「復讐心」こそが火種。どれだけ文明が発達しても世界から「戦争」が無くならない理由

ひとたび起これば多くの一般市民が犠牲になり、国土も荒廃するばかりの戦争。現在も世界の至る所で戦火が上がっていますが、そもそもなぜ戦争や紛争はなくなることがないのでしょうか。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、「どんなに文明が発達しても世界から戦争がなくならないのは人間が“復讐”が好きだから」といういう仮説を立て、古今東西のさまざまな「復讐譚」を紹介しつつその立証を試行。さらに小説や映画などの「復讐劇」と現実に相手に「復讐」することはまったくの別物とした上で、「復讐」の心こそが「戦争の種火」と結論づけています。

※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです

復讐するは我にあり

ロシアとウクライナの戦争は、今に始まったわけじゃなく、その根っこは30年以上も前の旧ソ連の崩壊にまでさかのぼる。イスラエルとパレスチナ(ガザ地区)の戦争も、今に始まったわけじゃなく、その根っこは100年以上も前にさかのぼる。そして、どちらの戦争も、これまで幾度となく繰り返されて来た。つまり、どちらの戦争にも、ひと言じゃ説明できない長くて重たい「憎しみの連鎖」が底流してるわけだ。

昨年10月に口火を切ったハマスの一斉攻撃も、イスラエル側は「ハマスが先に手を出した」と言うけど、ハマスにしてみれば、これまでさんざん市民を虐殺されて来たことへの復讐であり、悪いのは自分たちの土地に勝手に国を造ったイスラエルだという認識だ。そして、この100年以上にも及ぶ「憎しみの連鎖」が、どちらの国も自分たちの攻撃を「復讐」として正当化する基盤となってる。

そこであたしは、どんなに文明が発達しても世界から戦争がなくならないのは、古今東西、人間は「復讐」が好きだからだ、という仮説を立ててみた。あたしの大好きな『ギリシャ神話』は、数々の復讐劇によって成り立ってるし、これまたあたしの大好きなシェイクスピアにしても、四大悲劇の中の『ハムレット』と『マクベス』は絵に描いたような復讐劇だ。一般的に復讐劇とは見られてない『リア王』と『オセロ』にしても、復讐の要素が散りばめられてる。他にも『ジュリアス・シーザー』や『タイタス・アンドロニカス』なども復讐劇だ。

ルネサンス時代のヨーロッパ各国では、「悲劇」の中でも復讐の要素を含んだ戯曲を「復讐悲劇」と呼び、数多くの作品が上演されていた。こうした作品では善と悪とが明確に描き分けてあるため、「復讐=勧善懲悪」であり、復讐が果たされると観客は拍手を送った。そして、復讐を果たした主人公が悲しい末路を迎えると、今度は涙を流した。どんなに残酷な内容でもオペラや演劇による「復讐劇」は、大衆の娯楽だったのだ。

日本でも、奈良時代に成立した『古事記』や『日本書紀』には、史実なのか創作なのかは置いといて、文献上で日本最古の復讐劇「眉輪王(まよわのおおきみ)の変」についての顛末が記されてる。「眉輪王」は『日本書紀』での表記で、『古事記』だと同じ読みで「目弱王」と表記されてるけど、この「眉輪王」は、仁徳(にんとく)天皇の皇子の大草香皇子(おおくさかのみこ)と、履中(りちゅう)天皇の皇女の中蒂姫命(なかしひめのみこと)の間に生まれた男の子だ。

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能登地震の被災地でも進められる利用。東日本大震災から13年経って見えてきた「グループ補助金」の本末転倒

1万5,000人以上の命を奪い、遺された人々の生活にも甚大な被害をもたらした東日本大震災。政府は被災した中小企業の再建を支援すべくグループ補助金制度を設けましたが、震災から13年経った今、その「問題点」が露呈する事態となっています。今回のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』では健康社会学者の河合さんが、次々表面化する同制度のネガティブな側面を紹介。人のために作った制度が人を苦しめている現実を「本末転倒」と批判的に記しています。

※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです

プロフィール河合薫かわいかおる
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

「人」のためが「人」を苦しめる被災地

東日本大震災から13年。早いようで長く、長いようであっという間に時が流れていきました。

本メルマガでは災害と高齢化問題を何度も取り上げてきましたが、この国はいつになったら「日本は“超高齢社会”である」という現実に、正面から向き合ってくれるのでしょうか。

東日本大震災で被災した中小企業の再建を支援するために創設された「グループ補助金」(中小企業等グループ施設等復旧整備補助金)のネガティブな側面が被災地の急速な人口減少と高齢化で、次々と表面化しているのです。

グループ補助金は、複数の中小企業がグループを構成して地域経済・社会の復旧・復興の促進といった「まちづくり」を目的に設置され、早期復興に大きく貢献したと高く評価されていました。しかし、長期間商売を続けない限り、補助金の返還を命じられてしまうのです。

例えば、鉄筋コンクリート事務所の場合、その耐久年数が50年と決められているので、震災時50歳の経営者は100歳まで事業を続ける必要があります。仮に経営者が急死し廃業を余儀なくされたとしても返還から逃れることは許されません。

また、補助金で購入した機械の耐用年数が20年の場合、20年超使い続けない限り返還しなければなりませんし、売却、目的外使用、無償譲渡、廃棄・取り壊しなども認められていないので、自由に財産を処分できず、事業を辞めることも許されません。

その結果、返還を逃れるため、壊れた機械類は多少窮屈でも工場内に放置するしかなく、経営実態がなくても廃業届は出さない経営者が増えているというのです。ある経営者は「時間が過ぎるのをひたすら待つしかない」と語り、息子や娘に借金を負わせることになるとの理由から、事業継承をあきらめる人もいます。

震災直後、被災地を訪問するたびに「今、被災地が抱える問題は未来の日本の姿だ。時計の針が一気に進んだだけ」と語る首長さんたちに何人も会いました。

「津波と原発事故で、それまで見えなかった社会構造の問題点が顕在化し加速した」

「震災と原発事故を機に、村の高齢化と過疎化の針が一気に何十年も進んでしまった」

と。

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ジャニ担記者の「優雅な日常」が崩壊!芸能記者が明かすSTARTO社「アゴアシ廃止」の裏事情…“ストスノ未満”のニュース消滅も?

この春、旧ジャニーズ事務所(SMILE-UP.)の所属タレントらが移行する新事務所「STARTO ENTERTAINMENT」。このSTARTO社が、マスコミ各社に対し「今後は取材時の交通費や飲食代を負担しない」旨を通達していたと報じられています。この“アゴアシ廃止”報道は芸能記者らの間でも大きな話題となっており、これまで羽振りのいい日常を送ってきたジャニ担記者(旧ジャニ幹部のお気に入り記者)からは悲鳴も。一方、そんな彼らを苦々しくみていた後輩記者の中には高笑いをする者もいて…!? 芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが「今後、旧ジャニ関連のニュースが激減する」との噂も含めて詳しく解説します。

「もう飲食代も交通費も出ませんよ?」記者たちに衝撃走る

『双葉社』のネットニュースサイト『ピンズバ』が、『STARTO ENTERTAINMENT』(旧ジャニーズ事務所)が芸能マスコミ全般に対して「今後取材者にアゴアシを払いません」と通達を出していたと報道しました。

このマニアックな話題に苦笑いする者あり、高笑いする者ありと私の周囲ではザワザワです。

まず“アゴアシ”の説明から始めましょうか。

“アゴアシ”とは(諸説ありますが)“顎(飲食費)から足(移動交通費)まで”という意味で、昭和初期から使われていた芸能界における業界用語です。

“アゴアシマクラ”と言えば飲食、交通、“枕(宿泊費)”でしたが、“マクラ”は省略されることも多くなったので、移動先が自社から遠く離れた所なら“アゴアシ”には宿泊費も含まれる解釈になります。

STARTOの「アゴアシ廃止」に泣く者、笑う者

今回の『STARTO』の通達で各マスコミにいらっしゃる“ジャニ担”記者は苦笑い…いままでの偉そうな取材状況を知っている後輩の記者たちは陰で高笑い…といった構図が見えます。

もちろん全部の取材においてこの通りだったとは言いませんが、旧ジャニが所属するタレントのデビューイベントや地方でのライブ等において“全部持つから取材して記事にしてよ”というのは古き芸能界では当たり前に行われていたことでした。

そしてその取材に同行するのが、いわゆる“ジャニ担”…旧ジャニ幹部に気に入られていた記者たちだったというわけです。

所属事務所が“アゴアシ”を出さないとなれば、おそらく誰ひとり、わざわざ遠くへは行かなくなり、当然その所属タレントのニュースは報道されなくなるでしょう。

こんなご時世です、特に紙媒体は発行部数も落ちている今、編集部からもGOは出にくくなるでしょうね。

現場の記者たちに話を聞けば「自腹や経費で取材するとなれば『ストスノ』(SnowMan&SixTONES)まででしょうね」と教えてくれました。どうやらかなりのアイドルの情報が伝わらなくなりそうです。

羨ましくも腹立たしい?「ジャニ担記者」たちの優雅な日常

私が週刊誌の記者だった頃、“ジャニ担”記者であることの恩恵は相当なものでした。

取材の移動はビジネスクラスでしたし、宿泊も5つ星に近い高級ホテルばかり…知らない内に自分が特別の存在のように勘違いしてしまうのでしょう、編集部でこの人たちが大きな顔をしてふんぞり返るのを散々見てきました。

取材に着ていく服から身に着けるものまで超一流ブランドのものばかりで、若い入りたての記者をつかまえては“これもあれも、✕✕の〇〇さんに買ってもらえるような芸能記者にならなきゃダメ”なんて自慢話をよくしていました。

私は追跡取材や張り込みを得意とする部類の記者でしたから、時々編集部内でジャニ担に会った際の、目立たないようにしている地味な様相の自分に向けられる蔑んだような視線を今でも思い出します。

「今、何の取材をしているんだ」が挨拶代わりの言葉で、私が旧ジャニのタレントを取材中だと漏らしたりすれば、彼等は烈火のように激怒し「今すぐ止めた方がいい。担当編集は誰だ?今から止めるように言ってくる」というのがいつものパターンでした。

彼等の恩恵の代償はスキャンダラスな、タレントや事務所にとってマイナスとなるような記事を止めさせること、取材自体をさせないことでしたから。

「ドラえもんが青い理由」を聞かれたときに“説得力”のある答えを出せた人は、なぜデザインが上手くなるのか?

1969年の雑誌連載開始から50年以上を経た今もなお、絶大な人気を誇る『ドラえもん』。そんな国民的キャラクターの身体の「色」について考えたことはあるでしょうか。今回の無料メルマガ『プロが教える「美大いらずのデザイン講座」』ではトップデザイナーとして活躍するカマタさんが、「ドラえもんはなぜ青いのか」と問われた際に説得力や驚きのある答えを出せる人の方が、デザインが上達する可能性の高い理由を解説。さらに「良いデザイン」が必ず内包している2つの要素を紹介しています。

※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです

「ドラえもんは何故青い?」コンセプトメイクの大切さ

誰もが知っている、国民的キャラクター、ドラえもん。

説明する必要なんてない、日本を代表し、世界に通用する愛すべきキャラクターですね。

ドラえもんって何故青いか?

さて、突然、おかしな質問をさせてもらいます。

「ドラえもんって何故青いのでしょうか?」

コーヒーブレイクだと思って、少し考えてみてもらえますか?1分くらい待ちましょう。

Aさんの答え 「ドラえもんは空のように大らかだから、空の青からイメージしての青です!」

 

Bさんの答え 「ドラえもんは実はああ見えて人間たちを無意識に怖がっている、その無意識を表す色として、青が最適だと作者が考えた」

どちらも、発想は少しだけ面白いとして、何だか弱いですし、説得力に欠ける答えかと思います。

もう少し、納得出来る答えはないでしょうか?

僕が導き出した答えをご紹介します。

のび太くんにとってドラえもんは虐められたり、仲間外れにされたりした時にまず相談したい親友であり、逃げ込む駆け込み寺みたいなモノなので「信頼の塊」や「安全地帯」を表す色として、「青」が選ばれた訳です。

 

ドラえもんは、つまりは絶対的信頼・安心の象徴的存在です。

 

ドラえもんが真っ赤だったりしたら怒っているみたいで、のび太君も飛び込んでいけない!かもしれませんしね。

如何でしょう?結構、本当っぽいし説得力は増した気はします。

それと「感動」までは行かないけど、

「へえ、意外だね」

「結構深い理由があるんだね」

と言って頂けるような「驚き」はある気はします。

実は、こちらは僕がどうも自分で思い込んでいた理由でしかなく、(諸説あれど)本当の答えとされてるのは、

「ドラえもんが青くなったのは、猫型ロボットとしてきちんと?耳もあった時に、ネズミにその両耳をかじられ、恐怖のあまり、青くなった」

というモノです。

藤子・F・不二雄先生に確認することは出来ませんが、良い意味で凄く漫画らしい理由であり、結構、納得感はありますね。

ちなみに、僕自身は、先ほどご紹介した、「ドラえもんの青は信頼の青」という説を、最近まで本気で信じてました。

随分前の話ですが、ある会社では、後輩デザイナー達に、「ドラえもんが青いのは信頼の青だからだ、知ってた?」と(多分ドヤ顔で)話していた事があります。

純粋に僕のこの説を信じてくれていた彼らは、皆、目を輝かせて「へえ、初めて知りました!面白い理由ですね!」と言ってくれました。(そりゃそうです)

どんなきっかけで僕がこの「ドラえもんが青いのは信頼の青」説が本当だと信じてしまったのか?よく覚えていないんですが、多分、いつもの通り、身の回りのデザインのコンセプトを「こうではないか?」と推理するゲーム(コンセプト探しゲーム)の一環として、自分で考えて自分で信じてしまったものかと思います。

でも、言い訳けのようですが、この「何故そのデザインになっているのか?説得力のある理由」「驚きのある、場合によっては感動まである理由(コンセプト)」を見つけ出す力って、デザイナーにとって、すごい大切なものではないでしょうか。

それってすなわちデザイン初め、何かのクリエイションのコンセプトメイクが出来るか?って事に関わってくるからです。

そう、「何故、ドラえもんの身体は青なのか?」と聞かれた時に、説得力ある(驚きもある)答えを出せる人の方がデザインは上手くなる可能性が高い気がします。

何故なら、「良いデザイン」には、大抵「納得できるコンセプト・心が動くコンセプト」が存在し、ビジュアルとして見えるもののその裏に、きちんとした理由やコンセプトがある事で、ビジュアル自体、デザイン自体が強固になり、見る方に伝わる力が増大するからです。

娘・お栄が葛飾北斎の絵を描いていた?話題の本『気散じ北斎』が面白い!

日本国内のみならず世界的にも有名な江戸の絵師、葛飾北斎。彼の作品を目にしたことがある人は多くいますが、北斎がどんな生活をしていたのかご存じの方は少ないのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』』で本のソムリエさんが紹介するのは、葛飾北斎とその娘お栄の知られざるエピソードを紹介した時代小説です。本書で明かされている「驚愕の事実」とは?

葛飾北斎の二番目の妻の子・お栄が北斎の絵を描いていた!?

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気散じ北斎

車 浮代・著 実業之日本社・刊

北斎はお栄,お栄は北斎

富士山を背景とした富嶽三十六景で世界的に有名な葛飾北斎。その絵の一部は、娘のお栄が描いていたということをご存じでしょうか。北斎の二人目の妻の子であるお栄は、北斎が一目を置くほどの画力を持っていました。北斎は「美人画や枕絵では、お栄にはかなわない」とまで言っています。

お栄は20代で北斎の弟子に嫁ぎますが、心身ともに合わず離縁されます。その後は、父子二人で晩年にゴミ屋敷のような長屋暮らしをしながら、二人で絵を描いていたのです。

お栄の画号である「葛飾応為」で残された絵は十数点しかありません。葛飾北斎が数万の絵を残していることと、常に二人で同じ家に住みながら絵を描いていたことを考えれば、多くの絵にお栄の手が入っていたことは多くの人が認めるところなのです。

「葛飾応為」とは、北斎がお栄に与えた画号である・・死んだ後のお栄のよすがを思うと、わずかでも世の中に、葛飾応為の足跡を残しておかねばと考えた(p116)

葛飾北斎は日常生活では、絵を描くこと以外のことは気にしなかったようです。掃除をしないから、晩年はゴミ屋敷のようになり、耐えられなくなると引越すということを繰り返していました。食事は出前や、お栄が買ってきたものや,客人の手土産で済ませていました。北斎は寒い時期にはコタツに入ながら絵を描いていたというのですから、奇人変人だったのです。

絵ばかり描いていた北斎の朝の日課は、起きたら厄除の願掛けとして「日新除魔」の獅子舞の絵を描くことでした。北斎の一日一獅子「日新除魔」を検索してみましょう。

この本の中では、お栄は二人目の北斎の妻の連れ子で、北斎と血のつながりはなかったという設定です。金も食事も暖かい家にも関心はなく、ただひたすら絵を描く北斎と、それを支える娘のお栄を見て、著者は北斎の実の子ではないという仮説を立てたのでしょう。

借金なんて後回しにすりゃあいい・・今は画業を極めることが第一ってことが、なんでわかんねぇんだ(p67)

自民ハレンチ過激ダンスショー“2つの大誤算”。言い訳に「多様性」で大炎上、ネトウヨからも「チップ口移し」を嫉妬され支持層はさらに激減へ…

政治資金パーティー裏ガネ疑惑の火消しに躍起となっている自民党に、またしても大きな問題が露呈した。昨年11月18日に自民党和歌山県連が主催した「青年局近畿ブロック会議」に、露出度の高い衣装を身につけた女性ダンサーを招いていたことが発覚。会議後の懇親会で、女性ダンサーの1人に口移しでチップを渡す男性参加者の姿がスクープされたのだ。

これに多くの国民が激怒し大炎上。鎮火の兆しもなく、江戸の街を焼き尽くした「明和の大火」ならぬ自民を丸焼きにする「令和の大火」状態となっている。

【関連】<独自>自民党青年局近畿ブロック会議後の会合で過激ダンスショー 口移しでチップ渡す姿も 費用は党が支出

県連サイドの「言い訳」が醸す物議

この騒動を受け、同会合に参加していた党青年局の藤原崇局長と中曽根康隆局長代理が辞任。女性ダンサーを招いた理由を問われた同県連青年局長の川畑哲哉県議は、「多様性の重要性を問題提起しようと思った」と釈明した。この「多様性」という言葉にネットユーザーも敏感に反応。

《多様性って言えばなんでも許されると思っている浅はかさ》

《裏ガネ作って脱税してセクシーダンサーとちちくりあいするのが自民の多様性か》

《こういうのが明らかな多様性の誤用だよね》

では、川畑県議が「多様性の重要性を問題提起しよう」と招いた女性ダンサーは、どのような方々なのか。調べてみるとネット上では早くも「グラマーダンサーズ」のメンバーだと特定されており、過去のインタビュー映像も“発掘”されていた。

インタビューからも分かる通り、チップを荒稼ぎしていると語るセクシーギャル。彼女らにランジェリーまがいの衣装でダンスを披露させるのが多様性と言えるのだろうか。むしろそこにあるのは、多様性とは真逆、「性欲お盛んなオッサンの趣味」だけとは言えまいか。

世界の潮流に抗う自民へ「とどめ」が刺される日

さまざまな問題の渦中にある自民党だが、報道によると昨年の党員数が前年比で3万人以上も減少しているという。

【関連】自民 去年の党員数 前年より3万人余減少 政治資金問題が原因か

そんな自民にとって、今回の騒動はとどめになるかもしれないと語るのは、さまざまな週刊誌で執筆経験を持つ50代のベテラン男性ライターだ。

「そもそも自民党は、多様性容認にかなり後ろ向きで、差別すら厭わないような姿勢を持っていると言ってもいい政党です」

このように語り、次のように続ける。

「同性婚に関しても、岸田首相は昨年『社会が変わってしまう課題』と発言するなど否定的ですし、当時の秘書官も同性婚カップルについて『隣に住んでいたら嫌、見るのも嫌』と、差別丸出しの発言をしています」(同前)

さらに挙げたのが、杉田水脈衆院議員の名だ。

「杉田議員が落選して浪人中の頃の話ですが、国連の会合に参加していたアイヌ民族の方々の写真を添えて『チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場』とSNSにアップするなど、“反多様性”を売りにしているのかと疑ってしまうほどです」(同前)

なぜかくも自民党は多様性を嫌うのか。その答えは、以下の団体の姿勢にある。

まずは「ただならぬ関係」を取り沙汰されている旧統一教会。

例えば以下の記事によれば教団の関連団体は、2015年に渋谷区で同性パートナーシップ制度ができる直前、同制度を攻撃するビラを配布したとされている。

【関連】旧統一教会の同性愛嫌悪と自民党政治

自民党に強力な影響力を持つ日本会議、神社本庁、そして神道政治連盟も多様性を極度に嫌悪しているとされ、自民党の会合で同性愛について「後天的な精神の障害、または依存症」「同性愛行為の快感レベルが高くてなかなか抜け出すことができないのは、ギャンブル依存症の人が沢山儲けた時の快感を忘れられず、抜け出せないのと同じ」などと記された冊子を配布したと報じられている。

【関連】神社庁が統一地方選候補に送りつけた「公約書」 「LGBT理解増進法案」国会提出の機運に水を差す

「多様性を認め受け入れることは世界の潮流ですから、そこに抗う自民党に疑問を感じた党員が続々離脱していくということは今後も十分にありえます。自民にとって今回の騒動が“とどめ”になる可能性も否定できないのではないでしょうか」(同前)

関西では通用しない「寒すぎる」言い訳

さらにこんな「とどめとなる理由」を上げる人物もいる。生まれも育ちも関西という40代のマスコミ関係者はこう話した。

「『自分たちだけいいもん食いやがって』『自分たちだけいい女といちゃつきやがって』という声は、まあどこの地方からも上がる可能性はありますが」

とした上でこう続ける。

「今回の騒動を起こしたのは和歌山県連ですが、和歌山県は吉本興業と包括連携協定を結ぶほどお笑いに敏感な土地です。ですから県民にとって『多様性のために女性ダンサーを招いた』という言い訳はあまりに寒すぎるし、あまりに官僚的、もっと言えば永田町文学的な表現ですから一切通用しません」(同前)

つまり、地域性が大いに関係しているとの指摘だ。

「下手な言い訳なんかしないで、『口移しできて最高だった』『いい香りがしていろんな感覚が刺激された』『お触りを我慢するのが大変だった』みたいに正直かつストレートな感想を“申告”するのが正解でしたよね」(同前)

さらに「ここは東京ですから私も標準語で受け答えしていますが」と前置きし、

「そもそも関西人は地元で標準語を耳にするだけでドン引きしてしまうという性質を持っています。ですから今回のように何の脈絡もなく唐突に『多様性』などと言われたら、さすがの自民党支持者もサブイボが立ってしまうのではないでしょうか」(同前)

それが「自民党にとってとどめになる」との見立てのようだ。

さすがの自民ネトサポも世耕氏を見捨てるのか

すでに各種報道が伝えているとおり、「サブイボもの」の言い訳を口にした川畑県議は世耕弘成参院議員の元秘書であり、さらに女性ダンサーにチップを口移ししたのは世耕氏の現役地元秘書であることが判明している。

【関連】自民和歌山ハレンチ懇親会の仰天実態…”チップ口移し”は世耕弘成氏「新旧秘書」の低俗コラボだった!

世耕氏といえば、まさに党全体で火消しに必死な政治資金パーティー裏ガネ疑惑で注目され、14日に開かれる参院の政治倫理審査会で1,542万円の収支報告書未記載金の「壮大な言い訳」をすると見られる安倍派5人衆の1人だ。そんな彼のこれまでの“活躍”を、40代の男性ネットメディア編集者はこう語る。

「世耕さんはかつて自民党のネットサポーターを動かし、ネット世論工作を繰り広げてきたとも言われています。『チーム世耕』なんて言われていましたが、世耕さん自身は『自民党のゲッベルス』と呼ばれていました。もちろん公的にではないですよ(笑)」

ゲッベルスとは言うまでもなく、ナチスの宣伝相を務めたヨーゼフ・ゲッベルスのことを指している。

「ネットサポーターも、本音では『税金で飲み食いしたい』『セクシー女性ダンサーといいことしたい』なんて思っていたのではないでしょうか。だからこそ、『こいつアホなのか?』と思いつつもチーム世耕の一員としてネット工作に協力してきたのではないかと思うんです。でも今回、和歌山県連が起こした騒動で、世耕さんも自民党もネトサポたちから見捨てられてしまうでしょうね」

そんな状況に追い詰められた政権与党、自民党。世耕氏に対する自民名物の「アクロバティック擁護」は、もはや期待できそうにない。

「全編iPhone撮影」のショートフィルム公開に感じる映画“新時代”の到来

宮崎駿監督『君たちはどう生きるか』、山崎貴監督『ゴジラ-1.0』の日本映画2作品が米アカデミー賞を受賞。映画の道を志す人が増加しそうな快挙をスマホの進化が後押ししてくれるかもしれません。今回のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』で、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんは、アップルが全編iPhoneで撮影したショートフィルム『ミッドナイト』を公開したニュースを紹介。画質とアクションモードの向上で、誰もが映画を撮れ、世界に向けて公開できる環境が整っているとして、名もなきクリエイターが賞を獲る時代が来ると伝えています。

アップルが全編iPhoneで撮影した「ミッドナイト」を公開──各スマホメーカーの「映画も撮れます」アピールが過熱

アップルは全編、iPhoneで撮影したショートフィルム『ミッドナイト』をYouTubeやApple TVで公開した。プレミア試写会には出演した賀来賢人さん、加藤小夏さん、小澤征悦さん、三池崇史監督が登壇した。

もはや映画撮影の現場において、iPhoneが使われること自体は珍しくない。『シン・ウルトラマン』の樋口真嗣監督には自分がやっているラジオ番組「スマホNo.1メディア」にゲストとして出てもらい、撮影現場におけるiPhone活用の利点を語ってもらったこともある。

ミッドナイトの北信康撮影監督も語っていたが、iPhoneは「映画用のカメラを設置できないところに置ける」というメリットが一番大きいようだ。

『シン・ウルトラマン』ではセットのなかに大量にiPhoneを配置し、1シーンを同時に様々な角度から撮影すると言う手法がとられていたようだし、『ミッドナイト』では、クルマのアクセルペダルの横にiPhoneを設置し、賀来賢人さんがアクセルを踏む様子を撮影していた。

さらに『ミッドナイト』では加藤小夏さんが全力疾走するシーンがあるのだが、これまでの映画なら車両を併走させて走ったり、レールを引いて、台車のようなものを走らせるといったことをしていたが、iPhoneであれば、カメラマンが手持ちで撮影し、加藤小夏さんの横を走り、前に回って表情を捉えるといった撮影が可能になったようだ。

いずれも、iPhoneでも、映画に耐えられる画質で撮影できるというのが大きいだろう。全力疾走で併走するシーンもアクションモードがあるからこそ、手ぶれの少ない映像で撮影できるようだ。

アップルを筆頭に、ここ最近、GalaxyやXiaomiなど「映画クオリティの映像が撮れますよ」というアピールをするメーカーが本当に増えた。映画とのシナジーをアピールしてきたのはXperiaも一緒だが、Xperiaはカメラアプリを搭載するものの、それでソニー自身が「Xperiaで映画を撮影しました」までの訴求はせず、「映画の現場でモニター代わりにできます」に留まっていたように思う。

さすがに映画撮影のための専用カメラを出しているメーカーとすれば、ユーザーに対して「映画っぽく撮影できるアプリ」は提供できても、気安く映画をXperiaで撮影するというところまでは踏み込めないのかも知れない。

三池崇史監督が語っていたがスマホという「映画を撮影できるカメラを誰もが普段から持っている環境」というのは、クリエイターを増やすポテンシャルは計り知れない。それこそ、若者だけでなく、あらゆる人がすぐにでも映像作品を作って、世界に公開できる環境が整っているのだ。

今後、スマホだけで撮影した名もなきクリエイターが、世間を感動させる映画を作り、賞を獲るなんてことは珍しくなくなるのだろう。ただ、スマートフォンのカメラで映画クオリティの映像を撮影できるとアピールしただけではメーカーとしてはまだまだ努力が足りない。やはり、単に撮影できるだけでなく、「編集が簡単」というアプリも提供しないことにはクリエイターは育たない。その点、Xperiaは去年から編集アプリをようやく搭載し始めたので、その点においては一歩前進といったところだろう。

【関連】手塚治虫が描いた、疾走する“駅馬車”。晩年の代表作『ミッドナイト』から感じた芳香と咆哮

この記事の著者・石川温さんのメルマガ

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深夜営業の「あんかけうどん専門店」に毎日行列ができている理由

みなさんは、うどんのお店というとどのようなイメージを持つでしょうか?老若男女、手軽に食べられるものとしてフードコートには必ずといっていいほどうどんのお店は入っていますよね。しかし、今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが紹介するお店は定番ではない「あんかけうどん」を専門にし、しかも深夜帯営業で大成功しているお店です。マーケティングの基本をしっかりおさえたそのお店の繫盛の理由に迫ります。

つゆを飲み干さずにはいられない!“あんかけうどん専門店”の魅力とは?

神戸三宮。飲み屋街の一角に、あんかけうどん専門店があります。

お客さまの9割が頼む「カレーあんかけうどん」をはじめ、「肉あんかけ」「梅わかめあんかけ」「八宝あんかけ」「とじあんかけ」「きざみあんかけ」など、メニューのほとんどが“あんかけ”となっています。

あんかけ以外は、「きつね」「かす」「ぼっかけ」「ぶっかけ」「やまかけ」のみ。

うどん屋さんと言えば、きつね、天ぷら、玉子とじ、昆布などが定番ですし、それを望む人が多くいます。

なのに、あんかけうどんがメイン。

どうして、あんかけうどんに力を入れているのでしょうか。

それは、店主の実家が旅館を営んでいた頃の名残りなのです。

旅館で提供していた、店主の母親が作るあんかけうどんが、美味しいと評判だったので、店主の代となった時、あんかけうどん専門のうどん屋さんとして、新たなスタートを切ったのです。

旅館を継続するのは難しいと判断し、母の味で勝負することにしたのです。

うどんメニューの中では地味とも言える“あんかけ”を専門に営業するのは、勇気のいることだと思います。

そこを敢えて挑戦することで、他店との差別化に成功しているとも言えます。

しかも、このお店は夜8時~朝3時までの深夜営業。

場所柄、飲み屋帰りの人が多いことを見込み、この時間帯となったのです。

深夜のみの営業で、しかも、あんかけうどん。

この珍しいスタイルは、店主の閃きかもしれませんが、マーケティングの基本「AIDMAの法則」に合致した店づくりとなっています。

A:Attention(注意)

I:Interest(興味)

D:Desire(欲求)

M:Memory(記憶)

A:Action(行動)

飲み屋街での深夜営業で「注意」を引き、あんかけうどん専門ということで「興味」を持たせ、飲み屋帰りのシメとして食べたい「欲求」を生み、カレーあんかけの味と香りで「記憶」に刻み、飲んだ後はこのお店という、お決まりの「行動」を起こさせています。

意識することなく、マーケティングの基本を実践しているのです。

だから成功したとも言えるのです。

いまでは、「シメのカレーあんかけうどんと言えばこのお店」が定着し、深夜であっても行列ができるほどの大人気となっています。

それだけではありません。

仕込みに5時間。うどんは40年以上使い続ける機械で自家製麺。睡眠時間は2、3時間。

こうした店主の一途な想いが、マーケティングの法則にプラスされたからこそ、繁盛店となったのです。

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なぜ、宮崎駿は「湯婆婆」のセリフを話す子どもを見て“危機感”を抱いたのか?

宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」が、アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞。このニュースは多くの日本人を沸かせました。そこで、今回のメルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、2001年に宮崎駿さんが養老孟司さんと語ったインタビューの一部を掲載しています。

祝・アカデミー賞。宮崎駿さんが養老孟司さんと語ったこと

宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」がアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞しました!

偉業達成を祝し、2001年に『致知』にご登場していただいた記事の一部を特別配信いたします。対談のお相手は、古くからの宮崎アニメファンである養老孟司さんです。

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〈宮崎〉
(平成13年)10月1日に「三鷹の森ジブリ美術館」がオープンしました。そこにアニメーションの絵を展示しているんですが、その前で突然映画のセリフを言いだす子がいるんですよ。

〈養老〉
どんな絵が貼ってあるのですか。

〈宮崎〉
湯婆婆(ゆばーば)のでかい顔が壁にどんと貼ってあるんだけど、その湯婆婆のセリフをしゃべりだすんです。

その子どもが何回観に行ったかはわかりませんが、まだビデオ化はしていませんから、1回か2回のうちに覚えているんですね。それを見て、自分たちの映画はすごかったと思っているスタッフがときどきいますが、それはとんでもない錯覚なんですよ。

本来子どもというのは、年長者の言っていることを意味もわからずまねしたりして言葉を覚えていったはずなんです。その機会が減っているから、代わりにアニメーションでやっているだけなんです。

あの映画には力があるからじゃないんです。ぼくらの社会がますますやばくなっていると証明しているだけなんです。ぼくの作品をビデオで60回も観たという子どもがいましたが、そういうのを聞くと、いまの子どもたちはかわいそうだなと思うんです。

〈養老〉
そういえば、そうですね。

〈宮崎〉
子どもが、元気になる世の中なんていうと、ものすごく誤解を招くんですが、なんとかしないと、この国の子どもたちはこれからの時代に世界で一番対応できない無力な大人になっていくしかないんでしょうね。

〈養老〉
リアリズムという言葉は……

● 続きはWEBchichiにて公開中。
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日本がまた敗戦国に?元陸自総監「台湾有事シナリオ」の呆れた空論ぶり…沖縄は再び「捨て石」にされるのか

『文藝春秋』4月号に掲載された、本松敬史氏(元陸上自衛隊西部方面総監)の台湾有事シナリオ。そのことごとくを「机上の空論」と喝破するのはジャーナリストの高野孟氏だ。「台湾有事は日本有事」の勇ましいスローガンに導かれ、我が国は再び“敗戦”への道を突き進んでいるのか。法解釈から戦闘想定、住民の避難計画まで、ご都合主義シナリオの目にあまるデタラメぶりを詳しく見ていく。(メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』より)
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:何を言っているのか分からない自衛隊OBの台湾有事論。『文藝春秋』4月号特集の呆れた内容

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

自衛隊OB・本松敬史のデタラメ台湾危機シナリオ

『文藝春秋』4月号の巻頭特集は「日本地図から『新しい戦前』を考える」で、マイク・ポンペオ=前米国務長官、本松敬史=元陸自西部方面総監、李喜明=元台湾軍参謀総長、劉明福=中国国防大学教授がそれぞれの視点から「台湾有事は日本有事」と言われる危機シナリオについて論じている。

そのどれもが大いに問題がある論稿で、いちいちすべてを指摘したいところだが、とりあえずここでは自衛隊OBの本松の混乱に満ちた言説を取り上げる。

安倍・麻生の軽率なメッセージを“常識”扱い

本松は要旨次のように言う。

▼安倍晋三元首相が言い出した「台湾有事は日本有事」という言葉はなかば“常識”と化している。

▼が、日本側は「中国が台湾に侵攻すれば、隣接する日本が巻き込まれる危険性がある」という理解であるのに対し、台湾側は「我が事として日本が助けてくれる」と、180度異なった理解である。日本側にも台湾防衛のために自衛隊が協力すべきだと考えている方がいるかもしれない。

▼しかしこうした認識は“現実”からかけ離れている。台湾防衛のために自衛隊を派遣することはそもそも法的にできないからである。

▼台湾とは正式な国交がないため、「日本台湾交流協会」台北事務所に元自衛官と文官が常駐しているだけで、台湾軍と自衛隊の直接交流はなされていない……。

本松は、「台湾有事は日本有事」はなかば常識化していると言うが、彼のこの文章そのものがすでにその“常識”の怪しさを物語っている。

第1に、安倍と麻生太郎副総裁(当時)が21年3月のデービッドソン=前インド太平洋軍司令官の「6年以内に中国が台湾に侵攻する」との議会証言に悪乗りして言い出した「台湾有事は日本有事」発言だが、定義もなく戦略的な検討もない無責任な軽口のようなものであったため、台湾側には台湾有事に際して自衛隊が参戦・加勢してくれるかの誤った期待を抱かせ、また中国側にはいざという場合には米軍だけでなく自衛隊をも最初から敵として計算に入れて作戦を立てなければならないかの過剰な対日警戒感を植え付けることになった。

国家と国民の安全を危険に晒す軽率極まりない対外的なメッセージであった。

「日本が自衛隊を派遣できない理由」を勘違い

第2に、日本が台湾防衛のために自衛隊を派遣することがそもそもできないというのはその通りだが、その理由を「法的に」と言うのは間違いで、「憲法上」と言わなければならない。

第3に、本松がその「法的に」の説明として台湾との間に国交がなく、自衛隊と台湾軍の直接交流がないことを述べているのは全くのピント外れ。仮に国交があったとしてもそれだけで他国の防衛に自衛隊を派遣することは、日本国憲法上はもちろん国際法上も、できない

相互防衛条約を結んでいれば「台湾有事は日本有事」として自衛隊を送れるけれども、「日本有事は台湾有事」でもあるので、例えばロシアや北朝鮮が日本を攻撃した場合は台湾軍が来援すると盟約し合わなければならない。

それには中国との国交を断絶して台湾と国交を結び、さらに日本国憲法違反を侵してそのような軍事同盟を結ばなければならないので、現実には不可能である。

第4に、それなのに、米軍と一緒になって台湾有事に対処するシミュレーションを盛んにやっているのは、「米軍の背中に隠れてやれば大丈夫だろう」という奴隷根性の現れに過ぎない。