比マルコス大統領の訪中で見えた、ASEANが米より中国と親和性が高い理由

会見での険しい目つきと強い口調での主張が特徴だった中国報道官、趙立堅氏の左遷やビザ発給一時停止のニュースに、日本の多くのメディアが「戦狼外交」の文字を踊らせました。こうした決めつけるような捉え方が、中国の真の姿を見誤る原因になっていると指摘するのは、多くの中国関連書を執筆している拓殖大学教授の富坂聰さんです。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では、訪中したフィリピンのマルコス大統領との会談で見せた中国の「修正力」に注目。相互内政不干渉を重視し、経済協力を軸に友好関係を深める姿勢は、ASEAN諸国との親和性が高いと解説しています。

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フィリピンのマルコス大統領の訪中から見える中国とASEANの深い関係

中国外交を「戦狼外交」と呼ぶことは、習近平の対外政策を誤解させている。その陰に隠れた中国の強かさをかえって見えなくさせてしまうからだ。

20大(中国共産党第20回全国代表大会)後に「権力を強化」し、「ブレーキ役を排除した」政権の危険性の強調も同じだ。行き着く先は「独裁者の暴走」となるのだが、そんな単純な話はどこにもない。むしろ日本が警戒しなければならないのは、中国の修正力である。

20大で党中央政治局委員に昇格した王毅外相(国務委員)が発表した「2023年の中国の特色ある大国外交の6大任務」(=以下、6大任務)からはそれが読み取れる。

6大任務のなかで王毅は、「中米関係の修正と正しい進路への回帰を目指し、中国EU関係の安定した持続的な発展を推進し、周辺諸国との友好・相互信頼と利益の融合を深め、発展途上国の団結と協力を強化する」ことを打ち出している。また「中露の包括的・戦略的協力パートナーシップを揺るぎないものに」することにも言及しているので、要するに全方位だ。

習指導部がこうした選択をする背景には、ASEANの存在が大きい。2022年を「内政の一年」と位置付けてきた中国は、20大後、一気に外交に力点を移した。そして、この2カ月余の動きから見えてくるのは、「対立の解消」への努力だった。その成果の一つが、フィリピンのフェルディナンド・マルコスの中国への公式訪問(1月4日)だ。

絵解きを急げば、中国はこのポジションをとることで国際社会での中国の存在感を大きくし、求心力を高められると学んだのだ。それは繰り返しになるがASEANとの関係から導き出されたと考えられるのだ。事実、1月4日の習近平国家主席とマルコス大統領の会談の中身は、中国側から見てほぼ満点だった。

マルコスは「これは私が大統領に就任してから東南アジア以外の国を訪れる初めての公式訪問だ」と訪中の重要性に触れた後、「中国はフィリピンにとって最も強力な協力パートナー。比中の友好の継続と発展を妨げて得るものは何ない」と友好関係をアピールした。

両国が接触する度に「懸案」と報じられる南シナ海問題でも、マルコスは「われわれは友好的な協議と交渉を継続することによって問題を処理したい」とした上で「石油や天然ガスの開発に向けた交渉を再開したい」と中国に呼びかけ、少なくとも深刻な対立を抱えていることを感じさせなかった。会談の最後には共同声明が発せられ、一帯一路をはじめとした数々の協力文書に両国が署名したのである。

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私を殺そうとした事を知っている。金正恩総書記が米CIA長官に放った一言

トランプ政権下でCIA長官や国務長官を務め、現在はシンクタンクに身を置くマイク・ポンペオ氏。そんなポンペオ氏が近く刊行する回顧録の内容が話題となっています。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、CIA長官時代に訪朝したポンペオ氏に金正恩総書記が放った「渾身のジョーク」と、ポンペオ氏のユーモア溢れる返答が綴られた部分を紹介。そのやり取りについて、「凡人には演技できない境地」と感嘆しています。

金正恩「私を殺そうとしたことを知っている」。米ポンペオ前長官が回想録で明かした「暗殺計画」

マイク・ポンペオ元アメリカ国務長官が2018年に米朝首脳会談の事前作業のために訪朝した当時、北朝鮮の金正恩国務委員長と「金正恩暗殺」をテーマに冗談を交わしたエピソードを公開した。

17日(現地時間)、フォックスニュースは24日に発刊されるポンペオ前長官の回顧録『一寸も退くな、私が愛する米国のための戦い(Never Givean Inch, Fighting for the America I Love)』の抜粋本の一部を入手し報道した。

この本の中でポンペオ元長官は、米中央情報局(CIA)局長だった2018年3月、自身がドナルド・トランプ当時大統領の特使資格で秘密訪朝した時を振り返った。

ポンペオ元長官は「それは私が計画していたイースター週末ではなかった。私の秘密任務は2018年3月30日の聖金曜日(復活節直前の金曜日)、アンドリュース空軍基地を離陸して始まった」とし「目的地は北朝鮮の平壌だった。私は金正恩委員長に会うために地球上で最も暗い場所の一つに向かった」と書いた。

彼は「任務はごく少数にだけ知らされた完全な秘密だった」とし「私の目標は北朝鮮の大量破壊兵器(WMD)を除去できず、事実上現在の脅威につながった過去の失敗した努力を正すことだった」と説明した。

金正恩と初めて対面した時については、「この小さくて汗に濡れた邪悪な男は、あらゆる魅力を動員してぎこちない雰囲気を払しょくしようとしたが、虐殺犯にふさわしい水準だった」とし、「(金正恩は)『局長(Mr.Director)』と口を開き、『私はあなたが現れるとは思わなかった。私はあなたが私を殺そうとしたことを知っている』」と回想した。

彼は「私と私のチームはこの瞬間(金正恩と対話を始める瞬間)のために準備したが、暗殺に関するジョークは『彼が私を迎える時に言えるリスト』にはなかった」とし「しかし私はCIA長官であり、それ故、彼の機知あふれる発言を理解することもできた」と書いた。

つづいて「私はユーモアで応戦することにした。『委員長、私は依然としてあなたを殺そうとしています』と答えた」とし、「その対話直後に撮った写真で、金正恩氏は依然として笑っていた。彼は私が冗談を言ったと確信しているようだった」と伝えた。

ポンペオ前長官は特使訪朝から約40日ぶりに国務長官資格で再訪朝するなど、数回にわたって平壌を訪れ、米朝首脳会談を調整した経緯がある。2024年の大統領選出馬を秤にかけている彼は、出馬するかどうかを今春明らかにすると公言している。

ジョークではなくて本当だからこそジョークになるのだろう。逆説の逆説さらにまたその逆説といったロジックを駆使して対話が進むとなると、凡人の筆者などにはやはり到底演技できない境地だ。おそれいりましたというしかない。

(無料メルマガ『キムチパワー』2023年1月19日号)

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MBAホルダーが分析。自宅で「サウナ体験」可能なブランケットが大人気になった理由

サウナ人気がますます高まるなか、自宅で手軽に「ととのう」ことができる商品が発売され、大きな話題を呼んでいるようです。今回は、MBAホルダーで無料メルマガ『MBAが教える企業分析』の著者である青山烈士さんが、いま注目の「サウナブランケット」の戦略を徹底分析しています。

自宅で手軽にサウナ体験ができる注目のサウナブランケット「SANUKKU(サヌック)」を分析

今号は、注目のサウナブランケットを分析します。

● 株式会社リクラモが展開する「SANUKKU(サヌック) 」

手軽にサウナを楽しみたい方をターゲットに「ものづくりへのこだわり」に支えられた「自宅で手軽に温活習慣・サウナ体験・快適空間が手に入る」等の強みで差別化しています。

サウナ人気が高まる中、コロナ禍であっても、自宅で手軽にサウナ体験という選択肢を提供することで注目を集めています。

■分析のポイント

数年前からサウナブームと言われていますが、サウナ人気は衰えるどころか、ますます高まっているようにも感じます。

サウナ─と呼ばれる方も増えているようですが、サウナが好きな方でも、さすがに毎日のように通うことは難しいですよね。

そういった方のために、家に設置するタイプのサウナがあるわけですが、設置するためのスペースが必要ですし、モノによっては設置コストが高額になってしまうということがネックになりそうです。

今回、紹介した遠赤外線サウナブランケット「SANUKKU(サヌック)」はコンパクト省スペースであることを強みにしているので、スペースの問題は解消できています。

「SANUKKU(サヌック)」も決して安価ではありませんが、北欧仕様の家庭用サウナは100万円以上するものですから、そういった選択肢と比較すれば、手軽であると言えるでしょう。

また、もし1年間毎日のように使うのであれば、売り値78,160円を365日で割って1日当たり214円になりますし、2年間使うなら、その半分です。

単純計算ではありますが、サウナ施設に毎日通うよりも安上がりです。

電気代も少額ですので、費用対効果で考えれば、魅力的に感じる方もいらっしゃる。つまり、コスパが高いということです。

クラウドファンディング(Makuake)で目標金額達成率1,005%達成したことが、そのことを示しています。

サウナ好きな方は、毎日のようにサウナ体験をしたい方が多いと思われますので、そういった方からすれば、手軽にサウナ体験できる価値に対して、それほど価格が高いという印象を持たないということでしょう。

恐らく、普段は「SANUKKU(サヌック)」、週に一回はサウナ施設で、といった形で、併用する方が多いのではないでしょうか。

そういった意味で、「SANUKKU(サヌック)」はサウナ施設と競合する部分は少ないように感じます。

あくまでも、サウナ好きの方が、サウナライフをより楽しむための選択肢の一つなのだと思います。

今後、「SANUKKU(サヌック)」がどのように拡がっていくのか注目していきます。

浮気調査って「100%クロ」じゃないの?現役探偵が明かす実際の結果

探偵に「浮気調査」を依頼させるほど疑われる行動をとっている人は「100%クロ」なのでしょうか?今回のメルマガ『探偵の視点』では、著者で現役探偵の後藤啓佑さんが、ご自身の会社での結果を公開し、なぜそのような結果になるのかを解説しています。みなさんは100%クロだと思いますか?

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浮気調査をしてシロだったことはあるの?

「浮気調査ってやっぱり100%クロなの??探偵のところに相談に来るってことはみんな浮気してるんでしょ?」

これはよく聞かれる質問です。実際はどうかと言うと、僕の会社で言うと85%ぐらいが黒です。何故クロの率が高いかと言うと、要因は2つあります。

僕はほぼ弁護士さんからお仕事を頂いています。となると、もうその時点でお客様は「離婚したい」から弁護士さんのところに来るもしくは「浮気されてる」から弁護士さんのところに来るのどちらかが多くなります。そして、弁護士さんが「これは探偵が必要だな」と判断し、僕を繋いでくれます。このように弁護士さんのフィルターを通った後に僕のところに紹介が来ますので、ほぼクロの状態で相談に来るのです。

もう一つは、探偵に相談するというハードルが高いことです。料金はわからない、たまに詐欺されたというニュースも見る。なんか怖い…。そんなイメージがある探偵に相談してみよう!という決断をするには、相当切羽詰まっていないとしないですよね。お客様がご自身で、「これは浮気してる!!」という確信が無ければ、そんな怖いイメージのある探偵に接触しないのです。

この2つの要因が、結果的にクロの人が多くなっているのだと思います。

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彼の存在なくして天下なし。将軍・徳川家康「影の立役者」伊奈忠次の偉大な功績

今年のNHK大河ドラマは「どうする家康」ということで、松本潤さん扮する徳川家康が主人公です。そんな家康を支え、江戸を大都市に発展させた「影の立役者」がいるのをご存知でしょうか? メルマガ『見ル野栄司のシブすぎ技術秘話』の著者で元エンジニア漫画家の見ル野栄司さんが、そんな隠れた偉人「伊奈忠次(ただつぐ)」という武将について紹介しています。

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大河で家康の今伝えたい「伊奈忠次」という武将について

いま、大河ドラマで「どうする家康」をやっておりますが、今回のタイトルの伊奈忠次さん。

彼はれっきとした徳川家康に使えていた武将です。それでいて、ちゃんと戦国を生き抜いたつわもの。

歴史好きにもあまり知られていませんが、彼は江戸時代に入って家康のもとで治水や道路などの整備、いわゆるインフラを請け負った名武将なのです。

お蔭で今の東京があると言ってもいいでしょう。

なぜ彼があまり有名ではないかと言うと、それは派手な合戦ではなく、兵站に専念していたからなんですねー。

兵站とは、このメルマガでよく出てくる言葉ですが、戦争の準備やおぜん立てをする部隊のこと。

少年たちがやっているボーイスカウトもそのひとつです。

戦国の大軍団が移動するには、大量の米や塩、建築資材、道路の整備など下準備がかなりかかるわけで、これがしっかりしているかどうかで戦の勝敗は決まったと言われています。

なぜ私が伊奈忠次に注目しているかというと、ある時代劇雑誌に持ち込みをした時に、見ル野さんなんだから戦国武将列伝よりも、もっとシブいモノづくり系でいったらどうでしょう?ということになりまして、だったら戦国の兵站なんか面白いんじゃないか?となったのですが、これが調べても出てこない!!

本当に記録が少ないんです。(笑)

それで調べに調べていきついたのが伊奈忠次。

彼が歴史で有名になったのが、豊臣秀吉の小田原攻め。

なかなか亀みたくなって言うことを聞かない北条をやっつけようと豊臣秀吉は20万人の軍団を引き連れて小田原遠征をするのですが、これこそ兵糧や道がとてつもなく大変だったのです。

この時の兵糧奉行は長束正家。彼は忍城攻めなどで石田三成に使えた有名な人ですが、もうひとり、道などを造る役目に任命されたのが伊奈忠次なんです。

居酒屋で喫煙は問題外?がんのリスク「飲酒と喫煙」どちらが悪いか現役医師が考察

居酒屋が「禁煙」の看板を掲げる理由はここにあるのかもしれません。それぞれ、がん罹患の可能性を上げるとされる「飲酒」と「喫煙」。それではどちらがよりがんリスクを高めるのでしょうか。今回のメルマガ『糖尿病・ダイエットに!ドクター江部の糖質オフ!健康ライフ』では、糖尿病専門医で糖質制限の提唱者としても知られる江部康二先生が、国立がん研究センターがサイト上でも発表している研究データを元に「どちらが悪いのか」を解説。さらにがん全体の発生率が高くならない1日の酒量を紹介するとともに、飲酒と喫煙が重なった際にがんリスクが高まる理由を考察しています。

 

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がんのリスク「飲酒と喫煙」では、どっちがより悪いのか? 国立がん研究センターの研究を考察

私はお酒をよく飲みます。糖質制限OKのお酒を、雨の日も風の日も晴れの日も雪の日も、ほぼ毎日、律儀に飲んでいます。

しかしながら、定期的に検査している肝機能は全く正常であり、人生で一回も肝機能障害を経験したことはありません。

万一、肝機能障害が発症したら、きっと酒を減らすと思います。

一方、タバコは人生で一回も吸ったことはありません。

ですから、患者さんを診察するときには、酒飲みには優しく、喫煙者には厳しい傾向があります。

このように、私は、酒とタバコに関してかなりバイアスの入った診療をする医師ということになりますが、さて、「飲酒」と「喫煙」と、どっちがより悪いのでしょう?

とりあえず、一番懸念される「がん」について、国立がん研究センターの多目的コホート研究(JPHC研究)を調べて見ました。

お酒も量が過ぎれば将来がんになりやすい

時々飲酒しているグループと比べると、男性において、アルコール摂取量が日本酒にして1日平均2合未満のグループでは、がん全体の発生率は高くなりませんでした。

一方、飲酒の量が1日平均2合以上3合未満のグループでは、がん全体の発生率が1.4倍、1日平均3合以上のグループでは、1.6倍でした。

要するに、お酒をたくさん呑むほど、単純にがん発症リスクが増えるということであり、左党(酒飲み)にはとても頭の痛いお話しです。

なお、日本酒1合と同じアルコール量は、焼酎で0.6合、泡盛で0.5合、ビールで大ビン1本、ワインでグラス2杯(200ml)、ウイスキーダブルで1杯です。

女性では、定期的に飲酒する人が多くないためか、はっきりした傾向がみられませんでした。

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戦争する気マンマン岸田首相が「新春外遊」で交わしたトンデモない約束

1月9日から1週間に渡る欧米歴訪を無事終えた岸田首相。自身は記者会見で「国際社会を主導していく責任の重さと日本に対する期待の大きさを改めて強く感じる歴訪」と述べましたが、評価は大きく分かれているようです。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、この歴訪を「新春外遊すごろく」と揶揄するとともに、中でもワシントンで行った日本向けの記者会見に一番呆れ返ったとしてその理由を解説。さらに「首相が日本を再びアメリカの植民地へ戻した」と強く批判しています。

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外遊三昧の岸田首相、一番呆れ返った「侃々諤々」発言の噴飯

1月9日から15日まで1週間の日程で、フランス、イタリア、英国、カナダを回った岸田文雄首相の「新春外遊すごろく」は、13日に最終目的地のアメリカに到着し、15日に「上がり」を迎えました。しかし、初日のフランスでは、到着したとたんに日本向けの記者会見をし、その後にマクロン大統領と会談するという意味不明なスケジュールでした。通常は訪問国の首脳と会談し、その後にどのような内容の会談だったのかを会見で述べるのに、これでは何の意味もありません。

その上、次のイタリアでは滞在時間がわずか5時間、もはや「訪問して首脳と会談した」という日本向けの既成事実づくりとしか思えませんし、相手国に対しても失礼なレベルでした。次の英国も、次のカナダも同様で、1週間の日程なのに、フランス、イタリア、英国、カナダの4カ国はすべて半日から1日ずつ。そして、先発のピッチャー岸田は、本来の目的だった最後のアメリカに、残りの3日間を全力投球したのです。

13日にアメリカに到着した岸田首相は、真っ先にバイデン大統領との無能会談…ではなく、首脳会談を行ないました。そして、翌14日にはジョンズ・ホプキンス大学で講演を行ない、翌15日には日本向けの記者会見を行ないました。しかし、13日の首脳会談の内容も、14日の講演の内容も、15日の記者会見の内容も、すべてが、昨年の暮れに臨時国会が閉会してから勝手に閣議決定だけで決めた「安保関連3文書改定」に関する内容だったのです。

確か「新春外遊すごろく」の最初のサイコロは振る前には「5月に広島で開催するG7サミットに向けて環境整備を図ることが目的」だと言っていたはずです。それなのに、どの国の首脳会談でもG7サミットの話なんてオマケ程度で、会談のメインディッシュは「軍事協力」のことばかり。イタリアではメローニ首相との会談で、両国の関係を「戦略的パートナーシップ」に格上げした上、新たに外務・防衛当局間の協議を開始することで合意しました。英国ではスナク首相と、自衛隊と英国軍がお互いの国に滞在した際の法的地位を定める「円滑化協定」に署名しました。もう、米軍の傘下として憧れのNATO軍の一員となり、戦争をする気マンマンです。

岸田首相は、どの国でもロシアのウクライナ侵攻を出汁(だし)に使って「国際秩序を守り抜く」と連呼し、日本の軍拡にお墨付きをもらって回りました。そして、これほどロシアのウクライナ侵攻を日本の軍拡の言い訳に使いまくっていたのに、1月6日の電話会談でウクライナのゼレンスキー大統領から「首都キーウへの訪問」を求められた件については、「検討する」と答えたままホッタラカシで、結局、今回は訪問しませんでした。G7の首脳の中で、これまでウクライナを訪問していないのは日本の岸田首相だけなのですから、本当に「国際秩序を守り抜く」と思っているのなら、アメリカの滞在を1日減らしてもウクライナを訪問するのが優先事項だったはずです。

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声優・櫻井孝宏がまた結婚隠し不倫「累計25年」で引退の危機…なのに示談金1000万円の支払いを渋る理由とは?

『鬼滅の刃』の水柱・冨岡義勇役などで知られる人気声優の櫻井孝宏(48)に、再びの「既婚隠しゲス不倫」が発覚した。櫻井は事務所を通して騒動を謝罪する一方、交際相手に対する示談金1000万円の支払いは断固拒否。本来なら“払い得”でしかないはずの示談金を値切ろうとする背景には何があるのか?

櫻井孝宏が新たな不倫、妻を含めて「三股」満喫

『鬼滅の刃』で冨岡義勇を、『呪術廻戦』で夏油傑を演じた人気声優・櫻井孝宏(48)に新たな「未婚サギ不倫」が発覚した。

週刊文春の記事によれば、「被害者」の女性はアニメ業界で働くB子さん(40代)。

B子さんが櫻井に出会ったのは2005年。誕生日に手紙を渡したところ櫻井からメールで返信があり親密な関係に。2人で食事に行くことになり、その流れで一夜を共にした。

B子さんは2006年から2021年の15年間にわたって櫻井と交際。会う頻度は1カ月に1度のこともあり、偽名での「ラブホデート」も少なくなかったという。

櫻井は昨年10月、自身のラジオ番組を担当していた放送作家A子さんとの「10年不倫愛」を文春に報じられたばかりだった。

今回の文春砲では、「さぁ、脱ぎなさい…」「あそこも丸見えだよ」「ツルツルにしといて」「ツルツルは確定」など、櫻井の性欲にまみれたメールまで流出。そのあまりにゲスい内容が、各方面に大きな衝撃を与えている。

櫻井のキモさにファンどん引き、引退の危機

櫻井の相次ぐ不倫発覚に、今回ばかりはファンの反応も冷ややかだ。

SNSでは、文春で公開されたメール内容を独自に文字起こしして編集し、1つにまとめた画像が急拡散。

「絵文字多すぎ」「おじさん構文がキモい」「セックスも身勝手なんだろうな」など大炎上している。

とりわけ「CV櫻井孝宏なの無理すぎて草」の指摘は重いだろう。これは、「すべてのキモいセリフが、『キャラクターボイス:櫻井孝宏』の状態で脳内再生されてしまうのですごく迷惑しています」という意味だ。

櫻井のファンであればあるほど、冨岡義勇(鬼滅の刃)や夏油傑(呪術廻戦)、忍野メメ(物語シリーズ)といった人気キャラクターが、女性に「パ〇パン」を強要しているように聞こえてしまう。

忘れようとすればするほど具体的なシーンが脳裏をよぎってしまう…これは作品やキャラクターに対する風評被害以外の何者でもない。それもあってネットでは、櫻井の引退を求める声が急増。引退まではいかなくても、業界から「干される」のは時間の問題との見方が強まっている。

1000万円の支払いを渋る櫻井孝宏の「計算」とは?

櫻井の所属事務所は、今回の新たな不倫報道をうけて声明を発表。だがそれは、形ばかりの謝罪と「逆ギレ」に満ちたものだ。

弊社所属 櫻井孝宏について、報道がなされております件につきまして
日ごろより応援してくださっている皆さま、関係者の皆さまに
多大なるご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、深くお詫び申し上げます。

今回の記事に掲載されている女性から、櫻井は1000万円を請求されており、
指定期日までに対応がない場合、該当女性の納得のいく方法・手段を実施すると伝えられておりました。
法外な金額であったことから、櫻井が個人で委任した弁護士を通じて要求を断ったところ、報道がなされた次第です。

ここで疑問なのは、自身が既婚者であることを隠した上での不倫、その償いとしての1000万円は、本当に「法外な金額」と言えるのか?という点だ。

文春の記事によれば、櫻井とB子さんは付き合いが途切れた期間もあったとされるが、仮に1000万円を交際期間の15年(180カ月)で割ったとすれば、月額換算で5万5555円。結婚適齢期の女性をもてあそんだ“不倫サブスク”の料金と考えれば、決して高い金額ではないだろう。

さらに、スキャンダルが週刊誌で暴露され、業界から干されて引退に追い込まれることの損失を考えれば、人気声優の櫻井にとって「1000万円」は払っても損がない妥当な示談金に思える。

にもかかわらず、なぜ櫻井は頑なに支払いを拒むのか?

「文春によれば、櫻井の弁護士はB子さんに一ケタ安い『100万円』を提示して交渉が決裂したようですね。櫻井としては、交際期間15年といっても関係が途切れた期間は『ノーカウント』と言いたいのでしょう。さらに、すでに不倫が発覚しているA子さんやB子さんだけでなく、今後新たにC子さん、D子さん、E子さん、F子さん…というように芋づる式に女性が名乗り出て、示談金の総額が膨れ上がることを懸念している可能性があります」(週刊誌記者)

DXをまったく理解していない日本の経産省。世界的エンジニアが違和感を抱いたワケ

重要性が叫ばれはしているものの、そもそもその何たるかが完全に理解されているとは言い難いデジタル・トランスフォーメーション(DX)。それは国とて例外ではなく、Windows95を設計した日本人として知られる世界的エンジニアの中島聡さんも、経産省が行っている「DX認定制度」に違和感を抱いているといいます。そんな中島さんは自身のメルマガ『週刊 Life is beautiful』で今回、Amazonを例に取りDXの定義を解説。さらに国が日本を救うために取り組むべき5つの具体的政策を提示しています。

【関連】人工知能やドローン、ロボットが鍵。世界的エンジニア中島聡「今こそ日本政府“Society5.0”の新定義とビジョンを語ろう」

プロフィール中島聡なかじま・さとし
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。

この記事の著者・中島聡さんのメルマガ

 

何かが根本的に間違っている経産省「DX認定制度」への違和感

先日、たまたま経産省が行っている「DX認定制度」のことを目にしたのですが、何かが根本的に間違っているように感じたので、その違和感について書きます。

デジタル・トランスフォーメーション(DX)とは、デジタル技術により社会やビジネスが大きな変革を起こすことを指します。単なる「既存のビジネスのデジタル技術を使った効率化(デジタル化)」と違って、ビジネスのやり方やビジネスモデルそのものが根本的に変わり、その業界で活躍する企業が大幅に入れ替わるのが特徴です。

良い例が、書籍の販売ビジネスです。従来は、書店を構え、そこに来た顧客に対して書籍を販売するのが一般的なビジネスでした。品揃えは少ないけれども、駅前などの立地条件で勝負する小規模店舗と、豊富な品揃えを持つ大規模店舗が存在し、日本では紀伊國屋書店、米国では、BordersやBarnes & Nobleが大規模店舗を複数持ち、大きなビジネスをしていました。

その書籍販売ビジネスにDXを起こしたのが、Amazonです。Amazonは、実店舗を持たず、オンラインで書籍を販売するというビジネスモデルにより、「どんな大規模店舗よりも品揃えが豊富」「家から一歩も出ずに書籍を購入できる」「他の人の評価を見ることができる」「店舗費用や人件費が不要なので、通常の書店より安く売ることが出来る(小売価格が固定されている日本は例外)」などの新たな付加価値を提供することにより、消費者にとっての「書籍の購入体験」を根本から革新することに成功したのです。

既存の大規模書店も、書籍のオンライン販売を始めるなどの対応策は施しましたが、実店舗を持たず、優秀なソフトウェアエンジニアを雇ってソフトウェアで勝負するAmazonにコストでも機能でも対抗することは出来ず、倒産、もしくはビジネスの縮小を強いられています。

このケースがDXを理解するのに適しているのは、DXがいかに既存のビジネスにとって厳しいものかが明確な点です。多くの不動産と従業員を抱えていたことがAmazonと戦う上で大きな足枷になったことに加え、実店舗に来てくれている顧客からの売り上げを失う訳にはいかず、既存のビジネスを抱えたまま、新しいビジネスモデル(書籍のオンライン販売)を取り入れたとしても全く不十分だったのです。

Amazonはさらに、利益の全てをソフトウェア・システム、ロジスティックス(流通、在庫管理など)、コンテンツへの投資へと回し、既存の書店からビジネスを奪っただけではなく、書籍以外の物品の小売・卸売・流通に根本的なまでの改革をもたらす、巨大な企業に成長することに成功したのです。

この記事の著者・中島聡さんのメルマガ

 

ここにも本家トランプの影。ブラジル前大統領の支持者たちが暴徒化した裏側

1月8日、ブラジルで発生したボルソナロ前大統領の支持者たちによる暴動。昨年1月の米国議事堂襲撃事件に続く民主主義を否定するかのような暴挙に、世界中から非難の声が上がっています。今回のメルマガ『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』ではジャーナリストの伊東森さんが、事件の背景を詳しく解説。さらに注目される今後の展開について考察しています。

この記事の著者・伊東森さんのメルマガ

 

「ブラジルのトランプ」ボルソナロ前大統領の支持者らが暴徒化。民主主義の危機、アメリカからブラジルへと飛び火

ブラジルの首都であるブラジリアで8日、昨年の10月に実施された大統領選の敗北に抗議をするデモを続けていたボルソナロ前大統領の支持者らが暴徒化。

連邦議会や大統領府、最高裁判所を襲撃、一時占拠して、建物の一部を破壊した。

地元メディアによると、襲撃には4,000人が加わったとみられ、警察は1,500人を拘束、約4時間で鎮圧した。新大統領であるルラ氏は1月1日に就任したばかり。しかし、今後も混乱は続きそうだ。

大統領選で敗れた右派のボルソナロ氏は、選挙での不正を主張。結果を認めない支持者らが、軍の施設前で抗議デモを続けた。ボルソナロ氏自身は、敗北を事実上認め、昨年の12月30日にアメリカへと渡航している。

現地のメディアによると、支持者らは、議会へとつづく道路のバリケードを突破。8日午後3時(日本時間9日午前3時)ごろ、同じ地区にある議会や大統領府を襲撃、その約45分後には最高裁になだれ込む。

SNSなどで結集が呼びかけられ、支持者らは約100台のバスで集まった(*1)。集まった支持者らは、大統領府で大統領席を破壊したり、議会の窓を破って本会議場に入った。機密文書が盗まれたのとの報道もある(*2)。

目次

  • ボルソナロとは 「ブラジルのトランプ」
  • 民主主義の危機、アメリカからブラジルへと飛び火 トランプ氏の側近らが応援か
  • アメリカはどうする? 入国ビザの効力が争点に

ボルソナロとは 「ブラジルのトランプ」

ボルソラロ氏はかつて、「ブラジルのトランプ」と呼ばれた。大統領時代には、「少年犯罪の厳罰化」「移民の受け入れ制限」「性的少数者への蔑視発言」「善良な市民に銃を持たせて犯罪抑止」といったことを主張(*3)。

そして、ブラジルの軍事政権時代を賛美する。ブラジルは、1964年の軍事クーデターから1985年の民政移管まで、軍部が政権を掌握。反対派への拷問では多くの死者が出た。市民は集会を禁じられ、表現の自由も制限。

欧米だけでなく、ブラジル国内でも軍政への支持はタブー視される(*4)。

自身も軍人として大尉まで昇進。1989年に政界へと転身。転機は2014年の下院選のとき。

得意のSNSをフル活用し、リオデジャネイロ州で当時最多の46万票を獲得。つづいて大統領選への出馬を公言すると、支持率はさらに上昇。

このボルソナロ氏を支持するのが、「ボルソミニオンズ」と呼ばれる人たち(*5)。中流家庭で育ち、高学歴の若者が大半を占める。

CGアニメ「ミニオンズ」シリーズのキャラクターをもじった呼称といわれ、「強いボスを追い求める性質がある謎の黄色い生物ミニオンズが、ボルソナロを神のようにあがめる(*6)」ブラジルの若者のそっくりということで名前がついた。

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