独身は不利?手取りに差が出るサラリーマンの税金・保険料天引き額

給料日に明細を見るたび「額面の給料が振込まれたらもう少し生活がラクになのに……」と思うサラリーマンは多いと思います。サラリーマンは、所得税に限らず住民税・健康保険料・年金保険料・雇用保険料と選択の余地なく給料からこれらを天引きされてしまいます。意外と知られていない給与の天引きの仕組みを「独身」と「既婚扶養家族あり」で対比してみましょう。

なぜ天引きされるの?

会社=給与支払い者は、所得税の源泉徴収義務者(※1)となり、源泉徴収税額表(※2)にし従って従業員の給料から所得税を天引きし、本人に代わって所得税を納めます。同様に住民税(※3)も前年度の所得に応じた「所得割」と所得に関わらず定額を納める「均等割(自治体により異なる)」を合わせた額の天引きが義務付けられています。

健康保険法第161条2項(※4)にて、「事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負う」と定められ、厚生年金法(※5)、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(※6)といった具合に、社会保険料はそれぞれの法律で給料からの天引きが定められています。「がんじがらめ」といえばそうですが、優良な納税者・被保険者といえますね。

所得税・住民税の課税ルールは、単純に給料の金額に税率が適用されるわけではありません。所得税・住民税の所得割部分に関しては、定められている用件に該当すると各種の所得控除が適用されるため、課税される金額が差し引かれ結果的に税負担が軽減されます。「独身」or「既婚扶養あり」で差が出るのは、この所得控除における配偶者控除および扶養控除です。

以下に具体的な例を挙げてみましょう。

【各例題の前提条件】
給与所得控除は、平成27年適用分。基礎控除および社会保険料控除、配偶者控除以外の控除は原則としてないものと仮定。配偶者は収入無し。住民税は、東京都江戸川区の場合。社会保険料は、厚生年金保険料・協会けんぽの健康保険料(※東京都・40歳未満)・雇用保険料を対象。社会保険料は、月収推定のため年収を単純に12分割したものとして算出。

※法人は、一定条件を満たす従業員に対して社会保険に加入させる義務がありますが、自前で健康保険組合に加入していない法人は、全国健康保険協会(協会けんぽ)を選択。都道府県別に保険料率が定められています。

≪年収300万円の独身者の年間負担≫
所得税・・・5万4,567円
住民税・・・11万6,500円
健康保険料・・・15万5,532円
厚生年金保険料・・・27万8,116円
雇用保険料・・・1万5,000円
税+社会保険料控除後の実質手取り額(可処分所得)=238万285円≒月収20万円を下回る
≪年収300万円の既婚扶養ありの年間負担≫
所得税・・・3万5,567円
住民税・・・8万1,000円
健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料は独身者と変わらず
(勤め先により配偶者手当・家族手当・扶養手当などの各種手当てが支給される場合が多い)
税+社会保険料控除後の実質手取り額(可処分所得)=243万4,895円≒月収20万円を超える

同一年収で独身者と既婚扶養ありを比較した場合、税負担が年間5万4,500円軽減されます。所得税は、超過累進課税(※7)という仕組みで収入が上がれば上がるほど適用税率が高まるため、所得税負担は相対的に「既婚扶養あり」が有利になります。

また、社会保険料は、扶養の有無に関わらず収入額に対して保険料を負担するので、家族一人当たりの実質負担額は相対的に低減され受益が増すため、これもまた「既婚扶養あり」に軍配が上がります。

とはいえ、家族がいれば胃袋などが大きくなることに加え、子どもが誕生すれば養育費・教育費の負担は重くのしかかるでしょう。一般的に子どもの一人当たりの教育費(※8)は、公立小学校で年間約30万円、公立中学で45万円、公立高校39万円程度かかります。

この試算には含まれていない勤め先独自の手当てや公的な児童手当を受け取ったとしても、「既婚扶養あり」のケースは、金銭的な余裕は乏しくなります。

とはいえ、家族をもって喜怒哀楽を分かち合い共に生きていくことの価値は、何にも代えられるものではないでしょう。種を残すことについて、損・徳で考えてしまうのは、人間界だけの性かも知しれませんね。

 

<執筆者プロフィール>
石村衛(いしむら・まもる)

FP事務所:ライフパートナーオフィス代表ファイナンシャルプランニング1級技能士(CFP)東洋大学卒業。メーカー勤務の後、FP事務所:ライフパートナーオフィスを横浜市戸塚区に開設。地域に根ざしたFP活動を志向し、住宅ローン、不動産・証券投資、保険、貯蓄・など一般家庭のお金にまつわる様々なアドバイスを行っている。 お金に係わる出前授業を小・中・高校で実施。また、高等学校の保護者会などで進学費用や奨学金・教育ローンの講演多数。東京都金融広報委員会 金融広報アドバイザーとして活動中。

※ 1 国税庁:タックスアンサー 納税義務者とは
※ 2 国税庁:タックスアンサー 源泉徴収税額表
※ 3 東京都の場合:東京都主税局 個人住民税
※ 4 健康保険法 第161条2項
※5 厚生年金法 第82条2項
※ 6 労働保険の保険料の徴収等に関する法律
※ 7 国税庁:タックスアンサー 所得税率
※ 8 文科省:平成24年度 子どもの学習費調査

 

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日本文化は、世界の「グローバル化」が進めば進むほど高く評価される

アメリカ大統領候補の1人である、ドナルド・トランプ氏の発言が物議を醸し出しています。その発言は、「イスラム教徒の入国を禁止すべき」というものです。メルマガ「ニューヨークの遊び方」の著者・りばてぃさんが、その発言に対する問題点からわかる、「多様性の重要性」についてわかりやすく紹介しています。

トランプ発言で大騒ぎ

今週、アメリカでは、共和党内の大統領候補の1人、ドナルド・トランプ氏が、7日に語った

 イスラム教徒のアメリカへの入国を禁止すべきだ

との発言が、各種メディアはもちろんのこと、オバマ政権や共和党指導部、さらには、英仏首相ら同盟国の指導者からも非難を浴びるなど、とんでもない騒ぎを巻き起こしている。

すでにこのメルマガでも、何度かお伝えしている通り、トランプさんは、アメリカ屈指の不動産王で、誰でも知ってる億万長者。

つまり、政治家ではなく実業家

自己資金選挙資金を賄えるため、一切、誰にも遠慮せず、自由に発言することができ、それが共和党の支持者にウケて、最初に立候補したときは、ただの泡沫候補の一人だったのが、今夏頃から現在まで、支持率トップ共和党内の最有力候補になった。

もともと口が悪い・・・というか、どういう発言をすれば、みんながより注目するかとか、メディアがより大きく取り上げるかをよく分かっていて、自分の発言を、『エンターテインメントするスキル極めて高い

これは、トランプさんが、今回、立候補するだいぶ以前から、いくつものテレビ番組に出演されていて、どういう発言が話題になりやすいかを分かっているためだろう。

彼が出演した番組の中には、ホスト役をつとめた『アプレンティス』(The Apprentice)のように大ヒットしてシリーズ化し、現在も続いている番組もある。

また、ズケズケと物怖じせず、言いたい放題に語っていて、選挙戦の初期から問題発言を連発しているものの、彼の支持者は、トランプは本気でそう思ってるわけではなく、後からより現実的な方向へと修正調整する能力にも長けている、と見ている。

つまり、とにかく重要な事だからみんなで考えてもらいたいという狙いで、敢えて物議を醸し出す発言をしているという見方だ。

こうした毒舌発言は、彼の本質的なスタンスが、政治家ではなく実業家である証拠ということで、今回の発言についても、支持者の間では、概ね好意的に受け止められている印象。

もちろん、トランプ氏の発言は大問題で、その言葉通りなら、まともな人は誰も相手にしない内容だが、あまりにも馬鹿げているため、

真意は別にある

とか

 そのくらいの気持ちで、みんなで この問題に取り組まないと解決できない

などと好意的に受け止められているようだ。

実際、この発言の後に行われた最新の世論調査でも、ロイター調査で支持率35%、CNN調査でも支持率36%、でトランプ氏が共和党内での首位を維持している。

また、学歴が高卒までの支持者の間では、さらにトランプ氏の支持率は高く、支持率は約50%になっているとのこと。

 
〔ご参考〕

Why voters are loyal to Donald Trump

「反イスラム」発言しても…トランプ氏、共和党の首位キープ 最新世論調査

Trump Surges Again:Almost 50 Percent of RepublicansWithout College Degrees Support Trump

 

鼻呼吸の効用がすごい。集中力UPにアンチエイジング、小顔効果も…

言うまでもなく呼吸をしていない人間などいないわけですが、その呼吸も口でするか鼻でするかで健康状態が変わってくるそうです。メルマガ『楽しみながら『最高に幸せな自分』になる習慣』で詳しく解説されていますが…、もう今から鼻呼吸しかしたくなくなります。

鼻呼吸があなどれない!

最近、北京の大気汚染の話題が取り上げられています。

よい空気を吸うことはもちろん大切ですが、同じ空気を吸っていても効率的に酸素を取り入れることが大事です。

最近、著名な歌手のボイストレーニングを行っている患者さんから、鼻呼吸がとても大事だと聞きました。何をするときでも極力鼻から息を吸うようアドバイスを受けました。

ちょっとネットを調べても、口呼吸の悪影響が出て来ます。歯が出る、顔のたるみ、二重あご、いびき、虫歯、アレルギー、風邪やインフルエンザにかかりやすいといった話もあります。と同時に、鼻呼吸の効用が無数に語られています。鼻呼吸を心がけると、集中力アップ、アンチエイジング効果、熟睡できる、精神安定につながる、果ては小顔効果があるとか…

鼻のクリニック東京」の院長黄川田徹氏によると、

私たちの体は、本来、鼻から呼吸するようにできています。

 

まず鼻から吸い込まれた空気は、鼻の粘膜に分布している神経を刺激して、のど、気管、そして気管支など、空気の通り道を広げます。

 

また空気の取り入れ口で生じる適度な抵抗は、より多くの肺胞を膨らませ、空気と血液との接触面積を拡大します。

 

また鼻にはエアーコンディショナーとしての機能があり、クリーン、体温と同じ温度、湿度100%といった、肺胞内に取り込まれた酸素が最も拡散しやすい条件を生み出します。

 

これに対して口呼吸は、酸素の取り入れ口としての抵抗が少ないことをはじめ、鼻に備わっているエアーコンディショナー機能のないことなど酸素を取り込む上ですべての点で劣っています。

(「鼻のクリニック東京」ホームページより)

なんとなく、口呼吸のほうが鼻呼吸より大量の空気を取り入れやすいと思っていました。

確かに口呼吸のほうが抵抗が少ないので、一気に大量の空気を取り入れやすいのかもしれません。が、酸素の摂取量ということになると、鼻呼吸と口呼吸では効率が全然違うのですネ。納得です。

またこのほかに、慢性的な口呼吸は、姿勢に悪影響をおよぼし、運動能力を低下させることが最近の論文で指摘されているそうです。

口呼吸になると、口を開けるためにのどが狭くなり、空気が通りにくくなる。その結果、のどを広げるために、首を伸ばして頭を前に突き出すような姿勢つまり背中を丸めて胸を抱え込むような姿勢となるそうです。

現代日本人の多くがこのような姿勢を好み、ストレートネックの人が増加していることと無関係ではないような気がします。

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【年末恒例】なぜベートーベンの第九は気分を盛り上げるのか?

クラシックはよく聴く? それとも縁遠いもの? 無料メルマガ『Dr.ハセのクスリとサプリメントのお役立ち最新情報』では、ベートーベン第9「喜びの歌」とモーツァルトの曲がもつ驚くべき効果について紹介しています。まずは日本で年末恒例となっている第9コンサートを聴いたり口ずさむことから始めてみてはいかがでしょうか。

ベートーベンの第九は崇高な気分にし、モーツァルトは人を癒す

第9の時期がやってきました。練習やコンサートの予約に余念のない方もいらっしゃると思います。そこで今日は、第9とモーツァルトについてのお話です。

1.ベートーベン交響曲第九番「喜びの歌」は、完成・自信と勇気を与え、崇高な気分にさせる。

交響曲第9番は合唱付きであり、この曲を聴くだけではなく、歌うことによって得られる効果があります。

そして、歌い終わった時の達成感は「自分にもできる」という気持ちを高めるそうです。前向きに取り組んでいくという気持ちを強くさせ、崇高な気分にさせてくれます。

2.身体を癒し、ストレス解消にモーツァルトが効く。

モーツァルトの曲にはその旋律に自然の音がふんだんに盛り込まれているため、リラックス効果が期待できるのだそうです。

さらにモーツァルトを聴くと、頭脳の働きもよくなるそうです。彼の曲にはバイオリンが多用されていますが、バイオリンなどの高周波の音脳を刺激し、知能や記憶力アップにつながるのだ、とか。

また、豚はえさをよく食べるようになり、丸々と太って、養豚業者にとっては画期的な生産性を高める方法になっているということです。

なお、音楽に興味のない方、この曲で嫌な思い出があるなどの方には効果は見られないようですので、念のため。

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販売員の8割が忘れてしまった、お客様の第一印象を決めるモノとは

お店で働いていると、知らず知らずのうちに「外側から店を見る」ことを忘れてしまいがち。しかし、メルマガ『目指せ! 販売の達人 ~販売力向上講座~』の著者・坂本りゅういちさんは、「外観こそお客様が入店してくれるか否かを決めるカギ」と、その重要性を説いています。

外側から店を見る

こんにちは、坂本りゅういちです。

毎日同じ店に出勤していると、次第にやらなくなることがあります。

それが「外側から店を見る」ことです。

よくよく思い返してみて欲しいのですが、その店で働こうと思ったときに必ず店の外を見ていたはずです。

どんな外観の店なのか、その外観を見て「よい雰囲気の店だなぁ」「この店で働きたいな」「ここに出店したいな」と思ったはずなんです。

実はこのときは誰もが「お客様の目線」を持って店を見ています。知らないうちにお客様がどんなところを見て店の雰囲気や、入店しようと思うのかを体感しているわけです。

しかし、しばらくその場で働いているとだんだんと店にいることに慣れてしまいます。そうすると、店の中の掃除やディスプレイに関しては気を遣って、ああでもないこうでもないとやっているのですが、店を外から見ることを忘れてしまっています。

なので店に入店しようと思うかどうかを決めるお客様の第一印象に目が向かなくなってしまっているのですね。

だから店内をいくらきれいに飾ろうとも、店の前にゴミが落ちていることに気づかない。看板が傾いていてもそのままだったりします。

実際、遠目で見ないと気づけないこともあったりします。店内でディスプレイをきれいに作り上げていても、遠くから見ると光が反射して全然見えないなんてこともあるんです。

私は路面店にいるときは、毎日オープン前や営業中に店の外に出て外観をチェックしたり店の前の道のゴミを拾ったりしていました。

百貨店などでいろんなブランドが入り混じっている場所では、毎日離れた場所から見て、ほかのブランドと同じように見えていないか、遠目で見て目立つようになっているかなどチェックしていました。

店の外観は言ってしまえば、すべての第一印象を決めてしまいます。いくら中身がよくても、初めて会う異性の見た目がひどかったら、まず話す気になれません。そこから取り返すのは至難の業です。

中身をきれいにすることと同じように、毎日外から見た外観もチェックして、入りやすい雰囲気にすることも大切です。

真面目な話、毎日出勤している店のことってだんだんと目が向かなくなるんですよね。

試しに店の外観を少しだけ変えてみて、出勤してくるスタッフが気づくかどうかやってみてください。8割は気づかないと思います。日ごろお客様目線でとか言っているのに、そんなもんです。

そもそもお客様が足を止めてくれないことには、接客のしようがないんですからきちんとチェックはしておきましょう。

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米国が「中国打倒」を決意した2015年。これから世界はどう変わるか?

AIIB、IS、南シナ海、パリ同時多発テロ…2015年も歴史を塗り替える大きな出来事が世界中で起きました。これらの事象が世界にもたらした影響とは? 無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者である北野幸伯さんは、歴史的視点と世界的視点、2つの視点と去年までの出来事を使って、今年一年の総括をしてくれています。

歴史的視点で見ると、今年はどんな年だった?

少々はやいですが、「今年1年」のまとめをしようと思います。「まとめ」といっても、起こった事件を列挙するだけではありません。RPEは、2つの視点で世界をみます。

1つは、「歴史的」視点です。必ず、「過去からのつながり」をみます。

もう1つは、「世界的」視点です。たとえば「シリア内戦」にしても、「アサド」「反アサド」だけを見ません。アサドの後ろにいる、ロシアとイラン。反アサドの後ろにいる、欧米とスンニ派諸国、というように、必ず「世界的」にみます。

この2つの視点から2015年を見ると、「今年はどんな年」だったのでしょうか?

08~14年を振り返る

まず、簡単に今年までを振り返っておきましょう。

08年。

皆さんご存知のように、アメリカ発「100年に1度の大不況」が起こりました。ロシアでは、「これでアメリカ一極時代が終わった」といわれています。そして、今のアメリカの衰退ぶりを見れば、「そのとおり」と思えます。

09年。

世界の大国群が沈む中で、中国だけは9%を超える成長をはたしました。

沈むアメリカ、昇る中国

この事実が、日本の政界にも大きな影響を与えます。「親アメリカ」の自民党が沈み、「親中国」の民主党が浮上した。09年9月、親中・鳩山政権が誕生しました。

10年。

この年も中国は、9%を超える成長をつづけました。

沈むアメリカ、昇る中国

「わが国は、アメリカにとってかわり、覇権国家になれる!」と確信した中国は、凶暴化していきます。10年9月、「尖閣中国漁船衝突事件」が起こりました。中国漁船が、むこうからぶつかってきた。にもかかわらず、中国は日本に「レアアースの禁輸」など過酷な制裁を課し、世界を驚かせました。

そして、この事件をきっかけに中国のリーダーたちは、世界中で、「尖閣は、わが国固有の領土であり、核心的利益である!」と宣言するようになっていきます(中国が領土要求をはじめたのは1970年代はじめですが、大騒ぎしはじめたのは2010年から)。

11年。

東日本大震災、福島原発事故。さすがに中韓も、日本バッシングを控えめにしました。

12年。

9月、日本政府は尖閣を「国有化」。日中関係は、「戦後最悪」になってしまいました。同年11月、中国はモスクワで、「反日統一共同戦線」構築を提案。

(詳細は「反日統一共同戦線を呼びかける中国」)

同12月、民主党政権は倒れ、自民党安倍政権が誕生しました。

中国の野望をくじくため、米国は「辺野古」を捨て石にする

南沙諸島などを舞台に緊張感が増しているアメリカと中国。2つの大国が覇権を争ってにらみ合いを続ける中、米国側にとって対中国の重要な軍事拠点となっているのが沖縄です。一般的には、市街地にある普天間基地の代替地として辺野古への基地移設が進んでいると思われていますが、メルマガ『国家権力&メディア一刀両断』は、「そんな政府の説明を信じる人間は無知だ」と断じ、米国が辺野古移設や集団的自衛権を強引に推し進める「真の思惑」を暴露しています。

辺野古基地建設は対中戦のためなのか

闇の魔法使い「ヴォルデモート」。ハリー・ポッター最大の強敵だ。

中国米国軍事計画部門におけるヴォルデモートである」。そう指摘するのは、アメリカの米海軍大学教授、トシ・ヨシハラとジェームズ・R・ホームズの二人。

「なぜならちょうどハリー・ポッターの強敵の名称が声に出して発せられないように、アメリカの戦略家は中国の名前を、その結果を恐れるあまり、声に出す勇気が無いからである」

彼らが書いた「アメリカ流非対称戦争」と題する論文の一節だ。

訳者は海上自衛隊幹部学校の石原敬浩二等海佐。同校は旧海軍でいえば海軍大学校に相当する。もちろん海上自衛隊の最高教育機関で、上級指揮官や幕僚の育成を目的としている。

同校が発行する「海幹校戦略研究」(2012年5月)に掲載されたこの論文を読むと、米軍関係者が中国をどのような目で見ているか、その一端がよくわかる。

アメリカにとって、口に出すのは憚られるが、中国は恐るべき“魔法界の帝王”であるらしい。

ジャパンハンドラーとしても知られるハーバード大学特別功労教授、ジョセフ・ナイが、かつてこう語ったという。

「戦争はいかなる時に起こるか。超大国ナンバーワンが別の超大国ナンバーツーに追いつかれると思った時だ」

暗に中国を指して超大国ナンバーツーと言っている。得体のしれないものを秘めた大国だけに不気味である。

中国がパクス・アメリカーナを破壊するほどの超大国になるとまで筆者は思わないが、米国にしてみれば、経済的にも軍事的にも中国に追いかけられている悪夢を見ているのが、今の状況ではないだろうか。

米国軍事的に中国を抑え込みたい。とはいえ、経済的には仲良くやりたい

このジレンマをどう解決するか。その答えとして構想しているのが、沖縄など南西諸島での“限定的”な軍事作戦であるらしい。

元宜野湾市長、伊波洋一は言う。「辺野古新基地建設の真の目的は、南西諸島を対中国の戦場にすることだ」と。

たしかに、辺野古の基地計画は、当初とは大きく変わってきている。普天間基地にはない施設、たとえば弾薬搭載エリア、強襲揚陸艦の接岸場所、水陸両用訓練の斜路などがつくられるのだ。

つまり、より強力な前進展開基地になる。市街地にあって危険きわまりない普天間の代替基地、という政府の説明を信じる人は、無知か、よほど風変りな考えの持ち主だろう。

夫婦同姓違憲訴訟の最高裁判決、新聞各紙はどう伝えたか?

12月16日、夫婦別姓を認めない規定について合憲判決を出した最高裁。さまざまな意見が別れるこの判断を、新聞各紙は大きく報道していますが、その伝え方についてメルマガ『uttiiの電子版ウォッチ』の著者でジャーナリストの内田誠さんが詳しく分析、そして独自の解説を行っています。

夫婦同姓違憲訴訟の最高裁判決を各紙はどう伝えたか

◆1面トップの見出しから……。

《朝日》…「夫婦同姓規定 合憲」
《読売》…「夫婦同姓規定 合憲」
《毎日》…「夫婦同姓は合憲」
《東京》…「夫婦別姓認めぬ規定 合憲」

◆解説面は……。

《朝日》…「同姓規定 15人中5人『違憲』」
《読売》…「最高裁『家族』を重視」
《毎日》…「社会変化 判断に差」「夫婦同姓 女性全3判事『違憲』」
《東京》…「女性への負担 司法顧みず」

今日は大ニュースがてんこ盛りです。沢選手の引退を含め、非常に大きいものが多いのですが、さすがに、最高裁の2つの判決を凌ぐものはありません。各紙、1面トップも解説面も、この2つの判決関連で埋め尽くされています。テーマがテーマだけに、4紙のニュアンスもそれぞれで、クッキリとした対照を見せているようです。

ということで、最高裁…なのですが、2つの判決を同時に扱うとあまりにも膨大になりそうなので、今日扱うのは、合憲とされた「夫婦同姓」の方を基本とします(基本的な報道内容のみ、両判決について扱います)。

◆今日のテーマ……。

夫婦同姓違憲訴訟の最高裁判決を、各紙はどう伝えたか」が今日のテーマです。

基本的な報道内容(《朝日》のリードをベースに)

夫婦は同姓」「女性は離婚して6ヶ月間は再婚禁止」とする民法の規定は憲法違反か否か。最高裁は16日、初の憲法判断を示した。いずれについても国への賠償請求は退けたが、夫婦同姓は「合憲」、再婚禁止規定は、100日を超える部分について「違憲」とした。この判決を受け、法務省は再婚禁止期間を100日とするよう、全国の自治体に通知し、即日実施した。今後、民法改正作業も進められる。

「夫婦同姓」は社会に定着しており、家族の姓を1つに定めることには合理性がある。どちらの姓を選ぶかは当事者に委ねられており、性差別には当たらない。現実には妻が改姓することが多く、近年とくに不利益が増していることも認める一方、旧姓の通称使用で一定程度緩和できると判断。ただ、この判決は「選択的夫婦別姓が合理性がない、と判断したのではない」とも明言。国会での議論を求めた。10人の裁判官の多数意見。5人が「違憲」とし、女性判事3人は全員違憲」とした。

「女性再婚禁止期間」について。法律上の父親を「推定」する民法の規定が、離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子、結婚後200日を過ぎて生まれた子は再婚後の夫の子と定めているのに、同法が女性の再婚禁止期間を6ヶ月間としているのは、過剰な制約であり、父親の推定が重なることを避けるためには100日の再婚禁止期間で足りると判示。裁判官15人の全員一致。

違法な象牙取引蔓延で日本に米団体が改善要求。一方、中国に賞賛の声

アフリカでの野生のゾウの減少は、その牙を狙った密猟のためとされており、著名人、環境保護団体などが、世界最大の象牙市場である中国に対策を求めてきた。9月に習政権が取引禁止を約束したことで、中国での象牙の価格は下落。その一方で、違法な象牙取引が日本に蔓延しているとして、米環境保護団体が改善を求めている。

中国の象牙価格が大幅下落

環境保護団体『Save the Elephant』の創始者、イアン・ダグラス・ハミルトン氏が参加した調査によれば、アフリカで象牙の密猟の犠牲となったゾウは、2010年から2012年の間で10万頭とされ、2014年末の段階でも改善の兆しは見られなかったという(ワシントン・ポスト紙、以下WP)。

象牙は、ステータスシンボルとして、また贈答品として中国国内で人気が高く、世界最大の市場である中国での需要が、ゾウ減少の一因だという批判があった。しかし今年9月に、習近平主席はオバマ大統領とともに、国内での象牙取引の禁止を約束。数年前から始まった環境保護団体の啓もう活動や、バスケットボール選手のヤオ・ミン、イギリスのウィリアム王子、サッカーのデビッド・ベッカムなどが登場するテレビコマーシャルも功を奏し、環境保護団体の調査では、象牙を買う意思があると答えた人は、2013年には7%だったのが2015年には1%に減少し、密猟への問題意識も高まったという。『Save the Elephant』によれば、中国の景気減速や、腐敗防止キャンペーンで贅沢品の販売が減少したことも、象牙の取引に影響。2014年には1キロ2,100ドル(約25万円)だった未加工の象牙の価格は、2015年11月時点で1100ドル(約13万円)まで下落したという(WP)。

本気の中国に欧米も称賛

欧米では、習主席の象牙に対する取り組みは評価されているようだ。英テレグラフ紙によれば、中国は、違法な野生動物の取引撲滅に取り組むイギリスのウィリアム王子が率いる『United for Wildlife』 の特別委員会に代表団を送ると表明。会議の議長であるウィリアム・ヘイグ元イギリス外相は、王子や元外相が中心となり、非政府組織や民間企業まで巻き込んだこのような会議に、中国が代表団を派遣するのは非常に珍しいと述べ、重要な進展への大きな一歩となる動きだと語った。中国は象牙の合法取引自体も段階的に縮小しようとしており、600キロの象牙を押収、廃棄し、業者の処罰も行ったと同紙は報じている。

環境保護団体『WildAid』のCEO、ピーター・ナイツ氏は、「(象牙価格下落は)アフリカのゾウたちにとってはよいニュース。進歩があった点で、中国政府を讃えるべきだ」と語った。10月には米政府の野生動物担当者が、今後数年で中国の象牙取引は禁じられるだろうと述べ、「非常に大きな成果」だと述べている(WP)。

甘さが露呈した日本の象牙管理制度

中国の積極的取り組みが報じられる一方で、日本の象牙取引に関し、気になる報告が発表されている。

ロイターによれば、象牙の国際取引は1990年に禁止されたが、日本の規則では、禁止以前に輸入されたものに関しては、政府関連機関で登録済みであれば、国内市場で取引できることになっている。ところが、環境保護のため啓もう活動を行う団体『Environmental Investigation Agency(EIA)』 が、象牙の売り手に見せかけた覆面調査員を使い、37の象牙取引業者に接触したところ、ほとんどが違法、または問題ある方法での取引に合意したという。いくつかの業者は未登録の象牙を買うことに同意。他の業者は偽の書類使い、違法な象牙を1990年以前に輸入したものとして登録するよう売り手に頼んだという。

EIAは日本の象牙管理システムの欠陥が抜け穴として利用されていると指摘したが、環境省は不正な取引は「遺憾」としながらも、登録制度の廃止や国内取引の閉鎖は考えていないと述べている(ロイター)。ナショナル・ジオグラフィックは、出所の分からない象牙が日本市場で不正に登録されていると指摘し、取引も増加していると述べる。特に象牙の印鑑など、ネット上での売買は盛況で、国内のみならず中国など海外へも、違法な象牙製品が輸出されていると批判している。

(山川真智子)

 

【関連記事】

遺伝子組み換えで地球温暖化の「元凶」をほぼゼロに抑えた稲、開発

地球温暖化が火急の問題となっている中、その原因である「メタン」の発生量が抑制された「遺伝子組み換え稲」が開発されました。そこに至るまでの経緯とこれからについて、静岡県立大学グローバル地域センター特任助教の西恭之さんが、メルマガ『NEWSを疑え!』誌上で詳しく解説しています。

遺伝子組換え作物で温室効果ガスを抑制

地球温暖化の元凶とされるメタンの発生を、遺伝子組換えによってほぼゼロに抑え込むことに成功した稲開発され、世界的な注目を集めている。

学術誌『ネイチャー』7月30日号は、中国・福建省農業科学院、スウェーデン農業科学大学、中国・湖南農業大学、米エネルギー省パシフィック・ノースウエスト国立研究所に所属する生物学者のチームによる論文「オオムギの転写因子SUSIBA2の発現によるイネのデンプン増加とメタン発生減少」を掲載した。[1]

1750年以後の地球温暖化の20パーセントは、二酸化炭素の30倍以上強力な温暖化ガスであるメタンの効果だが、大気中メタンの7-17パーセントは水田から発生している。水田の泥の中は酸素が乏しいうえに、イネの根から有機化合物が染み出ているので、メタン菌がメタンを合成するのに適しているからだ。

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中国雲南省の水田(1999年)[2]

2030年代以後も人口が増え続けるとみられる南アジアなどの国々は水田耕作が盛んなので、地球温暖化を抑制するためには、水稲の収量増加とメタン排出削減を両立させることも急がれる。

論文の著者12人のうち、主要な共著者の3人を含む10人は中国人で、その点からも関心が集まっている。