「不気味の谷」という心理現象が実は「不気味の『崖』」だった件

例えばマツコ・デラックスさんそっくりの「マツコロイド」を見たときに何か異様な不気味さを感じる…。そんな『不気味の谷』と言われる心理現象について考察するのは、メルマガ『8人ばなし』の著者の山崎勝義さんです。山崎さんは、「谷」と呼ばれるからには、その向こうには別の地平があるはずと思考を深めますが、どうやら「谷」ではなく「崖」と言うのが相応しいのではないかという結論に達します。さて、どういうことなのでしょうか?

『不気味の谷』のこと

「不気味の谷」という言葉を知っているだろうか?ちょっと聞くとロールプレイングゲームのマップにでも出て来そうな響きであるが、実はれっきとした学術用語である。

一応説明しておくと、「人間の外観をリアルに造形しようとした際、そのリアルさがある限度を超えて人間に近づくと忽ち嫌悪感を覚えるようになる」といった心理現象のことである。

テレビなどで、近未来コンセプトのホテルや催事場で妙にリアルな受付のおねえさんロボットが紹介された時などに感じる、あの「きもっ」とか「こわっ」の心持ちである。この例からも分かる通り、「不気味の谷」の考えは現在では専らロボット工学の文脈で語られるものであると言ってもいい。

ここで一つ疑問が生じる。果たして本当にそれは「谷」なのであろうか。もし谷であるなら、その谷を越えた向こう岸に不気味じゃない領域が必ずある筈である。しかしながら現行それほどまでに精緻を極めた人型ロボットは製造されてはいないから、それを証明することはまず不可能である。ここは想像をたくましくしてそれに当たる他はない。

今仮に、遺伝子工学により筋骨格的にも外表皮的にも人間と区別のつかないレベルでつくられた人工身体を、人間のあり方(思考・発話・所作など)を完璧にマスターしたAI制御で動かすとしたらどうだろう。これでもやはり不気味と感じるのではないか。それが人工物と分かった途端、はく製か遺体でも動いているようでとてものこと平然とはしていられない筈である。

但しそれは「人工物と分かれば」の話である。言われるまでロボットだと分からない、あるいは言われてもロボットだとは信じられないレベルの完成度であったなら、たぶんではあるが谷の如き不気味さは感じないであろう。

しかしこのレベルまで行くと、最早それは出自の異なる人間とは言えないか。第一これなら今既に我々の周囲に存在していたって不思議ではない。ロボットと気付かないのだから。但し、こうなると「美」と「心理」の問題と言うよりむしろ「認識」と「心理」の問題と言った方がいいような気もする。

結局のところ、それが造形物(造形美の問題)である限りにおいては、言い換えれば、人間に似て非なるものである限りは「不気味の谷」は谷ではなく、崖と言った方がいいものなのかもしれない。つまり、どこまでいっても不気味さはなくならないということである。

もしかしたら、この似て非なるものを嫌悪する心理現象の中に人間の生命倫理の根源のようなものがあるのかもしれない。さらにそういった好悪の感情が、人を模した造形物に対してことさら露骨に顕在化したものが「不気味かどうか」と言った所謂美醜の感覚であるとしたなら、人間は人間の定義に関して(少なくとも現段階においては)実に狭量であると言わざるを得ないのである。

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【動画】車の上に車?どこからツッコんでいいのかわからない車両

世界にはとんでもないものやとんでもない量を積んでいる車が多数存在する。

こちらの動画でも、奥から何やらすごい車がやってきて・・・?
 

 
やってきたのは普通の乗用車。ピックアップトラックというわけでもない。

しかしその車の上にはもう一台の車が載っているではないか・・・!

しかも上の車はライトもバンパーもない状態。そもそもなぜこんな無茶な方法で運搬しているのかも謎。

結局ドライバーの男性は逮捕され危険運転ということで罰金を支払ったという。

なぜこの方法でイケると思ったのか・・・!笑

 
(※↓詳しくはコチラへ)
参照・画像出典:YouTube(Entertainment Guru)
(本記事は上記の報道や情報を参考に執筆しています)

 

記事提供ViRATES

台風で電車が運休・遅延した場合、会社は賃金の補填をするべきか

先日千葉市に上陸した台風15号は各地に大きな被害をもたらし、首都圏の輸送網にも大打撃を与えました。今回の無料メルマガ『採用から退社まで! 正しい労務管理で、運命の出会いを引き寄せろ』では著者で現役社労士の飯田弘和さんが、当日の出社や欠勤、台風被害による事業所の休業等を巡り様々なお客様から受けたという質問を取り上げ、それらに答えてくださっています。

台風被害による休業手当の支払いについて

9月9日に関東地方に上陸した台風15号によって、私の住む東京では、電車の運休や遅延による混乱が起きました。千葉県などでは、建物の損壊や長期間の停電などの被害が発生しています。ところで、この台風の後、お客様から多くの質問が寄せられました。その質問に答える形で、今回はお話ししていきます。

一番多く頂いたご質問は、

電車の遅延や運休によって、遅刻や欠勤した従業員の賃金を補償しなければならないか?

というもの。基本はノーワークノーペイです。したがって、働いていない時間について賃金を支払う必要はありません。電車の遅延や運休については、会社に責任はありません。完全な不可抗力です。ですから、労基法26条に定める休業手当の支払いも必要ありません。

しかし、今回のような場合、通常の欠勤と同様に扱っては従業員に酷なようにも思えます。賃金や休業手当が支払われないことで、従業員の不平や不満にもなります。

そこで、会社として対応が可能であれば、電車の遅延や運休による遅刻・欠勤について事後的な年休申請を認めるといった対応をされては如何でしょう。

遅刻・欠勤について賃金控除をしないという対応では、この台風の中きちんと出勤してきた従業員とのバランスが取れません。ですから、今回については、事後的な年休申請を認めたり、あるいは遅刻・欠勤者の賃金控除をしない代わりに、きちんと出勤してきた従業員に対しては特別な手当を支給する等の対応が良いと思います。ただし、これはあくまで、会社の任意的な対応という事になります。

次に多かったご質問として、

事務所や工場が台風により一部損壊したり、あるいは浸水によって稼働することができないので従業員を休業させたが賃金の補償は必要か?

といったもの。天災事変等の不可抗力による休業の場合休業手当の支払い義務はありません。ですから、就業規則等で「天災事変等による休業の場合でも何らかの手当を支払う」といった規定がない限り、賃金や休業手当を支払う必要はありません。

では、施設や設備が直接的な被害を受けてはいないが、取引先や道路等の被害によって、原材料の仕入れや製品の納入等ができず、従業員を休業させる場合はどうでしょう。この場合、原則は、休業手当の支払いが必要です。しかし、取引先への依存度や輸送経路の状況、他の代替手段の可能性等によっては、「使用者の責に帰すべき事由」に該当しない(休業手当の支払いが不要)場合もあり得ます。
ただし、この判断には明確な線引があるわけではありません。それぞれの事案ごとに、個別の状況によって判断することになると思われます。

また、休業手当の支給について、雇用調整助成金を活用できる場合があります。助成金活用を考えている会社は、一度、ハローワーク等へ問い合わせ・ご相談されては如何でしょう。

今回は以上となります。

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ウザいゴタクを並べるラーメン屋に人々が行列を作ってしまう理由

ラーメン屋の店主がウッザいゴタクを並べれば並べるほど、みるみるファンが増えてゆく…。よくありがちなこんな現象、どんなシステムで起こり続いてゆくのでしょうか。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では著者で繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、そんなラーメン屋店主たちのウザいゴタクが「マーケティング的な観点からは効果的」であるとし、理由を記しています。

どうして、ラーメン店主は“ウザイ”のか?

「スープが気に入らない時は、店を開けないよ」。そんなラーメン店主がいます。それほどこだわりがあるスープなら飲んでみたい、とラーメンファンは思います。やがて、口コミが広がり、行列のできるお店となっていくのです。

実に“ウザイ!”。

いつも同じスープを作れないのはヘタクソだからです。裏を読むと、注目されるためのポーズではないのでしょうか?

「うちのスープに合うように、自家製麺でやっている」。

プロである製麺所に頼んだ方が、本当に合う麺を作ってくれます。素人が短期間でプロを超えることはできません。結局は、自己満足でしかないのです。しかし、自家製麺だと言われると、お客さまは“どこか違う”と納得してしまうのです。違うのは当たり前です。素人なのだから。

実に“ウザイ!”。

「ラーメンづくりというのは、ショーと同じ。短いステージのために、何百回何千回と練習を積んで、お客さまの前に出て行く」。

あぁ~“ウザイ!”。

手間ひま掛けて安く提供している、その努力は認めますが、“たかがラーメン”です。「あぁー美味しかった!」となれば、それで良いのです。店主のゴタクはいらないのです。

されど、されど。

このゴタクにお客さまは惹かれます。興味を持ってしまうのです。何も語らなければ、こだわりは見えません。こだわりが見えないと、人は集まらないのです。集まらなければ、口コミも広まりません。つまり、行列もできないのです。どれだけ美味しいラーメンを作っていてもお店は潰れます

競争の無い地域なら、無口な店主でも流行るかもしれませんが、ライバルだらけのいま、とにかく目立たなければ、競争のステージに立つこともできないのです。確かにウザイ店主たちですが、自己アピールの方法を身につけているのです。見習うべきかもしれません。

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韓国に住んでみてわかった、韓国人女性たちの愛の強さと逞しさ

最近の日韓関係が、当面は修復不能と思える程に危機的状況に到ってしまった原因の一つに、日韓の国民性、感情表現方法の違いも影響しているかもしれません。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴31年の日本人著者が、歴史的背景等を鑑みつつ「韓国人女性の性格」について思うところを記しています。

女性

9月13日が旧暦の8月15日つまり中秋の名月にあたる日。日本ではお月見の日だけれど、こちら韓国は秋夕チュソクという民族の大名節。お正月と並ぶ二大名節の一つ。前後の2日が休みとなるので今年は12日の木曜日から赤い日となり、4連休となった。

11日の水曜日の夜から日本以上の帰省ラッシュとなっていた。ダンナの家に先に行くのか妻の家に先にいくのかで揉める風景も恒例行事となって久しい。この時期になるとどうしても女性というものについて考えさせられることが多い。それで今回は女性というテーマでお送りしたい。

女性は結婚したら男性の姓になる。アメリカ、ヨーロッパがそうであり、日本またしかりだ。ところが韓国はちがう結婚しても女性の姓は元のままだ。韓国は儒教国家だ。本家本元の中国以上に儒教文化が根強く残っている。その影響もあってか、ここ韓国では女性の地位は低いものだった。族譜(ジョッポ、家系図)にも、本来は女性の名前は載らないのだ。

最初にも書いたけど、お正月やチュソク(秋夕という字で大体日本のお盆に相当)などの名節のような大きな年中行事には女性だけが、料理作りに、掃除に、後片付けに、子どものめんどう見にと、とにかく汗だくになって働く風景がいまでもよく見られる。チャレ(茶礼と書く。法事のようなものと考えてよい)の場で、先祖に対してジョル(頭を地につけて行なう最敬礼のような行為)をするのは男だけ。料理を作り準備をするのは女性なのに、準備したものを前にジョルをする資格がないのである。よそ目にも痛々しいと思うほど、女性の地位は低いのだ(最近は女性もジョルができるように取り計らってくれる家柄もあるようだが、本来の伝統としては女性はジョルはしない)。

しかしこと「苗字」つまり「に関しては、結婚しても男の姓にならず、つまり男の従属物にならず一個の独立した人格なのである。結婚しても姓が変わらない文化は韓国のほかに今のところわたしは知らない。生まれた子どもは男親の姓を名乗ることになっているが、戸籍法が改正され、戸主制が廃止されるにともなって、子どもは(希望すれば)母親の姓をとって名乗ることもできるようになった。そうなる前の数年間は、父親がキム氏で母親がバク氏なら、子どもは「キムバク」という姓にすることが流行っていた。両方の姓をとって子どもの姓にするのである。たとえば名前が「ヒョンシク」なら「キムバク・ヒョンシク」というような姓名になるわけだ。いっときこんな現象もちらほら見えたけれど、今はほとんどそんなふうにする親はいないようだ。30年以上学生を教えている間、今までこんなふうに二親の姓を重ねてつくったような姓は一人二人くらい見たかもしれない。

ところで女性の地位が低そうに見えながら、どうしてどうして、そんなことはまったくない。世界の国と比べてもここ韓国の女性はパワーがある。それは姓の問題だけではなくいろいろの面に見られる。まず生活力のたくましさをあげることができよう。

昔から韓国は戦争に巻き込まれてきた。ものの本には、900回以上も侵略の戦争に巻き込まれたと書いてある。ここ最近では、1950年6月25日の「ユギオ」をあげることができる。北朝鮮のとつぜんの挑発にはじまる朝鮮戦争のことである。6月25日の、六(ユク)、二(イ)、五(オ)をつなげて「ユギオ」という。血で血を洗う激しい戦争であった。こうした戦争のときごとに、男は駆り出され、女はあとに残って子どもや親のめんどうを見る。ぼやぼやしていては、食うものも手にはいらない。目ざとくあたりを観察し、必要なものはすばやく自分のものとして調達しなければ、あした食うものもない時代だ。そういう素早さ、すばしこさ、目ざとさ、そして多少のずうずうしさが培われていく。もう半世紀以上も前の話だが、現代の韓国女性にもこうした気質が色濃く流れているように感じる。ひとことでいえば、生活力旺盛ということになろうか。

食欲の秋に思う、貴方の「食いしん坊具合」が家族を幸せにする訳

今年も食べ物が美味しい季節が巡ってきました。そんな食欲の秋にせっかく食べるのなら、旬の美味しい「恵み」をいただきたいものですよね。今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では著者の真井花さんが、紅玉というりんごの話に始まり、食への関心が豊かな人生に通じるという考え方を紹介してくださっています。

食欲の秋に豊かになるもの

さて、本日は幸せのお話

そろそろ時期になってきました。そう

  • 紅玉

です。ワタクシ、食べ物に好き嫌いは全くないんです。ですが、フルーツには好きと大好きしかありません(*^ー゚) 要するに、フルーツ好きなんです。

大好きなものに序列をつけるのは難しいんですが、それでもトップ3に

  • リンゴは絶対入る

んです。まあね、トウモロコシの食べ過ぎで森の奥に捨てられちゃうアライグマの狂おしいトウモロコシ愛がヨユーで想像できるくらいスモモは好きです。コタツでなーんとなく食べているだけで60個くらいすぐ食べてしまえるミカンも好きです。なので、このふたつには敢えて近づかないようにしているんです。破産者兼廃人になるに違いないから( ̄∇ ̄)

しかし、このふたつと比べても遜色ないくらいリンゴは好きです。しかもリンゴはそこまで食べられないから、廃人になる心配もない。ベストですね♪

あー、閑話休題。なんだか全然カンケーのない話を書いてしまったわ。

で、9月になると長野県産の紅玉という種類のリンゴ)が出回るんですよね。この紅玉、酸味が強くて生食にはあまり適さない(そうかなあ。美味しいと思うけど)んですが、加熱すると甘みが増してたとえようのない甘酸っぱさになって美味しいんです。で、

  • コレでアップルパイ

作るんですね。

そりゃ、まあ、ただのアップルパイですが、どうせ食べるなら

  • 加熱して美味しいリンゴで作ったアップルパイ

の方がいいと思いませんか。

こういうちょっとした

  • 食材に対する知識とそれに基づいた食体験

が人生を豊かにしてくれると思うんです。逆に、この豊かな生活とか丁寧な暮らしの対極にあるのが

  • どれでもイイや

ですから( ̄∇ ̄)。毎日毎食の食事で「どれでもイイや」「なんでもイイやをやっていると人生が貧しくなるんですよ。

この点、つくづく人生で良かったと思うのは

  • 食いしん坊家系に生まれたこと

ですね。子供の頃から、「どれでもイイやじゃなくてどうせならで調理されたものを食べて育ちましたから。おかげで食に関して人一倍知識と経験を深めてこれたなと思いますモン。

まあ、豊かさの始まりってきっと

  • 食べ物の量の多さと種類の多様さ

のことだったんじゃないかしら。そうだとすると、食に対して関心を持つことは豊かさに関心を持つことと等しいとも言えそうですよね。たしかに、お金持ちはたいてい

  • 美味しいもの好き

ですよね。ワインも大好きで詳しい人が多い。知っていることが教養の一部なんでしょうね。

そろそろ食欲の秋が到来します。毎日の食卓でなにかひとつ関心を持って食の豊かさを育ててみてください。きっと豊かさに近づいていけるはずですから。

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元国税が暴露。日本企業の内部留保が増えると社員の給料が減る訳

これまでもたびたび日本の税制の不備や景気浮揚策等を訴え続けてきた、元国税調査官で作家の大村大次郎さん。大村さんは今回も自身のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』で、日本企業の「内部留保金」にフォーカスし、カネを貯め込む企業が、いかにこの国の景気と庶民の生活を苦しめているかを暴露しています。

※本記事は有料メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』2019年9月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール大村大次郎おおむらおおじろう
大阪府出身。10年間の国税局勤務の後、経理事務所などを経て経営コンサルタント、フリーライターに。主な著書に「あらゆる領収書は経費で落とせる」(中央公論新社)「悪の会計学」(双葉社)がある。

なぜ企業の内部留保金が増えると不景気になるのか?

今回は、内部留保金のお話です。昨今、日本企業の内部留保金が多すぎるというような話がよくあります。内部留保金というのは、ざっくり言えば、企業の利益から税金と配当を差し引いた残額のことです。現在、日本の企業は460兆円以上の内部留保金を持っています。実に、日本の1年分のGDPに近い金額です。

この日本企業の内部留保金について、「日本企業はお金をたくさんため込んでいるのだから、消費税を上げる前に企業のお金を社会に還元するべき」と主張する人もいます。その一方で「内部留保金は設備投資なども含まれるので必ずしも企業の預貯金ではない。また将来のリスクに備えるものでもあり企業にとっては必要なものだ」と主張する経済評論家などもいます。一体どっちが正しいのでしょうか?

一般論的に言えば、「内部留保金は設備投資なども含まれるので必ずしも企業の預貯金ではない。また将来のリスクに備えるものでもあり、企業にとっては必要なものだ」という主張は決して間違ったものではありません

内部留保金というのは、現金預金として貯め置かれるだけじゃなく、設備投資をしたときの資産も内部留保金に換算されています。だから、内部留保金イコール企業の預貯金ではない、というのは間違いではありません。また将来のリスクに備えるために、企業の預貯金は必要と言うのも、正論といえば正論です。

が、日本企業の場合、その理論通りには行っていないのです。というのも日本企業の内部留保金は、設備投資にはあまり使われず、現金預金などの金融資産として残っているものが多すぎるのです。日本企業が保有している手持ち資金(現金預金など)も200兆円以上あります。つまりは、内部留保金の半分近くは預貯金として企業に留め置かれているのです。

これは、経済規模から見れば断トツの世界一であり、これほど企業がお金を貯め込んでいる国はほかにないのです。アメリカの手元資金は日本の1.5倍ありますが、アメリカの経済規模は日本の4倍です。だから経済規模に換算すると、日本の企業はアメリカ企業の2.5倍の手元資金を持っていることになるのです。つまり世界一の経済大国であるアメリカ企業の2.5倍の預貯金を日本企業は持っているのです。いくら将来のリスクに備えると言っても、アメリカ企業の2.5倍もの預貯金を貯め込んでいるというのは、絶対に多すぎなのです。

「内部留保金が増えた理由」が大きな問題

また日本企業の場合、内部留保金が増えた理由にも大きな問題があります。社員の給料も上がり、世間の景気もよくなっている上で、企業が内部留保金を増やしているならば、別に問題はないでしょう。

しかし、このメルマガで何度の紹介してきたように、この20年間、日本のサラリーマンの給料は下がり続けています。そして、この20年間でサラリーマンの給料が下がっているのは、先進国ではほぼ日本だけなのです。日本経済新聞2019年3月19日の「ニッポンの賃金(上)」によると、1997年を100とした場合、2017年の先進諸国の賃金は以下のようになっています。

アメリカ:176
イギリス:187
フランス:166
ドイツ :155
日本  :91

このように日本の賃金状況は、先進国の中では異常ともいえるような状態なのです。日本企業の内部留保金が積みあがったのは、この賃下げが大きな要因の一つなのです。つまり、本来ならば、サラリーマンが受け取るべきお金を企業が内部にため込んでいるという状態なのです。

企業がこれだけの金を貯めこむということは、自分の首を絞めていることでもあります。企業が社員に給料を支払ったり、設備投資をしたりすれば、それは誰かの収入になるわけですので、社会全体の消費につながります。消費というのは、すなわち企業の売上になるのですから、企業の業績もよくなるのです。

しかし企業の預貯金が200兆円以上もあるということは、社会のお金の流れがそこでせき止められていることになります。日本のGDPの4割にも及ぶお金が、滞留しているのです。特に、日本企業の場合、社員の給料をケチった上での「貯め込み」なので、より深刻な影響がでます。当然、消費も減りますしこれで景気がよくなるはずはないのです。

サラリーマンの給料が減れば、国民の購買力は減り、内需は縮小します。それがデフレにつながっているのです。当たり前といえば当たり前の話です。これに反論できる経済評論家がいたら、ぜひ反論していただきたいものです。

東京五輪は大丈夫か。千葉大停電で被災者たちが率直に感じた不安

9日午前5時前に千葉市付近に上陸し、大きな被害をもたらした台風15号。1週間以上がたった現在でも千葉県では複数の自治体で停電が続き、完全復旧からは程遠い状況となっています。なぜここまで被害は広がってしまったのでしょうか。そして被災された方々はどのような生活を強いられているのでしょうか。房総半島南部の鴨川市にお住まいのジャーナリスト・高野孟さんが自身のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』でその状況を報告するとともに、東京電力の責任についても厳しく指弾しています。

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2019年9月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

半ば人災としての千葉県大停電──これで来年の五輪は大丈夫なのか?

台風15号が引き起こした千葉県の大停電は、当初は最大93万戸、発生から6日を経た15日未明現在でもなお15万戸に及んでおり、とりわけ私自身が居住する鴨川市を含む房総半島南部の安房地域では、復旧にまだこれから2週間程度かかると言われる絶望的な状況にある。

東日本大震災の際には我が家は当初13時間連続の停電で、灯りがない、空調暖房が止まる、テレビが点かず何が起きたのか分からない、冷蔵庫が止まる、揚水ポンプが動かないので水が出ない……等々に直面したが、それでもまだ寒い時期で、暖房を薪ストーブに頼り、調理台は幸いにしてプロパンガスなので煮炊きをすることができて、何とか復旧までの時間を乗り越えることができた。しかし、今回は、ここ2~3日多少とも和らいでいるとはいえ、残暑厳しい時節であり、冷房が効かないのが何より辛く、少し動くと汗だくになるが水が出ないのでシャワーを浴びることもできない。固定電話はもちろん携帯も光回線や無線ネットも遮断されたままで、家族や知人と連絡をとることもできず、東京までの高速バスの運行状況を確かめる術もない。その状況がすでに150時間も続くという、まことに過酷な自宅避難民状態である。

「想定外」は今や弁解にすぎない

台風そのものはもちろん誰のせいでもない天災で、風速60メートルという暴風の強烈さも、それが房総半島西側の東京湾岸に沿って北上し千葉市付近に上陸するというコースの異常さも、「想定外」だったと言うしかないのかもしれない。

しかし、8年前に3・11を体験した後では「想定外はもはや死語化したのではなかったのか。その後も西日本を度々襲う集中豪雨、昨秋に関西圏を中心に電柱が1,000本以上も倒れ240万戸を停電させた台風21号など、恐らくは地球温暖化による気候変動の影響だろう今までの常識では考えられないような大災害が次々に起きているし、さらに首都圏直下型地震や東海・南海巨大地震などもいつ起きてもおかしくないと言われている。こうなると国や自治体、電力会社はもちろんのこと、我々個人のレベルまでも、「Think Unthinkable(考えられないことまで考える)」の思考法を徹底して、生き残り策を講じなければならないのだろう。

それには想像力の拡張が必要で、今回はたまたま房総半島西岸を通過したけれども、もしこの台風が少し西にずれて、三浦半島の相模湾岸から横浜・川崎・東京を通過したらどんなことになっていたのか。日本経済新聞13日付「春秋」欄が「数十キロずれただけで東京は大打撃を受け、電気も水も途絶えていたかもしれない。……今度の被災地が千葉だったのは偶然にすぎない。地球温暖化の影響で、台風が強大化しやすくなっているという。今回のケースは想定外だったとの釈明も聞こえる。それにしてもこの対応の遅さは台風と闘ってきた国にあるまじきことだ」と述べているのは至当である。

決裂の米国。死神ボルトンの電撃解任は日本にとって吉か凶か

9月11日、米国の対北朝鮮やイラン政策で強硬派、死神の異名を持つボルトン大統領補佐官が解任されたことが報じられました。これを受け、国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんは、自身の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で、北朝鮮やイランへの強気な姿勢を貫いていたトランプ外交が和解路線へ転じる可能性に触れた上で、同盟国日本へ与える影響についても詳しく解説しています。

ネオコンの大物ボルトン解任で何が変わる???

トランプさんは9月10日、大統領補佐官のボルトンさんを解任しました。

米大統領、ボルトン補佐官解任=対北朝鮮やイラン政策で対立

時事 9/11(水)1:14配信

 

【ワシントン時事】トランプ米大統領は10日、ツイッターで、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)を解任したと明らかにした。

今回は、これについて考えてみましょう?ボルトン解任は、「いいニュース」?それとも、「わるいニュース」?

ボルトンさんとは?

一言でいうと、「ネオコンの大物」です。少し経歴を見てみましょう。

1948年生まれ。1989~1993年、ブッシュパパ政権で、国務次官補。1997年、ネオコンシンクタンク、「アメリカ新世紀プロジェクト」に参加。2001年、ブッシュ(子)政権で国務次官。北朝鮮、イランなどを担当。ボルトンさんは、イラク戦争を積極的に推進しました。2005年、国連大使に就任。2018年4月トランプ政権で安全保障問題担当大統領補佐官に就任。2019年9月、解任。

彼が政権を去ることで、何が変わるのでしょうか?

トランプは、イランとの和解に動く?

ボルトンさんは、イラン問題で「最強硬派」です。イランへの空爆を主張していた。そうなると、日本は厳しい立場に立たされます。アメリカは、日本の同盟国。イランは、日本の友好国。ボルトンさんが解任されたことで、アメリカとイランは和解の方向にむかうかもしれません

そもそもイラン問題がこじれたのは完全にトランプさんの責任です。イラン核合意は、すばらしい。イランは、IAEAの監視下に置かれ、核兵器を製造するこができない。一方で、制裁は解除され、原油輸出が可能になり、イラン経済は復活してきていた。まさにWIN-WINのディールだった。

ところが、2018年5月アメリカは一方的にイラン核合意から離脱した。しかし、「すばらしい合意」であること、皆が知っている。それで、他の参加国、イギリス、フランス、ドイツ、ロシア、中国、イランは、「核合意維持」を支持しているのです。トランプさんの愚かな行為で、英仏独と、敵である中ロが一体化するという、マヌケな事態に…。

そして、トランプは、「米中覇権戦争」の真っ最中に、イランとケンカしている。まことに「戦略的でない」動きといえるでしょう。ボルトンさんが解任されてトランプがイランと和解することを心から願います