【原発問題】イエス・ノー世論で約1000人が回答!高浜原子力発電所再稼働問題

YES/NO昨年12月に原子力規制委員会が、関西電力高浜原子力発電所3、4号機について、再稼働に必要な安全対策の基準を満たしているとする「審査書案」を了承。これにより来年春以降に再稼働の予定と発表されました。このニュースを受け、まぐまぐイエスノー世論で、原発の再稼働についてアンケートを実施しました。

回答は、YES:「再稼働すべき」NO:「再稼働すべきではない」の2択とし、有効回答数1,060票中(2015年1月5日時点)、YES:「再稼働すべき」が571票NO:「再稼働すべきではない」が489票を集めました。

半数以上の票を集めた「再稼働すべき」では、あくまで“安全ならば”が大前提となっており、電気代の高騰は困る、といった回答が多くみられました。以下に回答者のコメントを一部抜粋します。

『在庫の核燃料を使い果たすまで使用し経費を節約すれば製造業のコストダウンになる。原発の発電を停止する事は原子炉を停止する意味では無い。原発の発電停止を機関車に例えれば駅で停まって車輪が廻っていないだけでボイラーの中は燃えている。』

『再稼動すべきというよりは、せざるを得ないのが実情だと思います。昔に比べて電気の需要は飛躍的に増えていますから。原発に反対するなら、まずは電気の消費量を減らす方が先ではないでしょうか? このまま火力発電に頼るわけにもいきませんから。反対派の人は電気を使わない努力をしてますか?』

『今の生活水準を落としたくないのであれば、こっちしかない。(現実的に・・・)私は、生活水準を落とせないと思うし、石油、天然ガスに頼り切りも危険。太陽光なんぞ、腹で湯を沸かすほうが現実的。』

『国防の面でも経済の面でも再稼働すべし。先の戦争はエネルギーを止められたのが発端。そのおかげで国家存亡の危機を迎え、不利な戦争に引き込まれました。現実的に各家庭の電気料金が値上がりしています。各家庭の使用量レベルならいろんな代替えエネルギーも有るだろうが、産業の米である電力料金が値上がりすることは、国内産業の低迷を招くことにもなる。』

そして、489票を集めた「再稼働すべきではない」を選択した人のコメントでは、やはり原発は信用できない、という回答が多くみられました。以下に一部抜粋します。

『その代り、ガス、原油の値上がり、為替による値上げ等の不利益を受け入れる覚悟の上でです。 反対の人々の多くは感情だけ、リスクを本当に理解し、我慢する覚悟があるかは疑問ですが。特に太陽光についてのリスクは殆ど理解してないと思います。今のドイツの現状を知るべしで、現在の日本では困難である事も。』

『自分の子供が原発事故に遭って、ガンになったとしても「原発は必要」と言える人がいるのだろうか?また、そんな人の前で「原発は必要」と言えるのだろうか?人として重要な資質が欠けているのではないだろうかと思ってしまう。チェルノブイリは対岸の火事ではありません。』

『事故が起こり琵琶湖が汚染されれば滋賀・大阪・京都の飲料水と商用水が使用できない。これほど危険な原発「廃絶」すべきです。ハイ』

『どんなことがあっても核反応を完全にコントロールできるならいい。安全基準を満たしているといっても人間の頭で理解できることを勝手な思い込みで安全と思っているのが現実。予想を超えるの事態が起きたときは想定外の事態だ!といって誰も責任をとらないのは福島原発で経験してるはずだ。そんな危険な施設は動かすべきではない。』

 

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『まぐまぐイエスノー世論』

【今年の科学予想】エセ科学商品にご注意!感情的なストーリーに流されるな!

★むしコラム「2015年におこりそうな5つのこと」

『堀川大樹メールマガジン「むしマガ」』Vol.271 2015/01/04

5年くらい前、つまり2010年前後に「そろそろ時代はこうなる」と言われてきたことが、昨年あたりから現実におこってきた感があります。具体的には、動画メディアや電子書籍の定着や、多数の教祖の誕生による小さな集団の林立だったり。後者はサロンや政治運動グループを含みます。いずれもIT革命がもたらしている現象ですが、2015年もやはりこのテクノロジーによる「評価経済」が世界に素早く浸透してくことでしょう。

要するに、個人も組織も「好かれ具合の絶対値」が評価軸になりやすくなる。これは、好むと好まざるとにかかわらず、そうなってしまうということです。評価の度合いが増幅されやすいシステムが次々と実装されていくからです。

個人の場合のわかりやすい例でいえば、クラスの人気者はますます人気者になり、嫌われ者はどんどん嫌われていくといった具合です。人気者の高評価が増幅されていくことは、SNSが「シェア」の仕組みを基本としていることから想像しやすいでしょう。嫌われ度が増幅する仕組みは、シェアに加えてブロックというコミュニティ外に追いやる装置が強力に機能します。

よく「ITは弱者に力を与える」といわれますが、ITが掘り起こすのはカッコよくてやる気はあるけれども光が当たっていなかった者だけであり、本当に弱い立場の人にはITは何も与えてくれない。ましてや、自分のことを棚に上げて他人の揚げ足をとってばかりの人は、どの世界のコミュニティからも疎外されていく。

このような評価の格差が増大する傾向が加速する結果として、2015年もいろいろな社会現象が生まれることでしょう。ということで、今回は2015年にさらに顕在化しそうなことを予想してみます。

1. マイノリティ層の増加

小学校や中学校の教育では、昔と変わらずに、いかに周囲と協調してまともな人間になるかを教え込んでいます。しかしながら、勤勉だけであり続ければ周囲のその他大勢に溶け込んでいき差別化がはかれなくなるだけでなく、まともであるがゆえにちょっとでもまともでない言動をとるとすぐに叩かれてしまうという、たいへんに損な役回りを担わなければなってしまいます。

そこで今年も増加すると思われるのが、どこからもツッコミを入れられないようなマイノリティ層です。身も心も男だけれども女の子の格好をする(おとこのこ)が昨今増殖していますが、このような一見セクシャルマイノリティにみえる人々がそこらじゅうに増えてきそうです。他にもずっと着ぐるみを着てすごす人々や、レオタード姿で街中を闊歩するような人々が増えてくるのではないでしょうか。

このような形で人々の多様化が進み、その中から新しいポップカルチャーが生まれてきそうです。

☆【参考】赤いレオタードでおまるにまたがる男性
(註: この男性が社会的プレッシャーをかわすためにこのような活動をしているかどうかは不明です)

2. 海外流出邦人の増加

若者を中心に物価の安い国に流れていく人が増えていくことが予想されます。ただ、ここでのポイントは、若者たちが移住をする理由が必ずしも経済的な事情だけに依らないことです。むしろ、国内における自分のプレゼンスに満足できないことが引き金となって国外に移動する場合が多いでしょう。

自分の劣等感をやわらげられるような環境に身を置きたい。このような理由で、「日本人」というだけで割と歓迎されるような国や地域への移住が人気になります。「英語を話せる西洋人」がウケる国に流れる西洋人が多いのと同じ理屈ですね。

「グローバル化」は意識の高い文脈でばかり使われますが、むしろこういう形でより多くの日本人が世界に広がっていくのではないでしょうか。

3. 市民政治運動グループの対立の激化

昨年はヘイトスピーチをする在特会とそのカウンター勢力の衝突が頻繁に起こりました。今年はこのような対立以外にも、さまざまな政治的および思想的な軸を挟んだ集団間の対立が顕在化しそうです。全体的には右傾化が進んでいる日本ですが、誰からも評価されず疎外感をつもらせた人々はどの方向にも向いていくことが予想されるので、小さな集団がさらに多くできてくるのではないでしょうか。

4. 似非科学商法の勃興

すでに似非科学商法は日本国内のあらゆる場面で目にするわけですが、SNSは悪徳業者が科学リテラシーが低く感情的なストーリーに流されやすい人々を釣るのに最適に設計されており、今年もあっと驚くような文言が付された似非科学商品が次々と現れてくるでしょう。

このような似非科学商品は大手ネットメディアやSNSでプレゼンスのある有名人や似非科学者によるステマで拡散していくため、まともな科学者による批判も焼け石に水でまったく防ぐ手だてはなさそうです。とはいえ、負け戦とわかっていてもこの状況を黙って見ているわけにもいきません。僕は毒を以て毒を制するやり方で一矢報いる準備をしています。

5. テクノロジー系ベンチャー起業ブーム

テクノロジー全般におけるインフラ整備が進み、市場に参加する障壁が下がってきました。そして、競争過多のアカデミアを去る人や大学院への進学を選択しないアカデミア肌の人材も増えてきています。この二つの要因がマッチしてきたことで、今年あたりからテクノロジー系ベンチャーの起業が増えてきそうです。

DMMが秋葉原にテクノロジー系スタートアップ企業向けのシェアスペースを走らせているように、民間による支援も活発になってきています。クラウドファンディングサイトのような投資を促進するプラットフォームも充実してきそうですね。面白く実現性のあるアイディアがあれば評価がつき、資金調達もしやすくなるでしょう。日本でも新しいテクノロジーがどんどん生まれてくるようになるかも。

☆【参考】DMM、秋葉原にハードウェアスタートアップの聖地となるシェアスペースを開設

ということで、思いつくかぎりを書いてみました。当然ながらポジティブなこともネガティブなこともありますが、こう見ると人々の細分化と分断化がキーワードですね。国政側からみれば人々の統率が難しくなるわけで、国による規制なんかも強まってくるかもしれません。

何はともあれ、我々は時代が大きく変わりつつある過渡期にいるわけで、そんな状況を体験できるだけでもとてもエキサイティングなことです。レッツ・ハブ・ア・ファン・トゥギャザー。

 

『堀川大樹メールマガジン「むしマガ」』Vol.271 2015/01/04

著者/堀川大樹(クマムシ研究者)
北海道大学大学院で博士号を取得後、2008年から2010年までNASAエームズ研究所にてクマムシの宇宙生物学研究に従事。真空でも死なないクマムシの生態を解き明かしたことで、一躍有名研究者に。2011年からはパリ第5大学およびフランス国立衛生医学研究所に所属。著書に『クマムシ博士の「最強生物学」講座』(新潮社)。人気ブログ「むしブロ」では主にライフサイエンスの話題を提供中。
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【イタリアの冬スイーツ】手作りケーキとアップルムース

旅行や留学は無理だけど、海外で生活しているような気分を味わいたい。という方にオススメなのが、まぐまぐ大賞2014「旅行・おでかけ」部門で3位にランクインしたメルマガ『イタリアからトスカーナ便り』。イタリアのトスカーナに住んでいる著者の日常の出来事と、心が温まるようなエピソードを綴った“トスカーナ日記”の中から、真冬にピッタリの一節をご紹介します。

 

トスカーナの食卓を彩るホームメイドのケーキとアップルムース


贈り物だ、パーティだと騒いでいた(らしい)クリスマスも今日で終わり。
私とジョン・クロードは、25日も26日も普通の日々を送り、普通の食事をして過ごしました。
ただ、やはり子供の時の思い出があるのか、25日はケーキが食べたくなりました。

「ケーキ、食べる?」
とジョン・クロードに訊いてみると、
「ああ、久しぶりだね」
との返事。
そうなんです、我が家ではあまり甘いものを食べる習慣がないので、ケーキは年に2回焼くだけ。彼の誕生日と私の誕生日の時。そうか、もう少し頻繁にケーキを作ってもいいかな、と私は思いながら、ごくシンプルなスポンジケーキを焼いてみました。

中にバニラクリームを挟もうと思っていたら、ジョン・クロードが
「チョコレートをケーキの間に挟んでよ」
というので、チョコレートクリーム(ガニッシュというらしいです)の作り方をネットで調べて作りました。
作り方はとっても簡単で、チョコレートに温めたクリームを入れて混ぜるだけです。

私たちはダークチョコレートが好きなので、カカオ85%のチョコレート100gに200gの豆乳クリームを混ぜて作りました。
15cmのケーキ型で作ったケーキにはガニッシュが多すぎたので、挟むだけではなく、上にも練ってしまいました。
コーヒーや紅茶と一緒に食べても美味しいですが、バニラアイスを添えると更に美味しくなりました。

手作りというと、ジョン・クロードが大好きなアップルムースも作りました。
りんごが美味しくなる冬にはよく作ります。
りんご100%に対して砂糖は10%にも満たないほどの量、そこにシナモンをかなりたっぷり入れて煮ます。15分ほど煮てリンゴが程よく柔らかくなったら完了。攪拌したら瓶に詰めます。

私は、熱々のりんごムースを瓶に入れたら蓋をきっちりと締め、それを逆さにして冷めるまで置いておきます。この方法で、中の空気が完全に抜け、何年も保存が可能です。
大きな鍋にお湯を沸かして、そこに瓶を入れて1時間もぐつぐつと煮る(湯煎で煮る、フランス語でバン・マリ)方法を用いる人もこちらにはたくさんいますが、そういうところはどうも気長でない私は、瓶を逆さにする方法を知った時は大喜びしたものです。

イタリアではクリスマスになるとパネトーネというお菓子を買いますが、スイスやドイツでは、各家庭でヴァニラやシナモン味のクッキー生地を作り、それを星や家、エンジェルなどの型で抜いて焼きます。

焼いたクッキーは缶に入れ、クリスマスから年明けまでの間、家族で食べるのが習慣です。
シナモン味のアップルムースを食べながら、私はふと、そんなことを思い出していました。

暖かい日が続いていたトスカーナですが、トスカーナの冬は1月と2月だと言われるように、年末になってやっと寒い日がやってくるようです。

さっそく、明日の最低気温は零下になるとか。そしてそのまま寒さは続き、来週は最高気温マイナス1度、最低気温マイナス7度なんていう予報が出ています。 こんなに寒い日って、いままでトスカーナにあったでしょうか?

まぁ、冬は寒いのが当たり前。家の中は25度以上あっても、外に出るときはガッチリと防寒対策をして、風邪をひかないように年末を迎えたいと思っています。
なんだか信じられませんが、後5日もすれば年末ですね。
私は今年も健康で楽しく過ごせたことに感謝です。

みなさま、年末は何かとお忙しいことと思いますが、お体にお気をつけて、良き年をお迎えください。
来年も、「イタリアからトスカーナ便り」でお会いしましょう。
アウグーリ!!
http://www.deeshan.com/guide/diary14/homemade.htm

 
information:
イタリアからトスカーナ便り
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【子育て世代必見】子どもの“遺伝子エラー”も補修するホウレンソウの実力を現役医師が解説!

チョコベジは子供の感性をダメにする

森の診療所から始める 旅こそアンチエイジング 第84号(2014年12月27日号)

明治チョコレートと野菜ソムリエが展開している野菜にチョコレートをトッピングして野菜嫌いを克服しようとする愚行。

不味い野菜を普段たべさせておいて、野菜が嫌いだからチョコレートに包めばいいというのは、言うまでもありませんが問題解決にはならず、単なる栄養補給の手段のひとつでしかありません。

子どもを不感症にするだけです。森の診療所的に言う不感症とは、美味しいかマズイかだけ。喜怒哀楽の喜怒しかないようなものです。

葉野菜をたべることが出来れば成長・健康状態の維持には問題ないのですが……。これがなかなかハードルが高い。

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この時期「寒じめほうれん草」を子供たちにぜひとも食べさせていただきたいです。ほうれん草は冬が旬です。その旬のほうれん草をさらに低温の環境に置き、生きのびるために野菜内部に栄養素や植物化合物を蓄える性質をいかした栽培技術を寒じめ栽培といいます。

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通常の栽培のほうれん草より、糖度、うま味、雑味が強く、えぐみや苦味が少なくなるのが特徴です。

あらかじめハウス栽培を行い、ある程度生育したらハウスを開放し外気をあてます。そうするとほうれん草は葉を縮めて葉を地面につけるようにロゼット状になります。表面が凍ってしまったかのように見えてもしっかり生存し、柔らかく味の濃縮した美味しいほうれん草に出来上がります。

しかし、寒さにあてなくても縮れた葉を持つほうれん草が品種改良ででまわり、外見からだけでは味が不明となってしまいました。愚かな品種改良です。

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寒じめ・縮みという訳のわからないタイトル。縮みの品種で、しかも寒じめ栽培技術か?とおもいきや、埼玉県産ですから寒じめほうれん草技術の定義である「地温マイナス」にはなっていないはずです。

食べてみればすぐ違いは解りますけれど。まず1月から2月上旬の岩手県産の寒じめほうれん草ならまず間違いありません

子どもは一度食べられる野菜を見つけると嬉しくて別の野菜にもチャレンジしてくれると思いますよ

葉酸はホモシステイン代謝に重要。うつ病や骨粗鬆症、心疾患などにも影響します。ビタミンKは骨のビタミン。抗酸化物質はさまざまな疾病予防に。遺伝子のエラーは子供のころから起こっていますからエラー補修のためにも葉野菜、特にほうれん草を食べさせたいものです。

それからもうひとつ大事な点。寒じめ技術により蓚酸が減少します。つまり身体にはあまり入れたくない成分が減るということ。これが先ほどの味チャート図でのえぐみの部分です。

岩手の寒じめほうれん草を見つけて召し上がってくださいね。

 

【終戦70年】桑田も長渕も福山も、「歴史に学べ」と訴えている

今にも進路を見失いそうなこの国

『高野孟のTHE JOURNAL』Vol.167(2015.01.05号)

天皇は2015年の新年に当たっての「ご感想」で、こう述べた。

「本年は終戦から70年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。各戦場で亡くなった人々、広島、長崎の原爆、東京を始めとする各都市の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。この機会に、満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思っています」

天皇はその13日前、昨年12月19日の誕生日の記者会見でも、次のように語っている。

「先の戦争では300万を超す多くの人が亡くなりました。その人々の死を無にすることがないよう、常により良い日本をつくる努力を続けることが、残された私どもに課された義務であり、後に来る時代への責任であると思います。そして、これからの日本のつつがない発展を求めていくときに、日本が世界の中で安定した平和で健全な国として、近隣諸国はもとより、できるだけ多くの世界の国々と共に支え合って歩んでいけるよう、切に願っています」

「満州事変に始まるこの戦争」と、その後の破滅的な15年戦争の起点となった歴史上の一点をはっきりと指し示したことが、なかなかに印象的である。満州事変は、言うまでもなく、関東軍が政府や大本営の承認も昭和天皇による宣戦の詔勅もなしに謀略を用いて中国側に越境して軍事攻撃を仕掛けたもので、軍の専横に政府が引きずられて他国と戦争するようなことが二度とあってはならないという気持ちを表現したと推測できる。その「戦争の歴史を十分に学び」「平和で健全な国として、近隣諸国はもとより……世界の国々と共に支え合って歩んでける」ようになることが、今年の喫緊の課題だと、誰が聞いても安倍晋三首相に向かって言っていると分かるような形で訴えているのである。

●「紅白歌合戦」でのサプライズ

この天皇の心境を理解してのことかどうかは知らないが、少なくとも結果的にそれと連動するパフォーマンスを、15年が明ける1時間ほど前に「紅白歌合戦」の舞台で仕掛けたのは、サザンオールスターズの桑田佳祐である。

彼の紅白出場は31年ぶりだそうで、しかも、司会の有働由美子アナによれば「2、3日前に急に決まった」文字通りのサプライズだったが、それ以上にサプライズだったのは、桑田がヒトラー風のチョビヒゲを付けて出て来て唄った歌が「ピースとハイライト」だったことである。著作権の関係が面倒なので、歌詞の全文を引用することは避けるので、このサイトで見て頂きたい。

この「お隣の人が怒ってた」というのは中国や韓国のことだろう。「教科書は現代史をやるまえに時間切れ」とは、歴史に学ぼうとしないこの国の教育のあり方への批判で、そんなことだから近隣と「歴史を照らし合わせて助け合う」ことなどできるはずがない。「都合のいい大義名分[かいしゃく]で争いを仕掛けて、裸の王様が牛耳る世は…狂気。20世紀で懲りたはずでしょう?」というのは、20世紀最大の裸の王様だったヒトラーになぞらえて安倍の好戦性を諫めているのである。

このチョビヒゲは、13年の参院選に向けて自民党が作った安倍の顔の脇に「日本を取り戻す。」と大書したポスターを誰かが加工して、安倍の顔にチョビヒゲを描きヘアスタイルをペタンとした六分分けに変えて、「日本を取り戻す」の前に「戦前の」を書き加えたパロディがさんざんネット上で出回ったことを思い出させる狙いからのものに相違ない。実際、サザンがこの新曲を引っさげて活動を再開したのは安倍第2次政権発足の半年後、参院選直前の13年6月で、このパロディ作品が広く話題になっていた頃だった。この曲のミュージック・ビデオでは、バンドの全員が戦隊ヒーロー風の制服を着て、その周りで安倍、朴槿惠、習近平、オバマのお面を付けたダンサーたちが踊ったそうだ(私は見ていない)。

この紅白サプライズには前段があって、12月27日から31日まで連続して横浜アリーナで桑田が年越しコンサートを開催していたその会場に、28日に安倍夫妻が鑑賞に訪れた。桑田は早速「爆笑アイランド」の歌詞の一部を即興で替えて「衆院解散なんて無茶を言う」と唄って会場の爆笑を誘い、安倍をのけぞらせた(が彼は最後まで機嫌よく拍手したりして聞いていたらしい)。そのことは翌朝のニュースに取り上げられ、ここから先は想像だが、それを見た紅白のプロデューサーが話題づくりを狙って「横浜ライブ会場からのナマ中継でいいから桑田に出て貰うよう交渉しろ」と言ったのだろう。中継なら、リハーサルもなしのぶっつけ本番だし、チョビヒゲを付けて出るのをNHK 側が制止することも出来はしない。その一瞬の隙を突いた、紅白乗っ取りの巧みなゲリラ戦術だった。

一杯飲みながらぼんやり紅白を観ていた私は、この歌を聴いて、長渕剛がイラク戦争に自衛隊が派遣されたことを捉えて「JAPAN」という曲を出し、「Oh, Japan! Where are you going? ……『平和な国だね』と友に語れば、『堅い話はおよし』と誰もがすり抜けた。文化は地に堕ち歴史は教訓ならず」と唄ったのを思い出した。その日の紅白で彼が唄ったのは「明日へ続く道」で、「諦めないで、超えてゆけそこを、超えてゆけそれを、例え突っ伏して倒れても、何度でも立ち上がってやれ!」という被災地への励ましの歌で、力が籠もったすばらしい演奏だった。そう言えば、福山雅治もライブ会場からの中継出演で「クスノキ」を唄った。長崎の被爆者2世である彼が「長崎出身のシンガーソングライターしか書かないし唄わないから」と言って発表した、長崎の爆心地で丸焦げになりながら奇跡的に蘇って2年後に葉芽を出した巨木を主人公にした昨年の新曲で、これも原爆70年に相応しい選曲だった。「もつれ絡まったイデオロギー、正義と正義が衝突する、清算できない歴史に建つ、砂上の平和に…、気付いたら、目覚めたら、それが合図さ、まだ間に合う、理想への挑戦者でいたい」──。

それで、元日の朝日新聞の何と4ページに及ぶサザンの10年ぶりのニューアルバムと全国ツァー予告の広告を見ました? ニューアルバムの頭は「平和の鐘が鳴る」。「今の私を支えるものは、胸に温もる母の言葉。若い命を無駄にするなと、子守唄を歌いながら。過ちは二度と繰り返さんと、堅く誓ったあの夏の日。未だ癒えない傷を抱えて、長い道を共に歩こう……」ですって。ノーベル平和賞候補になるんじゃないのか。

桑田も長渕も福山も、そして天皇も「歴史に学べ」と訴えているというのに、学ばないどころか、戦後70年積み上げられてきた普遍的な歴史理解を、ちゃぶ台を引っ繰り返すように転覆したがっているのが安倍である。側近の萩生田光一=自民党総裁特別補佐が「70年という大きな節目の年を日本の名誉回復元年にすべきだ」と言い放っている(正論2月号)とおり、恐らくは8月15日に、「村山談話」を否定することは出来ないにしても事実上、換骨奪胎的に修正する「安倍談話」を発表して、お祖父さんが戦ったあの大東亜戦争は侵略戦争などではなかったことを内外に宣言することこそ、安倍にとっての今年最大の課題である。

その勢いに乗って9月自民党総裁選で再選を遂げ、その任期3年間を改憲に捧げる。1年がかりで改憲草案を仕上げて、その間に16年夏の参院選では、衆参両院で自民党単独で3分の2の議席を確保することを狙ってダブル選挙の賭けに打って出て、改憲を実現し、それが成功すれば、自民党総裁の3選禁止規定を変更して(それは簡単でしょう、何と言っても自民党結党以来の悲願を達成した歴代最高の総裁になるのだから誰も文句は言えない!)18年に3選を果たし、2020年東京五輪の開会式で世界の賓客を迎えたい……。

第2次大戦前の最後の五輪となった1936年のベルリン五輪では、その3年前に政権を奪取したばかりのヒトラーが、「アーリア民族の優秀性と自分自身の権力を世界中に見せつける絶好の機会」と位置づけて、国の総力を賭けて準備し、さらに米英などがユダヤ人迫害を理由に参加ボイコットをしようとしていたのに対し、反ユダヤ人政策を一時的に隠蔽してまでその成功に注力した。まさかそこまで安倍がヒトラーを見倣おうとしているとは思えないが、しかし、“名誉回復”に成功し改憲をも達成して自立的な軍事国家として日本を再生させた指導者として東京五輪のホストに立って、世界中から祝福を受けたいという夢を、彼が抱いていたとしても(彼の知性水準からすれば別に)不思議はない。

しかし、予め結論を言えば、彼のこの夢は実現しない。安倍はすでに、中国、韓国はもちろん米国でも欧州でもロシアでも「歴史修正主義者」の烙印を押されていて、ここでもし安倍が過激な「安倍談話」など発表しようものなら、国際社会による「日本包囲網」の形成が始まってこの国は孤絶する。本当に求められているのは、歴史修正主義者すなわち戦後世界秩序への挑戦者という疑念や警戒をきっぱりと払拭するような談話であるはずだが、取り巻きやネトウヨを失望させ離反させるようなことを安倍が言える訳がない。結局、国際社会と国内偏狭右翼の両方からの批判を避けようとして中途半端に終わるのが落ちではないか。

 

『高野孟のTHE JOURNAL』Vol.167(2015.01.05号)

著者/高野孟(ジャーナリスト)
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。94年に故・島桂次=元NHK会長と共に(株)ウェブキャスターを設立、日本初のインターネットによる日英両文のオンライン週刊誌『東京万華鏡』を創刊。2002年に早稲田大学客員教授に就任。05年にインターネットニュースサイト《ざ・こもんず》を開設。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。
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◆馬渕睦夫『世界を操る支配者の正体』を読み解く

要旨

・ナポレオン戦争で巨大な富を築いたロスチャイルド。
ウィーン会議について、私たちは歴史教科書でオーストリアの宰相メッテルニヒや、フランスのタレイラン外相、英国のカースルリー外相の活躍を学んだ。
しかし、ここには最も重要な2人の人物が抜けている。
その一人はロシア皇帝アレクサンドル一世であり、もう一人は陰の主役ロスチャイルド家であった。

ロシアとユダヤ金融資本家の役割を抜きにしては、ウィーン会議の真相はわからない
ナポレオンをロシアから敗走せしめたロシア皇帝アレクサンドル一世は、戦後秩序の指導者を自任していた。
そこでキリスト教国による神聖同盟を提唱した。

・のちの歴史は、この神聖同盟は実効性のない空虚な理想に過ぎないことを示しているが、キリスト教国の団結を訴えた精神的効果は決して少なくなかった。

・ロスチャイルドはヨーロッパ諸国を自分たちの金融力を使って支配したかった。
なぜならナポレオン戦争というヨーロッパを疲弊させた戦争によって、巨大な富を蓄積したのがこれらの金融勢力だったからだ。
彼らは、各国政府に戦争資金を貸し付けて、巨額の儲けを懐にした

・プーチン大統領が日本の文化や哲学に高い関心を示しているのは、世界の普遍的価値とロシアの伝統的価値を有機的に統合する秘訣を、日本の経験から学びたいと思っている。

・プーチンがいま一番必要としていることは、天然資源輸出型のロシア経済の体質転換である。

・プーチンが新しいロシアの理念を強調する意味が隠されている。
彼は新しいロシアの理念に基づくロシア型近代工業国家の建設を至上命題としている。

・このような近代工業国家を建設して初めて、ロシアは安定した大国になることができるため、プーチンはロシアの伝統に合った近代工業国家建設への協力を日本に求めている。
ロシアが安定した大国になることは、我が国のみならず世界にとってメリットがある。

・世界の歴史を見れば、経済不況で滅んだ国はない
我が国が敗戦後の荒廃の中から奇跡的な経済復興を遂げることができたのは、国民の精神が滅んでいなかったからだ。

・栄華を極めたローマ帝国に見られたように、国民のモラルが崩壊した国は内部から自滅している
歴史認識問題は国家の存亡が直接かかる深刻な問題だ。

・我が国が2000年以上にわたって存続することができた最大の理由は、高い道義性の下に一つにまとまった国民が存在していたからだ。
今日、私たちがこの高い道義性を引き続き維持できるか否かは、歴史認識問題に関する外交の舵取りにかかっていると言っても過言ではない。

・外交はあくまでも長期的な視野に立って国益を冷徹に追求するべきであり、一時の妥協で切り抜けてよいものではない。そして外交を支えるのは結局のところ私たち国民の意識であることを、改めて認識する必要がある。

・私たち自身が古来受け継いできた道徳を取り戻すことは、日本という国を守ることにつながるのだ。

 

コメント

歴史というものは大事であると改めて感じた。
それを学ぶことは、いろいろな方面にメリットがある。
歴史は生涯学んでいきたい。

 

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【夏真っ盛り南半球】高城剛流、旅行・二重生活に使えるオーストラリアの住み方

デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ オーストラリア「ブリスベン」

高城未来研究所「Future Report」第178号(2014年11月14日号)

みなさんはオーストラリアにどういうイメージをお持ちだろうか?グレートバリアリーフやブルー・マウンテンズ、エアーズロックなど、雄大な自然のあふれる国、カンガルーやコアラ、エリマキトカゲなど固有の生態系を持つ国、オージー・ビーフや羊毛、小麦など農畜産業の盛んな国……。比較的身近な英語圏の国として、語学留学やワーキングホリデーに行った経験のある人、あるいはそういう知人を持つ人も多いのではないだろうか。もちろん旅行で訪れたことのある人も多いだろう。

オーストラリアの正式名称は、オーストラリア連邦(Commonwealth of Australia)。南半球のオセアニアに位置する、連邦立憲君主制国家である。日本と同様に周囲を海で囲まれているため、島国といえなくもないが、定義としては大陸になる。大陸と呼ばれるその面積はというと、ロシア、カナダ、中国、アメリカ、ブラジルに次いで世界6番目に大きく、日本のおよそ20倍に相当し、アラスカ州を除くアメリカの国土とほぼ同じ広さだ。オーストラリア全体の人口は、約2294万人(2013年3月、豪州統計局)。ちなみに東京都の人口は、1300万人超である。

オーストラリアは6つの州と特別地域に分類され、今回取り上げるブリスベン(Brisbane)は、クイーンズランド州(Queensland)の州都である。ブリスベンは、シドニー、メルボルンに次ぐオーストラリア第3の都市。余談だが、間違えがちなのが、オーストラリアの首都。人口わずか35万人ほどのキャンベラがそうなのだが、これはシドニーとメルボルンの首都争いに決着をつけるべく、両都市の間に作られた計画都市である。それはさておき、ブリスベンのあるクイーンズランド州は、大陸の東北部に位置しており、オーストラリアでは2番目に大きく、大陸の4分の1の面積を占めている。ブリスベンはそのクイーンズランド州の南東部にあり、人口165万人ほどの規模。街の中心をブリスベン川が流れていて、その両岸には、19世紀に建てられた歴史的建造物とモダンな高層ビルが混在し、街は活気にあふれている。有名なゴールドコーストは、ブリスベンの南東約70kmのところにある。

では早速、オーストラリアまたはブリスベンに行く前に押さえておきたいポイントをまとめていこう。

(1)日本からのアクセス

過去、日本からブリスベンへの直行便は多数運行していたが、2010年以降、現在に至るまで、残念ながらなくなっている。よって必然的に、いずれかの都市を経由して行くことになる。さまざまなルートが考えられるが、比較的便利なのは、ソウルや台北、香港、シンガポールなどを経由するルート。大韓航空のソウル~ブリスベンの所要時間は、9時間45分ほど。羽田から出発したとしてソウルまでの所要時間が約2時間30分。さらに乗り継ぎ時間も考えると、なかなかの長旅にはなってしまうが。日本からシドニーまで直行便を利用して、そこからブリスベンへ行く方法も考えられる。成田からシドニーまでの所要時間は、約9時間40分。シドニーからブリスベンへは飛行機だと1時間半ほどだが、バスや電車だと17時間前後かかってしまうようだ。観光客の多いゴールドコーストへは、LCCのジェットスターが直行便を運行していて、成田からゴールドコーストへ9時間ほどで行くことができる。ただしこれだと、ゴールドコースト空港からブリスベンまでのアクセスがよくないため、ブリスベンが最終目的の人には不向きなようだ。同じクイーンズランド州にはケアンズもあり、こちらもジェットスターが日本から直行便を運航しているが、ケアンズ~ブリスベン間の移動がやはり飛行機を利用しても2時間かかってしまう。

ブリスベン空港は、ブリスベン市内の北東約13kmのところにある、クイーンズランド州最大の国際空港。市内へは渋滞に引っかからずスムーズに行けば、車で約20分ほどの距離。空港は国際線、国内線のふたつのターミナルがあり、両ターミナル間をエアトレインが運行している。空港から市内への移動方法は、タクシー、電車、バスなど。タクシーだと所要時間20~30分で$35~40(約3,542~4,045円)、電車の場合は国際線、国内線それぞれのターミナルに駅があり、エアトレインが30分間隔で運行している。市内までは約20分で片道$13.5(約1,365円)。バスは市内まで片道$12(約1,213円)。

オーストラリアは3つのタイムゾーンがあり、ブリスベンやシドニー、メルボルンなどがある東海岸は、日本のプラス1時間。中央部は日本のプラス30分。西部は日本のマイナス1時間となっている。日本と時差がほとんどないことが、移動する際の利点といえるだろう。またサマータイムの実施は州によって異なり、東部ではブリスベンのあるクイーンズランド州のみ実施していない。よってその間は、シドニーやメルボルンなどとも時差が生じることになる。

(2)気候

ブリスベンは年間を通して温暖または高温で、亜熱帯気候に属する。南半球なので日本とは季節が逆で、12月から2月にかけて最も気温が上がり、最高気温の平均が30度前後になる。降水量が多いのもこの時期で、湿度が高くなる。冬は晴れの日が多くなり、平均気温は17度ほど。雨が少なく過ごしやすい季節といえる。季節を問わず忘れてはいけないのが、紫外線対策だ。オーストラリアは一説によると日本の5倍以上の紫外線量といわれており、日焼けによる皮膚がんの発生率は世界一となっている。よって紫外線対策は、日本のように美容のためというより、皮膚がん予防のための意味合いが強い。子どもへの指導は特に徹底しており、屋外へ出るときは、長袖シャツや帽子、サングラスの着用、日焼け止めを塗ることが奨励されている。日本では日焼け対策をしない男性が少なくないが、オーストラリアに行ったら必須であることを覚えておこう。

(3)言語

公用語は英語だが、独特のなまりとアクセントがあり、オージー英語(AusEnglish)というふうにいわれている。オージー英語は、植民地であったイギリス英語がベースとなっており、単語や綴りもアメリカ英語と異なるものが多い。イントネーションに関しては、イギリス英語やアメリカ英語の場合、質問の際に“上がる”のが基本だが、オージー英語は質問以外の文章でも上がることがあるのが特徴で、慣れないと質問ではない会話も、そう聞こえてしまうかもしれない。また移民の割合が高いため、家庭などではそれぞれの国の言葉を使う人も多い。先住民の言語もあるが、現在は消滅の危機に瀕している。

(4)人種

現在のオーストラリアには、過去2世紀ほどの間に、200もの国からやってきた移民とその子孫が暮らしている。推定居住人口のほぼ4人にひとりが外国生まれといわれており、長年移民を受け入れてきた歴史がある。そのため人種、言語、宗教は実に多様で、アメリカ、カナダとともに世界で最も再定住する移住者が多い上位3カ国となっている。

(5)通貨

通貨はオーストラリアドル。オーストラリア国内では単に「$」と表記されるが、米ドルなどと区別するために「A$」「AUD」と表記される場合もある。補助通貨はセントで、1ドル=100セント=約101.12円(2014年11月13日現在)。紙幣は$100、$50、$20、$10、$5の5種類。プラスチックシートに印刷された世界的にも珍しいポリマー紙幣で、破れたり劣化しにくいのが大きな特徴。水着のポケットにお金を入れたまま泳いでも大丈夫というスグレモノだ。金額ごとに色もはっきり違うので、非常にわかりやすい。コインは$2、$1、50セント、20セント、10セント、5セントの6種類。$2と$1は金色のコインで、ほかは銀色。スーパーなどでは、日本と同様「$1.98」というような細かい値段がつけられていることが多いが、オーストラリアには1セントコインが存在しないため、端数はあってないようなもの。5セント単位で端数処理されて、支払うことになる。

(6)治安

ブリスベンのあるクイーンズランド州は、一般的に治安がよいといわれている。ただしスリ、置き引き、車上荒らしなどの軽犯罪は、日本と比べると“よくあること”のようだが、自分の国ではないことを意識して、日頃から防犯意識を持っていれば、基本的には問題ないだろう。

(7)食文化

移民の多い国だけに、さまざまな国の料理を食べられるのは、うれしい点。ブリスベンには日本人も多く住んでいるので、日本食レストランやラーメン屋、居酒屋なども充実している。オーストラリア人にも日本食は人気のようだ。反対に、オーストラリアのローカルフードといわれても、あまりピンと来ないのではないだろうか。事実、移民による比較的新しい国だけに、伝統的なオーストラリア料理というのはないに等しく、しいてあげるなら、ミートパイやフィッシュアンドチップスのようなイギリス発祥の料理になる。最近は大都市を中心にモダン・オーストラリア料理と呼ばれるジャンルもあるようだが、こちらはさまざまな食文化をミックスしたフュージョン料理といえる。またオーストラリアでは、カンガルーの肉もスーパーで普通に売られている。豚肉などと比べると低脂肪なので、好んで買う人も意外と多いようだ。

次回は入国する際に必要な手続きや、ロングステイをするために必要なビザとその取得方法などについてレポートしよう。

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高城未来研究所「Future Report」第178号(2014年11月14日号)

著者/高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ!デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。
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【公共工事】「ダム撤去で新ビジネス誕生」米国ニュースから考える「処分・整理ビジネス」実践法

今日の発想源 作るも壊すもビジネス

ビジネス発想源 Special 第222号(2014年12月17日号)

今、世界の先進諸国では、ダムの撤去に動き出しているのだそうです。

そう、河川上流で水を溜めているあのダムです。

日本では30年も40年もダム建設の計画がまだ続いているケースが多いというのに、もう外国では撤去しようとしているのです。

例えば、ワシントン・ポストの記事よると、アメリカでは、2006年から2010年の5年間で241基のダムが撤去されたそうで、撤去数はそれ以前の5年間より40%増なんだとか。

大型ダムを建造するのは、例えば水力発電や水の安定供給の意味がありますが、時代が進んで発電や給水の技術も変わっていくから、ダムの需要と意義も昔とは変わっていきます。

そんなダムを撤去するというのは、単純に「元に戻る」というだけではありません。

ワシントンのエルワ川では、2年半の歳月と3億2500万ドルの費用をかけてダム撤去と河川再生の事業を行ったところ、その間に少なくとも760種類の仕事が生まれ、事業終了後もレクリエーションや旅行業など446種の通年的に継続する仕事が生み出されたそうです。

「せっかく作ったものを壊すなんて、もったいない」
という感情も多くの人に生まれてがちですが、実際にはそうやって、せっかくのものを壊すことでまた新たな価値が生まれていくものなのです。

ダム撤去ではまだまだ遅れている日本ですが、熊本県の球磨川にあった荒瀬ダムは、2010年の水利権の失効と更新手続きのタイミングで撤去工事が進められることが決まりました。

これが日本初の本格的なダム撤去事例で、環境的にどうなるのかが注目されているのですが、早くもダム撤去が途中でも効果は現れているらしく、例えば、ダムの土砂が海に流れて干潟が再生され、貝類の漁獲量が増えているんだそうです。

そうなると、また魅力ある物産が増えるわけで、産業がまた一つ盛り返すことになります。

20世紀が「無尽蔵に増やす」時代だったとすると、21世紀は「整理する」時代だと言えます。

壊したり元に戻したりするのは、無駄なことだったかというとそうではなく、一つの経験として未来に役立つことであり、次の発展への整理になるのです。

だから、新しい改革のために壊す時には、
「せっかく作ったのにもったいない」
「せっかく続いたものなのに」
なんていう未練を持たずに、
「それによって得られるものがたくさんある」
と意識するようにします。

そしてまた、そのような意識を持てる人は、たくさん増えてしまったものに対して、
「もうこの分野は飽和状態で、勝てない……」
と悲観するのではなく、
もうこの分野は飽和状態だから、これから整理・処分していく案件が増えて、めちゃくちゃビジネスチャンスじゃないか!

と思えるようになります。

たくさん増えてしまったものを整理・処分する新しいビジネスが生まれることが分かるのです。

コンビニやカフェが増えていった時代に、
「あれがどんどん撤退するとしたらどうするか」
と考えられた人間が、閉店後のコンビニ物件をどんどん確保していって別の業態の展開を加速させていきました。

整理する、壊すという発想が、これからの時代にどんどん新たなビジネスチャンスを生むのです。

2015年には、そんな新たなビジネスチャンスが皆さんの周りにも見つかるのではないでしょうか?

【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)————

・自分の仕事に関係することで「増えすぎたもの」「もう頭打ちのもの」にはどのようなものがあるか。思いつく限りノートに列挙する。
・その多すぎるものを「処分する」「整理する」というビジネスが生まれるとしたらどのようなビジネスモデルになるか。簡単にノートにまとめる。

 

ビジネス発想源 Special第222号(2014年12月17日号)

著者/弘中 勝
読者数10万人のメールマガジン『ビジネス発想源』の著者。全国の企業にマーケティングを指導している。研修・講演等実績多数。著書に『会社の絞め殺し学』(祥伝社)、『アイデアひらめくビジネス発想源』(技術評論社)、『顧客と語らえ!』(現代書林)など。
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