国民をバカにするだけのお仕事?菅首相「棒読み施政方針演説」の異常性

新型コロナウイルスが猛威を振るう中、今月18日に招集された通常国会ですが、新宰相には国民に寄り添う気などないようです。今回のメルマガ『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、今国会の菅首相の「施政方針演説」が「読売国際経済懇話会」での講演の使い回しである証拠を示すとともに、国民に対して政治理念を発表する場において、焼き直しの原稿を棒読みする首相の不誠実さを強く批判しています。

 

使い回しの施政方針演説

安倍晋三が二度目の「政権丸投げ」を炸裂させたことで、二階俊博の描いた絵図によって「ミスター後手後手」こと菅義偉が自民党総裁に選出されたのが2020年9月14日、そして、首相官邸で就任会見を行ない、「自助・共助・公助、そして絆」という噴飯物のキャッチフレーズを掲げたのが2日後の9月16日でした。

しかし、菅義偉は、新型コロナの感染拡大に苦しむ国民などホッタラカシで、何のメッセージも発しないどころか、火に油をそそぎ続ける「Go To キャンペーン」を継続したまま、10月には待ってましたとばかりに外遊し、インドネシアに500億円もの円借款(えんしゃっかん)をバラ撒いて来たのです。「円借款」とはお金を貸してあげることなので、プレゼントではありませんが、相手国の財政が苦しくなれば返還の義務がなくなります。これまでに返って来ない円借款も複数あります。

この時点で、あたしたち日本国民は、まだ菅義偉から何の政策も方針も聞かされていませんでした。首相に就任した人物が、自国民への挨拶よりも他国へのバラ撒きを優先するなんて、前代未聞の行動です。菅義偉は、帰国後の10月26日、臨時国会の冒頭で、ようやく「所信表明演説」を行なったのです。しかし、その内容は「Go To キャンペーン」の推進や「マイナンバーカードの普及」などに重心を置いた「国民不在」のお粗末なものでした。その上、菅義偉は問題山積の状況をスルーして、トットと国会を閉会してしまったのです。

11月が過ぎ、12月が過ぎ、年が明けての1月18日、まさに「後手後手の通常国会」が開かれ、ようやく菅義偉は「施政方針演説」を行ないました。でも、今回の菅義偉の「施政方針演説」を聞いて、あたしは不思議な既視感、デジャヴュー感に包まれてしまいました。あたしは一語一句を聞き逃さないように真剣に聞いていたのですが、しばらく前にどこかで聞いたようなフレーズが次々と流れて来たからです。

それで、あたしは、自分の記憶の糸をたどりつつ調べてみたのですが、あまり時間が経っていなかったので、すぐに思い出しました。菅義偉は昨年12月22日、「読売国際経済懇話会(YIES)」に招かれて東京都千代田区の東京会館で登壇し、約200人の財界人が「密集」している会場で、約45分間の講演を行ないました。あたしは、それをYOU TUBEの動画で観たのですが、その内容が今回の「施政方針演説」の内容とほとんど同じだったのです。

今回の「施政方針演説」は、まず「新型コロナ対策」について述べ、そこから「カーボンニュートラル」や「デジタル化」、「少子化問題」や「地方創生」へと流れて行きましたが、1カ月前の「読売国際経済懇話会」での講演内容も同じなのです。もちろん、各項目を優先順に取り上げるのですから、全体の構成が似てしまうことは仕方ありません。しかし、その内容を照らし合わせてみると、あまりにもソックリなのです。たとえば「少子化問題」についての冒頭の部分を、一語一句、そのまま文字起こししてみます。

2021年1月18日【施政方針演説】

 

長年にわたり、我が国の最大の課題と言われてきたのが「少子化」の問題です。結婚や出産、子育てを希望する方々の声に丁寧に耳を傾け、ひとつひとつの望みを実現していきます。

2020年12月22日【読売国際経済懇話会】

 

長年にわたり、我が国の最大の課題と言われてきたのが「少子化」の問題です。結婚や出産、子育てを希望する方々の声に丁寧に耳を傾け、その方々の望みの障害をなくす対策を講じる必要があると思い、実行に移しています。

皆さん、これ、どう思いますか?1つ1つ挙げていると「姑の嫁いびり」みたいになってしまうので、文字起こしはこの部分だけにしておきますが、これと同様に、ソックリな部分や前後の語句を入れ替えただけの部分、意味が同じ部分などが何カ所もあるのです。大きく違っているのは、最初の「新型コロナ」に関する部分だけです。「新型コロナ」に関しては、昨年12月と現在とで状況が大きく違いますから、原稿の内容が違っているのは当然です。

懲役で恫喝も。コロナ蔓延の責任も取らず罰則を科す菅政権の意味不明

拡大の一途を辿り、収束の糸口さえ見えない新型コロナウイルスによる感染症。国民の不安が高まり続ける中、菅政権は未だ迷走を続けている感が否めません。政府はなぜこのような「機能不全」に陥っているのでしょうか。今回のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』では健康社会学者の河合薫さんが、第1波の時点で明らかになっていたリスクファクター対策を講じてこなかった政権を批判するとともに、打つ手すべてが的外れとなる原因に、菅首相の「現場を見る力の足りなさ」を挙げています。

プロフィール:河合薫(かわい・かおる)
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

緊急事態宣言の意味と罰の行使

コロナ感染拡大が止まりません。

気の緩みがある、なれがある、若者に届いてない、などなど感染拡大が続く理由を、政府もメディアもあげつらっていますが、そもそも「緊急事態宣言」って、いったい何なんでしょう。

政府が13日に、新たに栃木・愛知・岐阜・京都・大阪・兵庫・福岡の7府県に対して緊急事態宣言を出した際には、「福岡は要請してないのに、なぜ入れた?」だの、「熊本は要請したのに、なぜ入れない?」だのという報道が飛びかいました。

また、翌日の14日には西村大臣が「広島を緊急事態宣言に準じた措置を行うことを検討する」と明らかにしたり…。

さらに、18日には茨城が、19日には沖縄が「県独自の緊急事態宣言」を発令しています。

コロナ感染拡大は全国で深刻化しているのに、“準じた”だの、“県独自”だの全くもってわけがわかりません。

現段階で国にあって、独自にないものといえば、カネ。そうカネ、です。

  • 認められた地域では日額最大6万円の協力金、飲食店の取引先にも中小に40万円、個人事業主に20万円
  • コロナ患者を受け入れる病床1床当たり450万円
  • 重症患者向けは1,950万円、それ以外は900万円

このカネが欲しい!だから指定してくれ!というのなら、まだわかります。ところが、国は「準じた」地域ではその「カネ」も「準ずる支援をする」というのです。

…んったく、わけのわからないことだらけです。

そもそも、「緊急事態宣言」は、新型インフルエンザ等対策特別措置法、第32条第1項に基づき、以下のように明記されています。

緊急事態宣言に関すること(特措法32条)

 

新型インフルエンザ等緊急事態宣言とは、季節性インフルエンザに比べて重篤になる症例が国内で多く発生し、全国的な急速なまん延により、国民生活や国民経済に甚大な影響を及ぼす場合に、政府対策本部長(内閣総理大臣)が、「期間・区域・事案の概要」を特定して宣言するものです。

 

この宣言の後、都道府県知事は、より具体的な期間や区域を定め、不要不急の外出自粛や施設の使用制限の要請といった緊急事態措置を講ずることができるようになります。

つまり、条文を読む限り、「緊急事態宣言」→「各知事が緊急事態措置」を講ずることができるようになる、と。

しかしながら、1回目の緊急事態発令が検討されていたときに、「どこまで国が知事に強制できるか、特措法の解説書を読んでも曖昧で、その都度調整するしかない」という意見が、政府高官から出ていました。

そこで自治体の措置は「あらかじめ国と協議」するとし、裁量に縛りをかけた。なのに西村大臣は、大阪府の吉村洋文知事に「休業の要請・解除は知事の裁量」と発言。権限に伴う責任を自治体に押し付けてしまったのです。

この時点で既に、政府の軸足はブレブレで、どの範囲まで国は知事に強制できるのか、仕切りを明確にし、特措法を改正すべし!という意見はでていました。が、その後具体的な動きはなく、今国会でやっと「特措法改正案」が提出されることに。後手後手といわざるをえません。

復活ソニーの株価好調に学ぶ、今の時代に必要なビジネスモデルとは

2011年3月期、2012年3月期と連続して巨額の赤字を出し、TOSHIBAやSHARPなどより先に経営危機が囁かれたソニーが、ここ数年で鮮やかに復活し、株価も19年ぶりに1万円台を回復しました。今回のメルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』では、発行人の理央周さんが、ソニーの業績がなぜ好調なのか、投資家はどこに期待しているのかについてマーケティングのプロ目線で解説。理央さん自身が動画撮影機材を購入する際、決め手にした部分についても大きな要因として伝えています。

なぜ、ソニーは期待されているのか?ソニーに学ぶ新常態でのビジネスモデル

ソニーの評価がまた高まってきています。株価が上昇し、昨年12月17日には年初来最高値、19年ぶりに、株価も1万円を超えました。まずは業績が好調です。2020年4~9月期の連結での営業利益も、前年同期比7%増の5461億円となりました。新型コロナウイルスでの巣ごもり需要が増えたこともあり、主力のゲーム機の「プレイステーション(PS)4」向けの、ゲームソフトの販売が増えたことが貢献しました。

ソニーの製品ポートフォリオの中身をみると、ゲーム・音楽・映画のカテゴリー、すなわちエンタテイメントの3事業が、全体の6割を占めています。

一時期、かなり低迷していたソニーが、ここ数年、順調に業績を伸ばしています。この号外では、「なぜ、ソニーが好調なのか?」を深掘りして、ソニーの動きから、今必要なビジネスモデルについて、考えていきましょう。

昔のソニーといえば…

もともとのソニーはといえば、オーディオやビデオ機器などの、電子機器の製造から始まったこともあり、AV製品メーカーのイメージでした。古い話で恐縮ですが、私が中学生の頃は、ラジカセ全盛期でした。その頃は、お年玉を貯めて買ったのは、ナショナル(今のパナソニック)の、クーガーというシリーズでした。ラジカセのてっぺんに、三百六十度回転できる、「ジャイロ」というアンテナがついている、かっこいいデザインだったのを覚えています。

それと比べて、私がソニーのラジカセに持っていたイメージは、「ぼてっとした見た目で、他のラジカセと、そんなに変わらないラジカセ」という感覚でした。あのスティーブ・ジョブズはソニーが好きで、日本に来た時は会社や工場を訪ねた、という逸話も聞いたことがありますが、1970年前半くらいまでのソニーは、「カッコいいブランド」ではなかったと、“私”は記憶しています。

そのソニーのイメージを一新したのは、ウォークマンでした。1979年にウオークマンが出た時に、私は大学生くらいでした。当時好きだった、レッドツェッペリンや、キングクリムゾンのロックを、家の外で聞けるなんて!と衝撃を覚えました。バイトしてお金を貯めたものでした。

それ以降、パソコン事業でのVAIOシリーズも、少し高いですが、デザインがカッコよく、画期的なパソコンだったことを鮮明に覚えています。考えてみると、この辺りまでのソニーといえば、画期的な製品を生み出す企業、デザインに優れた家電メーカーというイメージがありました。

一方で、そのメーカーとしての製品も、市場で話題になることも減り、業績も落ちたことがあり、ファンだった私は残念だな、と感じていましたが、その落ち込みの分を、ゲームや音楽のエンタメ分野で補っていました。

日本のリーダーと思えぬ覚悟の欠如。菅総理「発言の軽さ」の正体

11都府県に発出されている緊急事態宣言ですが、政府が期待する「自粛の徹底」はなされず、前回ほどの人出の減少には至っていないようです。これを「当たり前」と見ているのは、メルマガ『8人ばなし』著者の山崎勝義さん。菅総理を始めとするリーダーたちが使う「自粛」がらみの言葉の曖昧さや矛盾を明解に指摘し、故に国民が混乱していると解説。混乱させないために分かりやすく「禁止」と言えないのは、一国のリーダーたる総理に「覚悟」がないからとダメ出しをしています。

コロナ禍で気になる政府の「言い方」について

今回の緊急事態宣言下においては前回ほどの人流減少は見られないと言う。当たり前だ。こんな分かりづらいメッセージはないからだ。常識からすれば、現在の事態が前回よりも悪い場合、より厳しい制限が掛かって然るべきである。にもかかわらず全体的には明らかに前回より緩くなっている。当然、それを受け取る側は混乱する。油断ではない、混乱なのである。混乱状態の時、人間はしばしば現状維持的行動をとる。判断の保留である。その結果が宣言前後でさして変わらない現状ということである。

本来、指示にしろ、命令にしろ、その対象者が広範囲に及べば及ぶほどその内容は単純明快なものとならなければならない。その辺のところは一部の専門家を対象とするような法令とは全く違う。件の宣言のように全国民あるいは全都府県民を対象とする場合においては、誰の目から見ても一目瞭然、といった程度には単純化しなければおよそ即効性は見込めない。

例えば、目下の緊急事態宣言には「不要不急の外出や移動を自粛。特に20時以降の外出自粛を徹底」といった項目がある。蓋し、こんな訳の分からない言い方はない。前半の「不要不急の外出や移動を自粛」は分かる。また後半の「20時以降の外出自粛」も分かる。が、両者を合わせた途端に何が言いたいのかよく分からなくなるのである。

そもそも20時を境に突如として必要性や緊急性の度合いが高くなったり低くなったりすることなど余程特殊な場合を想定しない限りはあり得ない。19時に不要不急なものは21時になってもやはり不要不急な筈である。ということは、19時に自粛すべきものは21時でも同じく自粛すべきなのである。

ところが「20時」と時間を明示したために門限効果のようなものが生まれ、21時には許されないことも19時なら許される、という極めて自然な解釈を成り行き上許すことになってしまったのである。少なくとも「特に」「徹底」という語用によって明らかに20時以降の厳しさの方が強調されているのは確かで、それにより20時前は相対的に緩く感じられるということは間違いない。

そもそも「自粛の徹底」という言い回し自体が既にして矛盾概念である。例えば「自習の徹底」とあれば、それは生徒に向けられたものではなく管理者たる教師にむけられたものと見るのが自然であろう。では「(国民に)自粛を徹底(させる)」管理者とは何か。ここに代入可能なものは何らかの官権しかあり得ない。よって普通はそれを強制と呼ぶ。先の文言も「不要不急の外出や移動を自粛。特に20時以降の外出は禁止」なら遙かに分かり易い。

コロナ禍だから役立つ。「孫子の兵法」を経営の参考に活かす方法

コロナ禍にあって、多くの経営者が苦戦を強いられています。現在の状況はしばしば戦時下に例えられますが、そんな今だからこそ「兵法書」が役立つのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では著者で経営コンサルタントの梅本泰則さんが、経営に役立つ「孫氏」の言葉の数々を取り上げ、丁寧に解説しています。

孫子に学ぶ経営

古来より日本では中国の古典がよく読まれています。特に政治にたずさわる人たちの参考書になってきました。現代では、愛読書としている経営者も多いです。そこで、今回はその古典の中から孫子の言葉を取り上げてみることにしました。

五つの重要項目

「孫子」は、多くの歴史上の人物が参考にしてきた書物です。現代でも、「孫子」を参考にしている経営者が数多くいます。そこで、このコロナ禍で社会や企業が揺らいでいる今、孫子の言葉を経営の参考にしてみてはいかがでしょう。いくつかの言葉を拾ってみます。

まず最初にあげる言葉は、

一に曰(いわ)く道、二に曰く天、三に曰く地、四に曰く将、五に曰く法
(始計篇 第一)

戦いに勝つには、五つの重要項目がある。それが道(理念)、天(自然環境)、地(立地条件)、将(リーダー)、法(システム)である、という意味です。

この言葉は、経営の重要な要素を表していると言っていいでしょう。

特に一番重要なのが「道」とあります。孫子によれば、「道」とは「民をして意を上と同じくさせるもの」です。つまり、会社のすすむべき方向を社員と一致させることが「道」だと言っています。つまり、これは「理念」のことです。「道」を一番に持ってくる孫子は凄いと思いませんか。だから、経営者には腹に落ちる書物なのです。

「道」の次には、「天」や「地」といった環境条件があげられています。経営においても外部環境を有利に活用することは、重要なことです。その次は「将」。経営者やリーダーですね。この能力しだいで、戦いに勝つことも負けることもあります。そして、この五つの中には「兵」つまり「社員」は出てきません。あくまでも、会社は経営者次第だと言っています。厳しいですね。

最後にあがっているのが「法」。これは「法律」のことではありません。組織やルールやシステムなど、管理のことを言っています。つまり、経営管理のことですね。さらに、この言葉の前には「計るに五事をもってし、これを校(くら)ぶるに計をもってし、その情をもとむ」とあります。つまり、経営計画を立てるときには、この五つのことを重視し、しっかりと情報分析せよ、ということです。まずは、この五つが大事なことを押さえておきましょう。

孫子とSWOT分析

次に紹介する言葉は、

彼を知りて己を知れば勝、すなわち殆(あや)うからず。
天を知りて地を知れば勝、すなわち全(まっと)うすべし。
(地形篇 第一)

孫子の中で最も有名な言葉に、

彼を知りて己を知れば、百戦するも殆うからす
(謀攻篇第三)

があります。しかし、地形篇の言葉では「彼」と「己」のことだけでなく、「天」と「地」を知ることが重要だと言っているのです。「天」と「地」は、最初にあげた「五事」のことです。

実はこの言葉が意味することは、現代の経営で言えば、「SWOT分析」に当たります。つまり、自社を取り巻く世の中の変化や競合相手、顧客の分析をし、そこにおけるチャンスやリスクを明らかにすると同時に自社の強みや弱みを明らかにするのがSWOT分析です。まさに孫子はSWOT分析の重要性を説いています。2,500年前にこのようなことが言われていたとは驚きです。

孫子では、こうした根本的な言葉と共に、具体的な内容も数多く出てきます。元来は戦略の書物ですから、戦略に関する言葉も拾ってみましょう。

凡(およ)そ戦いは正を以って合い、奇を以って勝つ
(兵勢篇第五)

まずは正攻法で相手に当たり、その後で意表をつく戦法を組み合わせて戦えば勝てる、ということです。最初は定石どおりに戦え、ということでしょう。もちろん、定石を知っていることが必要です。

「奇」というのは、相手の弱点をついたり、相手の関心のない分野に進出したり、今まで行われていない方法で攻めるといったことです。これもSWOT分析で世の中の流れを見ることで、「奇」が見えてきます。

業績不振のどん底エステーを「消臭ポット」で救った破天荒秘話

ユニークな商品名やCMで消費者の心を掴んで離さないエステー。しかし同社は一時期、深刻な業績不振に陥っていました。そんなエステーを立て直したのが、現在会長を務める鈴木喬氏。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では鈴木氏本人が、いかにして窮状を脱したかを語っています。

エステー会長が明かす「消臭力」誕生秘話

業績不振に陥っていたエステーを立て直し、今日の発展の基礎を築いた会長の鈴木喬氏。CMでもお馴染みの「消臭力」などのヒット商品はどのようにして生まれたのでしょうか。破天荒だったというご自身の歩みを交えて語っていただいた誕生秘話の一部をご紹介します。


兄に請われる形でエステーに入社したのは1985年、51歳の時だった。エステーでも自己流のスタイルを押し通したため、反対者は多かった。しかし、バブル崩壊後の業績不振を立て直すためには、あの“とんでもない奴”に任せるしかないと社内の意見がまとまり、63歳で社長になった。

以降、有無を言わせず、会社に大きくメスを入れてきた。役員を半減させた他、860種あった商品を280に絞り、工場も2ヶ所閉鎖するなど、筋肉質の会社にするため、思い切った決断をした。生き残りをかけて、年間60種出していた新商品を一つに絞り込み、経営資源を一点集中させた。そうして誕生したのが「消臭ポット」である。

当初反対意見ばかりで、誰もが1千万個という年間販売目標を信じなかったが、一点集中という戦略が時代に合致し見事達成。異例の大ヒットとなって、会社は窮状を脱した。

その後発売した「消臭力」、特に冷蔵庫の脱臭剤「脱臭炭」やお米の虫よけ「米唐番」といった新商品はおかげさまで現在8割のシェアを占めている。最後発で市場に参入したエステーがそれを成し遂げられたのは、選択と集中ができていたからだろう。経営者の仕事とは、畢竟「決断」だ。加えて大切なのは「運と勘と度胸」、ドシッと肚を据えること。ちょっと図太いほうが、何事もうまくいく。

ひと昔前には「盲蛇に怖じず」と言ったように、無知ゆえに恐れを知らず、常識に囚われることなく突き進むことができた。いろんな修羅場を潜り抜けた経験があれば、勘も度胸も磨かれる。

とにかく僕がいつも言うのは、最悪の場合を考えろということだ。仕事に失敗したからといって、命までは取られない。会社に勤めていたら、命どころか給料がなくなる心配もない。そう思えば、気楽なものだ。失敗したって首の皮一枚で繋がる。いけしゃあしゃあと厚かましく生きればいい。

※ 『致知』2月号「20代をどう生きるか」より


メルマガが本になりました!新刊のご紹介 

cc20201202-s1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書
(致知出版社 刊)
致知出版社の「人間力メルマガ」』が一冊の本になりました。
日本が誇る超一流の方々の名言集、好評発売中!

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トランプ唯一の遺産。バイデン新大統領は「反中」を引き継げるのか

米現地時間1月20日に任期満了を迎えるトランプ大統領。世界中に様々な混乱をもたらしたことは事実ですが、その対中政策については評価されるべきという声もあります。今回の無料メルマガ『日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信』では株式会社オンザボード代表の和田憲治さんが、トランプ政権の要人たちが示してきた中国に対する危惧や懸念を改めて紹介しています。

盗みと嘘が平気な文化

和田です。

マイク・ペンス米国副大統領は、2018年に保守系シンクタンクのハドソン研究所で、事実上宣戦布告ともとれる演説を行いました。

改めて、注目すべきポイントは以下です。

  1. 中国がアメリカから強制技術移転や知財窃盗を繰り返してきたこと
  2. 中国の国有企業への補助金などの不当な政策で無尽蔵に国策で関与する中国企業に対抗するなら、米国企業が公平なビジネス競争ができないと指摘
  3. 中国は政府一体で政治・経済・軍事力やプロパガンダを用いて米国に影響を及ぼし、米国の政策・政治に影響力を行使している

米国の歴代政権は中国の行動を見過ごし、ほぼ加担している…と言っても過言ではない状況でした。

しかし、ペンス副大統領は「そのような(中国を野放しにする)時代は終わった」と述べ、それらに対して毅然と対応していくと主張しました。経済・軍事・外交などの各分野で中国を全面的に批判したのです。

中国には、国外にいる中国人を動かせる「国防動員法」という法律がありますが、これにより、どんなに倫理性の高い中国人であっても、本国である中国からのコントロールによって急に情報や技術の窃盗などのスパイ行為を始める可能性があるわけです。

日本など、各自の居住国の法律より、中国本土の法律のほうを優先させるということですから、これは非常に危険です。

なので、2018年の「ペンス演説」の結論は「中国はアメリカから知的財産を盗みまくったしそれを止めろ言っても止めない。ならば、その元凶である中国共産党を潰さないといけない」となったわけです。

その後、ペンス副大統領は、2019年にもワシントンの政府系シンクタンクで演説を行い自国企業が中国側の報復を恐れ忖度することで自由競争が損なわれていることなどを加えました。

加えて、マイク・ポンペオ国務長官が2020年に、カリフォルニア州のニクソン大統領記念図書館にて「共産主義の中国と自由世界の未来」と題した演説を行いました。

「私たちが共産主義の中国を変えなければ、彼らが私たちを変える」
「習近平氏は全体主義イデオロギーの信奉者」
「もはや米中両国の根本的な政治的、イデオロギー上の違いを無視できない」

そして、「もはや(中国を)普通の国として扱うことはできない」とまで言い切りました。中国の国家主席を名指しで批判したのですこれでは、米中両国が友好国家に戻るようなことはもはやことはないだろう…と言わざるを得ません。

1970年代の米中国交正常化を主導したリチャード・ニクソン元大統領が晩年抱いた「我々は中国というフランケンシュタインを造ってしまったのかもしれない」という危惧が現実のものとなりました。

NHK「受信料値下げ」の大嘘。改正案に盛り込まれた逃げ道と罰則

NHKが集めた受信料の「繰越剰余金」(一般企業で言う「内部留保」)を活用する内容を含む法案が、2月下旬にも通常国会に提出されるようです。しかし、その剰余金に関する新制度には「不当に支払いを逃れる人に割増金を課す制度」が含まれており、受信料を拒否している人に大きな影響があると指摘するのは、メルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』の著者でジャーナリストの内田誠さん。内田さんは読売新聞が掲載した小さな記事をきっかけに、ここ1年でNHK「繰越剰余金」について書かれた記事を検索・分析し、NHKの腐った組織体質も炙り出しています。

NHK受信料の「繰越剰余金」について新聞はどう報じてきたか?

きょうは《読売》です。

2面に、NHKの繰越剰余金についての小さい記事が見つかりました。「繰越剰余金」で《読売》のこの1年の紙面掲載記事を拾うと、9件ありました。

ということで、きょうは「繰越剰余金」です。まずは2面記事の見出しから。

NHK剰余金 活用制度新設
総務省報告書 受信料下げ原資に

総務省の有識者会議「公共放送の在り方に関する検討分科会」がまとめたNHK改革に関する報告書が公表された。

受信料引き下げに、一般企業の「内部留保」にあたる「繰越剰余金」を活用する新制度導入が改革の柱で、政府はこの点を中心にした放送法改正案を2月下旬にも通常国会に提出する。剰余金が一定水準を超える場合、値下げの原資として積み立てる新制度を提示。積立金が積み上がっても値下げをしない場合には、国民への説明責任を果たすよう求めるとした。

併せて、テレビを設置しながら受信契約を結ばず、「不当に支払いを逃れる人に割増金を課す制度」の導入も盛り込んだ。

●uttiiの眼

繰越剰余金はNHK問題の焦点の1つ。20年度末で残高は1450億円になると見込まれている。これを値下げ原資の会計に一定の算式に従って移管していき、ある水準を超えたところで半自動的に受信料を値下げするという仕掛けを作ろうということのようだ。しかし、「積立金が蓄積されているにもかかわらず、受信料の引下げを実施しない場合には、国民・視聴者に対してその理由について説明責任を果たすべきである」という逃げ道も作られている。これでは、本当に値下げが実現するのか、分からない。

「不当に支払いを逃れる人に割増金を課す制度」が作られれば、受信料払いを拒否している人に対するプレッシャーは一段と強まることになるだろう。

竹内涼真「ウーバーに激ギレ」で暴かれた本性。素行不良&新ドラマ爆死で芸能界から消滅も?

今月17日からスタートしたドラマ『君と世界が終わる日に』(日本テレビ系)に主演している、俳優の竹内涼真(27)。2020年のCM出稿本数は10社で、ベスト5までを独占した嵐のメンバーに次ぐ男性タレント6位。絶好調に見える竹内だが、その一方で次々と“素行不良”が明らかとなり、芸能界から干されかねないピンチを迎えている。

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「ウーバーの野郎」届いたホットドックを見て激ギレ

竹内は19日、ドラマ撮影中の合間にインスタライブを行った。手や顔に血糊をつけながらトークをしていたところにウーバーイーツが到着。ホットドッグを頼んでいたようで、嬉しそうに商品を出そうとすると、そこに悲劇が待っていた。

「ちょっと待てよ…」

楽しみに待っていたホットドッグはぐちゃぐちゃ。想像していたものとは違うホットドッグの姿に、竹内は思わず本音をこぼす。

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「これ絶対コケただろ。ふざけんなよ。本当にすごいんだけど。ホットドッグに見えない」「ベチョベチョじゃねーか」「どうやって持ってきたんだよ」と激ギレ。

崩れてしまっていたホットドッグを見て怒りをあらわにした。

「ウーバーの野郎…」と語気を強めるものの、インスタライブだったことを思い出したのか、「絶対にウーバーの人、途中ゾンビに追っかけられただろ」と冗談めかして取りつくろった。

ホットドッグの姿を残念がりながらも食べ進め、「味はうまい。命がけで持ってきてくれたんだな」「ありがとうウーバー」とフォローを入れたものの、思わず出てしまった本性を多くの人たちに晒してしまった竹内。

届いた商品がぐちゃぐちゃであれば怒るのは仕方ない。しかし、そこは芸能人。ましてやインスタライブ中。竹内には大人の対応が必要だったと言えるだろう。

ドラマ『君と世界が終わる日に』の初回放送の視聴率が8.4%と爆死状態。

生き血を求めて人間を食らうゾンビたちがはびこる終末世界を舞台にした、サバイバルラブストーリーだが、視聴者からは「ゾンビのクオリティーが低すぎる」「色んなゾンビものをパクっただけのドラマ」「コントかよ」「ストーリーがひどい」「もう次は見ない」と酷評が相次いだ。

もしかしたら、初回視聴率が低すぎて、竹内の機嫌が悪かったところに、ぐちゃぐちゃホットドッグが届いてしまったのかもしれない。

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女性トラブルが多い竹内涼真の“ゲス”っぷり

ドラマにCMにと活躍する竹内だが、その一方で素行不良が次々と明らかになっている。

中でも竹内のイメージをガタ落ちさせてしまったのが女性問題。恋人を“ポイ捨て”した事実が明らかとなり、多くの女性ファンが離れてしまったのだ。

かつて東京ヴェルディのユースチームに所属していた竹内は、身長185センチとモデル顔負けのスタイル。当然ながら女性からはかなりモテる。

2018年12月に報じられたのが、転職サイト『ビズリーチ』のCMで話題となった女優の吉谷彩子(29)。竹内より2歳年上だが、TBS系ドラマ『陸王』での共演をきっかけに交際を始めた。

竹内と吉谷は約3年にわたって交際したものの、昨年4月に破局。ただ別れただけなら批判を受けることはなかったが、「竹内が一方的に吉谷に別れを告げ、自宅マンションから彼女を追い出した」とFRIDAYに報じられてしまう(その後、竹内が返金した模様)。

しかも、吉谷が立て替えていたという100万円の生活費も竹内が返金していないという金銭トラブルも発覚。竹内の“ゲス”な一面ばかりがクローズアップされてしまった。

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吉谷を追い出した後、竹内は身長171センチ、股下85cmのスレンダー美人女優の三吉彩花(24)との交際をスタート。関係は現在も続いているとみられる。

ちなみに、1月から放送されている新しい『ビズリーチ』のCMは、皮肉にも“ゾンビもの”。大量のゾンビが迫り来るサバイバルの世界で、吉谷が力強く立ち上がるという内容だ。ただの偶然かもしれないが、自分をポイ捨てした竹内涼真への“当てつけ”に思えてならない。

河野大臣がNHKの“デタラメ”ワクチン報道に抗議!? マイナンバーひも付け案も浮上し接種のゆくえ混沌

政府は一般の国民に対する新型コロナウイルスのワクチンについて、先行接種の対象以外の人は早ければ5月からの接種を目指す方針を固めた。読売新聞などが報じた。ワクチン接種をめぐっては、平井卓也デジタル改革担当相が「マイナンバーとひも付けておけば、間違いが起きない」と発言。一方、ワクチン接種担当となった河野太郎行革担当相がNHKが報じたスケジュールを否定するなど、混乱も起きている。

河野大臣がNHKのワクチン接種スケジュールを否定

河野氏が担当大臣に任命され、いよいよ動き出した新型コロナウイルスのワクチン接種。できるだけ早い時期の接種開始が望まれる中、河野氏は「国民が安全で有効なワクチンを一人でも多く、一日でも早く接種できるよう全力を尽くす」と語っている。

そんな河野氏が20日午前7時過ぎに投稿した自身のツイッターの中で、「うあー、NHK、勝手にワクチン接種のスケジュールを作らないでくれ。デタラメだぞ。」とコメントし、NHKが報じたスケジュールの誤りを指摘した。

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NHKは厚生労働省が作成した新型コロナワクチン接種のスケジュールをもとに報じたとみられ、

  • 【2月下旬めど】 1万人の医療従事者
  • 【3月中旬めど】 300万人の医療従事者
  • 【3月下旬めど】 高齢者
  • 【4月以降~】  基礎疾患のある人を優先して順次

というスケジュールになっていた。

河野氏のツイッターを受け、立憲民主党の原口一博氏は「厚労省で進めてきたスケジュールではないの? 誰の説明を信じて計画を練ればいいのか?」と反応。

厚生労働省の資料によると、「新型コロナワクチンの接種体制の構築(スケジュールのイメージ)」と書かれており、NHKが報じたスケジュールで確定したわけではないとみられる。

いずれにせよ、早期のワクチン接種を目指していることから関係省庁で混乱が生じているようだ。

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平井大臣「ワクチン接種はマイナンバーとひも付けを」

一方、平井卓也デジタル改革担当相は19日、閣議後の記者会見で「マイナンバーとひも付けておけば、間違いが起きない」と発言。

2回目の接種の際に引っ越しなどで住所が変わっても把握がスムーズだと指摘し、「今回使わなくていつ使うんだと私自身思っている。使わないのははっきり言って不作為だ」と強く主張した。朝日新聞などが報じた。

国はワクチン接種は全額国費で接種できるようにする方針で、公的医療保険の健康保険証が使われることはない。そのため、実際に接種を行う現場で混乱が起きることなどが予想される。

マイナンバーは個人を特定する唯一の番号で、それにワクチンをひも付ければ余計な問題や間違いが減るということが平井氏の考えだ。

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平井氏は河野氏に全力で協力するとした上で、このマイナンバーひも付け案を提言することを明かし、内閣官房IT総合戦略室などの職員を河野氏の下に派遣することも検討するとした。