NY在住コンサルお勧め。新型コロナ支援策は各省庁HPで確認を

新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、各国がさまざまな救済・支援策を打ち出しています。2兆ドル、日本円で220兆の景気刺激策をまとめたアメリカニューヨーク在住のりばてぃさんから日本を見ると、伝わってくる支援策の貧弱さや、実効性のありそうな対策の周知状況への心配が募るようです。今回の『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』では、読者に向けて、中身のない絵空事を繰り返す安倍首相の会見を見るよりも、各省庁の支援策をしっかり確認することが大切だと伝えています。

パンデミックで大きく変化するビジネスの形

新型コロナウイルスに関して、想定以上に大変なことになってきた。これまでもこのメルマガやブログ、ラジオ、専門誌、講演会、各種企業へのレポートなど、様々な機会で情報提供してきたが、これほどまでに日本とアメリカ、さらにはヨーロッパとの意識や対策の差が出たことはなかったのではないかと思うほどの状況になっている。今回のメルマガでは改めてこの問題について書いてみたい。

日本のビジネスや消費トレンドは、アメリカより数年は遅れている印象だ。これは、マーケティング・コンサルタントとして本格的に企業向けにレポートを提供してきた10年間からも実感している。業種によっては5年以上の差があるほどかもしれない。もちろん、逆に日本のほうが進んでいるものもある。だけども、今回のような社会全体を巻き込んだ問題になってくると、日本の対応策や状況はアメリカと比べると、天と地の差がある。

日本でも、「ニューヨークから学んで」とか「日本人はなんで今でも外に出ているの?」などなど海外からの悲痛の訴えが報じらてたり、SNSなどで伝わったりしていると思う。でも、振り返ってみると、新型コロナに関しては日本のほうが感染者が出たのが早かったので、学校を休校にするなど対策は早かった。なのになぜ政府の対策はこれほどまでに遅く、世間一般の認識も危機感がないままなのか?

重症患者数がそこまで出ていないとか、感染者数が他国ほど多くない、もともと非常に清潔な国だ等々、諸説ある。とは言っても、いつニューヨークのような爆発的感染者数増にいるなるかわからない。だってこれまでになかった新型のコロナウイルスなのだから。解明されていないことが多すぎるのである。

仮にもし今後日本国内の感染者数が爆発的に増加せず、アメリカの多くの州が対策としてとっている医療関係者や食品関係などの生活に必要とされるエッセンシャルワーカー(日本語の適切な訳がないけども、わかりやすいのは日常に必須なもの。医療、薬局、食、インフラなどは日常に必須なのでエッセンシャルとなる)以外は100%自宅勤務にならなかったとしても、これだけ欧米社会が経済的にも打撃を受けていると、確実に日本にも余波がくるだろう。

また、おそらくこれがもっとも重要だと思うのだが、自宅待機によっていまアメリカで急速に発展している産業がある。特にオンライン学習やオンライン販売などのオンライン系のコンテンツだ。アメリカはこれまでも世界的にEコマースが進んでいた。Eコマースに限らず、オンライン上のツールは日本よりもずっと多く、また個人に限らず企業の導入も進んでいた。

でもそれでも、Eコマースでの売上より実店舗の売上のほうがずっと多かったし、特に最近は実店舗とEコマースの融合や共存という観点から実店舗の良さを生かした販売方法も人気だった。でも、エッセンシャル・ワーカー以外は100%自宅待機というこの状況では、実店舗は当然閉まっているので、買い物はすべてEコマースになる。買い物だけでなく、芸術系や学習系なども、なるべく物理的に人を介さずに済むような仕組みでどれだけ提供できるかが研究されはじめている。

孫正義氏がマスク100万枚を独自ルートで調達。医療機関へ寄付

ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は4日、自身のツイッターに「マスク100万枚到着しました」と投稿。新型コロナウイルスの感染拡大の防止に役立てるため、政府と連携してマスクが必要な優先度の高い医療機関や介護施設に寄付するとしている。

孫正義氏が独自にマスク100万枚を調達

孫氏は3月12日の自身のツイッターで「やりましょう。マスク100万枚寄付します。 介護施設と開業医へ。 調達の為の発注完了」と投稿。海外の工場に直接発注したことを明らかにしていた。

今月に入ってからは、「緊急事態宣言をすぐに出すべきだと思いますか? 」「もし政府の決定に時間がかかる場合、 東京都で(法的強制力が無くても)独自に 緊急事態宣言を出すべきだと思いますか? 」などと、ツイッターでアンケートを行っていた。

「マスク100万枚到着しました。海外の工場から調達しました」と投稿したのは4日のツイッター。大量の段ボール箱が倉庫に保管されている画像も公開し、「微力で申し訳ないのですが、政府マスクチームと連携して優先度の高い医療機関や介護施設に寄付します」とした。

孫氏は先月、感染の有無を調べる検査の機会を100万人に無償提供するとツイッターで表明したが、医療現場が混乱するとの反対意見が多数寄せられ、代わりにマスクの寄付を表明していた。

緊急事態宣言の対象期間「1ヶ月」検討。日常生活はどう変わる?

安倍首相は、改正特別措置法に基づき「緊急事態宣言」を7日にも発令する意向を固めたと報道各社が報じている。TBSニュースによると、緊急事態宣言を発令した際の対象となる期間は1カ月、対象となる区域は東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、大阪府、兵庫県、福岡県の7都府県を検討しているという。

東京都の小池百合子知事は「都が指定されることを想定して、さまざまな準備に入っている」と明かし、「娯楽施設に特に強く休止を要請する」など具体的な案を提示している。では緊急事態宣言が行なわれた場合、私たちの生活にどういった影響があるのだろうか。緊急事態宣言下の生活への影響をまとめてみた。

緊急事態宣言とは?

新型インフルエンザ等緊急事態宣言は、期間、区域、事案の概要を特定して宣言するもの。宣言された後は、各都道府県知事が具体的な期間や区域を定め、不要不急の外出の自粛要請や施設の使用制限の要請が可能になる。期間や区域は、流行状況などから専門家の意見を踏まえて総合的に判断される。

都市が封鎖された場合の外出は?

中国やヨーロッパ、アメリカなどのように、強制的に罰則を伴う都市の閉鎖は生じない。外出自粛要請が出された際も、医療機関への通院、生活必需品の買い物、必要不可欠な職場への出勤、健康維持のための散歩やジョギングなどの場合は外出が可能である。また、施設の使用制限についても知事から施設に指示ができるようになるだけで、罰則は設けられていない。現時点では保障も強制力もないため、「店舗を休みたくても休めない」「出勤を控えたいが不可能」という状況は変えられないだろう。果たして、緩すぎる自粛を延長し続けることに意味はあるか。国民は疲弊し、経済には大きなダメージを与え続けるだけではないのだろうか。

鉄道各社へ減便の要請も。日常生活への影響は?

産経新聞の取材では、首都圏などの対象区域で鉄道各社に対する減便の要請を検討していることがわかった。当面は平日も土日・祝日のダイヤを運用し、終電の繰り上げも検討するとした。最終的に通常の5割程度まで減らすと想定しているという。対象は新幹線にも及ぶ見通しだ。

これに加え、必要不可欠な職場への出勤などが許可されていることから、海外で行なわれている道路の封鎖や公共交通機関の運行中止などは実施されないことがわかる。よって、食料品やトイレットペーパーなどの生活必需品が届けられないという心配はないだろう。スーパーや薬局などが行政の要請・指示によって閉まるということもないため、日常生活に大きく支障をきたすことはないと考えられる。冷静に判断し、買い占めなどの行動は控えるよう国民で協力していきたい。

J1札幌の全選手が「減給」を提案。ネット「国会議員は?」の声

J1札幌の全28選手がクラブ側に今季の給与減額を申し入れ、減額は総額で1億円弱になるとスポーツ報知が報じた。クラブとしての今季の損失はすでに5億円以上が見込まれていたという。


選手が身を削る

今季のJリーグはすでに3度中断期間の延長が決定している。6月初旬の再開をめざすとしているが、新型コロナウイルスの感染拡大の勢いが止まらず、公式戦再開は不透明なまま。クラブの通年の損失は、1試合あたり数千万円にのぼる入場料や放映権料などがなくなることから、5億円以上になる可能性があるとされており、これを知ったクラブの全選手が今季の給与減額を申し入れたという。

公式ホームページで公開された、宮澤裕樹キャプテンを始めとする札幌の選手たちからのメッセージは以下の通り。

宮澤裕樹キャプテンを始めとした、コンサドーレ選手一同からのメッセージ

私たち北海道コンサドーレ札幌に所属する選手は、北海道への貢献を考えて活動しているクラブに賛同し、日頃のトレーニングはもちろん、地域貢献なども含めて所属選手として活動しています。新型コロナウイルスの影響が大きくなり、改めて様々な方々に支えていただいて、選手活動ができていることを実感しています。

 

同時に、このような状況だからこそ、いつも以上に支え合わなければならないと感じています。新型コロナウイルスによるクラブへの影響も大きくなる現在の状況を鑑み、我々北海道コンサドーレ札幌の選手一同は、クラブに対して支援することを全選手合意のもと、決めました。その先にある北海道への支援につながると考えたからです。

 

現在も公式戦再開のめどが立たず、この状況はしばらく続くかもしれませんが、今後はさらにクラブと一体となり、新型コロナウイルス感染症の危機克服につながるような地域・社会貢献などについても、できることを一つずつ実施していこうと思います。

 

難しい状況ですが、いつも以上に仲間や周囲の人のことを思いやり、コミュニケーションをとり、一人ひとりができることを実践して、みんなで乗り越えていきましょう。

 

北海道コンサドーレ札幌 選手一同

スポーツ報知によると、野々村社長は「北海道やクラブを気にしてくれていることへの感謝をすごく感じた。金銭うんぬんよりも、その気持ちがうれしい」と述べたが、実施するか否かについては明言を避けた。思っていてもなかなか行動に移せない、今回の勇気ある提案。選手と社長の信頼関係とサッカーとクラブに対する熱い思いを感じたのは私だけではないだろう。

イタリアのユベントスも選手側の発案により、全選手・監督の3~6月分の給与をカット。ポルトガル代表FWのC・ロナウドは、なんと約4億5600万円がカットになるという。イングランドのマンチェスターUも選手側の提案により、中断期間中の選手の給与の3割を地元で新型コロナウイルスの治療にあたる病院や医療サービスに寄付するとしている。

国家公務員や地方公務員の給与カット

Newsweekによると、約9%という高い死亡率を出しているインドネシアでは、国家公務員や地方公務員が「帰省禁止」や「給与カット」などの対策を取っている。西ジャワ州のリドワン・カミル知事は「新型コロナウイルス対策に回す財源を確保するため」として、州の地方公務員の給与を今後4カ月間一律カットすると明かした。これに対して、公務員だけが対象となっていることへの不満の声と、「税金で仕事をしている以上当然」「民間企業と違い、解雇に追い込まれる心配はない。恵まれている」という声で世論は二分しているという。

ディカプリオが新型コロナで12億超の食料支援表明に称賛の声

米俳優レオナルド・ディカプリオ(45)が、新型コロナウイルスの影響で失業したり、休校で給食が食べられなくなった子供たちや高齢者に食料を提供する支援に乗り出したと日刊スポーツVOGUE JAPANが伝えている。その額はなんと1200万ドル(約12億6000万円)。さすがレオ様、スケールが違う。

レオナルド・ディカプリオが12億円超を支援

日本時間の5日午前4時の時点で、新型コロナウイルスの感染者が32万人、死亡者が9000人を超えているアメリカ。特にニューヨーク州では感染拡大が止まらず、クオモ知事は5日の記者会見で、「われわれは流行のピークにさしかかっている可能性がある」と述べている。

また、ニューヨーク州以外でも感染が広がっていて、中西部ミシガン州で1万4000人を超え、南部ルイジアナ州やフロリダ州でもそれぞれ1万2000人を上回り、全土で人工呼吸器やマスク、それに医療用のガウンなどの不足が懸念されている。

そんな中、レオ様が支援に乗り出した。

ディカプリオはアップルの共同創設者の1人だったスティーブ・ジョブズ氏の妻ローレン・パウエル・ジョブズさんと共に設立した基金で、慈善団体に1200万ドル(約12億6000万円)の支援を表明。「最前線で休みなく活動する方々に感謝します。できる限りの協力を必要としています」とコメントしている。

米USウイークリー誌によると、ディカプリオは現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響で自宅待機命令が発令された米ロサンゼルスの自宅で、23歳年下の恋人でモデルのカミラ・モローネ(22)と一緒に自主隔離している。2人は自宅にこもってひっそりと暮らしているが、一緒に過ごす時間を楽しんでいるという。

米国のマスク「強奪」に非難殺到。世界でマスク争奪戦が勃発か?

依然として猛威をふるう新型コロナウイルス。感染防止策のひとつとして効果が期待されている「マスク」だが、各国で品薄状態が続いている。現在、世界では熾烈な「マスク争奪戦」が繰り広げられており、アメリカはドイツやフランスのマスクを、イタリアはドイツのマスクを、ドイツはスイスのマスクを「奪った」と、共同通信時事通信など各メディアが報じている。



熾烈なマスク争奪戦

イタリアは中国から輸送中のマスク83万枚を、スイスは中国から輸送中の24万枚をドイツに押収された。しかしこのドイツは、ベルリン警察が発注した20万枚のマスクが経由地であるタイ・バンコクの空港で奪われたという。ベルリン市はアメリカが関与したと主張し「現代の海賊行為だ」と批難。アメリカがマスクを持ち去り、バンコクからアメリカに運んだと報じられている。フランスでも中国に発注していたマスクが発送直前に、空港で外国人業者に買い取られていた。フランス東部の自治体責任者は「空港でアメリカ人が、われわれの3、4倍の値段を現金で払い、持ち去った」と証言している。アメリカは、他国向けマスクの横取り行為を否定しているが、国土安全保障省当局者は「十分な数を確保できるまで購入を続ける」としているという。

トランプ氏「他国の人に渡したくない」

アメリカ政府はマスクや手袋、防護服などの買い占めや価格つり上げを防ぐため、不当な輸出停止を命じた。時事通信によると、カナダや南アメリカ向けの輸出中止を求めたことについて、カナダのトルドー首相は「重要な物資やサービスの往来を止めるのは間違っている」と反発しているが、トランプ氏は「われわれにはマスクが必要だ。他(国)の人々に渡したくない」と述べた。

「緊急事態宣言」早くて7日に表明へ。東京含む首都圏などが対象

安倍晋三首相は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、緊急事態宣言に踏み切る意向を固めた。諮問委員会に諮り、専門家の意見を仰いだうえで、6日にも表明し、早ければ7日に宣言する見通し。宣言が出されれば初めてとなる。

早ければ7日にも緊急事態宣言を発令

首相は6日に専門家ら16人で構成する「基本的対処方針等諮問委員会」を招集し、緊急事態の要件に該当するかどうかを諮問する。その後に政府対策本部を開き、緊急事態宣言に向けて本格的な準備に入る意向を表明する方向で調整している。7日か8日に宣言を発出する見通し。対象地域は首都圏に加え、大阪府や兵庫県も候補に挙がっている。

緊急事態宣言は政府対策本部の本部長を務める首相が、都道府県を単位とする区域や実施期間などを示して出すと、特措法で定められている。該当地域の都道府県知事が、感染拡大防止などで必要と判断すれば、住民への不要不急の外出の自粛要請や、施設の使用停止、イベントの開催制限の要請・指示などの措置をとることができる。

東京都内ではここ数日、感染者数が急増しており、5日は143人が新たに確認され、累計で1033人に達した。東京以外の首都圏や大阪などでも増加傾向が顕著になっており、首相は緊急事態を宣言しなければ国民生活や経済に甚大な影響を及ぼすと判断したとみられる。

首相は宣言に合わせて国民向けに記者会見し、感染防止に向けた行動を取るよう呼びかける。新型コロナを加える改正法が3月に国会で成立し、施行されていた。同法に基づく実際の宣言は初めてとなる。

新型コロナの裏で世界を脅威に陥れている「もう一つのウイルス」

とどまるところを知らない新型コロナウイルスの感染拡大ですが、その裏で深刻な事態が起きているようです。元国連紛争調停官で国際交渉人の島田久仁彦さんは今回、自身のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』で、我々の生活を脅かす「もう一つのウイルス」の存在を明かすとともに、そのウイルスが世界に与える影響を考察しています。

 

コロナウイルスの蔓延が引き起こす国際情勢への大きな挑戦

「ここ数日で世界の感染者は100万人を超え、それにつれ、急速に死者の数も増えるだろう」

4月2日、テドロスWHO事務局長はショッキングな見通しを世界に発信しました。

また、あの強気のトランプ大統領も「仮に対策がフルに実施されたとしてもアメリカ国内で10万人強の死者を覚悟しないといけないだろう。対策が取られなければ200万人規模の死者が出る可能性がある」と発言し、「国内の収束は早くとも6月を目指す」と発言しています。米国CDCの予測では、このままのペースで感染が広がり、対策を講じてもそのスピードをスローダウンできない場合、24万人ほどの死者が出ると発表しています。確実にCOVID-19のoutbreakの震源地(epicenter)はアジアから欧州、そして今やアメリカに移ってきていることが分かります。

それに加えて、日本ではあまり報じられませんが、アフリカでも感染拡大は止まらず、テドロス事務局長の出身国エチオピアでも感染の爆発が始まりました。世界が武漢でのコロナウイルスの蔓延で混乱する中、バッタの大群に襲われ、主要産業である農業に甚大なダメージを受けたエチオピアですが、今やコロナウイルスがトドメを刺しに来ています。それはエチオピアの近隣国であるエジプト、ケニア、ジブチなども然りです。皮肉なことにこれらのアフリカ諸国は、今回のコロナウイルス蔓延のスタートとなった中国と密接な関係にあり、今、その中国が支援に乗り出そうとしていますが、当該国がコロナのイメージもあるのでしょうか。その支援に難色を示しています。

同地域は、実はアメリカもグローバルテロ対策の前線基地として戦略上、重要視しているエリアですが、このコロナウイルス蔓延の最中にも、このエリアで米中の争いが激化しています。

しかし、その綱引きにおいても、アメリカはこれまでに例がないほど、コロナウイルス蔓延とその対応によって力を削がれている現状では、不利な戦いを強いられているようです。エチオピア・ジブチに設置されているとされるCIAのBlack Siteでも、コロナウイルスの感染が確認され、北アフリカと中東地域をカバーする対テロ対策が事実上マヒしており、シリア、イラン、イラクなどに対する抑えが効いていないという情報があります。

つまり、これまでにお話ししたISの再興や、ロシアの中東地域における勢力拡大を、期せずして後押ししてしまっているというようにも解釈できる状況になっています。

逆に“表面上”は「コロナウイルスの感染拡大を食い止めた」と発表している中国は、その言葉を裏付けるかのようにアフリカ、ラテンアメリカ地域、そして中東欧への影響力拡大路線を再開しています。このエチオピアを核とする東アフリカの経済圏においても、反対に直面しつつも、勢力を再拡大し、ロシアと進める国家経済主義圏への取り込みを再開しています。周辺国の経済インフラをすべて握るという中国の野心は、アメリカの影響力の弱体化の影で再燃しており、当該国からの反発は買いつつも、実現に向けて進められています。

同様のことが、そこにロシアをプレイヤーに加えると、ラテンアメリカ・カリブ海諸国地域でも起こっています。ベネズエラはデフォルト寸前と言われてしばらく経ちますが、ロシアが全面的に支援に入り、見返りにベネズエラの油田の権益を得るとの情報が入ってきました。

これは何を意味するかというと、原油価格に関するチキンレースにおいて、サウジアラビアとアメリカに対しての競争力優位を得る可能性です。この地域は歴史上、“アメリカの裏庭”と国際政治上呼ばれているように、アメリカ合衆国の影響力が非常に強いエリアですが、そのバランスが、キューバ危機以来、脅かされようとしているといえるかもしれません。

新型コロナの逆境に抗う、オリエンタルランドの収益力と資金力

新型コロナウイルスの蔓延で、我々の生活や仕事が大きく狂わされてしまっています。特に、インバウンド需要の恩恵を受けていた観光事業、宿泊業を中心に、多くの業界で甚大な影響を受けています。テーマパーク業界最大手の東京ディズニーリゾートも、政府からのイベント自粛要請を受け、臨時休園を余儀なくされました。臨時休園によって、東京ディズニーリゾートを運営する「オリエンタルランド」の業績は、一体どの程度の影響が及んでしまうのでしょうか。通常営業ができない非常事態に、いつまで耐えうることができるのでしょうか。決算数値をもとに、オリエンタルランドの現状と今後について、詳しく分析してみたいと思います。

プロフィール:川口宏之(かわぐち・ひろゆき)
公認会計士。国内大手監査法人である監査法人トーマツにて、上場企業の会計監査業務に従事。その後、証券会社、ITベンチャー企業の取締役兼CFOを経て、会計専門のコンサルタントに転身。現在は、会計を分かりやすく伝える研修・セミナー講師として活動する。『経営や会計のことはよくわかりませんが、儲かっている会社を教えてください!』(ダイヤモンド社)など著書多数。

足元の業績は非常に堅調

まず、過去5年間の業績の推移を見てみましょう。売上高も営業利益も堅調に推移しており、オリエンタルランドの好調ぶりがうかがえます。特に2019年3月期はディズニー開園35周年という節目の年だったので、前の年と比べて売上高は109.7%、営業利益は117.2%という成長を見せました。2020年3月期は、35周年特需の反動で減収減益の業績予想をしていますが、押し並べて見れば順調な右肩上がり成長といえるでしょう。

オリエンタルランド_図1

オリエンタルランドは、テーマパーク事業とホテル事業にセグメント区分されており、テーマパーク事業の売上が全体の8割以上を占めるため、テーマパーク事業を中心に話を進めます。

売上高を構成するものは、単価と入園者数です。まず、単価については、徐々にチケット料金の値上げをしており、4月からは大人の1日チケット料金を7500円から8200円にまで値上げすることが決まっています。5年前と比べるとおよそ1.2倍ですので、デフレなどどこ吹く風です。

一方、年間入園者数については、安定して3000万人をキープしています。通常は、値上げをすれば人数が減少するという、負の相関関係になりますが、あまりそれが見られません。このような価格弾力性の低さは、オリエンタルランドのブランド力を維持向上させるための、たゆまぬ経営努力の賜物でしょう。

オリエンタルランド_図2

そのおかげで、収益力は右肩上がりで上昇しており、2019年3月期の粗利益率は37.9%、営業利益率も24.6%と高水準となっています。

蔡総統も追悼。なぜ多くの台湾人が志村けんさんの死を嘆いたのか

新型コロナウイルスによる肺炎で志村けんさんが亡くなったことは、海外メディアでも報じられていましたが、蔡英文総統が日本語で追悼の言葉を発し、多くのメディアが台湾と志村さんに関わるエピソードを紹介するなど、台湾での受け止めは諸外国とは一線を画すものでした。なぜ台湾の人たちは、日本人と変わらないショックを受けているのでしょうか?メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』の著者で台湾出身の評論家・黄文雄さんが、台湾の民主化の歴史とテレビの関係から、志村さんが台湾人に親しまれていった道筋を伝え、その理由をひも解きます。

【日台】台湾の民主化とともに歩んだ志村けんさん

「台湾人に笑いと元気」 蔡総統、志村けんさん追悼

先週のメルマガでは、志村けんさんが新型コロナウイルスに感染したことが台湾でも大きく報じられたことをお伝えし、その回復を祈念しましたが、残念ながら帰らぬ人となってしまいました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

志村けんさん(台湾では「志村健」と表記)は台湾通でも知られています。よく通っていたという台湾のマッサージ店には、彼の写真が掲げられているほどです。

台湾では1980年代から90年代にかけて志村さんの番組が流され、爆発的な人気となったことから、台湾人にとっても志村さんは非常に認知度が高いのです。蔡英文総統も、日本語で哀悼の意を表しました。そのことは、普段あまり台湾のことを報じない日本のメディアも報道しています。

台湾は1987年に、38年間という世界最長の戒厳令が解かれ、その後の民主化へとつながっていきます。その過程にあるなかで、それまで禁止されていた日本文化が次第に流入していきました。志村さんの番組も、まさにその時期に台湾へ入ってきたわけです。最初は日本で録画した海賊版をケーブルテレビで流すということから始まり、やがて日本のテレビ局と契約を結んで正式に放送されるようになったとのことです。

長らく国民党政府に抑圧されてきた台湾人にとって、日本の文化はひたすら輝かしく、まさに「自由」の象徴でした。とくにお笑いなどは、その最たるものでしょう。

1895年から1945年までの50年間、日本統治下にあった台湾は、日本の影響が強いため、戦後、中国大陸から渡ってきた蒋介石の国民党政府は、日本語や日本文化を禁止しました。そして1947年2月28日の2・28事件(台湾人市民による反政府デモと国民党政府の衝突)をきっかけに、国民党政府による台湾人弾圧(白色テロ)が開始、1948年には戒厳令が発せられ、以後、1987年まで台湾人は国民党政府の抑圧に苦しめられてきたわけです。

それだけに、日本統治時代を過ごした台湾人にとっては日本への郷愁があり、また、その下の世代にはアジアのトップを走る先進国としての憧れがありました。戒厳令が解かれる少し前には、すでに日本の漫画やアニメが海賊版として台湾に入ってきていました。

また、1980年代には台湾でケーブルテレビが次第に普及したことも、水面下で日本文化が広まる一因となりました。山間部が多い台湾では、通常の地上波の電波が届きにくいため、民間業者によるケーブルテレビの設置が進んだのです。

このケーブルテレビについては、放送の自由度が高く、国民党政府の統制外であったため、当初、国民党政府はケーブルテレビを非合法としましたが、すでに戒厳令末期にあった台湾では政府による取り締まりも実効性がなく、むしろどんどんケーブルテレビが発展していったのです。