田村耕太郎

【ISIL問題】イスラムの宗教改革は数世紀はかかる

ジハードへの参加はさほど大きなムーブメントにはなりえない

『田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」』 Vol.150より一部抜粋

欧米から渡航したグローバル・ジハードの信奉者が帰国して、自国で一匹狼的なテロに走る危険性こそあるが、西欧・米国からのジハードへの参加はさほど大きなムーブメントにはなりえないと思う。

しかし、アラブ世界からの参加者は相応の強い動機をもっている。世界各地から戦闘員が集まってくるような「開放された戦線」をいかにして封じ込めるかは、これからも大きな問題だ。

同様な事態を防ぐために必要なのは、第一に、中央政府の統治が及ばないような地域を作り出さないことだ。イエメンやリビア、ソマリアなどを念頭に、この「統治されない空間」をどうするかは昨年9月の国連総会でも議論になったところだ。イスラム諸国の政府の統治能力の向上が課題となっている。独裁に戻ればいいのではない。独裁ですら抑え込めない社会側の意識変化があったことを踏まえた統治機構の確立が必要だ。

加えて、イスラム教の解釈の方法論や体系そのものの改革を行わなければ、過激思想を退けることはできない。例えば、「コーランの中の異教徒への抑圧や個人の権利を侵害しかねない特定の章句は、現代社会では適用されない」と明確に宗教者が議論し、コンセンサスとして大多数のイスラム教徒に広まっていかなければ「イスラム国」の思想は論駁できない。いわばイスラム教の「宗教改革」だが、しかしその可能性はかなり厳しいといわざるを得ない。

そのような改革を実現するには、ヨーロッパ中世が経験した宗教戦争の惨禍や、ルネサンスの熾烈な思想闘争がなければならない。「数世紀はかかる」と欧米化したイスラム教徒の知識人は悲観している。それどころか「近代西洋の支配は終わった、これからはイスラム教の優越性が明らかになるのだ」と意気軒昂なイスラム教知識人が、過去20年ほどの間、現地では支配的だった。近代的な思想改革への機運が、内側からも、外側からも、乏しいのである。イスラム国の惨状を見て、「イスラム復興で近代西洋の限界を超えるのだ。イスラムが解決だ」といった議論をしていたイスラム世界の内部の知識人や、それをもてはやしていた日本を含む外部世界の専門家は、深く自らを省みる機会を持ってみてもいいのではないか。

抜本的な対策はイスラム世界の「外」から強制できるものではない。事態の打開にはまだまだ長い時間がかかるのではないだろうか。

 

『田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」』 Vol.150より一部抜粋

著者/田村耕太郎(前参議院議員)
第一次安倍政権で内閣府大臣政務官(経済財政・金融・地方分権担当)をつとめる。エール大、ハーバード大、ランド研究所にて研究員の経験あり。早稲田大学、慶応大学大学院、デューク大学法律大学院、エール大学経済大学院を各修了。
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高野孟

【自衛隊】歴史が証明する軍事力による「自国民保護」の危うさ

自衛隊による「邦人救出」に踏み込む安倍首相

『高野孟のTHE JOURNAL』Vol.172より一部抜粋

安倍晋三首相が、自衛隊による武器使用を伴う海外での「邦人救出」を可能にするような自衛隊法の改正に前のめりになっている。

1月25日のNHK の政治討論では、「イスラム国」による日本人人質殺害事件を念頭に「このように邦人が危害に遭った時、自衛隊が持てる能力を活かせない」のは問題だと指摘、法整備の必要を強調した。人質事件への国民感情を逆手にとる形で、今国会後半の安保法制議論に「邦人救出」解禁をも絡ませようとする意図は見え見えで、これに対しては野党のみならず公明党からも、安倍の性急さへの懸念や批判が出ていた。

そのためかどうか、1月29日衆院予算委員会での民主党議員の質問への答弁などでは、「受け入れ国の同意」があり、また自衛隊が銃を向ける相手が「国家または国家に準ずる組織」ではないことが条件となることを付け加えて、ややトーンダウンした。ところが2月3日参院予算委員会では、ド右翼の次世代の党議員が「外国で拉致・拘束された日本人をいかなる場合でも救出できるよう、憲法9条を改正すべきだ」「よく『憲法9条があるから、平和が守られている』という人がいるが、憲法9条があるから国民の命が危ない」と迫ったのに対して、安倍は「わが党(自民党)はすでに憲法9条についての改正案を示している。それは国民の生命と財産を守る責務を果たすためだ」と述べ、「邦人救護」をフルにやろうとすると憲法9条が邪魔になるというド右翼議員の妄言を敢えて否定せず、むしろ同調した。

この問題についての安倍の認識は明らかに混濁していて、この政権に安保法制をいじらせることの危険がますます浮き彫りになった。

【株式市場激動】ウクライナ経済は破綻寸前!?揺れる市場3つの要因

市場の下げ要因はギリシャ、ウクライナ、利上げをめぐるNY株のどれかだろう

『山崎和邦 週報「投機の流儀」』より抜粋

2月6日に発表された米雇用統計は、市場予測23万人より良い25.7万人だった。日本の民主党が盛んに騒ぐ“雇用の質”に関しては懸念があるようだが、米経済は2~3%程度の安定成長の軌道に乗ろう。そうなれば米市場は利上げの時期を視野に入れよう。FRB議長のJ.イエレン女史は、雇用と労働市場に関する専門学者の出身である。先回は「むこう数回の議論の機会が必要であろう」という微妙な言い回しで纏めて市場を落ち着かせたから、市場は「FOMCを数回やるまで利上げはやらない」と解釈して5、6月頃かと勘ぐった。米経済が好調とはいえ、先行き不透明感が漂う真ん中でゼロ金利解除できるのか、という疑念もある。これの時期をFRBが間違えば世界中に混乱を起こそう。

バーナンキは、失業率が9%のころ「6.5%になったら直ちに利上げに入る」と言ったことを思い出す。

先週木曜日に、ソニーが12%も大幅に上がったのに波及効果は全くなく、日立が9.9%も下がった、というチグハグが生じた。

ソニーは出井社長時代、井深・盛田・大賀と3代に亘って築き上げたDNAを出井が100%破壊し、その後は年に数日しか日本にいない男を社長に据えて不在中に恣に失政を敷きソニーを腐敗させたことは世界中が知っている事実だから、いまさらソニーが電機株の象徴性を喪失していると言うのではなく、本稿では、一銘柄が急騰しても同業銘柄に全く波及しないという上値の重さを言いたいのだ。

下値の買い勢力は日銀・GPIF・逆張り専門の個人投資家の待機資金(証券会社の発表では預かり現金MRFは10兆円)が待機している。それを分かっているから売ってこない。「売らない相場」は「買わない相場」に繋がる。

ここから上を誰が買うか、である。

それは政策の顕在化であろう。

では、ここから下はどういう契機で売るかである。原油の問題は片付いてはいないが、既に洗礼を浴びたから済んだようなものだ。大底は過ぎたかもしれない。中東の問題も同様であろう。これは安倍さんは際どい崖っぷちに立ったが切り抜けるだろう。

そういうことならば、ギリシャが火種になるか、またはウクライナであろう。ウクライナの経済は破綻寸前だ。2年先の償還の国債が60円近辺というのはその証拠だ。日本時間の7日未明にドイツ首相、フランス大統領がプーチンとウクライナ相談で会うため急遽モスクワへ行った。欧米がウクライナへの軍事支援に踏み切れば戦闘は長引き拡大し、欧州全体への悪影響となる。

ウクライナは欧州へのロシアからの天然資源の輸送路の通路になっている。欧州の生産活動のエネルギーの要衝である。

日本時間7日未明の独仏ロの首脳会議が戦争回避への山場になろう。独仏ロ3カ国の会議は約5時間続き、ロシア大統領報道官は「建設的な内容のある話し合いだった」と述べ、8日にウクライナ首相を加えて4首脳の共同文書の作成にまでこぎつけ何らかの合意に達する旨を示唆した。

外部要因で見れば株式市場激動の口火を切るのは、ギリシャ発か、ウクライナ発か、利上げをめぐるNY株か、であろう(中東の残虐行為と戦闘行為・原油暴落は市場では既に洗礼を浴び済みと見る)。

『山崎和邦 週報「投機の流儀」』より抜粋
著者:山崎和邦(大学教授/投資家)
野村證券、三井ホームエンジニアリング社長を経て、武蔵野学院大学名誉教授に就任。投資歴51年の現職の投資家。著書に「投機学入門ー不滅の相場常勝哲学」(講談社文庫)、「投資詐欺」(同)など。メルマガ「週報『投機の流儀』」では最新の経済動向に合わせた先読みを掲載。
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【日本株復活】設備投資と輸出がV字回復!爆上げはあるか?

2月16日を境に日本は海外から見直されることになるだろう

『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』より一部抜粋

日本総務省が日本の「2014年10-12月期の実質GDP(一時速報)」を発表するのは、2月16日(月曜日)の朝8時50分です。早ければ、この日を境に、海外のヘッジファンドたちも地道な機関投資家たちも、日本株投資を見直し始めることでしょう。

早ければ、この2月16日を境に、また「爆弾みたいな爆上げ」が日本株式市場で起きるかもしれません。

日本経済は、アメリカ経済とは正反対で、内需主導では回復しませんでした(日本は、どれだけ日本が先進国になっても、どれだけ成熟国家になっても、その「清貧を尊ぶ国民性」、言い換えたら「貧乏性」からどうしても抜け出せないのかもしれません。個人消費がすぐ冷え込む国では、消費税という税制は向いていないのかもしれません)。

日本経済は、いかにも「従来通りの日本」らしく、2014年第4四半期から、「企業の設備投資」と「海外への輸出」が主導して、V字回復しているのです!

ここ1カ月くらいの「異常な原油安」について、補足!

WTI先物価格が「理論値の1バーレル50ドル」を割り込んだのは、2015年1月初頭。さすがに、1バーレル40ドル台になると、マーケットの不安心理は高まってしまいます。

アメリカの「強いドルは国益」の「ドル高戦略」の中では、原油をはじめとする資源コモディティー価格の下落は、ある程度、想定できるものでした。

しかし!マーケット関係者の誰も、1ドル40台になるような事態は、予測していませんでした。さすがに「理論値:1バーレル50ドル台割れ」は、マーケット関係者を神経質にしてしまいます。

アメリカの12月の雇用統計は、1月10日に発表となりましたが、それほど悪い内容ではありませんでした。ところが、原油価格50ドル台割れという「異常な水準」が続いていたので、「資源エネルギー関連の企業でリストラが行われている統計」にマーケットは過剰に反応します。内外の株式市場は乱高下しました。

1月30日発表の「アメリカの第四四半期のGDP成長率」についても、冒頭で詳しく解説したとおりです。それほど悪い内容でもないのに、やはり資源エネルギー関連やシェール関連での設備投資が急減していることに過剰反応して、内外の株式市場は乱高下しました。

マーケット関係者は、「原油価格の下落は、中期(6カ月~9カ月)では実体経済を上向かせる」ことは理解していますが、目先、原油価格が50ドルの大台を下回って急落していては、短期では、「どう反応してよいのか???」、とても戸惑っているようでした。

黒トンの第二のバズーカ砲の発射とドラギのアメリカ型バズーカ砲発射に勢いづいて、「2015年半ばまでに内外の株価を思いっきり引き上げて、すなわち、『Sell In May』までに内外の株価を上げるだけ上げて、その後撤退してゆこう」としていた投機筋たち。

彼ら投機筋たちも、「原油価格40ドル台割れ」というサプライズが起きてしまって、「年初からの戦略」をなかなか実行に移せないでいるようです。

そういった中、原油価格が大底を打ったようにも見受けられる兆候が、2月に入ってから始まっています!♪

まだまだ予断を許さないものの、原油価格が大底を打ったならば、内外の株式市場も再び「リスクオン」のモードが復活してくるかもしれません。

2月16日に、日本の2014年第四四半期のGDPが発表になれば、海外の地道な投資家たちも、びっくりして、日本経済と日本株式市場とを見直し始めるかもしれません。

『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』より一部抜粋
著者/藤井まり子
京都大学経済学部卒。東京銀行調査部産業調査室資源エネルギー担当、トヨタFS証券マクロ金融担当などを経て、現在、ウーマンソフィー経済研究所室長を務める。
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【刀剣乱舞】審神者さん注目!日本刀愛好家に聞く「はじめてのリアル刀」で気をつけるべきポイント

刀剣をイケメン戦士に擬人化したブラウザゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』が、ただいま人気急上昇中。その影響もあり、日本刀を取りあげた書籍が異例のヒットを記録したり、名刀を展示する美術館にはファンからの問い合わせが殺到するなど、ゲームの枠を飛び越えた“刀ブーム”が、只今絶賛到来中なんだそうな。

・・・そうなると、ゲームに夢中な審神者(さにわ:刀剣乱舞のプレイヤーのこと)のみなさんのなかには、“いつかはリアルに刀を愛でたい!”と熱望されている方も、当然いらっしゃるのではないだろうか?

というわけで今回は、日本刀にまつわる情報を日英2カ国語で発信するメルマガ『僕の日本刀日記』を14年以上に渡り配信、自らも15振りの日本刀をお持ちだという一鶴さんに、はじめて日本刀を購入・所持する際に気を付けるべき点などを、イロイロとお聞きしました。

刀剣類の所持は銃刀法で禁止されている

――まず、日本刀ってどこに行けば買えますか? ネットでも買えますか?

日本刀は刀屋さんに行けば買えますが、最近はネット上の刀屋さんも盛況ですし、ヤフオクでも買えます。

刀の通信販売は、それこそ戦前から存在しています。ちなみに、刀屋さんが出している通信販売用の冊子は、日本刀の勉強にもなって、初心者の方でも面白い内容だと思いますよ。

――日本刀って高価なイメージがあるんですが、実際のところどれぐらいの値段がしますか?

これはピンキリですね。

私が持っている太刀だと、試し切り用の刀が5万円、鎌倉時代の太刀が300万円でした。また今まで見たなかでは、実際の売り値が3000万円という太刀がありました。

――日本刀を買うには、資格が必要ですか? 無資格で持つと犯罪になったりしませんか?

資格は特に必要ありませんが、登録証が付いている刀を買う必要があります。

原則として、刀剣類の所持は銃刀法で禁止されています。ただ、美術品として価値のある刀であれば、“所持は”認められます。その価値を証明するのが、「銃砲刀剣類登録証」と呼ばれる登録証なんです。

この登録証を管理しているのが、実は教育委員会。ですから日本刀を買った際は、教育委員会に持ち主の名義が変わったことを連絡する必要があります。

でも、所持が認められたからといって、自由に持ち歩いて良いわけではなく、正当な理由なく持ち歩いてると、銃刀法違反で捕まります。その“正当な理由”というのも、現場にいた警察官が適宜判断するものなので、たとえ登録証があったとしても、捕まってしまう可能性は大いにあります。いずれにせよ、むやみに持ち歩いたり、ましてや人前で見せびらかしたり、振り回すようなことは、厳に慎みましょう。

【株価に先行?】「ゴールド/カッパー(金/銅)レシオ」で相場トレンドを見極める

株価のヒントは銅にあり!「金/銅レシオ」を使いこなそう

2015年に入ってからも堅調に推移している日米の株価ですが、足元はレンジ相場が続いています。

明確な方向性がなく、目先の材料でリスクオン・リスクオフが目まぐるしく移り変わるため、投資タイミングをはかりづらく感じる方も多いのではないでしょうか。

上がるにせよ、下がるにせよ、そろそろどちらかに大きく動いてもおかしくない時期!ということで、今回は、株式相場の方向性を見極めるのにも便利な「ゴールド/カッパーレシオ(金価格/銅価格レシオ)」をご紹介します。

直近の金/銅レシオは、日米株価が堅調に推移するなか急伸。2015年に入り一時500を超えるなど、比較的高い水準で推移しています。これにはどんな意味があるのでしょうか?

ゴールド/カッパーレシオの計算方法

ゴールド/カッパーレシオは、金価格を銅価格で割るだけで計算できます。

例えば、金価格が1トロイオンス1200ドル、銅価格が1ポンド3ドルなら、ゴールド/カッパーレシオは、

1200 ÷ 3 = 400

となります。

  • 金価格が上昇銅価格が下落 → ゴールド/カッパーレシオ上昇
  • 金価格が下落銅価格が上昇 → ゴールド/カッパーレシオ下落

という関係になっていることが分かるかと思います。カンタンですね!

金/銅レシオの意味と株取引での生かし方

金は有事や金融危機の際に、現金や国債に並ぶ安全資産として逃避買いの対象になりやすい商品です。

いっぽう、銅は現代の経済活動に欠かせない代表的な金属材料のひとつですから、景気の先行きが不透明になれば、需要後退への思惑から売られやすくなります。

このことから、おおまかに、

  • ゴールド/カッパーレシオ上昇弱気相場
  • ゴールド/カッパーレシオ下落強気相場

と言えます。

では、このゴールド/カッパーレシオ、株取引にどのように生かせるでしょうか?分かりやすい使い方としては、

  • 株価上昇局面で、今後も強気のスタンスを維持すべきかどうか?
  • 株価急落直後に、押し目買いを入れるべきかどうか?

など、大まかなトレンドを判断する際の参考材料とするアイデアがあります。

例えば、定期的に平均株価とレシオのチャートを比較し、

  • 株価は堅調なのに、ゴールド/カッパーレシオが先行して上昇
  • 株価は軟調なのに、ゴールド/カッパーレシオが先行して下落

といった矛盾が生じていないか観察するわけです。

通常、ゴールド/カッパーレシオは強気相場で下落、逆に弱気相場で上昇しやすい性質があります。レシオが常に正しく機能するわけではありませんが、「相場でいつもと違う何かが起こりはじめた」と察知できれば、株価のトレンド転換にいちはやく対応できる可能性は高まるでしょう。

銅価格は株価に先行する?

世界経済と密接に関わる銅の価格は、景気に敏感に反応すると言われます。2008年リーマン・ショックの際も、銅価格は早い段階で下落しました。

もっとも、銅の下落が、必ずしも景気後退を意味するわけではありません。実需と乖離した投機筋による売買のボリュームが、無視できない規模に膨らんでいるからです。

(参考:銅の下落に世界の投資家が注目する訳 – ニューズウィーク日本版

株や為替と違い、まだまだ馴染みの薄い商品相場。今までウォッチしていなかった方は、ゴールド/カッパーレシオを通して、値動きをチェックしてみてはいかがでしょうか?新たな投資のヒントが見つかるかもしれません!

 

小川和久

【人質救出】自衛隊投入だけで在外邦人の安全は飛躍的に高まるのか

基本を忘れた在外邦人救出の議論

『NEWSを疑え!』第369号より一部抜粋

「イスラム国」人質事件を受けて、自衛隊による在外邦人の救出に関する議論が高まっています。いまの国会で、政府は海外でテロなどに巻き込まれた邦人を救出することが可能となる法律を整備する方針です。

政府は以下のようなケースを想定しているようです。

「(前略)政府関係者によると、1996年に起きたペルー大使公邸人質事件や2013年1月にあったアルジェリア人質事件のように、テロ集団が邦人のいる特定の施設を占拠した際、自衛隊が施設の敷地内まで入って邦人の救出に当たる事例だという。首相周辺は『あくまでその国の警察力の代わりだ』と説明する(後略)」(2月4日付け朝日新聞朝刊)

2013年1月のアルジェリア人質事件を受けて同年11月に自衛隊法が改正され、それまでの海外での法人輸送が航空機と船舶だけに限られていたのが、法改正によって陸上輸送にあたることも可能になりました。

一見したところ、政府の方針によって在外邦人の安全は飛躍的に高まりそうな印象さえあります。

しかし、この議論にはおかしな点があります。

考えてみればわかることですが、いくら法律と制度を整備して自衛隊を出せるようにしたとしても、できることとできないことがあります。それが踏まえられないまま、議論が進められようとしています。

まず、今回の「イスラム国」のケースのような形で人質になった在外邦人の救出に、陸上自衛隊特殊作戦群などの特殊部隊を投入することは、考えられないのです。

世界の特殊部隊にあって、「地球の裏側」でも単独で人質救出などの任務を遂行できるのは米軍だけです。この任務には、情報・通信など特殊作戦に必要な兵站能力が不可欠で、それを備えているのは米軍だけだからです。

それもあって、イギリス、オーストラリア、ドイツなどの特殊部隊は、これまでも米軍との組み合わせで行動しています。

ましてや、今回の「イスラム国」のケースでは、その米特殊部隊でも人質救出は難しかった。その点は押さえておきたいものです。

在外邦人が内戦状態になった外国から脱出するとき、その支援のために自衛隊が投入される態勢は備えておくべきだと思います。

場合によっては、24~36時間ほどで避難する在外邦人の警護、輸送などを行うことができるかも知れません。

しかし、こうした場合にも押さえておくべき課題があります。

日本の議論には、在外邦人自らが脱出するという点が出てこないのですが、在外邦人は自衛隊が到着するまで現地でじっと身を潜めているのでしょうか。むろん、動き回らないほうがよい場合もありますが、この点をきちんと整理しておかないと、いくら自衛隊を投入する態勢を作っても、役に立たない場合があります。

世界の常識と日本の落差が歴然と現れたのは2011年2月、アラブの春に見舞われたリビアのケースです。

アラブの春とは、2010年から2012年にかけてアラブ諸国で発生した民主化を求める大規模な反政府運動の拡がりを指しています。

このとき中国は、3月2日までのわずか10日間ほどで4万2600人の自国民を、韓国も1400人を脱出させました。日本はといえば、外務省の退避勧告が出た2月25日段階で滞在していた23人の脱出にさえ、政府が力を貸すことができないという状態に終始したのです。

中国、韓国ともに、民間の航空機、船舶をチャーターし、海軍はソマリア沖の海賊対処部隊の駆逐艦を、中国は中国本土から空軍の大型輸送機を飛ばし、官民が総力を挙げて自国民の安全を図ったわけですが、見逃してならない点があります。バス、トラック、乗用車を総動員しての陸上輸送です。

とにかく、安全地帯に脱出できればよいわけですから、そこまでの「足」を確保するのが外国における避難や脱出の基本です。軍が来るのを待っているなどということはないのです。軍の輸送機や駆逐艦で脱出した人たちもいますが、過半数の中国人はあらかじめ教えられた危機管理の基本通り、リーダーの指示に従って行動した。だから「10日間で4万2600人」なのです。

リビアのケースについては、このメルマガ『NEWSを疑え!』2011年5月5日号で西恭之氏(静岡県立大学特任助教)が詳述(「リビア動乱、4万人以上を脱出させた中国の実力」)していますので、バックナンバーをご参照いただければと思います。

 

『NEWSを疑え!』第369号より一部抜粋

著者/小川和久(軍事アナリスト)
地方新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、日本紛争予防センター理事、総務省消防庁消防審議会委員、内閣官房危機管理研究会主査などを歴任。
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弘中勝

【データ発想源】「バレンタインに聴きたい曲」で分かるあなたの世代とマーケティング法

「バレンタイン・キッス」と「チョコレイト・ディスコ」

『ビジネス発想源 Special』第228号より一部抜粋

★KADOKAWAが今年1月に10~30代の男女954人に行なった、「バレンタインに聴きたい曲」調査。

▼バレンタインに聴きたい曲
1位:チョコレイト・ディスコ/Perfume
2位:バレンタイン・キッス/国生さゆり
3位:バレンタイン・キッス/テニスの王子様
4位:Bittersweet/嵐
5位:恋するフォーチュンクッキー/AKB48
6位:チョコの奴隷/SKE48
7位:Love so sweet/嵐
8位:バレンタイン・キッス/渡り廊下走り隊7

2月14日はバレンタインデー。周囲の人に聴いても、バレンタインをイメージする曲と言えば、ある一定の年齢層から突然、国生さゆりの「バレンタイン・キッス」とPerfumeの「チョコレイト・ディスコ」にぴったりと分かれます。これはなかなか興味深い。

ということは、バレンタイン商戦の時に若者向けなのに自分のイメージで国生さゆりの曲を流してしまうなんてかなりオッサン・オバサンの部類ですからね。こういう時は自分の感覚でやっていてはいけません。

でも「バレンタイン・キッス」のすごいところは、それをまた同じ秋元康プロデュースの渡り廊下走り隊7やアニメのキャラクターソングなどにもカバーさせて、若い人たちも皆「何となく知ってる」というところ。

卒業のイメージソングは多いのに、バレンタインの曲はまだ全然ないので、チョコレイト・ディスコのように、バレンタインというよりチョコレートを題材に歌った歌が、これからどんどんランクインしていくのでしょう。

テレビ番組でも、コーヒーの場面には「コーヒールンバ」、自転車の場面では「Bicycle Race」が使われたりと、それをイメージする曲は延々と使われていくもの。今後も「大掃除◯◯」とか「スマホ◯◯」とか、そのシーンやモノを象徴する曲が、ずっと使われていき後世まで親しまれるようになるのかもしれません。

 

『ビジネス発想源 Special』第228号より一部抜粋

著者/弘中 勝
読者数10万人のメールマガジン『ビジネス発想源』の著者。全国の企業にマーケティングを指導している。研修・講演等実績多数。著書に『会社の絞め殺し学』(祥伝社)、『アイデアひらめくビジネス発想源』など。
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ビジネス会話

【しゃべらない営業会話術】相手に話をさせる”サイレントセールス”の極意

笑顔の練習、話題の収集、すべてムダな努力かも!?

しゃべらなくても大丈夫!「サイレントセールスのススメ」より

人と話をするのが苦手な人ほど、上手に話しをしたいと思っている。かつての私がそうだった。面白おかしく話ができないと、会話にならないと信じ込んでいたのだ。

そのためにやったのは、会話教室に通うこと。見知らぬ人と大きな声で笑顔で話す練習をさせられた。そこに来ている人はみんな会話下手だったので、ムリな笑顔とムリな大声が室内に蔓延していた。それでも講師の人は、「どうですか、笑顔で話すと気持ちいでしょ」と言うのだが、私はむしろ気持ち悪かった。

それから、話題がないから話せないのだと思い、あまり興味のないニュース記事や、一般常識レベルの雑学の本を読んだりしていた。

話がうまい人は、とにかくいろんなことを知っていると思っていた。私は、とくに趣味もなく、得意分野などもなかったので、これといって専門で話ができることなどなかった。だから話題が少ないのだと思っていた。

でもどんなに雑学の知識を脳に植え付けたところで、それを使う機会はやってこない。タイムリーに話題を出せるようになるには、いったいどれだけの本を読まなければいけないのか。しかも自分にとって興味のない本を。

それでも、会話を上手にしようと思ったら、それ以外の方法は思いつかなかった。会話をするときには、相手と同等に話をする必要がある。これも、かつての私が信じ込んでいたことだ。

だから、相手が話したら、それと同じくらいの文字数で言葉を返さなければならない。本当にそう思っていたのだ。こちらもなにかしゃべらないと、相手に失礼だとも思っていた。ただうなずいて、聞いているだけではダメだろうと。

すると、相手がしゃべっている最中に、次はこちらがしゃべる番だから、何を話そうかなどと考えたりしている。その結果、相手の話している内容に集中せず、上の空で聞いてしまうことになる。

当然、リアクションも薄くなる。私は営業で商談しているときも、ときどき、ボーっと相手の話を聞き流していることがあった。次に何を話そうかなどと考えていると、いつもそうなってしまう。おそらく相手にもバレていたことだろう。

「こいつは人の話を聞いてないな」と心の中で思われていたに違いない。そうして自分でも気づかないうちに、たくさんの商談をダメにしていたのだ。

でも今ではそんなことはなくなった。相手と対等に話をしようとも思わない。それどころか、面白い話をしなければなどとも考えなくなっている。

私が普段から心がけていることは、“いかに相手にしゃべってもらうか”この一点だ。

これは私の経験値だが、人はしゃべるほどに心を開いてくれる。どんなに気難しい人でも、しゃべってもらうようにすると、どんどん表情が和やかになってくる。しゃべることって気持ちがいいものなのだ。私は普段から無口なのだが、そんな私でもしゃべると気持ちが良くなる。それは、こんな無口でしゃべり下手な私の話でも、聞いてくれる存在があるからだ。

自分を受け入れてくれる。そんな気持ちにさせられて、相手に対して心を開いていく。セミナーなどで話すときでも、相手が真剣に聞いているのがわかると、つい時間を忘れて話している自分がいる。あれもこれも言いたくなってくるのだ。こんな私でさえも。

ということは、相手がお客さまだろうがなんだろうが、とにかくしゃべってもらえるようにしたほうが、良い結果になることに私は気づいた。コミュニケーションや信頼関係も、相手にしゃべってもらうことで、すべてが解決するとまで思っている。

そこで、視点が変わった。これまでは、いかに自分がしゃべるかに重点が置かれていたが、そうではなくて、どうしたら相手にしゃべってもらえるかを、重視するようになったのだ。

そこに相手に話してもらう技術が存在する。

あるきすと平田

【渡航禁止?】ユーラシアを歩いて旅して20年!ユーゴで迫撃砲の攻撃に遭う

『あるきすと平田のそれでも終わらない徒歩旅行~地球歩きっぱなし20年~』第1号より一部抜粋

あるきすと平田とは……

平田さんは、ユーラシア大陸を徒歩で旅しようと、1991年ポルトガルのロカ岬を出発。おもに海沿いの国道を歩きつづけ、路銀が尽きると帰国してひと稼ぎし、また現地へ戻る生活を約20年間つづけています。その方面では非常に有名な人ですが、普通の人は何のために……と思うかもしれませんが、そのツッコミはナシの方向で……。

第1回 キョーレツ! ユーゴ内戦バスの旅

ヨーロッパの地中海沿いを徒歩で旅行し、イタリア半島をグルッとまわったあとは地つづきのユーゴスラビアを歩くつもりだった。ところがちょうどそのころ、当の連邦国家ユーゴスラビアはソ連崩壊の余波を食らって分裂してしまう。いわゆる「ユーゴ内戦」だ。

はたして戦争をやっている国をバックパッカーがのこのこ歩けるのか。とにかくこれは一度、現場を見にいかなければなるまい。

そこで1991年6月、僕はいったん徒歩旅行を中断して中部イタリアのペスカーラから船でアドリア海を渡り、ユーゴから分離独立したクロアチア共和国の都市スプリトに上陸した。

人口20万人の規模のわりには静かな町で、対岸のイタリアの人口12万人の港町ペスカーラではちょうどサッカーの地元チームがセリエBからAへ昇格して市民がドンチャン騒ぎしていたのと対照的だった。

街なかでは露店の服屋が大量の迷彩服や軍帽、軍靴、ベルトなどを並べ、通り沿いの建物の窓から新国家クロアチアの真新しい国旗が垂れ下がり、商店の大きなウインドーガラスには飛散防止用のガムテープが縦横斜めのユニオンジャック型に貼りめぐらされている。市内の宿泊施設はほぼすべて戦争避難民のシェルターとして代用されていたため、僕は一般市民のお宅に間借りするしかなかった。

なかでも度肝を抜かれたのは、黒いタンクトップに迷彩柄のズボン、長髪に赤いバンダナのランボーみたいな男たちが、ショットガンやライフルを肩から下げたり右手で無造作に振りまわしたりしながら闊歩する姿だった。

町は戦場と化していなくても、緊迫感はひしひしと伝わってくる。