なぜオンキヨーは経営再建ではなく、いきなり「破産申請」を選択したのか?

かつては国産高級オーディオの雄として名を馳せたオンキヨー。その直系とも言えるオンキヨーHEが先ごろ破産申請を行い、多くのファンから悲嘆の声が上がっています。なぜ同社は経営再建ではなく破産申請を選択したのでしょうか。その疑問に答えてくださるのは、財務コンサルティング等を行う株式会社ファインディールズ代表取締役で、iU情報経営イノベーション専門職大学客員教授の村上茂久さん。村上さんは今回、オンキヨーHEが破産申請に至った理由を会計とファイナンスの視点から探るとともに、同社破産後も2つの「オンキヨー」の名を冠する企業が残る理由を解説しています。

プロフィール:村上茂久(むらかみ・しげひさ)
株式会社ファインディールズ代表取締役、GOB Incubation Partners株式会社CFO。iU情報経営イノベーション専門職大学客員教授。経済学研究科の大学院(修士課程)を修了後、金融機関でストラクチャードファイナンス業務を中心に、証券化、不動産投資、不良債権投資、プロジェクトファイナンス、ファンド投資業務等に従事する。2018年9月よりGOB Incubation Partners株式会社のCFOとして新規事業の開発及び起業の支援等を実施。加えて、複数のスタートアップ企業等の財務や法務等の支援も手掛ける。2021年1月に財務コンサルティング等を行う株式会社ファインディールズを創業。

破産申請のオンキヨー。その後に残る2つの「オンキヨー」の名前がつく会社とは

オーディオ機器で有名なオンキヨーホームエンターテイメント株式会社(以下、オンキヨーHE)が2022年5月13日に大阪地方裁判所に対して、破産手続き開始の申立を行い、同日破産手続きの開始を受けたと発表をしました。負債総額は31億円です[1]。

オンキヨーHEの過去5年間の売上は図表1のとおりです。年々売上は下がっていたことに加え、慢性的に赤字の状況で、2021年8月には業績不振で上場廃止にもなりました。

図表1 オンキヨーHE売上の推移

図表2 オンキヨーHEの営業利益及び当期純利益の推移

とはいえ、今回の破産申請には気になる点が2点あります。第一に、民事再生や会社更生といった経営破綻後の企業再生手続を申請するのではなく、いきなり会社そのものが無くなる破産を申請した点です。過去、英会話学校のNOVA、航空会社のJALやスカイマーク、半導体メーカーのエルピーダ等のように大企業が経営破綻したケースは多数あります。これらの企業において、NOVA、JAL、エルピーダは会社更生、スカイマークは民事再生といった法的整理を通じて、経営を再建していきました。

しかしながら、オンキヨーHEは会社更生や民事再生といった法的整理を通じた経営再建を行わず、いきなり破産申請となっています。なぜでしょうか。

2つ目は、負債額が31億円と売上と比べてそれ程大きくないことです。図表1にあるとおり、2021年3月期においてもオンキヨーHEの売上高は89億円ありました。この売上規模からみると、負債総額31億円というのはそれ程大きくありません。売上高を踏まえると、31億円の負債額でいきなり破産ではなく、民事再生等の法的整理を通じて事業を継続しても良いように考えてしまいます。

本稿ではこれら2つの疑問に答える形で、オンキヨーHEの破産の背景を探るとともに、オンキヨーHEが破産したあとも残る「2つのオンキヨー」について解説を行います。

[1]オンキヨーHE 破産手続開始の申立てに関するお知らせ (6/2現在閲覧できず)

武田邦彦氏が振り返る、米国に甘えた情けない“属国”ニッポンの戦後

以前掲載の「武田教授が明言、「独立国」と認められるために日本人が示すべき決意」で、プーチン大統領の「日本は属国」との主張を一部認め、独立国の要件を説いた中部大学元教授の武田邦彦さん。今回のメルマガ『武田邦彦メールマガジン『テレビが伝えない真実』』では、敗戦後約80年にわたり、与野党が「阿吽の呼吸」で結託し、アメリカの「属国」に甘んじるシステムを維持してきた手法を暴くとともに、その茶番劇を追認し国民にウソを伝えてきたメディアの罪を厳しく指摘しています。

 

良くやってこれたものだ。属国主義の日本の全政党

アメリカに甘える属国「日本」の80年の政治を振り返る

大東亜戦争から80年弱、よく日本はやってこれたと思う。戦争に負けたとはいえ、輝かしい戦果を挙げて、むしろ敗戦した原因は、戦闘より大量虐殺(東京大空襲、広島長崎の原爆、沖縄占領)などが原因とも言える。

その後、サンフランシスコ平和条約によって形式的には独立国家に戻ったが、実質はアメリカ軍が駐留していたので、国際的には特定の国の軍隊に占領されている属国と言える。日本人はともかく先進国の人から見ると、不思議な国に見えただろう。日本は人口でも、GDPでも世界の大国だ。その大国で、しかも世界一古い歴史を持ち、誇り高き民族が80年弱もアメリカの属国に甘んじているのだ。信じられないだろう。

でも、日本の属国システムは国会で、実に「阿吽の呼吸」でうまくやってきた。集団行動が得意な日本人らしい政治であり、社会だった。

手法としては、独立を回復しても、「憲法九条」をうまく使って「日本の未来を考えないなれ合い政治」に終始してきた。著者の推定も入れて、この80年弱を考えると次のようになる。

1)自民党は「改憲、再軍備」を掲げて結党したが、当初から独立する気持ちはなく(主として当時の記録にある)、それはアメリカの指導部に通知していて(これも日米の記録にある)、日本国民には「改憲、再軍備」と言っていた。

2)日本社会党をはじめとする野党は自民党の腹の内を知って、故意に対決姿勢を取った。この矛盾はやがて社会党の「自衛隊は違憲、合法」という奇妙な言い訳になった。現在でも立憲民主党、共産党などは同じ騙し路線である。

3)日本のマスコミの首脳部は自民党の思惑と社会党との茶番劇を知っていて、それを知らないようなふりをして報道を続けた。

4)自衛隊を作り、すでに世界で5番目の軍事力なのに、「憲法の番人」とされる最高裁判所があるのにも関わらず、憲法九条違反という訴訟は起きていない。自衛隊と称する軍隊は年間、5兆円ほどの国家予算を使っているのだから、訴訟の理由は十分である。でも訴訟が起きていないのは、茶番劇であることの証拠の一つである。

5)属国が自ら属国であることを望んだのは、長い世界史の中でも弱小国以外では初めてであると考えられる。

このうち、最も罪が深いのは、与党と野党の連携で国民にウソをついてきたこと、メディアがそれを知っていてこれも国民に違う情報を伝えていたことだろう。いずれも、もし自分の職務に忠実で正直であれば、70年になるウソを続けることはできなかっただろう。

 

ジョニー・デップがDV裁判で勝訴も「顔が違う」変わり果てた姿にファン悲鳴。20億円の賠償金では安すぎる空白の6年間

長年に渡る元夫婦の泥沼法廷劇がようやく決着。元妻・アンバー・ハード(36)が主張していたDV被害は虚偽だったと認定され、ジョニー・デップ(58)が勝訴し、裁判所はハードに約20億円の賠償金の支払いを命じた。しかし、その報道で注目されたのは裁判結果よりもデップの“変わり果てた容姿”だった。泥沼の裁判は代償は大きかったようだ。

ウソを盛りすぎて墓穴を掘ったアンバー・ハード

ハードとデップは2011年の映画「ラム・ダイアリー」で共演をきっかけに交際が始まった。その頃デップは2人の子どもがいるヴァネッサ・パラディと事実婚中で、不倫関係だったと言われている。2012年にデップはパラディとの事実婚を解消、1度の破局を経て2015年2月にハードと結婚した。

ところがその結婚は長くは続かず、2016年5月にはハードによって離婚申請が出された。と同時にハードはデップのDVを訴え、裁判に証拠写真を提出。デップがハードを怒鳴りつける動画や怪我をした指の血で暴言を鏡に書いた画像などが流出した。

その後2人は和解し、「私たちの関係にDVなどはなく常に愛でつながっていた」と共同声明を出した。ハードは離婚成立後受け取る金銭を慈善団体に寄付すると発表し、離婚は成立した。

ところが話はここで終わらない。その後もデップは「自身はDV男」と報じた英雑誌サンでを名誉毀損に訴えたたものの、2020年に「DVはおおむね真実」という判決が下り、上訴も棄却されている。

「DV男」のレッテルが貼られて、当たり役だった「ファンタスティック・ビースト」シリーズのグリンデルワルト役を降板することになったデップ。

さらに2018年ハードが米紙ワシントンポストへの寄稿で名前こそ出さなかったものの、デップにDVを受けたことを主張。

デップはこの寄稿をでっちあげだと主張し、ハードは「でっちあげ」で名誉を傷つけたと主張し、一歩も譲らない。お互いに相手を名誉毀損で訴え、デップは5千万ドル、ハードは1億ドルで相手に賠償を求めた。

法廷でハードは自分が受けたDVの様子を涙ながらに語った。その証言は衝撃的で、酒に酔ったデップが割れた酒瓶のガラス片をハードの陰部へこじ入れたというのだ。DVにしてもあまりにも異様すぎる行為に違和感を覚えた人も多いだろう。

それに呼応したかのように、ハードの発言にボロボロと矛盾が生じてくる。

まずハードがデップに顔を殴られたと証言した翌日に、ハードはテレビのトーク番組に出演しているが、その録画にはハードの顔に殴られたあざはなかった。

ハードは愛用の化粧品を使って、あざを隠していたと言い逃れて、使用した化粧品を証拠として提出した。しかし、その化粧品は2人が結婚した後から販売されており、結婚当時にはなかったことがあきらかになった。

さらにデップの元カノのケイト・モスが「デップはDVをするような男ではない」という証言や、DVがあったという翌日に俳優ジェームズ・フランコと密会していた動画も提出され、次々とハードにとって不利な証拠が集まった。

極めつけは寄付すると明言した慈善団体には約束の半分の金額しか振り込まなかったこと。目的のためなら、公衆の面前で平気で嘘をつくハードの人格が露呈してしまい完全に世論はデップの味方になった。

ハードの敗因はやりすぎてしまったことだろう。

DVをでっちあげて、離婚して慰謝料だけを巻き上げれていればよかった。世間が味方をしていると勘違いしたのか、余計に喋りすぎてボロが出たようだ。

空白の6年間、キャリアの全てを失ったデップ

DV男のレッテルが貼られてから6年、デップが失ったものは大きかった。昨年公開された「MINAMATA-ミナマタ-」以来出演作が途絶えている。

法廷に立ったデップは心労のためか、すっかり肉が付いておじさん化してしまったように見える。ネットでも「誰だか分からなかった」「イケメンも年には勝てない」などの声も多い。

6月で59歳となったデップはDVスキャンダルに巻き込まれて、本来なら脂がのっているはずの50代の大事な時期を棒に振ってしまった。

晴れて潔白が証明された今、また以前のようにスクリーンでの活躍が見たい。そして、女性関係にはくれぐれも気をつけて欲しい。

また判明した韓国のウソ。慰安婦合意で文在寅政権が隠していた真実

2015年に締結されるもその後韓国側の一方的な主張で破棄された日韓慰安婦合意を巡り、日本の正当性を証明する内部文書を公表した尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権。日韓関係の改善に前向きの姿勢を見せる尹大統領との間に、慰安婦問題の解決を見ることはできるのでしょうか。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、尹政権がこのタイミングで文書を出してきた理由を考察するとともに、韓国市民の反応を紹介。さらに慰安婦問題の収束に関して懐疑的な見方を示し、その理由を述べています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年6月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

 

日韓関係が進展しそうなときこそ警戒を怠るな

慰安婦合意、支援団体と事前協議 韓国外務省の内部文書で判明

日韓関係を最悪にした文在寅政権の嘘がまたひとつ暴かれました。2015年の日韓慰安婦合意後、当時はまだ野党だった文在寅氏は、「被害者の意見が反映されていない」と主張し、大統領就任後には「重大な欠陥が確認された」などという理由で合意を事実上無効化し、日韓合意により設立された「和解・癒やし財団」を解散しました。

ところが、韓国外務省は5月26日、2015年の日韓合意に際して、慰安婦支援団体代表と4回にわたり協議し、合意内容もきちんと伝えていたことを記した面談記録文書を公開しました。

2015年の合意時点では、合意撤回派は「慰安婦やその支援団体にも知らされていなかった」と主張していましたが、2020年、慰安婦支援団体の韓国挺身隊問題対策協議会=挺対協(現在は正義連に改称)のトップである尹美香氏には事前に知らされていたことが判明します。

尹美香氏は、この日韓慰安婦合意時に、「被害者や支援団体は何も知らされていない」と主張し、合意破棄を訴えて名を売り、2020年には国会議員にも当選します。しかし同年、実際には合意内容が事前に知らされていたことが判明します。

尹美香氏はこれに対して、「意見徴収ではなく、あくまで一方的な通告だった」と反論していたわけですが、今回の外務省の発表で、合意内容についても協議しており、「何も聞かれなかった、一方的な通告だった」という証言は嘘だったことが判明したのです。

尹美香氏はこの他にも、ソウル市からの支援金の不正請求や、不正会計、寄付金などのピンハネなどさまざまな疑惑を慰安婦からも告発されています。また、尹美香氏は北朝鮮を何度も訪問して対北事業を行うなど、親北ぶりが知られています。

さすがに韓国国内でも、疑惑まみれの尹美香氏に対して、「偽善の偽りはこれだけなのか」と批判の声が上がっています。

韓日慰安婦合意の内容を知っていたのに伏せた尹美香、偽善の飾りはこれだけなのか

そもそも、このようなやりとりの記録を、文在寅前政権がまったく把握していなかったはずはありません。真実を知っていた上で、日韓慰安婦合意の事実上の破棄に持ち込んだと考えるのが普通でしょう。親北派である文在寅と慰安婦支援団体の「親しい関係」が透けて見えます。

 

弱い者をいじめ、強い者に忖度。使途不明11兆円には無関心な大マスコミの本質

つい最近まで誤送金が話題になったかと思えば、今度は誰々の不倫などと、次から次へバッシングが続くテレビの報道。しかし、私たち日本人はもっと広い視点で「本当に抗議すべき相手」を見誤っていないでしょうか。今回のメルマガ『和田秀…

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現役漫画家が明かす、業界用語「上がり」を迎えたハッピーな漫画家たち

昔はペンにケント紙でカリカリ描いて毎日締め切りに追われる姿をイメージされることが多かった、漫画家。しかし時代はデジタルになり、昭和世代が想像している漫画家像とは大きく異なっているようです。メルマガ『見ル野栄司のシブすぎ技術秘話』の著者で元エンジニア漫画家の見ル野栄司さんが、現代の漫画家たちの優雅で楽しい生活と制作現場の様子を紹介しています

 

最近の漫画家たちの裏話

というタイトルですが、皆さんご存じでしょうか?

昔のイメージだと、アシスタントを沢山かかえていてむちゃくちゃ忙しい!なんて想像しているのではないでしょうか?

実は今はそんなことありません。もちろん、ペンが遅い人は結構寝てないとかあります。

それでも昔よりぜんぜんいい。なぜなら今の漫画家のほとんどがデジタルです。クリップスタジオという漫画ソフトで描いて、アシスタントとクラウドを共有しています。

ポンっと原稿をクラウドに上げれば、すぐアシさんが描いてくれて、それも1枚何円と決まっているので、アシさんも時間に拘束されることはありません。

逆に言うと、今ペンとインクで漫画を描いているひとはこだわりがあっていいのですが、編集からすると迷惑です(笑)。

むちゃくちゃ売れているのならいいのですが、新人はやはりデジタルで入稿してくれて、それのほうがなおしが早いですし、漫画家も編集も顔を会わせなくていい!

今っぽいですね。若い人は特に漫画家や編集が打ち合わせと称して酒を飲むのなんて嫌だ…という時代です。

それでいて、漫画家は誰とも付き合いが無い?というわけでもないです。SNSがあるから。もしくは去年流行ったクラブハウス。それから派生してTwitterでの会話機能であるスペース。

そう、最近は漫画家さんたちはこのスペースで部屋をクローズにして、ひっそり話しあっているひとたちが多いようです。私はクローズが嫌いなのでやりませんが。

それで、時間ができた漫画家たちはYouTubeをやったり旅行にいってWi-Fi付きのホテルでひとりで楽しんで描いています。

有名な方は、軽自動車に住んで、全国の温泉を取材して漫画にしている人がいます。超経済的だし楽しい!ですね。

またある女性作家さんは、儲かりすぎて湯河原に別荘を買ってしまった人も。いいですねー。上がりですよ、上がり。

上がりというのは、漫画業界で言う「ヒット作を出して、もうお金を稼ぐ必要が無くなった作家」のことを言います。

皆さんもどうでしょう、漫画家になってみては?(笑)。

 

image by: MarbellaStudio / Shutterstock.com

なぜ日本の国歌「君が代」を聞くと“曲が終わっていないような感覚”を覚えるのか?

先の大戦によって「国威発揚」のイメージがつき、何かと議論の的になっている日本の国歌「君が代」。しかし、本来は「古今和歌集」から作られた愛の歌であり、戦争の歌ではなかったという事実があります。メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、この日本国歌「君が代」について、米カリフォルニア州弁護士のケント・ギルバートさんと“博多の歴女“として活躍される白駒妃登美さんが対談した内容の一部をご紹介しています。

「君が代」と、他の国歌との大きな違いとは

いまもなお軍国主義の象徴のように思われている「君が代」。しかし、その原歌は『古今和歌集』にある、「愛するあなた、あなたの命がいつまでも長く続きますように。そしてあなたがずっと幸せでありますように」と願う“愛の歌”です。

『致知』最新号(7月号)では、「君が代」に込められた、そんな先人の思いを、米カリフォルニア州弁護士のケント・ギルバートさんと“博多の歴女“として活躍される白駒妃登美さんにお話し合いいただきました。

「君が代」の独創性を伝えるお話の一部を本日はお届けします。


ギルバート 「世界の国歌を見ると、基本的に賛美歌か軍歌なんです。どこも似たり寄ったりで独創性というものはありません」

白駒 「確かにそうですね」

ギルバート 「ところが、日本の『君が代』は歌詞として見ても曲の美しさからしても例外です。その証拠に1903年にドイツで行われた『世界国歌コンクール』で一等を受賞していますからね。

少し専門的な話になりますが、『君が代』の曲調は『ペンタトニック・スケール』と呼ばれます。1オクターブにある7つの音階のうち5つしか使わない。しかも『君が代』はハ長調ですから、始まりも終わりも『ド』であるべきなのに『レ』で始まり『レ』で終わっている。だから我われが聞いていると、何か曲が終わっていないような感覚を覚えるんです」

白駒 「ケントさんのいまのお話、納得できます。でも、それが『君が代』の素晴らしさだし、終わりがないという曲調は永続性にも繋がっている気がします。

例えば、日本神話の『古事記』などもそうで、始まりと終わりが明確ではありませんよね。これは日本の文化の大きな特徴だと思います。

いま『天皇制』『皇室制度』という言葉をよく耳にしますが、この表現は適切ではありません。『制度』は誰かがつくったものであり、誰かの手で終わらせることができます。でも、皇室は誰かがつくったものではないんですね。皇室は常に国民と共にある、始まりも終わりもない。これこそが皇室の姿なのではないでしょうか。

ギルバート 「おっしゃる通りです」

白駒 「作曲家の団伊玖磨さんが素晴らしい国歌の三つの条件ということをおっしゃっていて、一つ目が短いこと、二つ目がエスニックであること(民族性が表れていること)、そして三つ目が好戦的でないことだというんです。

団さんが提唱される素晴らしい国歌の条件が『君が代』にはすべて揃そろっていることは大変興味深いことですし、私たち日本人の誇りですね」

image by : Namazu-tron, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

論点ズレまくり「IPEF」では足りぬ。中国との共存戦略“4つの大問題”

インド太平洋経済枠組み「IPEF」をアメリカが立ち上げ、バイデン大統領の来日に合わせて日本も参加を表明。計13カ国が参加を表明し、GDPで世界の約40%を占めるほどの規模となりました。しかしその中身がどうにもズレていると指摘するのは、メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』著者で米国在住の作家・冷泉彰彦さんです。冷泉さんは、IPEFが据える4つの柱について、政府の説明を噛み砕いて解説。そのうえで、日本を始めインド太平洋の各国が無視できない、中国との共存という大問題を避けてしまっていると、特に重要な4つの問題をあげ、IPEFの底の浅さに懸念を示しています。

※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2022年5月31日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

 

IPEFでは全く足りない、中国との共存戦略

バイデン来日と同時に、5月23日に発表された「インド太平洋経済枠組み(IPEF:Indo-Pacific Economic Framework for rosperity)」というのは、実に不思議な「枠組み」だと思います。その全てが「政治的スローガン」であるし、何よりも「規制」や「監督」といった統制色が濃厚だからです。とりあえず、内容については以下の4点となっています。

1点目は「公平で強靭(きょうじん)性のある貿易」です。声明文(日本語バージョンは、内閣府が公表している翻訳によります)には「我々は、ハイ・スタンダードで、包摂的で、自由かつ公正な貿易に係るコミットメントの構築を追求し、経済活動を活性化し、持続可能で包括的な経済成長を促進し、労働者と消費者に利益をもたらす幅広い目標を推進するために、貿易・技術政策において新しく創造的なアプローチを発展するよう努める。我々の取組は、それだけではないが、デジタル経済における協力を含む」という方針だそうです。

お役所の呪文のような文章ですが、重要な部分というのは「知財をコピーされないようにプロテクトする」ということのようです。

2点目は、「サプライチェーンの強靭性」です。具体的には、「我々は、より強靭で統合されたサプライチェーンとするために、サプライチェーンの透明性、多様性、安全性、及び持続可能性を向上させることにコミットする。我々は、危機対応策の調整、事業継続をより確実にするための混乱の影響へのより良い備えと影響の軽減のための協力の拡大、ロジスティックスの効率と支援の改善、主要原材料・加工材料、半導体、重要鉱物、及びクリーンエネルギー技術へのアクセスを確保するよう努める」で、これも分かりにくいです。

サプライチェーンの問題をどうするのか、民間は、それぞれが既に独自のノウハウを築いているわけです。アップルは、台湾のホンファイに製造を委託し、現時点では最終組み立ては中国でやっています。部品は日本、韓国などから調達していますが、その全体が実務として回るためには、本当に厳しい現場主義で管理をしているわけです。そこに各国の当局がどう絡んでくるのか、これも呪文のような話です。

 

稼げぬ大学は見殺しに。大学ファンドで世界トップを目指す日本の能天気

新しい制度は、研究力低下が叫ばれる日本を救うことになるのでしょうか。5月18日に国会で成立した、10兆円規模のファンドで世界最高水準の研究成果が見込まれる大学を支援する「国際卓越研究大学法」が、大きな議論を呼んでいます。今回のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』では著者で健康社会学者の河合薫さんが、この「大学ファンド」は学問の世界にトリクルダウン理論を適用するもので、経済分野同様、学問の世界にもトリクルダウンは起こらないと断言。さらに当制度がもたらしかねない「負の効果」を指摘しています。

プロフィール:河合薫(かわい・かおる)
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

 

「学問トリクルダウン」は起こらない

世界最高水準の研究成果が見込まれる大学を支援するために、10兆円規模の大学ファンドを設ける新しい制度「国際卓越研究大学法」が国会で成立し、スタートすることが決まりました。

大学ファンドの運用は科学技術振興機構が行い、利益を「国際卓越研究大学」に認定された大学に2024年度から分配します。国際卓越研究大学の認定や計画認可は、政府の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の意見が反映されます。

CSTIは岸田首相が議長を務め、6人の閣僚、および大企業の会長や役員、大学の教授など、計14人のメンバーで構成されています。また、認定には「産学連携や寄付などで、年3%の事業成長」「重要事項を決定するための、学外者が多数を占める合議体の設置」などの条件があるとのこと。

大学ファンドの背景には、世界と伍する研究力を強化支援することで、世界と戦える大学を作ろう!という思いが存在する。つまり、選択と集中。稼げる大学には大枚をはたくが、それ以外は…というのが本音なのでしょう。

このような政府の姿勢に対し、全国の国公私立大学の教職員らで作るグループが、反対する考えを示す記者会見を行ったり、有識者からも、「大学間格差が広がる」「稼げる研究だけが行われることになる」「研究力の底上げにはならない」「一部の大学だけに人材が集中する」「基礎研究がおろそかになる」などの異論が噴出しています。

一方で、国際卓越研究大学に選ばれれば、一校あたり年数百億円の支援を受けることができるため、期待の声も少なくありません。公的資金がつぎ込まれるわけですから、厳しい条件を突きつけられたり、さまざまなステークホルダーからあれこれ意見を言われようとも、それは仕方がないだろうとの意見です。

ちなみに、今回の大学ファンドは世界でも珍しい国が元手を貸す「官製ファンド」です。上手くいけば世界から評価されること間違いない、との声もあがっています。

ご承知のとおり、日本は先進国の中で唯一、低学歴化が進んでいる「博士後進国」。この問題は、本コラムでも度々取り上げてきました。

ノーベル賞を受賞した研究者たちが、日本は自由に研究ができない、研究する環境が整っていない、このままでは日本は沈没する、と苦言を呈してきましたし、海外の研究者からも、日本の若手研究者は研究室主催者(PI: principal investigator)になる意欲が低く、研究者の育成も期待できないという有り難くない指摘をされたこともある。