』ってなっちゃう」等の声が上がっていた。

遺族側の主張とあまりに食い違う、宝塚歌劇団が発表した調査報告書の内容。なぜかくも納得できない事態が起こるのか。元タカラジェンヌとの仕事経験もあるという業界関係者はこう語る。

「20年ほど前に宝塚歌劇団出身の方とお仕事をご一緒した際に、興味があったもので劇団内の内情を尋ねてみたのですが、はぐらかされてしまいましたね。そのときに、やっぱり言えないことも多いんだな、と悟りました(笑)。

宝塚に限らず芸能界というところは、すべてにおいて一般社会と乖離していますので、今回のように誰が聞いてもおかしなことが起きているのに、『いじめもパワハラもなかった』と言えてしまうという面もあると思います」

とは言え多くの国民がこの会見には違和感以上のものを抱いた事は間違いないようで、ネット上には疑問や怒りの声、そして闇の深さを指摘するコメントなどが多く投稿されている。

宝塚歌劇団を運営する阪急電鉄は、旧ジャニーズ事務所のように、事が大きくならない限りは本腰を入れて動かないという姿勢を取るのだろうか。ジャニー喜多川氏への忖度を批判された大マスコミは、今回こそは歌劇団の闇を糾弾し、真実を白日の下に晒すべきではないのか。何度でもいうが、ヘアアイロンで顔に火傷を負わされることは、決して日常茶飯事ではない。

人種差別は、精神科治療の「身体拘束」選択に影響を与えているか?海外の研究論文の結論は

精神科の治療において、治療が困難だと判断された場合に「身体拘束」という手段を取ることがあります。拘束をするか否かの判断に「人種差別」が影響を与えている可能性はあるのでしょうか。今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』では、本来あってはならない「影響」について研究した海外の論文を紹介しています。

人種差別が「身体拘束」に影響を与えているという研究

精神科医療において著しい不穏や体動があり、そのために治療が困難で、患者の生命に危険が及ぶおそれが切迫している場合等に、身体拘束という手段が選択されることがあります。

その要件として、「切迫性」「非代替性」「一時性」の3つの要件を満たすことが必要とされており、日本でも身体拘束ゼロに取り組んでいる精神科病院があります。

今回は、人種差別が身体拘束のあり方に影響を与えているのではないかという内容の研究をご紹介します。

Race-Based Disparities in the Frequency and Duration of Restraint Use in a Psychiatric Inpatient Setting

身体拘束の使用頻度・期間に関する人種差別

12歳以上の入院患者(29,739人)が対象となり、人種と身体拘束の頻度・期間との関連を調べました。

結果として、以下のことが分かりました。

  • 人種と身体拘束の有無との間に関連を認めました。(白人との比較でオッズ比で示すと、黒人:1.85倍、混血1.36倍)
  • 身体拘束の期間についても、黒人で拘束期間が長くなっていました

要約:『身体拘束の頻度や期間に、人種の影響を認める可能性がある』

身体拘束の必要性の判断に、原則に基づく適応以外の要素が、影響している可能性が考えられました。

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アメリカの“対中外交戦略”に次々と浮上する「不都合な問題」とは?

米サンフランシスコで日本時間12日に始まったアジア太平洋経済協力会議(APEC)の期間中に米中首脳会談が予定されていて、懸案山積の国際情勢のなかで、大きな注目を集めています。米国と中国それぞれの思惑について解説するのは、メルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』著者で多くの中国関連書を執筆している拓殖大学の富坂聰教授です。大統領選挙を控え、中国に甘い姿勢を見せられないバイデン大統領が中国からロシア批判やハマス批判を引き出すのは容易ではないと分析。国際情勢はいま、中国にとって強い追い風となっていると伝えています。

米中首脳会談を前に、降ってわいた不都合な問題に翻弄されるバイデン政権

イスラム武装組織ハマスの越境テロ攻撃から1カ月が過ぎた。パレスチナの人々が暮らすガザ地区へのイスラエル軍の報復攻撃は凄まじく、崩壊した建物の瓦礫をかき分けるパレスチナの人々の映像が連日のように伝えられている。その惨劇は、ロシアによるウクライナ侵攻で見慣れた光景とは、また次元の異なる破壊として人々の目に焼き付けられている。

多くの懸案が世界に山積するなか、今月12日からアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議がサンフランシスコで開催される。注目は、会議に合わせて行われるジョー・バイデン大統領と習近平国家主席の対面による二度目の首脳会談だ。国際政治の一つのハイライトだ。

西側メディアの関心は、例によってイスラエル・パレスチナ問題とロシア・ウクライナ問題をめぐる二大国の駆け引きに向けられている。即ち、中国をいかにロシア批判やハマス批判に引き込めるかというバイデン政権の思惑だ。

だが、中国の優先順位はそうではない。米中首脳会談はあくまでアメリカと中国の「二国間関係を整える場」と考えているからだ。中国が獲得したいのはトランプ政権下で激増した対中制裁関税の解除や安全保障を理由とした輸出・投資の制限の撤廃である。安全保障面では、台湾問題を利用して中国をけん制する動きを止めさせることだ。

いずれも歩み寄りは簡単ではない問題だ。大統領選挙を控えたアメリカでは、民主党と共和党との対立が激しさを増し、与野党が協力できる材料は乏しい。だが、そんななかにあっても対中国では両党議員が「強硬」でまとまっているのがアメリカ政治の特徴だ。

先月は下院議長の選出で混迷し、共和党の内部で亀裂が浮き彫りになった。そしてここでも党の団結を呼びかけるために引き合いに出されるのが中国だ。そもそもアメリカ人の対中感情の悪化や議会の雰囲気を考慮すれば、バイデン政権が中国に柔軟なメッセージを発することは期待できない。

また一方の中国にもアメリカに歩み寄る気配は感じられない。デカップリングやAUKUSなど、バイデン政権の繰り出す仕掛けにはうんざりしながらも、慌てて妥協する要因とはなっていないからだ。

この記事の著者・富坂聰さんのメルマガ

顧客価値の創造から。セブンイレブンとイオンに学ぶ「集客の原点」

どんなに商品やサービスに自信があったとしても、集客がままならなければどうにもならないのは言わずもがな。誰しもが頭を悩ます集客ですが、大手はどのような策を打っているのでしょうか。今回のメルマガ『理央 周の売れる仕組み創造ラボ【Marketing Report】』ではMBAホルダーの理央さんが、セブンイレブンとイオンの集客術を紹介。その上で、2つの事例から学べる「集客の原点」について解説しています。

なぜ集客は難しいのか?セブンイレブンとイオンに学ぶ集客の大事なポイント

BtoCの小売業でも、BtoBのような法人向けのビジネスにしても、集客って厄介ですよね。

広告を出してもなかなか効かないし、展示会やセミナーに個別に誘っても、きてくれるとは限らない上に、誘いすぎると嫌がられるし…。

もちろん、楽な集客はありませんが、この「売る」ということについてまわる、“集客”の大変さについて、今号では考えていきます。

セブンイレブンのコーヒーの、サブスクが話題になっています。

日経クロストレンド10月23日の記事によると、

セブン─イレブン・ジャパンは2023年10月2日、月額2,000円のコーヒーの、サブスクリプション(定額課金)サービス「セブンカフェ サブスク」のテスト販売を、一部店舗でスタートした。大手コンビニでは、23年4~7月に愛知県内の約620店舗で、テストを実施したローソンの「MACHI cafe Prime」に次ぐ試みとなる。

 

セブンカフェ サブスクは、110円分のセブンカフェを1日1回、30日間利用できるサブスクサービス。110円のホットコーヒー、アイスコーヒーのR(レギュラー)サイズであれば差額無しで、110円を超えるドリンクは、差額分を支払えば購入できる。

 

30日間、アイスコーヒーのRを毎日注文すると、サブスクを利用しない場合、1カ月のコストは110円×30日で、3,300円。平日だけ毎日なら110円×22日で2,420円。これであればセブンカフェ サブスクが、割安といえる。

1日100円で飲めるこのコーヒー、平日だけでも元が取れる、ということになると、住まいや職場近くに、セブンイレブンがある、コーヒー好きな人は、毎日ストレスなく立ち寄るでしょう。

サブスク(=サブスクリプション・定期購入サービス)は、既存顧客が毎回購入する手間を省き、その分割安にする、という仕組みです。なので、一般的には既存顧客へのサービス、と考えられがちです。

しかし、こうやって考えてみると、セブンカフェのサブスクも、立派な集客策ですよね。

顧客にとっては先にお金を支払うものの、回数を稼げば1杯あたりの金額は割安になるし、セブン側にとっても、サブスクのコーヒーを買いに来たついでに、何かを買ってもらえれば、売り上げ増につながります。

この取り組みを見ていると、「値引きやクーポンだけが、集客策ではない」という示唆がありますよね。

人は行く理由がないと、来店しません。

基本的に、ここでしか買えない、とか、今だけ・期間限定、他より安いなど、顧客は“行く理由”があって初めて来店します。

毎朝のコーヒーを買いに行く、という理由がはっきりするからです。

集客するためには、ターゲットが「行くに値する理由」を、はっきり伝えないとダメなのです。

この記事の著者・理央 周さんのメルマガ

歴史好きなら絶対知ってる戦国武将「斎藤義龍」は存在しなかった?

父である斎藤道三を打ち取って美濃の国主になった武将「斎藤義龍」。戦国ファンなら必ず聞いたことのある名前ではないでしょうか。しかし、メルマガ『歴史時代作家 早見俊の無料メルマガ』著者の早見俊さんは、実を言うと「斎藤義龍」という武将は存在しなかったと語ります。いったいどういうことなのでしょう?

実は「斎藤義龍」なる戦国武将は存在していなかった

斎藤義龍といえば戦国ファンにはお馴染み、父道三を討ち取って美濃の国主になった武将です。血で血を洗う戦国の世、親子、兄弟、親族が争うのは珍しくなかったとはいえ、実父殺しは異常でした。
義龍自身もそのことは自覚しており、范可と名乗ります。范可は中国、唐の時代、父親殺しで有名でした。

そんな義龍ですが、道三を討ってから五年後、数え三十五で急死します。義龍の跡を継いだ龍興は織田信長に攻め滅ぼされ、美濃は信長の手に落ちました。

ところで、我々は違和感なく斎藤義龍と呼んでいますが、実は、「斎藤義龍」なる戦国武将は存在しませんでした。架空の人物というわけではなく、義龍は、「斎藤義龍」を名乗ったことがなかったのです。

幼名は豊田丸、元服して利尚、道三に叛旗を翻す決意を示して范可と名乗り、道三を討ち取った後は高政と称しました。室町幕府から美濃守護職に任じられ、更には、「一色」姓を称するのを認められます。

一色氏は幕府の侍所の所司を務める名家でした。室町幕府最高職の管領は三管領といって、細川、斯波、畠山が担いました。侍所所司は四職といって山名、京極、一色、赤松の四氏が就任しました。道三が追い出した美濃守護職、土岐氏は四職に次ぐ家柄でしたので、義龍は土岐氏を凌いだのです。

現役精神科医が教える、数日で「作家」になれてしまう“最高のアウトプット”法とは?

SNSやブログなどでアウトプットが容易にできるようになった現代、あなたは何かアウトプットしていますか? 今回のメルマガ『セクシー心理学! ★ 相手の心を7秒でつかむ心理術』では、著者で現役精神科医のゆうきゆう先生が、数日で本も書けるようになってしまうほどの極意を紹介しています。

数日で本も書ける。誰でも最高の形でアウトプットする技術

こんにちは、ゆうきゆうです。

元気でお過ごしですか。

さて、皆さんは、何かアウトプットしたいと思ったことはありますか?

現代は、SNS・ブログで文章を書いたり、自作の本を作ったり、動画を撮って発信したり等、様々な方法で発信できます。

またこれらのアウトプットを、誰もが気軽に利用できるようになりました。

そして誰もができる時代だからこそ、積極的なアウトプットが重要です。

たとえば自分の作品や考えを発信することによってファンができ、自身の副業につながっていく可能性もあります。

■ アウトプットで知識が深まる!

また、アウトプットは「インプット」のためにも重要です。

人間はインプットだけをしていると、いつまでたっても使いどころのない知識だけがたまっていきます。

そして知識は使われないまま、どんどん消えていってしまいます。

アウトプットを日頃から行うことにより、インプットした知識を生きた形で外に出すことができます。

すると、アウトプットによって得られるものがあるだけでなく、インプットした知識をより定着させることができます。

これは、知識を自分の中でまとめて整理することで、より知識が体系化されていくためです。

知識を深めるためにも、ぜひ、毎日必ずアウトプットをすることを心がけてみましょう。

「冷やし中華サンド」に「ワニおにぎり」?コンビニ「立山サンダーバード」の“伝説”は家族会議から生まれた

富山県立山町に「伝説」と言われている珍しいコンビニがあります。思わず笑ってしまう「トンデモ商品」の売れる仕掛けは一体どこで生み出されているのでしょうか。今回のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の著者、佐藤きよあきさんが詳しく紹介しています。

売れる仕掛けが連なる!コンビニ「立山サンダーバード」のお笑い戦略

勇壮な立山連峰を望む麓の町、富山県立山町。

立山を目指す登山客、スキー客、観光客がたくさん訪れます。

ここに、「伝説のコンビニ」とまで言われる、有名なお店があります。

老夫婦と息子さんの3人で営む、個人経営のコンビニです。

外観は多少古ぼけていますが、ごく普通にある田舎の商店。

このお店のどこに“伝説”が潜んでいるのでしょうか。

お店に向かうと、まずは自販機が目に入ります。えっ? と驚き、笑ってしまいます。

1台は「何の飲み物が出るかな?」と書かれた、シークレット自販機。

もう1台は、ほぼ1種類か2種類だけがずらりと並んでいます。

しかも、見たことのないようなジュース類です。

「それが推しなのね!」と納得してしまいます。

中に入ると、コンビニというより、田舎の何でも屋さんの風情。

正面奥に見えるのが、このお店を伝説化するキッカケとなった、サンドイッチの棚。

商品のひとつひとつを見る度に、笑ってしまいます。

「冷やし中華」「天ぷら丼」「カツ丼」「たこ焼き」
「きつねたぬきそば」「富山風お好み焼き」「おでん」
「タルタルカキフライ」「あん肝と菜の花とチーズ」
「チャーハンとギョウザBセット」「ほたるいか」
「みたらし団子とウインナー」「きのこたけのこチョコ」
「月へ行こう!(アポロチョコ)」など。

とんでもない具材を挟んでいるので、味は全く想像できません。

食べなければ、わからないのです。

気をてらっているだけのようにも感じますが、ちゃんと試作・味見を繰り返し、美味しいものだけを販売しています。

お客さまの反応としても、「意外とイケる!」と、概ね好評です。

お笑いの演出も気が利いていてユニークです。

「冷やし中華」サンドイッチの季節になると、「冷やし中華、始めました。サンドイッチですが。」のPOPが掲げられます。

素晴らしいお笑いセンスだと思います。

だから日本は衰退した。タイパに耳を傾けぬ過去世代が加速させた“組織の腐敗”と“競争力の喪失”

どんな職場であれいつの世も存在する世代間ギャップ。直近では新人の「電話嫌い」と「タイパ好き」が大きな話題となっていますが、彼らを管理・指導してゆく立場の人間は、このような状況とどう向き合うべきなのでしょうか。今回のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』では米国在住作家の冷泉さんが、「電話」「タイパ」それぞれについての具体的な対応策を紹介。殊にタイパについては、その否定は「ビジネスにとって自殺行為」と強く警告しその理由を解説しています。

※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2023年11月14日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

猛批判される新社会人。「電話嫌い」と「タイパ好き」の何が悪いのか

これは日本の場合ですが、新しく社会人になった世代に対する過去世代の批判がかなり強まっているようです。具体的には、「電話嫌い」と「タイパ好き」ということです。

まず「電話嫌い」ですが、これは全く当然の話だと思います。今の若い世代は、固定の地上線電話というのは、ほとんど経験していません。また対面でも、原則として初対面同士の会話は避けるという社会で育ってきています。初対面同士の会話というのは、余程注意しないとトラブルの元だし、特に敬語のレベルなどでエラーを出してしまうと、執拗な言葉の暴力の被害にあう中では、リスク回避という意味合いもあるわけです。

ですから、例えば部課の代表電話というのがあって、昼休みとか時間外とかに電話番を置いて、新入社員などに電話を取らせるというのは、大きな抵抗感がある、というのはよく考えれば理解できる話です。

よく考えれば、部課の代表電話などというのは、今どき本当に必要なのかは考え直したほうがいいと思います。民間だろうが官公庁だろうが、そしてアドミ的な仕事であろうが、営業であろうが、仕事の基本はメールという時代です。その上で、どうしても電話でというのは、局面が限られています。

  1. 初対面だが、即答を期待する場合。
  2. 面識があるが、非公式なので対話の証拠を残したくない場合、あるいは言外の微妙なニュアンス的な情報交換をしたい場合。
  3. 慶弔や祝意など感情的なメッセージをリアルで送りたい場合。
  4. 番号リストを片手にダメ元で営業などの電話をかけまくる場合。

これ以外にはどうしても電話でというケースはほぼゼロではないかと思います。まず2)とか3)は新人がいきなり電話を取るというケースではありません。2)については、こうした種類の電話を頻用する人は業務用の携帯を運用しているか、秘書が通話を管理しているはずです。3)は受け電話ではありません。

ですから、基本的に新人に電話をさせるのは1)か4)の局面です。このうち、1)は理不尽なクレームや大量の電凸などの可能性があるので、現在では多くの組織が電話を受けない対応に移行しつつあります。または、電話専門のコールセンターに回す対応が可能です。ですから新人に電話を取らせるなどというのは時代遅れになると思います。

さらに言えば、コンプラ、特に守秘義務に関して高い情報管理が求められる場合には、担当者以外による情報共有、隣の部課の電話を取るなどというのは、そうした行動事態がダメと言う時代でもあると思います。また4)の電話作戦的な行動も、今は効果よりもマイナスイメージが強い時代であり、意味はドンドン薄れていると思います。

そう考えると、新入社員に「イヤイヤ電話を取らせる」とか「かけさせる」といった経験をさせるというのは、この際ですから止めてしまってはどうでしょうか。多くの企業がすでに「問い合わせはウェブフォームに」とか、あるいは「コールセンター回し」という対応をしており、それで社会的に悪印象になる時代でもないからです。

この記事の著者・冷泉彰彦さんのメルマガ

「軍産複合体にもっとカネを」と主張するノーベル経済学者クルーグマンの無理筋

2008年にノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン。コラムニストとしての顔を持つクルーグマンですが、彼が先月末に発表したとあるコラムがアメリカで物議を醸しているようです。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』ではジャーナリストの高野さんが、「軍産複合体」に関するクルーグマンの主張と、それを真正面から批判するリベラル派の反論を紹介。その上で、クルーグマンの意見についての自身の率直な感想を記しています。

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2023年11月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

リベラル派から大反論。ノーベル経済学者が「軍産複合体にもっとカネを」の妄言

ノーベル経済学賞受賞者でNYタイムズのコラムニストのポール・クルーグマンが10月31付同紙に「軍産複合体」と題して、その言葉を有名にしたアイゼンハワー大統領の1961年の退任演説の時代に比べて現在の軍事予算の経済全体に対する比重は遥かに小さく、ウクライナ戦争支援を煽っているのは兵器産業だといった急進左派の主張は間違っているという趣旨のことを書いていた。

私は、何を言っているんだ、これでは軍事予算を増やして兵器産業を潤してやれと勧めているようなものじゃないかと思ったものの、まあ彼はケインジアンの系統だし、軍事予算も“公共事業”の一種で財政支出による景気浮揚策として容認するのだろうなと皮肉に解釈し、そのまま見過ごした。が、案の定リベラル左派の「リスポンシブル・ステイトクラフト(責任ある政治活動)」というサイトを運営するクインシー研究所がこれを問題視し、11月3日付でウィリアム・ハートゥング同研究所上級研究員が「クルーグマンの軍産複合体論は間違っている」と題した反論を掲げた。

この記事の著者・高野孟さんのメルマガ

高すぎるリスク。人気コンサルが中国とのビジネスの評価を変えた訳

不穏な世界情勢のなかで、ますます微妙になっている日本と中国の関係。加えて快進撃を続けていた中国経済にも陰りが見え始めた今、中国とのビジネスにどう向き合っていけばいいのでしょうか。読者の質問に答えるのは、『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』著者で人気コンサルの永江さん。以前は積極的に推奨していた中国とのビジネスについて、依存度を下げるべきと評価を変えた理由を数々あげて説明しています。

これからの中国とのビジネスについて

Question

shitumon

中国について、不動産バブル崩壊、スパイ疑惑での逮捕、台湾侵攻等、一党独裁政治のネガティブな面を最近ニュースでも見るようになりました。とはいえ、経済大国に変わりはありません。

私自身、中国とビジネスをしてはいないのですが、永江さんの目から見て中国とのビジネスについてどのようにお考えでしょうか?割とポジティブに考えられていたように記憶しております。その考えが変わったのならば、その理由もお伺いしたいです。

永江さんからの回答

中国とのビジネスは以前はポジティブでしたが、今は付き合っていくしかないだろうという考えですね。中国が発展しているうちは一緒にやれますが、この先何があるかは分からないので、中国だけに依存するようなビジネスは避けるべきでしょう。

中国は非常に大きい経済圏で勢力を拡大していますが、ゼロコロナ政策の影響で経済成長が止まり、GDPでアメリカを抜く見込みがなくなり陰りが見えてきました。一帯一路構想で途上国への投資も拡大していましたが、イタリアも抜けて参加国が減ってきています。

中国政府が開発費を貸し付けて、中国の国営企業が開発するような座組が多いですが、ゼロコロナ政策で企業の不動産開発を止めて、マレーシアのフォレストシティのようなゴーストタウンを生み出してしまいました。

ゴーストタウンか理想郷か-碧桂園の1000億ドル事業、先行き見えず │ Bloomberg

投資しても責任を持たず投げ出すし、金利も4%など高利で貸し付けているので(独裁政権などはよく分からず借りてしまうそうです)みんなが倦厭し始めています。

日本もゼロコロナに近い愚かなコロナ政策を取って経済に致命的なダメージを与えてしまったので人のことは言えませんが、中国の場合は、経済や生活が行き詰まったときには民衆の不満が爆発して共産党独裁政権に向かい、政権転覆に至る可能性もあります。

その過程では弾圧も起こるでしょうし、大変な混乱が予想されます。台湾に強圧的な態度を取るのも、日本の原子力発電所の処理水を騒ぎ立てているのも国内の批判を少しでも国外にそらすためでしょう。

何かあったときには超法規的に取引が制限されたりなし崩しにされてしまうので、中国とのビジネスは必要とはいえど、中国だけに大きく依存するようなことはできないだろうと考えますね。ほとんどの大企業もチャイナリスクを考慮して開発拠点や調達先などを分散させています。

この記事の著者・永江一石さんのメルマガ

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