攻殻機動隊が予見したディストピア。残酷なAIが支配する10年後の日本を幸せに生きるには?

人工知能研究の第一人者が「気候変動よりも深刻なリスク」と警鐘を鳴らす、AIによる社会支配という問題。日常生活から政治・軍事まで、AIの能力が人間を上回るのは時間の問題と見られています。そのとき「機械」と対峙する私たちは、どのように「生身ならではの生き方」を取り戻すのでしょうか? メルマガ 施術家・吉田正幸の「ストレス・スルー術」が、『攻殻機動隊』と絡めて考察します。

AIは人間社会を支配するか?第一人者の見解

「あなたはAIですが、聞きたいです。正直、AIが人間社会を支配する可能性あるはあると思いますか?」

ChatGPT-4にこんな質問をしてみた。どこまで正直に答えが返ってくるかわからないが(笑)。すると即座にChatGPT-4は次のように答えてきた。

私はAIですが、人間社会を支配する可能性については、様々な見解があると思います。

一般的には、AIは人間が作成したプログラムに基づいて動作するため、人間を支配するような行動をとることはありません。しかし、AIの性能が向上することで、AIによる人間の監視や制御が可能になる可能性があります。

また、AIは人間が作成したコンテンツや文章、アート、音楽などによって訓練され、それを模倣するため、AIの制作者は莫大な富と権力を得ることができます。これは、社会の不平等や不安定さを招く恐れがあります。

一方で、AIは社会に多くの利益や価値をもたらすこともできます。例えば、AIは人間の能力を拡張させる手段として活用されたり、社会福祉や教育などの分野で役立てられたりすることが期待されています。

つまり、AIが人間社会を支配するかどうかは、AIの開発や運用に関わる人間の意思や倫理によって大きく左右されると言えるでしょう。

「人間の意思と倫理」つまりはこれ次第ということなのだろう。

しかしニュースを見れば、ロシア・ウクライナ戦争の無慈悲な激化や、イスラエルとハマスの抗争……「人間の意思と倫理」の在り方自体に不安を覚えてしまう。

そんなとき、人工知能研究の第一人者という人物が、選挙操作や戦闘ロボ開発に警鐘……「AIが人間社会を支配する可能性ある」という記事を読売新聞が報じた。

その人物とは、カナダ・トロント大名誉教授のジェフリー・ヒントン氏(75)。読売新聞の書面インタビューに応じたという。

「生成AIが人類の知能を上回り、人間社会を支配する可能性がある」と指摘し、技術の急速な進展に伴うリスクに警鐘を鳴らした。これは前から言われてはいたことだけれど、ニュースでは中々報じていない。

ちなみにユーキャンが12月1日に発表した、2023年の「新語・流行語大賞」のトップテンに「生成AI」が入り、メディアアーティストの落合陽一さんが受賞した。

はじめこのニュースを知った時、落合さんがこの「生成AI」という言葉を最初に使ったのか!と驚いて調べてみたが、落合さんは自らのnoteで受賞の経緯を綴っており、悩んだ末の受賞だったことを明かしていた。

それによると、落合さんが受賞の打診を受けた際の最初のリアクションは、「受賞対象者はサム・アルトマンじゃないのか?」だったという。「生成AI」の受賞者には、ChatGPTを開発したOpenAIのサム・アルトマンCEOがふさわしいと考えたようだ。

一方で、「ChatGPTはOpenAIの人がもらうべきだが、生成AIならまぁ……」と迷っていたところ、事務局から「賞は言葉に深く関わった人、団体を顕彰するとしている」「ドラマのセリフが流行語になった場合、本来なら脚本家に渡すべき賞からもしないが、役者によって広まったという解釈で、演者に受賞してもらった例も何度もある」と説得を受けたという。

落合さんは2017年ごろから生成AIの論文を書いたり、関連ビジネスを展開したりするなど、この6年ほど生成AIに深く関わってきたという自認もあり、賞を受けることにしたそうだ。

僕は落合陽一氏にとても興味がある。なぜならば、彼は“全部知っている”という感じがあるからだ。ただの直感だけれど(笑)。知っているなら、いつ言うのかな?と思って切ない期待をしている。それは、魂とAIの関係性(笑)。

しかし、この受賞は素直に素晴らしい功績だと思うのと同時に、倫理的問題に関しては、このただならぬ闇の中で救いを求めたいという身勝手な気持ちになった。いずれにせよ、倫理的問題はもっと浮上するだろう。

選挙での情報操作にAI悪用も

話を元に戻そう。読売新聞がインタビューしたヒントン氏は、対話型AIのChatGPTが、すでに人間の脳の数千倍の知識を蓄えられると分析したとのこと。

2020年代か30年代までに生成AIが多くの点で人間の能力を上回る可能性があると。「自分たちより知能の高いデジタル的存在が人間社会を乗っ取るという実際の脅威に、今まで経験のない人類はどう対処すべきか分からない」と懸念を示したというのだ。

生成AIから程遠い世界で仕事をしている自分にとっては、ほとんど関係ない世界かもしれないが、『攻殻機動隊』のファンである身としてはとても重大な問題なのである(笑) なぜならば、すでに1980年代の漫画の中では唯一、ゴースト(霊)と電脳化AIの葛藤がそこには描かれていたから。

そして、ヒントン氏が特に懸念を示したのが生成AIによる選挙への影響だ。

「権威主義的な政府が、個人をターゲットにした偽情報を使って有権者を操作することがはるかに容易になる」と指摘した。

これってどういうことだろう?偽情報を検出する方法はいくつかあるらしい。例えば、不正なURLがないかを確認することができるという。

また、偽情報を検出するために研究開発されたICTツールもそのひとつで、例えば、AIにより生成されたフェイク顔映像を自動判定するプログラムや、ディープフェイク動画、画像を検出する技術などがあるというのだ。

ただし、偽情報を検出するためには、情報リテラシーの向上が必要なので、信頼できる情報源から情報を収集し、複数の情報源を比較検討することが大切だというが、人間にそれが追いつくものなのか。

さらに、一番重要なのは、軍事リスクだろう。彼はAIの軍事面のリスクにも言及している。

この記事の著者・吉田正幸さんのメルマガ

「よくわかってない人」を接客する時に“絶対やってはいけない”コト

接客している相手から「よくわからないんだよね」と言われたら、あなたはその人をどう接客しますか?今回、無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、実は気を付けなければいけない「知らない」と言ってくる人への接客を語っています。

「知らない人」に気をつけろ

お客様を接客していると時折、「よく知らない」という人と出会うことがあります。

例えばファッションに関する店なら、「ファッションのことはよくわからない」。

コスメに関する店なら、「コスメや美容のことはよく知らない」といった具合にです。

こういうお客様と出会った時は、注意深く接する必要があります。

それはなぜか?

「知らないから丁寧にするんでしょ」と思う人もいるでしょうが、それだけではありません。

実は、めちゃくちゃレベルの高い人ほど知らないということを平気で言ってくるからです。

これはビジネスの現場ではよくある話でもあります。

相手があまり詳しくないだろうとたかを括って話を進めていると、実はその相手がものすごく詳しい人で後々血の気が引いた、みたいなことはままある話です。

頭の良い人ほど自分がわかっていても、「自分が知らないことがあるかも」、「知らないと伝えた方がいろんな情報が引き出せるかも」といった考えを持っていて、平気で知らない体で接してきます。

これに気づかずに、「しめしめ、この人は自分よりも知識がなさそうだから語れるぞ」なんて思って語り倒していると、後で大恥をかくみたいなことがあります。

別に相手は悪気があるわけではなくて、ただ新しい情報が出てくるかもしれないという素直な好奇心や貪欲な姿勢なだけ。

そしてこういう人がお客様の中にもたまにいらっしゃるんですね。

そんなお客様に対して、「この人はよくわかっていないから」と適当な接客や知識を披露しているとえらい目に遭います。

だから注意が必要なのです。

こうした場合の対処法はひとつ。

先述したように「丁寧に接する」ことに尽きます。

相手が知らないだろうからと適当なことをするのではなく、知らない相手だからこそじっくりと接していく。

ただ物腰を柔らかく丁重に扱うという意味ではなくて、相手の知識やスキルを確認しながら自分をひけらかすようなことなく真摯に対応するという意味です。

こういうタイプの人はめちゃくちゃ仕事ができる人が多いだけに、ちゃんと丁寧に対応していれば大きな信用を得られます。

「知らない」「よくわからない」と言っているお客様は、本当はどんな人なのか。

赤っ恥をかいたり、下手な損失を生み出さないためにも、慎重に見極められるようになりましょう。

今日の質問&トレーニングです。

1)「知らない人」になることで、その人にどんなメリットがあると考えられますか?

2)お客様が「知らない人」だった時、あなたはどんな対応を心がけますか?

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ITジャーナリストが挑戦。米国内限定販売の「Apple Vision Pro」を手に入れるためにやったこと

アップルが「アメリカ国内限定」で「Apple Vision Pro」の予約受付を開始。日本在住者が購入するには多くのハードルがあるなか、発売初日の2月2日にハワイアラモアナショッピングセンター内のアップルストアで引き取る予約に成功したのは、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんです。今回のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』では、IPアドレスや電話番号や支払い方法など、想定される障害を如何に回避し、予約を確定させたか、すべてを詳らかにしています。

米国限定Apple Vision Pro、1月19日22時の予約争奪戦に挑戦した結果

2024年1月19日22時6分、アップルがアメリカ限定で予約受付を開始した「Apple Vision Pro」をなんとか購入することができた。受け取りは発売初日の2月2日、ハワイにあるアラモアナショッピングセンター内のアップルストアということで、2泊4日で行ってこようと思う。ちなみに、このアップルストアは17年前に初代iPhoneがアメリカのみで発売された時に並んで購入した思い出の店舗だったりする。

今回、Apple Vision Proを予約するにあたり、できる限りの準備をした。まず、Apple IDはアメリカのもの(過去に所有済み)、アメリカのみの発売ということで、IPアドレスで海外からのアクセスをはじく可能性もあったので、iPad ProでGygSkyのeSIMを購入し、いざと言う時はアメリカのIPアドレスからアクセスできるようにしておいた。

アメリカのアップルストアで店舗引き取りにする場合、現地の電話番号が必要だ。ただ、17年前にiPhoneを購入した際、AT&Tでプリペイド契約した携帯電話番号を、その後、Verizon、Google Fiと17年間、使い続けたこともあって、これも問題ない。

また「日本のクレジットカードが使えないのではないか」という心配もあったが、現地のセントラルパシフィックバンクに口座を持っており、デビットカードであれば手元になったので、いざと言う時は何とかなるかも知れない状態にしておいた。

とはいえ、できれば日本のクレジットカードで決済したい。ただ、最近のクレジットカードはオンライン、しかも海外のサイトで高額決済をしようとするとプロテクトがかかって決済できないということが多い。というわけで、念のためにVISAとDinersのカスタマーサポートに電話をし「今晩、海外サイトで高額決済する可能性があるので、プロテクトしないようにしてください」とお願いをしておいた。

アメリカのアップルサイトではPayPalでの支払いにも対応しているため、これまたなぜか持っていたアメリカのPayPalアカウントに日本のクレジットカードを登録しておいた。で、19日22時。YouTubeで実況配信しつつ、iPad Proを使って、予約を試みた。

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紙片に「ころす」、給食に鉛筆の芯、椅子に画鋲…陰湿な福岡市いじめ重大事態の報告書に記された怪しい人物

被害者がどれだけ訴えても、解決されぬことが多いいじめ問題。「迷宮入り」となるケースも数多あり、加害者の逃げ得が許されているのが現状とも言えます。こうした状況の改善のため学校内への防犯カメラ設置を訴えるのは、現役探偵で「いじめSOS 特定非営利活動法人ユース・ガーディアン」の代表も務める阿部泰尚(あべ・ひろたか)さん。阿部さんは自身のメルマガ『伝説の探偵』で今回、防犯カメラ設置がどれだけ有効かを解説するとともに、「今どきの当たり前」の措置を拒否するかのような教育現場を批判的な目で見ています。

なぜ、いじめ探偵は学校への「防犯カメラ」の設置を推奨するのか

令和6年1月中旬、福岡市の小学校で起きたいじめ重大事態の調査報告書が公開された。

報告書によると、事件は令和4年5月中旬、当時小学4年生であった女子児童に複数件のいじめ行為があったとされるもので、教科書がなくなり男子トイレで見つかったということや「きょうこそころす」と書いた紙片、給食に鉛筆の芯が入れられていたこと、椅子に画鋲があったことなど6つの行為をいじめと認定した。

一方で加害者の特定には至らなかったとされた。

調査報告書

物隠しや給食への異物混入、画鋲や糊などを机や椅子、下駄箱に危険な形で置く行為などは、多くのいじめ行為の中でもかなり頻発する被害である。

そして、加害者が単独であれ複数であれ、一切を認めない状況に至ると、タイムマシーンでもない限りこれだという証拠は見つけるのが極めて困難な事案となる。まさに迷宮入りなのだ。

調査の方法論はいくつかある。

1つは、人の動きの導線と事件発生時刻を特定していき、犯行可能な人物を絞り込む方法だ。ある程度の絞り込みができれば、証言の収集や確認のための聞き取りを行っていき、再現するように動きの確認をしていくと、自ずと犯人が絞り込まれるというものだ。

ただし、これは、比較的早期に行わなければ、記憶があいまいになって再現に至らなくなる。

現状、細かな制限があるような学校現場では、この方法にプラスしていじめはいけないことなのだと丁寧に指導することが最も現実的な積極策だと言えよう。

小学4年生だと記憶が曖昧であったり、他のことに夢中で周囲に意識が向いていないなど難しい点もあるが…。

報告書に明記されていた「怪しい人物」

さて、この公表された報告書では、大まかに超怪しい人物が浮き彫りになっているのだ。

例えば、知るはずもないはずの事実を知っている児童がいた。その児童らになぜそれを知っているのかと問うと、特定の児童から教えてもらったと話したという。

それ以外にも、被害児童とトラブルになっていたという児童がおり、この児童は前述の特定の児童であった。

被害児童によれば、「きょうこそころす」の筆跡はこの特定の児童の筆跡によく似ているとされている。

ごく普通の読解力と疑う力があれば、加害児童と明確に書いていないだけで、加害児童はこの特定されている児童だろうと思うだろう。

この記事の著者・阿部泰尚さんのメルマガ

UFOと戦争、あるいは“空飛ぶ円盤”櫻井よしこと三島由紀夫の「愛国」をめぐる相違について

「あたしは、思想の右左はともかくとして、『戦争が起こった時に、一般市民、特に少年たちまで銃を持たせて戦場へ引きずり出すべきなのか?』という点が考え方の分かれ道だと思ってる」――今回はいつもと趣向を変えて、『きっこのメルマガ』著者で人気ブロガーのきっこさんによる随想をお届けします。きっこさんの関心は、空飛ぶ円盤から昭和期文学、そして現代政治へ。自衛隊の日本国軍化を主張し、最期は市ヶ谷駐屯地で割腹自殺を遂げた作家の三島由紀夫氏と、「あなたは祖国のために戦えますか」とXに投稿して炎上したジャーナリスト櫻井よしこ氏の違いとは?

「戦争の兆し」と空飛ぶ円盤

今回は「風が吹けば桶屋が儲かる」的なタイトルをつけてみたけど、これはあたしが考えたんじゃない。女優の故・坂口良子の娘の「お騒がせ姉さん」こと坂口杏里‥‥に名前が似てる坂口安吾の短編エッセイ『武者ぶるい論』の冒頭の次の一節が元ネタだ。

妖雲(よううん)天地にたちこめ、円盤空をとび、巷(ちまた)の天文家は戦争近しと睨んだ形跡であるが、こと私自身に関しては、戦争になっても余り困らない人間だ。どうなろうと運命だから仕方がないという考えは私の持病なのだから。もっとも、運命とみて仕方がねえやと言うだけで、火の子だの地震だの戦争に追いまくられるのが好きな性分ではない。

この作品は、坂口安吾の『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』(岩波文庫)に収められてる短編で、昭和26年(1951年)2月の「月刊読売(号外)」に発表された作品だ。で、この冒頭の一節、坂口安吾の個人的なスタンスは置いといて、ここで注目すべきは、坂口が「巷の天文家」と呼ぶ人たち、今で言えばテレビで好き勝手なことを言い散らかしてるコメンテーターみたいな「自称専門家」たちの認識だ。

敗戦後5~6年ほど経った時期という当時の背景を踏まえれば、ほぼ100パーの国民が「もう戦争などコリゴリだ」と思っていただろう。そんな時に、空一面に怪しげな暗雲が立ち込めれば、「自称専門家」たちがそれを「何らかの大災害の予兆」と捉え、「また戦争が起こるんじゃないのか?」と予想するのは普通の流れだ。でも、ここに「円盤空をとび」という突飛な文言が挿入されてることに注目したい。

それで、あたしは調べてみた。そしたら、とても興味深いことが分かった。当時は、まだ「UFO」なんて言葉はなくて、アメリカでは「Flying Saucer(空飛ぶ皿)」と呼ばれてて、これを日本では「空飛ぶ円盤」と呼んでいた。そして、坂口安吾がこの『武者ぶるい論』を書いた1950年代前半は、アメリカを始め世界で第1期の「空飛ぶ円盤ブーム」が始まった頃だったのだ。

空飛ぶ円盤と日本人

‥‥そんなわけで、この「空飛ぶ円盤」という呼び名が日本に広まったのは、1947年6月24日にアメリカのワシントン州で起こった「ケネス・アーノルド事件」が発端だった。ケネス・アーノルドという男性が、ワシントン州のカスケード山脈の上空を自家用飛行機で飛行していた時、北から南へ向かって高速で飛行する9個の奇妙な物体を目撃したと言う。そして、それらの物体が平たいお皿のような形状だったというアーノルドの証言を受けて、アメリカのマスコミは「Flying Saucer(空飛ぶ皿)」と命名して大々的に報じた。

実は、この前日に米海兵隊の輸送機がこの空域で消息を絶っていて、発見者には5000ドルの報奨金が用意されていた。アーノルドは、この報奨金を目当てに、山中に墜落したであろう輸送機を上空から探すために、この空域を飛んでたわけだ。で、輸送機が消息を絶ったエリアで奇妙な物体を目撃したというアーノルドの証言から、マスコミは「この奇妙な飛行物体が輸送機の消失に関係しているかもしれない」という論調で報じたため、このニュースに全米が飛びついた。

後に、この事件が起こった「6月24日」が「UFOの日」に制定された。そして、その後は北米各地で「空飛ぶ円盤」の目撃情報が相次ぐようになった。中でも有名なのが「ケネス・アーノルド事件」の1カ月後の1947年7月、ニューメキシコ州ロズウェル付近にUFOが墜落して、その残骸と乗っていた宇宙人を米軍が回収したとされる「ロズウェル事件」だ。後から振り返ると、信憑性のない怪しげな事件ばかりだけど、当事のアメリカ人たちは、これらの事件を簡単に信じちゃったのだ。

日本は敗戦後の1945年9月から1952年4月まで、アメリカが主導する連合軍の占領下に置かれてたから、これらのニュースは日本でも進駐軍によってリアルタイムで広まった。そして、当事の日本人たちも簡単に「空飛ぶ円盤」の存在を信じちゃった。さらには、今なら「ソ連(当時)が秘密裏に開発した最新鋭機」とか「未来の地球から来たタイムマシン」とか、いろんな想像をするけど、当事は、アメリカ人も日本人も「人類より科学が発達した宇宙人の乗り物」というド直球の想像一択だった。

で、アメリカ人や日本人が「空飛ぶ円盤」を「宇宙人の乗り物」と信じ始めた次に浮上したのが「宇宙人は何をしに地球にやって来たのか?」という疑問だった。そして「宇宙人は地球人と友好関係を築くためにやって来た」という性善説と、「宇宙人は地球を侵略しに来た」という性悪説が対立するような世論が形成されて行った。そんな中、もっともらしく広まったのが、「空飛ぶ円盤」の目撃例がちょうど世界各地で戦争が繰り返されていた時期だったため、「宇宙人が地球を侵略する上で、地球人の戦力を調査に来た」という説だった。

‥‥そんなわけで、ここで話はクルリンパと坂口安吾の『武者ぶるい論』に戻るけど、特に日本人はアメリカ軍にコテンパンにやられた直後だったため、性善説よりこちらの「侵略説」を信じる人が増えてしまった。その結果、まるで天気予報のように「空飛ぶ円盤が飛んで来ると戦争が始まる」というトンデモ論がまことしやかに広まり、ふとした時に空を見上げる人が急増したという。坂口安吾は、そんな世間の風潮を冷やかし半分にエッセイに取り入れたんだろう。

ま、こうしたトンデモ論を簡単に唱えたり信じたりしちゃうのが一般大衆の性(さが)なんだけど、それは人間のDNAに刻まれた「自己防衛」を主とする動物的本能によるものだ。人間は正体不明の相手と遭遇した場合、まずはその相手が自分にとって敵か味方かを見定める。だから、敗戦直後の日本では、この「空飛ぶ円盤」を「敵」と見る人が多かったわけだ。

三島由紀夫と葉巻型UFO

だけど、その一方で「空飛ぶ円盤」を「味方」と見る人も一定数はいた。そうした人たちの多くは、幼稚な陰謀論を鵜呑みにする人たちとは一線を画した、もっと知的好奇心の高い人たちだった。そのため、まずは基本に立ち返り、「空飛ぶ円盤とは何なのか?」「本当に宇宙人の乗り物なのか?」「そうだとしたら、その宇宙人はどこの惑星から来たのか?」など、「空飛ぶ円盤」の観測や研究をし始めた。

その第一人者が、大正12年(1923年)、東京に生まれた荒井欣一だった。東西冷戦の時代、荒井欣一は世界平和のために高度な科学力を持った「宇宙人」の存在が不可欠と考え、『武者ぶるい論』から4年後の1955年、全国初の研究団体「日本空飛ぶ円盤研究会(Japan Flying Saucer Research Association)」を設立した。

すると、さっきも書いたように、当時は第1期の「空飛ぶ円盤ブーム」だったので、次々と入会する人が現われ、会員数は1000人を超えるほどになった。今は、人気アイドルがツイッターやユーチューブを始めると、アッと言う間に何十万人ものフォロワーがぶらさがる時代だけど、当事はネットなどなく、現金書留で入会金や会費を送って入会してたのだから、この1000人はとても大きな人数だ。

その上、さらに凄いのが、その会員たちの顔ぶれだった。もちろん、この1000人のうちの9割以上は一般人だけど、中には著名人たちも数多く名を連ねていた。敬称略でザッと挙げると、三島由紀夫星新一新田次郎石原慎太郎糸川英夫黛敏郎‥‥などなど、他にもたくさんの著名人がいた。あたしとしては、「日本の宇宙開発の父」と呼ばれ、JAXAの初代はやぶさが探査した小惑星「イトカワ」の名にもなった糸川英夫博士も会員だったことに、何よりも驚いた。

ちなみに「日本空飛ぶ円盤研究会」の設立後、早い時期に入会した会員番号12番の三島由紀夫は、とても熱心な会員で、荒井欣一会長によると、定期観測会を一度も休まず、毎回大きな望遠鏡を担いでやって来たと言う。三島由紀夫がどれほど「空飛ぶ円盤」に夢中だったのかは、設立2年後の1957年に、研究会の機関誌『宇宙機』に寄稿したエッセイの冒頭を読めば分かると思う。

これからいよいよ夏、空飛ぶ円盤のシーズンです。去年の夏は、熱海ホテルへ双眼鏡ももって行って、毎夜毎夜、いはゆるUFOが着陸しないものかと、心待ちにのぞいていましたが、ついに目撃の機会を得ませんでした。

さすがは「世界の三島」だ!夏が空飛ぶ円盤のシーズンだと言い切ってる!もしも三島が俳人だったら「空飛ぶ円盤」を夏の季語に定めてたかもしれない!そして、それだけでなく、この時代に、すでに「UFO」という言葉を使ってる!

でも、これは「ユーフォー」じゃなくて「ユーエフオー」と読む。あたしが生まれた頃に放送してたイギリスのテレビドラマ『謎の円盤UFO』も「ユーエフオー」だった。そもそもの話、「UFO」を「ユーフォー」と読むのは、ピンクレディーやカップ焼きそばに象徴されるように世界で日本だけで、アメリカでもイギリスでも「UFO」は「ユーエフオー」だ。

ま、それはそれとして、このエッセイから3年後の1960年5月、三島由紀夫は大田区の自宅の屋上で、妻の瑤子(ようこ)と空を観測してて、ついに念願の「空飛ぶ円盤」を目撃したのだ!‥‥とは言っても、それは「円盤」じゃなかった!ナナナナナント!「葉巻型の母船」だったのだ!

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水上恒司に山﨑賢人は負けるのか?記者も驚いた『あの花』vs『ゴールデンカムイ』新春映画対決ウラ事情

この年末年始に公開された新春映画の動員数と興行収入が出揃ってきました。もともと期待度が高すぎた山﨑賢人さん(29)主演の『ゴールデンカムイ』がイマイチ振るわない一方、水上恒司さん(24)と福原遥さん(25)のW主演が話題となった『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』は7週目で興収約35億と予想外の大ヒットに。“あの山﨑賢人を水上恒司が圧倒!?”というまさかの展開を、業界関係者はどう分析しているのでしょうか?芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが解説します。

山﨑賢人『ゴールデンカムイ』に関係者落胆

19日に公開された『ゴールデンカムイ』が初週末の観客動員ランキングで堂々の1位を記録しました。

公開3日間で約35万6,100人、興行収入も約5億3,400万円は立派な数字だと思うのですが、配給元の『東宝』周辺からは「もっと集客があると予測していたのに…」という声が漏れていました。

原作の根強い人気と、『今際の国のアリス』や『キングダム』シリーズも好評で、役者として円熟味を増してきつつある山﨑賢人の立ち位置を考えれば確かにこの数字でさえ少ないのかもしれませんね。

改めて製作者側を取材してみると、彼等が頭の中で思い描いていたのはやはり、昨年7月に公開された『キングダム 運命の炎』だったようです。

昨年の実写版邦画ランキングでは『ゴジラ-1.0』を押さえ、堂々の1位に輝いた人気シリーズ作品です。

この『~運命の炎』は公開3日間で観客動員数は約70万7,300人、興収も約10億5,000万円でしたから、それぞれが半分位の数字しか残せなかった『ゴールデン~』には少々落胆しても当然なのかもしれません。

ちなみに『~運命の炎』は公開14週で興収は56億円を記録していますので、この数字に追いつけ追い越せ…と、これからの挽回が期待されます。

配給は同じ『東宝』(『キングダム』シリーズはソニー・ピクチャーズ エンタテインメントとアスミック・エースも)ですから、今年7月に公開予定の『キングダム 大将軍の帰還』で“行って来い”となるのかもしれませんね。

邦画、洋画、アニメ、実写版とスクリーンを飾る作品には色々なジャンル分けがされています。

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水上恒司『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』のヤバすぎる経済効果

この『ゴールデン~』のような実写版邦画のジャンルでいえば、昨年暮れに公開された『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』が関係者を驚かせています。

“岡田健史”から紆余曲折あって芸名を本名に変えた水上恒司と、朝の連続テレビ小説『舞いあがれ!』のヒロイン、福原遥がW主演している同作は若い世代からTikTokで火が付いた人気小説が原作です。

当初“特攻隊員とタイムスリップした女子中学生の時空を超えた恋愛”物がどれほど数字を獲得できるか疑問視する関係者も実は少なくありませんでした。

それが公開から約7週目で観客動員数は約274万1,000人、興収は約34億6,200万円の数字を残していて、今のところ『ゴールデン~』を圧倒しているのです。

公開から3日間の数字を比較すれば『ゴールデン~』の足元にも及ばない『あの花』ですが、出演者のラインナップや製作費用も考えると、関係者の想像を遥かに超越した展開です。

たくさんのCMともタイアップし、豪華出演者、最新の映像テクニックを誇る『ゴールデン~』が『あの花』を、もし数字が最終的に下回ったりしたら…考えるだけでも鳥肌が立ってしまいます。

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社会の歪みのあおりを受ける弱者。能登半島地震が示す日本の未来

能登半島地震の発生から3週間以上が経った現在も、苦しい避難生活を強いられている被災者の方々。殊に介護やケアが必要な人々を受け入れる「福祉避難所」の多くが開設できない状況にあると伝えられています。今回のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』では社会健康学者の河合さんが、福祉避難所を巡る「山積み」とも言うべき数々の問題を取り上げ、その根本原因を考察。さらに自然災害国に住む我々一人一人が徹底的に議論すべき課題を提示しています。

プロフィール河合薫かわいかおる
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

自然災害国ニッポンと超高齢社会

能登半島地震が発生してから、3週間以上が経過しました。

15日時点で、輪島市の7カ所で福祉避難所が開設されています。市と協定を結んでいる福祉避難所は26カ所あるのですが、事業所も断水などの被害を受けているので、受け入れられる状態にないそうです。

本メルマガでは、「福祉避難所」の問題点を度々取り上げてきました。

【関連】能登半島の大地震で露呈。ミサイルは買っても年寄りは守らぬ国の無策ぶり

福祉避難所は1995年1月の阪神淡路大震災をきっかけに、地方自治体に設置が義務付けられました。当時、震災を免れながらその後亡くなる「災害関連死」が続出し、その中には日常生活に介護が“必要だった”高齢者がかなり含まれていました。そこで高齢者や障害者など、介護やケアが必要な人たちが、一般避難所に避難したのち必要に応じて移る二次的な避難所の設置が検討され、民間の高齢者・障害者施設と市町村が協定を結び「福祉避難所」を事前指定し、要した費用は災害救助法に基づき国が負担することが決まったのです。

しかしながら、福祉避難所は問題が山積みです。

熊本の震災のときには、ほとんどの福祉避難所が機能不全に陥り、地震発生から1週間たってもわずか70人しか入所できませんでした。熊本市の「要支援者」約3万5,000人(推定)のうち、福祉避難所を利用する人は約1,700人程度と算出されていたのに、たったの70人しか入れなかった。ひと月後でも、300人にしか達しませんでした。福祉避難所も、ケアする人も、被災したことが大きな理由です。結局、176の福祉施設のうち稼働できたのは43施設。被災地だけで対応することのむずかしさが露呈したのです。

そして、今回。高齢化率の高さに加え、断水と停電により一般的な避難所も機能不全に陥ったことはご承知のとおりです。最悪だったのは、国の災害支援が「陸路が使えなくなった場合」を想定していなかったことです。災害時には首相の権限で自衛隊に要請し、高齢者などと搬送することができるのに、岸田首相の対応は迅速とは言い難いものでした。

全国の地方自治体が早い段階で支援に入ったものの、ライフラインが復旧しない状況での支援は厳しく、支援者たちも限界に達しました。

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松本人志に“実名告発”、元グラドル大塚里香氏が文春に語った「恐怖の夜」と生々しい現場。吉本は公式発表で「初動ミス」認めトーンダウン

22日、自身の性加害疑惑を報じた『週刊文春』発行元の文藝春秋に対して、5.5億円の損害賠償と謝罪広告の掲載などを求め東京地裁に提訴した松本人志(60)。しかし松本が代理人に立てた“ヤメ検田代政弘弁護士が、「陸山会事件で虚偽公文書作成及び行使罪で告発され検察官を辞職した過去があることを懸念する声が上がっていることは、弊サイトで既報のとおりだ。

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裁判の行方について法律家らがさまざまな「展開」について言及する中にあって、『週刊文春』は24日、雑誌に先行する形で電子版を配信。放たれた「四の矢」には実名顔出しという形で、元タレントの大塚里香さん(37)が松本から性行為を迫られた際の様子が掲載されていた。そのほか、同電子版では、沖縄県在住の当時19歳だった専門学校生による告発も新たに掲載されている。


大塚さんが語った生々しい証言

大塚さんは過去に多くのバラエティ番組への出演経験を持ち、現在はフードコーディネーターとして活躍している才媛。そんな大塚さんは今回、松本や後輩芸人らによるマンション“連れ込み”の様子を生々しく証言している。

記事によると松本の大塚さんへの「性加害未遂」が起きたのは06年8月のこと。「知り合いの芸人との飲み会がある」と友人から誘われた彼女が指定された都内のカラオケ付きのバーに出向くと、そこには松本のほか、後にM-1グランプリを制することになる後輩芸人らが顔を揃えていたという。

やがて彼らは参加女性たちに好みのタイプを答えさせる「マッチングゲーム」を開始。他の女性たちが松本の名を挙げていたため大塚さんも「松本さん」と答えたことがこの後の悲劇を招いた。

「えらい目に遭うぞ!」とまで言い放った松本

カラオケ付きバーでの一次会を終え行き先も告げられぬままタクシーに乗せられた大塚さんが連れ込まれたのは、松本の自宅。リビングでの雑談後、松本が一人別の部屋に移動するや、「マッチングゲーム」で松本を好みのタイプと上げたことを言質に、大塚さんは芸人たちから松本の待つ部屋に無理やり連行される。

そこでキスを迫られ体に手を伸ばす松本だったが、大塚さんが必死の抵抗を試みるや激高。「ごめんなさい」と部屋を飛び出した彼女を追ってきた松本は、その後多くの参加者たちの前で大塚さんの人格を否定するような暴言を延々と浴びせ続けたという。

やがて松本から「帰れ」と言われた大塚さんは、お金を受け取ることもなく帰宅。その日の深夜、泣きながら電話をかけてきた大塚さんが、松本から「えらい目に遭うぞ!」とまで言い放たれたことを口にしていたという彼女の母親の証言も文春は伝えている。

「なぜ直ぐに警察に行かなかったのか」という強者の論理

「松本擁護派」の後輩芸人や芸能人、一般人の松本ファンなどは、

《なぜ週刊誌には話して警察に届けないのだろうか》

《なんで、今頃何年も前のことを言うの?》

《警察には言えなくて、週刊誌には言える不思議!》

と口を揃える。しかし前述の通り松本から「えらい目に遭うぞ!」と半ば脅迫に近い言葉の暴力を受けていた大塚さんは、報復を恐れて警察に届け出ることはできなかったという。

実際、SNSや掲示板を見てみると、

《相手との力関係が気になって被害者が警察に行けない事案はある》

《みんな被害者は後から悔やんで、悲しんで、苦しんでいるのに証拠も無くて裁判も警察にも行けない人ばっかりだよ》

《警察に相談したけど無意味だった…》

というコメントが数多く書き込まれている。「タレントとして芸能活動しているのであれば、報復を恐れて警察には届けられないのでは」という意見が多いようだ。

1人で声を上げてもどうにもならない「芸能界の実情」

今回、文春サイドには複数の女性たちによる松本からの「性的被害」の告発がなされているという。文春と関係の深いジャーナリストの有田芳生氏(71)もこのようにポストしている

これについても松本擁護派からは、「なぜ徒党を組まなければ告発できないのか」といった声も上がっているのも事実だ。

しかしこの世界においては、1人で戦ってももみ消される、あるいはカネで懐柔されるのがオチだと言う。かつて放送業界に身を置いていた男性は、たった1人で大手所属事務所のタレントからの「被害」を告発する難しさをこう語る。

「1人の人間の告発など、大手事務所にとっては“存在しないもの”も同然です。大手であればあるほどテレビ局に与える影響は強いですから、放置しておけばウヤムヤにできますからね。それでもしつこく声を上げてくる“被害者”には、相応のカネを積めばなんとかなってしまうのがこの世界の実態、と言ってしまっていいと思います」

告発女性たちを「二毛作」と呼ぶ投稿も

さらにネット上には、性被害を告発する女性に対して「二毛作」という言葉を用いて卑下するものが後を絶たない。たとえ女性たちが勇気を持って訴え出ても松本擁護派が、

《結局は売名だろ》

《カネにするため、ネタを取っておいたのか》

といった投稿を頻繁に行っている。

ここで言う「二毛作」とは、「売春でカネを得て、週刊誌に相手をした著名人のネタを売る」という意味なのだが、今回の大塚さんの場合、二次会が松本の自宅であることを知らされておらず、お金を受け取ることもなく、同意を得ないまま行為を強要されそうになったと証言している。「カネを得て」いない以上、その批判は当てはまらない。

ネット民の間でも、こうした「二毛作」発言は「セカンドレイプだ」との指摘も相次いでいる。

《二毛作とか言う人は、自分も後ろ暗い過去があるんだろうな》

《完全にジャニーズの件と同じ流れやな、あれから何も学んでいない》

《被害者の情報も出せって言う意見はセカンドレイプだろ》

《松本人志だとこんな風に擁護しちゃうんだ? 結局生きていれば権力者に忖度か》

かようなポストが多く見られる。性的被害を報道するに当たり、何より「セカンドレイプ」を避けなければいけないことは言うまでもない。

注目に値する、吉本興業が24日に発表した「公式声明」

吉本興業は24日、公式サイトで「週刊誌報道等に対する当社の対応方針について」とする声明を発表。

● 週刊誌報道等に対する当社の対応方針について

吉本は

昨年末以来の当社所属タレントに関する様々な報道により、ファンの皆様及び関係先各位に多大なるご心配とご迷惑をおかけしておりますことをまずもって心からお詫び申し上げます。

と謝罪。

今般、私的行為とはいえ、当社所属タレントらがかかわったとされる会合に参加された複数の女性が精神的苦痛を被っていたとされる旨の記事に接し、当社としては、真摯に対応すべき問題であると認識しております。

としている。さらに、23日に開かれたガバナンス委員会の席で、

所属タレントが提訴した訴訟の経過も注視しつつ、事実確認をしっかり行った上で、何らかの形で会社としての説明責任を果たす必要がある」「当初の『当該事実は一切なく』との会社コメントが世間の誤解を招き、何を指しているのか不明確で混乱を招いたように思う。時間がない中での対応とはいえ、今後慎重に対応すべきである」などの厳しい指摘

を受けたという。つまり、吉本が「初動ミス」を公に認めた形だ。

ここに来て、松本個人による告訴となったこと、そして吉本サイドがこのような発表を行ったことは注目に値するだろう。

今後、文春側はさらなる「女性たちからの告発」を世に出すのか。そして松本、吉本サイドが「白旗」を揚げる日は近いのだろうか。

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顔の「むくみ」が気になる人は、食生活を変えなさい。そしてカリウムが含まれたモノを食べなさい

女性でも男性でも気になるのが、顔のむくみ。これを食生活で改善するにはどうすれば良いのでしょうか? 今回の無料メルマガ『美容と健康ひとくちメモ』では、顔のむくみを改善する食習慣として、これを摂るべき!という食材をご紹介しています。

食生活改善で顔のむくみを改善する

一般的な顔のむくみであれば、食生活を変えればすぐに解消されるケースも多いのそうで、ナトリウムや脂質といったむくみの元となる不要な成分を食事で体外へ排出する方法が非常に効果的なのだそうです。

また、むくみが食習慣を変えるチャンスとポジティブに捉え、これを機会に根本的な食生活改善を徹底する事もむくみをはじめとするあらゆる体の不良に劇的な変化を及ぼすらしいですよ。

飲み会などが多い時期は、塩分過多になっていないか、油っぽいものが多すぎないか、気を配る必要があり、多量のアルコールもNG。

ほうれん草やじゃがいも、キノコ類などのカリウムを多く含む食品は積極的に摂取した方が良く、ただ、何事にも丁度良い塩梅というものがあるので、ほうれん草などは食べ過ぎると尿酸値を高めてしまい痛風などを派生させてしまう可能性があるので気を付けましょうとのこと。

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「原発推進」政策で見逃された危険な活断層。なぜ能登半島を大地震が“不意打ち”したのか?

元日の能登半島を襲ったグニチュード7.6、最大震度7の揺れを観測した大地震。この地震が想定を大きく上回った理由は、原発推進政策に大きく関係しているようです。今回のメルマガ『田中優の‘持続する志’(有料・活動支援版)』では著者で 「未来バンク事業組合」理事長を務める環境活動家の田中優さんが、なぜ能登半島が大地震に「不意打ち」されたのかを解説。さらに専門家も含めた国民の地震に対する理解の遅れを指摘しています。

プロフィール:田中優(たなか ゆう)
「未来バンク事業組合」理事長、「日本国際ボランティアセンター」理事、「ap bank」監事、「一般社団 天然住宅」共同代表。横浜市立大学、恵泉女学園大学の非常勤講師。著書(共著含む)に『未来のあたりまえシリーズ1ー電気は自給があたりまえ オフグリッドで原発のいらない暮らしへー』(合同出版)『放射能下の日本で暮らすには?』(筑摩書房)『子どもたちの未来を創るエネルギー』『地宝論』(子どもの未来社)ほか多数。

※有料メルマガ『田中優の‘持続する志’(有料・活動支援版)』好評配信中。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。 

原発推進政策の悪弊。見逃された能登半島大地震の危険性

今年の新年は地震とともに始まった。言うまでもなく能登半島地震だ(図1)。

ここに活断層がある可能性が高いことはよく知られていた。

しかし

「能登半島北岸の直線的な海岸線が、沿岸の海底にある活断層の活動によってできたものであることを知る研究者は多かったし、地震は当然想定されるべきだった。しかしそれができず、不意打ちの形になってしまった」

と。

名古屋大学教授で、日本活断層学会会長を務める鈴木康弘氏は地震を受けてそう述べている。

M7級想定できた-沿岸活断層、認定急げ

1月1日に起きた能登半島群発地震は甚大な被害をもたらしたが、それは想定されていた地震の大きさとは全くレベルの大きな地震であったためだ。その原因が活断層の位置と長さの想定が正しくなかったためだ。続けてその理由についての言い訳を同じく日本活断層学会会長の鈴木康弘氏から聞いてみよう。

「2007年の新潟県中越沖地震も海底活断層によるものだったが、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)を巡る政府の審査では音波探査が過度に重視された結果、大幅な過小評価になっていた」

と。

「音波探査」では海岸沿いの海域の活断層を「活断層認定」するのが難しく、今回の能登半島北岸のように海岸近くにある活断層を音波探査で調べることは難しい上に判定できる新しい堆積物が薄いために見極めが難しいのだと。しかも想定される震度が高ければそれだけ建設費用が嵩んで電力会社の抵抗は大きくなる。電力会社の抵抗はあるだろうが、今なら、海底でも陸上と同じように地形から活断層を地下を掘削して調べることも可能だ。海域を探査船を出して音波を出して海底下の地質構造を調べるが、しかし能登半島北岸のように、海岸近くにある活断層を音波探査で調べることは難しい。

こうした問題を補うため、最近は、海底でも陸上と同じように地形から活断層を認定する技術が進んだ。能登半島では「後藤秀昭・広島大准教授ら」が調査し、北岸をほぼ東西に走る長大な海底活断層の存在を指摘していた。これが今回の地震を起こした断層とみられるが、いまだに音波探査による地質調査が重視されすぎているために、後藤氏らの結果は活断層図(図2)に反映されていない。

それが能登半島に活断層が描かれておらず、地震が不意打ちした理由だ。

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